Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

呉屋すごい(7節仙台戦)

2022-04-01 00:04:21 | マッチレポート22’
タイトルを「呉屋すごい」か「すごい呉屋」にするかで迷いに迷った結果、濁音から始めた方が決まると思ったので「呉屋すごい」にした。語彙が豊富すぎるとこういう時に逆につらいよね。








いきなりサッカーと関係のない写真からで大変恐縮ですが、昨日は久々に「遠征ってやっぱ楽しいなー」ということを実感したので酒と飯の写真から入っちゃいました。東京からだとパッと行けちゃう仙台。泊まりで遠征行ったのもしかすると初めてかもしれないな。年をとったからなのか、東北の魚がうますぎるのか、多分どちらもだと思うけど滅多に飲まない日本酒を自分から注文しちゃうというね。で、めちゃくちゃうまいというね。酒も魚もホントうまかったなー。





ということで本題に入ります。年度末、平日、新幹線不通という三大障壁を乗り越えてユアスタに集まった大分サポーターは100人は超えているように見えた。自分も年度末に半休取るのはちょっと気が引けたけど、今シーズンはあっという間に終ってしまうから水曜日が定休日の職場にいる今、この試合を逃さない手はなかった。結果的に素晴らしい試合を見ることが出来た。





まずは対戦相手の仙台。ここまでの仙台の試合を観ていて感じたことは2つ。「遠藤康のチームであること」と「GKが不安定」だということ。もう梁勇基のチームではなく、完全に遠藤康のチーム。水戸戦や山形戦は遠藤の力で勝ち点1を3に押し上げていて加入からわずか数試合で絶大な存在感を放っている。ただ逆に言うと我々より上の順位にいるわけだけど、そのチーム力で出せる最大限の勝ち点が今の勝ち点だと思うので、この先もプレーオフ圏に入れるかどうかくらいの順位をフラフラするんじゃないかなと思っている。あとはここまでの6試合で先発してきたGKの杉本大地が非常に不安定だったので、前節町田に完敗したタイミングで先発GKを入れ替えてきたのは納得だった。ただ皮肉なことにこの試合の勝敗を決定付けたネットのFKに至る一連の流れで杉本だったら「伊佐は蹴らない」という判断が出来たかもしれないから勝負の綾が何なのかは本当に分かんないもんだよね。

あとは前節町田戦で負傷した中山仁斗が不在だったのは我々からすれば本当にラッキーだった、個人的なこれまでの認識だと中山も皆川も赤崎も富樫敬真もみんな同じくらいの恐さのアタッカーという印象だったけど、今シーズンちゃんとJ2を見ていると中山仁斗の点を取る感覚の鋭さに驚かされた。水戸2シーズンで25ゴールというのは後から知ったわけだけど本当に納得。ただ不在選手の影響度合いで言えば我々も同じ、いやもっと大事な選手がいなかったわけでラッキーラッキー言うのもちょっと違うかなとは思う。

ただアウェイながらもコンディション面で有利だったのは我々なのでこの勝利が今後の何かを担保してくれるものではなく、ひとまずこの試合に勝てたことだけを喜ぶくらいのスタンスがちょうどいいのかなと思う。この週末ルヴァンカップ→週中リーグ戦の流れは4月の下旬にももう一回あるので、下平監督が水戸戦のような失態を繰り返さなければ勝ち点3を積める可能性の高い試合がまたやってくる。ルヴァンカップ参戦も悪いことばかりじゃない。


細かいニュアンスは違うんだろうけど4-4-2をベースにサリーダでビルドアップするというところまで全く同じだった仙台と大分。ボール回しの中で比較的早めに結論のパスを出してた仙台とじっくりことこと煮込んだ大分。コンディション面でジワジワと相手を走らせておきたかったからこのやり方は良かったと思う。仙台の結論が早かったのも周りから寸断された状態のSBにボールを追い込めていたというのもあったと思う。前にも少し書いたけどシーズン前に抱いていた下平監督が目指すサッカーから離れていけばいくほど勝ち点が積み上がっていくような気がしないでもないけど、まあ監督もチームもまだ最適解を目指して暗中模索といったところなんでしょう。


全試合得点全試合失点継続中。失点は仕方のない範囲かなとは思うけど、相手の布陣変更に対応しきる前の時間帯に決められてしまったというのがやはり少し引っかかる。これは前シーズンからの継続課題だと思うけど、相手の変化にいち早く気付いて対応策を全員で共有するという作業がこのチームはとても弱いと思う。全試合得点と全試合失点のどちらが先に止まるかは実はめちゃくちゃ大事なポイントだと思っている。それこそ今シーズンの先行きを占うくらいに。ということで「全試合得点が先に止まる」に100万ジンバブエドルをBET。





この試合は呉屋を見ることが試合前からの最大のテーマだった。水戸戦、山口戦、鹿島戦とどれも現地で見られていないんだけど、リアルストライカー感満載のゴールを連発していて、いよいよ調子の上がってきた呉屋を見るのが本当に楽しみだった。さらに前節はゴールはないものの労を惜しまないディフェンスも見せてFWとしての総合力の高さを存分に見せつけている。これまでも感じることがあったけど、改めて意識しながら見ても試合前のシュート練習での呉屋のシュートは迫力が違う。そしてその期待に応えるように目の前で「これぞまさにストライカー!」という気持ちの良いゴールを見せてくれた。「利き足は右」という相手がインプットしていたであろう情報をあざ笑うかのような鋭い切り返しと、鹿島戦あたりから「本当の利き足は左なんじゃないか」と思ってしまうくらいに逆足のシュートが正確だ。

成豪の先制ゴールもそうだったようにこの試合では長沢へのロングボールを呉屋に落としたところからチャンスに繋がるシーンが多くあった。琉球戦の2点目に伊佐と見せた連携も素晴らしかったように呉屋はパートナーとの活かし合いもうまいように思う。期待して見に行って期待に応えてくれる。こういうのがプロフェッショナルだなと思う。呉屋への期待値はまだまだ上がっていくけど、それでも応え続けてくれるような気がしている。


話は戻って成豪。成豪にボールが渡ったシーンで「成豪、自分で!」とマスクの中で口走っていた時にはもうボールはゴールネットに突き刺さっていた。アタッカー陣の層が厚い中で下平監督が成豪を信用して使い続けるのが分かるような気がする今のキレっぷり。あれだけ完膚なきまでキレイに対面のディフェンダーを抜ききったら気持ち良いだろうし、シュートも本当に見事。学生時代に血を流すまで喧嘩をしていたという成豪と呉屋が大人になってもまだ「オレの逆足シュートの方がすげーんだよ!」とシュートで張り合ってるみたいで本当に面白い。



「敗北を知りたい」。今のチームで伊東幸敏だけが発せる言葉。まだピンと来るプレーは見つけきれていないんだけど、この結果の出方に伊東の貢献度合いは少なからずあるだろうからもう少しじっくりと注目したい。集合写真撮影後、自分のポジションに散っていく前にサポーターに向かって深々とお辞儀をしたんだけど、あれ見て好感度が爆上がりした。





ここに写っている全員が「いや、お前蹴らんやろ」ていう顔をしている。


もはや今村さんさえも「いや、お前蹴らんやろ」ていう顔しているように見えてくる。



ナイス躍動感!




正直に言って「ここでネット使うか...」と思った。セレッソ戦だけではまだ全幅の信頼を置くという感じにはなれなかったから、1点差に迫られた嫌な時間帯で使うのは恐い部分もあった。ただまさかまさかの直接FKをぶち込んでしまうとは。だって起用した張本人である下平監督自身が「予想外」て言ってるくらいだもんね。トリテン読むと賢そうな雰囲気が伝わってくるし、こんなとんでもない飛び道具だけじゃなくて一番期待したい組み立ての部分でもすぐに馴染んでくれそうな期待感は持てる。そもそも北斗と小林裕とのレギュラー争いに勝てなきゃ試合に出られないという意識を持ってることにさらに期待値が上がる。







フクと三竿。2019シーズンの春にフクが移籍していなければ大分の左CBはどうなっていたのかというのは今の大分における三竿の大黒柱っぷりを見るにつけ思い返すことがあるよね。三竿が左CBに入るようになってからビルドアップに違和感がなくなったのは間違いない。それと香川の好調さも三竿を左SBから外しても大丈夫だという下平監督の決断を助けてると思う。



呉屋の試合前ルーティンのこれ。大分FCは一番深い角度の呉屋を撮ったサポーターに呉屋のサイン入りグッズがもらえるコンテストみたいなのやってください。





初めて見たけど微妙だな...



今日突然発表された赤崎の退団。確かに昨日なかなか出てこないなとは思ったんだよ。中山の離脱がどれくらい続くかは分からないけど、FW陣は大丈夫なのかな。



22歳になりましたと言いたかったらしい。



全然呼吸が合わない高木とネットと岡山コーチ。呼吸がバラバラじゃねえか。



ユアスタはサブメンバーが目の前でアップしているのが地味に好きです。日本平もそうだけどアウェイサポーターが2階だから遠い。



このリーグ戦2連戦に個人的に設定した目標勝ち点4のうち3つ獲得した。強がりでも後付けでもなく仙台には勝つと思っていた、というよりも勝てなければ今シーズン終了くらいの心持ち。だから本当の山場はヴェルディ戦で勝ち点を取れるか。今度はコンディション面でのアドバンテージはない。むしろアウェイ→アウェイだけに我々が厳しい番だ。開幕戦から好調を維持しているヴェルディ。山本理仁を代表で抜かれても無敗を継続しているのは立派。直近2試合はこれから観るけど、とにかくハイプレッシングが継続するのが一番に目を引き、攻撃に移ると今度は相手がどれだけ猛烈にプレッシングしてきても死んでも繋ぎ倒すという強い信念の見えるサッカー。FW陣を中心にメンバー構成としてはやや見劣りするものの率いているのは日本人としてはたったの2人しかいないACL優勝監督である堀孝史。シーズンスタートから率いるのは今シーズンからでこれくらいやっても不思議ではない。とにかくいまJ2で一番好感度の高いサッカーをやっているのはヴェルディ。保土ヶ谷、町田、稲城という東京神奈川の山間部近隣3クラブが抜け出しかけているJ2。ここであっさり負けるようなら自動昇格は厳しい。大事な試合。
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