Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

ウノゼロ3連勝(35節仙台戦)

2022-09-11 22:53:42 | マッチレポート22’
ウノゼロ3連勝というタイトルを書いていてふと「こんなタイトルいつだったかに書いてたな」と思ってたら、シャムスカ大分が最も強かった08年シーズンの8月に新潟アウェイ、大宮ホーム、京都ホームでやってたね。ゴールはそれぞれモリシ、モリゲ、モリシと、本当に懐かしい。あの頃はウノゼロの展開に持ち込むことが必勝パターンだったわけだけど、今はそうではなく勝った結果がウノゼロという感じかな。それでもあれだけ不安定で簡単に失点していたチームがここまで安定するとは予想外なわけだけど、北斗のトリテンコメントを読む限りバランスを取れるようになってきたというのが一番大きな要因なんじゃないかなと思う。下平監督のチームビルディングのまずさにもっと文句を言いたいところだけど、まあいまは勝っているしこれ以上はやめときましょう。


まず最初に、井上健太さん「ロマン枠」からのご卒業おめでとうございます!!あふれ出すほどのポテンシャルへの期待感とそれをチームへの貢献に結びつけられないもどかしさが常に我々の心の中でせめぎ合っていたわけだけど、もうこの試合をもってあなたに「ロマン」というワードを使うのは失礼だなと率直に思いました。アシストのクロスはもちろん、23分、31分、46分と高精度のクロスを連発。もうちょっと前から健太が相当クロス練習をしているんだろうなというのは徐々に上がっていくクロスの質から分かってはいたけど、もはやあのクロスは我々にとって「ロマン」ではなく「武器」。先輩たちのコメントでもたくさん触れられているように、一緒にピッチに立っている選手たちも同じように感じているんだろうなと。ここから駆け上がるのは名クロッサーへの道。直近の大分トリニータでクロスが一番うまいなと感じていたのは山岸智。いまの健太の成長曲線ならその領域まで本気でいけると思う。


サムエル・司⇄呉屋・夢生のダブルチェンジまでは中盤がフレキシブルすぎて3-1-4-2みたいに数字だけで立ち位置を表現するのは難しいと感じたくらい。試合を観ている時は司、也真人、将輝を自由にやらせる分、北斗はアンカーに固定させているのかなと思ったけど、北斗のコメントを読むと北斗自身が自重したみたいだね。北斗の自重だけでバランスが保たれたとは思わないけど、やっぱり安い失点を繰り返していた時はバランスが悪かったんだろうなと推測出来る。シーズン序盤のチームコンセプトはそれでもいいから殴り勝つだったけど、、、と今日はやめとこうと言ったはずなのにまた下平監督への文句になってしまった。交代後は北斗を含めた中盤の3枚を固定気味にして最前線を2枚にした。そこからボール保持という観点では少し仙台に譲り始めたけど、よりシビアにゴールに迫れていたのは交代後だった。これを呉屋が話していたようにサムエルのパワーやボールを動かしたことによる相手の疲労と捉えるか、それともより有効な立ち位置だったのかは分からないけど、交代策が的確だったことは確か。この辺も含めてスコア以上の完勝だったと言っていいと思う。


キャリアピークを思わせる好パフォーマンスを継続する三竿さん。右CB坂のクロスに頭で飛び込んでいける三竿さんも好きだし、セットプレーからの帰陣で相手ボールをクリーンにかっさらう三竿さんも好きだけど、何よりも三竿さんが一番素晴らしいと思うのは左WBに誰が入ろうが好パフォーマンスを引き出せることだ。藤本、朝陽、奎汰と直近は特によく変わっているけど、本当に誰が出てきても良いプレーが出来る。推測にすぎないけど、これは三竿さんの存在があってのものだと勝手に思っている。藤本のケガも、もしかすると朝陽のケガも本当であればチームにとって痛手なわけだけど、次に出てくる選手も同レベルのパフォーマンスを見せてくれるのはチームにとって本当に大きい。




「大分・呉屋に決められて敗れた仙台は5連敗を喫した。勝ち点55のまま5位に後退した。」宮城県の地元紙である河北新報のこの試合に関する記事の序文。ちょっとつけ加えたけど、それにしても「ご」がすごい、「ご」が。こじつけたら多分もっといくらでも「ご」でいけそう。

残り8試合というタイミングで監督交代に踏み切った仙台。対戦相手の我々からすればやはり恐いのは監督交代という劇薬をぶち込まれた選手たちの目の色が変わること。監督就任からわずか数日で戦術的なことを落とし込めるわけはなく、もっと運動量であったり球際だったりというところで激変してくるのが恐かったわけだけど、この試合の仙台の選手からはそういうったところは微塵も感じられず、もう前半のうちから新しい監督のチームとやっているという感覚は全くなかった。多分伊藤監督もそこの部分は求めていなかったんじゃないかと思うし、仙台はクラブとしてもう昇格は正直厳しいという評価で来シーズン含みでの伊藤監督就任なんじゃないかなと思う。


しかし素晴らしかった小畑裕馬。前半は大分のシュート精度にも少し問題があったと思うけど、決まっていればほぼ試合終了だった夢生との1on1を止めたのは本当に素晴らしかった。昨シーズンオフにスウォヴィクが流出してピンチだったはずの仙台GK陣だったけど、素晴らしい若い力が育っているね。




ちなみに後半開始早々にドフリーのヘッダーを真っ正面に打ち込んでしまった弓場将輝ですが、3年前のクラ選で小畑裕馬と対戦経験があります。この試合は現地で観ているんだけど、正直に申し上げて小畑裕馬の印象は残っておらず当然写真も残っていない。改めてクラ選って原石がゴロゴロ転がっている素晴らしい大会なんだよなと。それと当時は気付かなかったけど、この試合大分U-18に控えのGKがいない。なかなか珍しい。


それとCBで先発フル出場した佐藤瑶大。シーズン途中にガンバから移籍してきたわけだけど、今シーズン彼と大分トリニータは何と4度目の対戦。

①3月2日ルヴァンカップGS第2節 先発フル出場

②4月13日ルヴァンカップGS第4節 先発フル出場

③6月22日天皇杯3回戦 先発フル出場

④9月10日J2リーグ戦第35節 先発フル出場


サムエルとマッチアップする佐藤瑶大。J1、ルヴァン、天皇杯ならいくらでもありそうだけど、J2、ルヴァン、天皇杯で1シーズンにこれだけ集中して1人の選手と対戦した例ってそうそうないんじゃないかな。これでもしプレーオフでも対戦するなんてことがあればまず間違いなく史上初だよね。全部でフル出場している佐藤瑶大も立派。明治大卒のディフェンダーとは何かと縁のある大分。数年後に青いユニフォームを着ているなんてことがないとも言い切れない。しかしこうやって見ると春頃のサムエルってやっぱり太ってるな。


第35節にして今シーズン初の3連勝。まだ気温も高くシーズンが深まっている感覚はないんだけど、本来のシーズンであればもう10月中頃くらいの進行具合なわけで、そこで初めて3連勝しているようなチームが果たして昇格に向けて間に合ったのかどうか。内容も伴っているだけにこの連勝は本物だと思うけど、これからより色々な思惑が絡んで難しくなっていく中で果たして間に合ったのだろうか。うっかりまた下平監督のことで記事を締めそうになって慌てて消した。
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