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ドイツ語の俳人たち:Sabine Balzer(12)

■旧暦8月12日、土曜日、蒸し暑くて参る。

午前中、雑用、午後は、家人に付き添って病院の検査。待ち時間にバルツァーを翻訳する。今日は、夕方からI先生の講座があるんだが、仕事が遅れているためやむなく断念。




der Blick verliert sich
nicht die Spur eines Weges
Schnee-flächendeckend



見失ったのは
道行ではない
雪 一面の


■詩的で優れた作品だと思う。雪のありようが説明抜きで一挙に眼前に浮かんでくる。雪の前の「切れ」が効果的。

Ich denke, dieses ist eines poetische und vorzügliche Werk. Der Schnee steht mir vor Augen im eiem Zug ohne die Erklärung. "Kire"(das Schneidende oder die Pause) vor "Schnee" funktioniert wirksam.

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琉球と沖縄:沖縄の文学(6)

琉球舞踊は、衣装がカラフルだが、動きは、能によく似ている。五穀豊穣を祈願する舞(写真)が中でも印象に残った。この舞は、宮廷で行われたもののようで、首里城の一画で、毎日上演されている。踊りということでは、島唄の演奏に合わせて踊ることも多いようだ。このとき、男女の踊りのスタイルは若干異なる。男は握りこぶしの両腕を上に上げて、足でリズムを取りながら、両手をゆっくり左右に動かすのだが、女性の場合は、握りこぶしではなく、手を開いて行う。




蛍火や首里王城は滅びたる
白南風の崖吹き上ぐる万座毛
炎帝の入りて孕みし墓の腹
釜出しの地熱を奪ふ白雨かな
夕月夜乙女(みやらび)の歯の波寄する


沢木欣一(1919-2001)富山県生まれ。沖縄の名所、行事、風物などを詠った句集『沖縄吟遊集』を発刊し、県外の人による沖縄詠俳句の先駆的役割を果たした。俳句は、即物、即興、対話の三要素の連繋する接点にあると論じ、日本人の失われた故郷の回復を志向した。俳誌『風』主宰。

■『沖縄吟遊集』は、旅の前に読んだが、今ひとつ、心に入ってこなかった。今回、沖縄を旅して、もう一度、読んでみると、詠まれた対象が具体的にイメージできる。漢字が多くて、全体に硬い感じを受けるが、沖縄県外の人間が沖縄を詠むときの一つのモデルになるような気がする。
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