「ヘルパーが4000万円詐欺」「認知症の女性から」「準詐欺容疑で盛岡東署が逮捕」「家政婦として個人契約、行動共にし信頼を得る」・・10月7日地元紙夕刊より。「1億円超引き出しか」「元ヘルパー準詐欺事件・預金通帳など押収」「信用低下を懸念・・福祉関係者」「A子容疑者は日常派手な生活・数十万円の服、高級料理店」「銀行はチェックできないのか!・・被害者家族、不信感」・・10月8日地元紙朝刊より。

地元紙によると、岩手県盛岡市在住の元ホームヘルパーA子が、アルツハイマー型認知症の高齢女性(故人)に2002年8月頃から担当者として派遣されるようになった。同年2月に夫と死別してから症状が悪化した。2002年11月頃からは個人契約の家政婦として訪問するようになった。高齢女性は一人暮らしで、週3回の透析が必要な要介護度2の身障者だった。通院、外出、家事、排泄などのお世話をしているうちに親密な関係となった。高齢女性の(2005年5月に死亡、当時84歳)名義の預金口座から4000万円を引き出しA子名義の口座に振り込ませていた。更に複数の口座から少なくとも6000万円引き出されていることが分った。引き出す際には、A子を金融機関に同行させていたらしい。警察の取調べにあいまいな供述もあり更に追及して、引き出した現金の使途、金の流れの解明を急ぐ。とされている

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昨今、岩手県内においても、高齢者や障害者を巻き込んだ権利侵害や経済的虐待が連発しています。身体的な虐待もあります。こうした事態が起こらないように第三者評価、チェック機能の強化、研修・研鑽などするわけですが、それでも起きてしまいます。起きてからも反省・総括して情報公開してもらいたのですが、内部反省で終始している傾向があり、「あれ!あの事件はどうなったの?」「どう解決したのかな?」で流れてしまいます。トップの方が責任を明確にされないので、せっかくの反省や改善策も生かされないような気がします。

今回の事件も、警察捜査の解明と平行して、①民間介護支援会社から個人契約に至る経過②ホームヘルパーの資質や倫理③ヘルパー養成の問題点はないか④銀行・金融機関のチェック体制の問題⑤介護認定しても介護保険を利用しない方への対応、アプローチはどうするのか⑥盛岡市の対応策は!⑦岩手県の対応策は!⑧法務局や家庭裁判所は!⑨福祉関係者、関係団体は!等など際限なく、今後のことも考え、再発防止を考えると、それぞれに意見・提言をいただき、対応策や解決策の指針をいただきたい気がします。2000年4月からの介護保険制度のスタートと成年後見制度の改正を境にして、「福祉全般が改革された」にもかかわらず、「改革されてすすむもの」と「旧態依然として変わらないもの」が、入り組んで、そのすき間を利用した悪質な事件だと思います。今後、発生しないように真摯に取り組むべきだと思います。

私は、「成年後見の窓口」が広がり、誰でも気軽に相談や利用ができるよう願っています。実際は複雑なのですが、制度の理念と実務を伝えることで自己決定や個人の尊重を考えていきたい思います

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