私は呼吸法を伴う座禅(静功)を行っていた時、何かを期待したわけではなく、ただ只管座禅を行っていました。 真っ暗闇の中で、静かに吐く息を出来るだけ長く吐くことだけに、意識を集中していました。
吐く息を出来るだけ長く、無理をせず吐こうとすると、自然と息は体の中へ吐いていたのです。
体を動かさずに静寂さの中では、身体への微妙な変化が、とてもよく分かります。 吐く息を体の中へ吐きますと、体の中の気の通る道―経絡を刺激しますので、骨と皮が近接している部位で、感じさせるものがあります。
経絡が皮膚のすぐ裏側に流れているためなのですが、頭部や背中の背骨部分で、身体への微妙な変化が、現れてきます。
体の中へ吐く息は、体の中には貯まることはなく、殆どが鍼とか灸のツボ8経穴)から出て行きます。 この呼吸は逆腹式呼吸というのですが、この呼吸法が自己免疫力を高める理由が、ここにあるのです。
経穴から息(気)が出ていくときに、経絡の気の通りを調節する働きをすることが、結果的に自己免疫力を高めることにつながるのです。 体のどこかが具合が悪くなると、その部位に関係するツボ(経穴)の気の通りが悪くなることが、紀元前の中国の皇帝が、人体実験をして確認されているのです。
逆複式呼吸を継続的に続けることによって、経穴の気の通りもよくなり、病気になりにくい、病気になっても軽くてすむ体質になっていくのです。 座禅を通して、そんなことも感得出来て来るはずです。