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オール人力狙撃システム試作機

安全神話の崩壊する時(追記後)

2005年04月27日 10時40分36秒 | 社会全般
尼崎脱線事故は、現在死者91名という大惨事となっています。信頼性が高いと考えられていた、日本の鉄道における安全神話が完全に崩壊したかもしれません。今までに死傷事故はあったものの、ここまで多数の死者を出すことがなかったし、運行ダイヤはかなり正確に守られてきたこともあり、諸外国と比べても高い信頼性を誇ってきた。しかし、そのことが今回の事故の遠因となったのかもしれない。


今回の事故原因については、調査段階であるのでまだ正確には判らないが、一般に多くの事故では複合原因によって一つの重大事故となると考えられている。報道では(Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 時速100キロ超でカーブに…尼崎脱線事故)、脱線時には100kmを超える速度であったらしい。これも一つの要素なのだろうか?

よく判らないが、カーブに120km程度で進入し、カーブ途中で急ブレーキをかけると車輪はロックするのだろうか?非常ブレーキではなくともロックするだろうか?ロックした車輪は脱線し易いのだろうか(ロックした車輪は転がる車輪に比べて、外れ易いようにも思うが…)?線路にまかれる潤滑油は車輪の滑りやすさに影響するだろうか?連結された後続車両の制動加重は、先頭車両にどのような力学的影響を与えるのだろうか?専門家がよく調べないと、原因を突き止められないことは確かです。


今日の読売新聞には、過去の4例の脱線事故が出ていた。理論値以下の速度でも、脱線事故に繋がる可能性がある、ということのようだ。また、こうした脱線現象は複雑なメカニズムで、原因特定が困難なことも多いということが書かれていた。こうした過去の教訓が事故防止策に十分反映されてきたか、という点では、疑問があるかもしれない。それとも事故の少なさが、防止策の向上にそれほど影響してこなかったのだろうか。


事故が少なければ、安全対策への慢心や気の緩みが起こってしまうことも有り得るかもしれない。事故やミスというのは、ある程度共通する要素があると思うし、それに対しては継続的な教育というのが有効かつ必須であろう。行政側の施策における不十分な点は、こうした運行管理や運転実務に携わる人への教育の義務付けがなされていないことなのではなかろうか(実際に行われていないと思いますが…、正確ではないかもしれません)。

参考記事:(ミスに言及した記事です)
医療制度改革2
行政の闇は深い


人為的ミスを完全に防ぐことは難しいだろうが、それを防ぐ為に科学技術等による別な対策を講じる訳で、そうした体制が作られていないことに問題がある。このことはJR西日本の管理責任を問われる可能性がある。また、運転士育成のシステムとかマニュアル等においても、シミュレーターを操作することと現実の列車を運転することに、どういった違いがあり何に気をつけるべきか、ベテランの経験などから知識の集積を行い、訓練に活かすなどの必要性もあると思う。机上の理論とか安定的状態での理屈は当然知っておく必要があるが、人間の育成には、現実的問題とか困難に直面した時にどのように対処するべきか、ということを教える必要がある。それを知っていればパニックに陥ることは減らせるかもしれないが、知らなければ「ミスを隠そう」「小ミスを取り戻そう」として更なる重大ミスに繋がることも有り得ると思うのです。正しい「リカバリー方法を知っている」ことは、心の余裕(慢心とは違う、ある種の自信というか確信)を生みますし、それがあることでミスの次に正しい判断ができると思います。日常の仕事現場でもそうなのではないかと思いますし、航空機や医療などの事故やミスでも、きっと同じような面があるのではないかと思います(これもそういった事故に関する専門家が正しい答えを知っているでしょうから、そうした人の意見を尊重して下さいね)。


亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた方の回復を祈念いたします。


追記:19時半ころ
素人の私が事故原因について、勝手な推測を書いてしまうことで、予断を与えることになってしまうでしょうか。良くないことのような気もします。専門家の正確な原因調査が最も大切ですので、そうした結果を待つべきです。

先頭車両はカーブの接線方向へ割と直線的に進んでいるように見え、これは先頭車両の最前方車輪がまず脱線した可能性が高いと考えられるのですが・・・

もしも、報道にあるような速度で進入すると、左側車輪に非常に大きな荷重がかかっていて(右側車輪は脱線には殆ど抵抗にはならないですよね?)、車体は大きく左に沈み込みますが、続いて急ブレーキをかけると、1両目前方に大きな荷重となって、さらに一度沈み込んだ後、減速によって左側前部車輪に最大荷重となり、車輪が回転を続けていたら「せり上がり脱線」する可能性がありますか?

または、非常ブレーキ作動で(これは本当かどうかわかりません)車輪がロックしていたら、急減速の沈み込みの後、後続車両と先頭車両のねじれが戻ろうとするのと車体の沈み込みの戻りが起こり、一瞬右側車輪への荷重へと移りますか?この時に左側車輪が線路より浮き上がる可能性はあるでしょうか?


更に追記:23時半頃

先ほど「報道ステーション」を観たのですが、そこに登場していた鉄道専門家は、「脱線後、割と直ぐに横転したのではないか」という見方を話していたが、本当にそうだろうか?後続車両(4~7両目)が横転せずに進んでいることから、むしろ接線方向に先頭車両が脱線後(脱線開始位置は今の7両目のさらに後方なのではないか?)すぐ横転せずに直進し続け、マンション直前で完全に横転して激突し、2両目は先頭に引きずられたままマンションに到達し、3両目が後方から押してきていたのでジャックナイフ状に曲がって柱に激突、後部側がマンションに巻きつくように折れたのではないか?3両目は2両目を押し続けて激突したが、4両目あたりでは衝撃が弱まったことと線路からの距離がそれ程離れておらず、横転は避けられたのではないか?4両目は3両目との連結が壊れ後方車両に押されてさらに前方に進み続け3両目の側面に弾かれて前部が右側へ振られたのかな?(テレビでザーッと見た映像の記憶を元に考えているので、4両目の位置とか不正確かもしれません)