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雇用者報酬が増加しない限り、日本経済の再生はない

2016年11月22日 11時14分34秒 | 経済関連
日銀があれこれと手を尽くしてきたものの、その効果は十分とは言えない。かつて、白川日銀総裁が指摘していた通りに「金融政策は万能ではない」ということである。
そうではあっても、日銀が出来ることは、金利調節と通貨供給量のコントロールであるので、これに全力で取り組む以外にはない。国債買入継続は、その一部である。


強固なデフレが定着してしまったのは、多くの国民の負担ばかりが増えて所得が減ったから、というようなことである。
これは、05年時点で既に述べていた通りである。


97年が一大「転換点」だったのだ。

05年6月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/86e3f2eebab0ac82859e869f5addb51d


雇用者報酬が98年以降には、下がってしまったのが悪かったのだということも、ずっと以前から書いてきた。
09年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/5efb0880e5dbaf7018175d129fffb11b


安倍再登板の時にも、アベノミクスとやらが失敗に至るであろうことは、13年初頭より指摘していた。株高と円安で、安倍称賛に沸き立っていた時期であったろう?

13年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/210998cac3fd3cdddb949bf7aeb96088


この時にも、再三警告した。
で、今はデフレに舞い戻る一歩手前に沈んでいるわけだ。


雇用者報酬の推移はどうであったか、近年のデータも増えたので、ざっと振り返ってみよう。

1994年  264兆2643億円
1997年  287兆2334億円
2000年  268兆9245億円
2002年  259兆5474億円
2004年  252兆4270億円
2007年  254兆7202億円
2009年  243兆1723億円

2012年  245兆8103億円
2013年  247兆4211億円
2014年  251兆4256億円
2015年  255兆9512億円 (推計)


2015年の推計額は、GDP統計の雇用者報酬伸び率より計算してみた。
>http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2016/qe163/pdf/gaiyou1631.pdf


まず、バブル崩壊後と言われた97年がピークをつけていた。皆が思うように、バブル崩壊で日本経済が本格的破綻危機になったのではない。
94年から97年を見れば分かるように、23兆円も順調に伸びていた。

企業収益が破綻に追い込まれるほどなら、そんな伸び率を残せると思うか?しかも、95年には阪神淡路大震災とオウムのサリン事件があった苦しい年でもあったんだ。それを乗り越えての、数字が97年のものだ。

2000年の数字は金融危機後だったし大型倒産などもあったので、大きく下げてしまった。しかし、真に「強固なデフレ」を招いたのは、その後の落ち込みだ。これは日本経済の体質が、以前とは「まるで別」という水準にまで変革されてしまったせいだ。
株主への還元、これなんだよ。企業利益の為に、労働者が犠牲になったんだ。

03年~07年の史上最長の好景気、と呼ばれた期間でさえ、02年の水準を下回る程度でしかなかった、ということだ。安い賃金で、便利に使い潰された労働力でもって、企業は搾取を続けたんだ。株主への配当金と称して、企業収益の形で、労働者から収奪したんだ。

06年、07年とリーマンショック前夜というのは、輸出企業が好調だったでしょう?世界経済も絶好調で、バブル懸念だと日銀が引き締めに転換するほどだったわけで。
正規雇用者数も増加に転じており、政府のプライマリーバランスもゼロへと近づいた程に好転していた。成長率だって、今よりもずっと高かったでしょう?

しかし、その分け前というのは、日本国外の大金持ちの懐へと流し込まれて言っただけに過ぎない。日本の労働者たちの賃金は増えることなく、安くこき使われたということなんだよ。

就職の超氷河期と呼ばれた02年よりも、ずっと低い水準だったのが07年だった。そして、リーマンショックで更なる悲劇が待っていた。

90年代のバブル崩壊よりも、ITバブル崩壊よりも、日本の金融危機と呼ばれた時期よりも、もっともっと大きな打撃を受けたんだ。243兆円台まで落ち込んだ。


どうしてこうなったか?
それは、日本の経済環境の体質が、米欧式に無理矢理変更されており、労働者の収入を支える環境というものが、20世紀の頃と変わっていたからだ。
故に、日本には関係のない米欧の住宅バブル崩壊と毒債券なのに、震源地の米国よりも大きなショックを受けることになった。日本の基礎体力は、銀行イジメや監査法人叩きを乗り切ってくるのが精一杯で、大企業から一般庶民の果てまで、余力を殆ど使い切ってしまっていたんだ。

ただ、震源地ではなかったことと、日本の金融機関やキャッシュリッチな企業とか無借金経営企業が90年代よりもずっと多かった為に、企業倒産ラッシュのような事態は避けられた。しかし、賃金の大幅な切り下げとか、非正規雇用を中心とした労働力調整は起こってしまったわけだ。

輸出企業頼み、という、体質変更が大きく災いした、ということだ。なので、当時の落ち込みの酷かった業界というのは、自動車のエコカー減税、電機電子系のエコポイント、雇用調整助成金などで、何十兆円もつぎ込んだんだ。


安倍政権になっても、実質賃金は下がり続けてきたが、15年からは反転して増加に転じ、雇用者報酬額もリーマンショック前くらいにようやく戻してきたかもしれない、ということだ。

それでも、02年よりも悪い、ということである。デフレ真っ只中だった02~03年頃よりも、まだ悪いということなのだよ。そうであるのに、増税をぶちかましてきたってわけね。


日本は、本当に狂気の連中しかいないのでしょう。
政治家ばかりじゃない、その取り巻きも、経済界も、マスコミ連中も、識者ぶってる連中も、学者もどきも、皆揃って「おかしい」ってことなのですよ。
それも、何十年も、だ。どうやったら、ここまで失敗を選び続けられるのだ?


こんなことは、10年前から分かっていたことでしょうに。

真の原因は、90年のバブル崩壊でも、不良債権でも、金融危機でもない、日本にはまともなトップ階層が存在してないこと、だ。
政治部門も、学術部門も含めて、だ。


答えは見えたでしょう?
喩えて言えば、「寄生虫の卵」を産みつけられたようなものなのだよ。そのことに気付けない愚か者たちが、よってたかって失敗を繰り返すのさ。寄生虫に操られていることも知らずに、だ。

寄生虫にせっせと養分を供給し、これをまんまと吸い取られているんだよ。


日本の経済運営というのは、泥棒に鍵の設計を任せてきたに等しい。
いくらでも抜き取られてしまう、ってことさ。口では、さも正しそうなことを言い募るだけだから。
「経済学の常識」とやらで、簡単に丸め込まれる馬鹿が揃っておいでで何よりです。

税収が増えたら増えたで、ロクでもない部分に金を流し込む、これまたロクでもない官僚たちも大挙して揃っているわけですしね。言って見れば、バカの巣窟というのが霞が関なのでしょう。


で、それでも懲りずに、今度はTPPの可決・成立ときたもんだ。どこまで、バカなのでしょうかね。
救い難き愚か者たちが、雁首揃えて、また「新たな鍵を作ろう」って泥棒に設計させようってんですから、底抜けのド阿呆でしょうな。そのようなレベルの、低劣な人間どもしか、経済界にも政界・官界にも存在しない、ということなのですよ。マスコミにもね。御用聞きの、提灯記事しか書けない愚か者たちが、何度でも大失敗を重ねるという寸法なのです。


日本経済がダメな理由は、結局は、こういうことなんですよ。世界に一つしかない、特殊事情があるってことですね。だから、他の国の経済では、同様の現象を観察できないってわけですわ。


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「トランプ詣で」に馳せ参じる安倍総理の軽挙妄動

2016年11月21日 14時55分15秒 | 外交問題
何故か、日本国内ではトランプ・安倍会談を高く評価している報道などが多い。

個人的な信頼関係を築く、というのが、全く悪いわけではないが、先走り過ぎた感が否めない。しかも、これを絶賛しているマスコミや識者連中がいるというのも解せない話ではある。


こういう外交面の事というのは、有能な側近の策によって動いてゆくものだろうとは思うが、安倍総理に諫言する人間が誰もいなかったのであろうか。
舞台裏は見えたわけではないが、「ヒラリー・クリントン推し」でトランプ氏など歯牙にもかけていなかったであろう、アベの狼狽ぶりが、手に取るように分かる。官僚を面罵するアベの光景が、瞼に浮かんでくるかのようだ。


こういう時には、「ああ、外してしまったな」と内心思っていようとも、これに動ぜず何事もなかったかのように振舞う、というのも、大人の行動のひとつなのではないか。だって、早速訪米して会談って、あまりに露骨すぎやしないか?(笑)


なので、もう少し様子を見てから、どう動くか考えてもよかったのではないか。

トランプ氏がアベ個人との会談に応じたのは、ニュースバリューとして「これは使えるな」と踏んだからだったろう。特別に、トランプ氏が個人としてのアベと是非とも会いたかったわけではないだろう。というか、日本の総理が「アベという男」であることすら、トランプ氏が知っていたかどうか(笑)。


トランプ氏の弱点は、これまでの選挙向けのポーズやキャラ設定では、今後の政治課題を乗り越えられない、ということだ。トランプ氏が演じてきた、選挙向けの、米国人向けに大袈裟に吼えたり、タイマン相手を叩きのめすかのような罵倒を繰り広げたり、歯に衣着せぬ勇ましい言葉を吐き出すことでは、外交だの国際政治だのといった問題には歯が立たたない、ということだ。


かつて、サラ・ペイリン旋風というのがあったでしょう?
あの時だって、政治家としては有力視されていたにも関わらず、彼女が世界の国々がどのように位置しているか、ということさえ、満足に知らなかったことが報じられていましたよね?


米国人で有名であろうとも、その人が世界にどれくらい関心があって、外国について知っていることがどれほどあるのか、というのは、一概には分からないわけなのですよ。勿論、大統領選を通じて、外交の勉強なり討論用のレクチャーなりがあっても当然でしょうけど、中国、ロシア、英仏、EUや独といった馴染みのある国々と、アジア諸国などでは重きが違うということもあるわけです。


トランプ氏がよく知らないことを、たとえ海外首脳と会談してみたって、話すべき内容を持たない人物なら、会談のしようがないわけです。トランプ氏は、大統領就任までにやるべきことが多くて、兎に角勉強とか準備に勤しむしかないでしょう。政治のことを殆ど知らないなら、まずは初歩的レクチャーから始める必要があるわけですし。


なので、世界地図上で日本がどこにあって、総理大臣というのがいて、それが誰なのか、という基礎的知識を理解するまでには、ひょっとすると時間を要してしまうかもしれません。日米間の課題などというのは、もっと後回しのことなのかもしれない。


そうした、トランプ氏の時間が限られててバタバタしている最中に、焦って面会に行くことに、どれほどの意義があるのでしょう。もし当方が側近的立場の人間だったなら、まずは「相手の値踏みをしてからでも遅くはないのでは」と言ったに違いありません。先手を打つ、というのが、その局面で非常に効果があるとか大事だという何らかの理由が無い限りは、急いては事をし損じるとの諺に従うんじゃなかろうか、と。


ただ、トランプ氏側にしてみると、「利用価値があるので、利用機会を提供してくれてサンキュ」と話しを繋いだ人同士のレベルでは、「成功裡」だったのかもしれず、貸し借りの点では双方とも「良かった」と思っているかもしれませんね。


日本の外交姿勢としては、何と言うか、「はしたない」「目ざとい」「ホイホイ餌に食いつく犬」「節操がない」といった、日本を見くびられる評価に繋がり易そうで、マイナスイメージは避け難いということではないかと。


上司からホームパーティーに招待状が来ないのに、あなたが自ら押しかけて行くと、どう見えるでしょうか?
招待されたら、伺いますね、ということの方が、普通なんじゃないでしょうか(笑)。


呼んでもいないのに、飛び込んで来る連中には、多くの場合、ロクなのがいない(笑)。
訪問販売のセールスとかでも、悪徳系はよくあるでしょ?
人材売り込みとかでも、自ら速攻で来るのは、ハズレが多そうな気がするが。
優秀で、どうしても来て欲しいような人って、ヘッドハンティングみたいに特別に呼んで来ないと、滅多にやってこないのでは?


どうしても、あなたの考えを是非とも聞かせてほしい、という政治指導者なら、招待の打診が来るのでは?
ブレジネフだの鄧小平だのに、是非とも会談したい、というような場面と違うでしょう?


どのような大統領なのか、という概形が掴めてからでも遅くはないかと。
相手が「会って話したい」と認めるような政治家だと、「会いに行ってもよいか?」とか話が来るに決まってますでしょう?プーチンに会いに行きたい、と、あのドゥテルテ大統領でさえ言うわけですから、力関係というのが出ているように思えるわけですよ。


なので、トランプが「アベと話したい」と所望したものではないと思います。アベの政治家としての力量を、トランプが認めていた、などということも到底考えられないですね。


言ってみれば、映画スターに映画取材のインタビュアーが会いに行って、話をして、写真を撮りました、というのと違いがあまりなさそう、ということですね。





ちょっと追加ですが。


トランプ氏が政治指導者としての器量の大きさがどの程度なのか、というのは、縁故・血縁者をどのように用いるか、ということでも分かることでしょう。
米国ですから、原則としては、やはり能力主義ということで登用されるはずでしょうが、これが、身内優先といった姿勢が出てしまったりするような場合だと、狭量の小者という印象を与えることになるでしょう。たとえ家族に優秀な人間がいて、その意見は聞くに値し、重用すべき内容であるとしても、官職なり立場として権力を与えるか、というのは別だろうと思うので。


また、トランプ・アベの関係が極めて良好ということなら、「在日海兵隊は全部撤去する」くらいの、安全保障上の大転換を目指すことがあってもおかしくはないだろう。それが、トランプの公約にもかなうわけだし、日本は沖縄の負担軽減という長年の「絵に描いた餅」を、遂に実現できるという、大きな政治的成果を手にできるので。

安倍総理が、本気で歴史に名を残したいのなら、戦争法案を強引に通してきたことよりも、「沖縄の海兵隊を全て撤去」を実現すれば、沖縄の歴史に栄誉を刻むことになるだろう。勿論、全ての日本国民にとっても、である。


それくらいの覚悟を持って、会談できるようになるなら、就任祝いにすっ飛んで行くだけの甲斐もあるだろう。外聞を捨てて、己の恥を忍んでも、沖縄県民の為に海兵隊撤収を成し遂げるんだ、ということだから。


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一点張りの「TPP教」狂信者たちを信じるな

2016年11月13日 11時25分19秒 | 政治って?
これまで、TPPを殊更喧伝してきて、これがないと日本がどうにかなってしまう、と大袈裟に脅してきた連中の言い分というものが、いかに出鱈目だったかということが、明らかになってきたわけです。


安倍総理の言い分をまず見てみますか。


・成長戦略の切り札

H27年10月9日 第1回TPP総合対策本部

TPPはオープンで活力あふれる経済を創る、成長戦略の切り札であります。今般の大筋合意を踏まえ、TPPを真に我が国の経済再生、地方創生に直結させていきたいと考えています。政府一体となって総合的な政策を策定してまいります。私が先頭に立って取り組んでまいります。
 TPPのもたらすメリットは大きいのであります。工業製品については我が国から参加11ケ国への19兆円の輸出額の99.9%の関税が撤廃されます。鯖江の眼鏡、今治のタオルなど地方の中堅中小企業の特産品の輸出の大きな後押しになります。輸入品の価格の低下により消費者の生活を豊かにしていきます。




・国家百年の計

H28年1月 施政方針演説

模倣、過酷な労働、環境への負荷。安かろう悪かろうは、世界のマーケットから一掃すべきであります。二十一世紀にふさわしい経済ルールを世界へと広げる、大いなる「挑戦」。TPPは、その最初の一歩であります。
(中略)
おいしくて、安全な日本の農産物にとって、TPPは、ピンチではありません。世界に売り込む大きなチャンスであります。
 朝早く起き、額に汗して草を引き、精魂込めて作物をこしらえてきた、農家の皆さんの手間暇が、真っ当に評価されるようになる。それがTPPです。
 農産物の地理的表示を始め、投資、労働、環境など幅広い分野で、透明で公正なルールが共有されます。日米両国が主導して、「良いものが良い」と評価される経済ルールを世界へと広げる。TPPは正に「国家百年の計」であります。



大きなことを言うのは、容易い(笑)。


TPPは経済だけでなく、安全保障なんだ、対中国包囲網なんだ、といった主張もあったわけだが、これがどうなるのでしょうかね?
いくつか、例示をしてみます。


・TPPと安全保障の深い連関

>http://www.fsight.jp/10644

山下一仁 (11年7月20日)



・TPPは安全保障でも効果、シーレーン・ダイヤモンド構想推進で中国の軍事覇権抑止

15年11月19日
>http://www.sankei.com/politics/news/151119/plt1511190012-n1.html

【マニラ=坂本一之】安倍晋三首相とオバマ米大統領は18日、フィリピンで開かれた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)首脳会合で、固い握手を交わした。TPPは交渉を牽引(けんいん)してきた日米の同盟関係を強化するだけでなく、緊密な経済関係が地域の安定を促進することから、安全保障面でも大きな役割を果たす。政府はこの点を重視し、高圧的な海洋進出で覇権拡大を目指す中国にブレーキをかけたい考えだ。

 安倍首相は会合で、TPPの意義について「経済的相互依存関係を深め、その輪を広げていくことはアジア太平洋地域の安定に資する」と各国首脳に訴えた。

 TPPによって域内では人・モノ・カネが行き交うだけでなく、行政ルールの統一も行われることから、加盟国は互いに支え合う形になる。外交筋は「加盟国間で安全保障上のトラブルがあっても、経済を重視して平和的なプロセスを志向するようになる」と指摘。貿易に不可欠な海上交通路(シーレーン)の安定も各国共通の利益となり、中国などの軍事圧力に対し、連携して押さえ込む国際世論を形成できる。

こうした効果は、首相が唱える日本と米ハワイ、豪州、インドをひし形に結ぶ「安全保障のダイヤモンド構想」による面的な抑止力の強化にも貢献する。東シナ海の尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で領海侵入を繰り返す中国は、南シナ海でも軍事拠点化を進めているが、元米国務省幹部は「中国の覇権拡大を止める有効な手立てがないの実態」と漏らす。このため、政府は米国と連携して中国に対する国際世論の圧力を高めたり、中国をTPPに巻き込んだりすることで、中国を融和的な姿勢に転換させることをもくろんでいる。

 議長役のオバマ大統領は会合で、「安倍首相のリーダーシップでTPP合意が達成されたと言ってもいい」と首相の手腕に期待を表明した。




・TPPの本質は「安全保障」 安倍首相は対中国包囲網の形成を急げ

14年4月26日

>https://the-liberty.com/article.php?item_id=7752

沖縄県・尖閣諸島周辺の海や空をはじめとした、中国の軍拡が目の前に迫っている今、このTPPは、一部の専業農家に補償してでも、のまなければいけない「安全保障」なのである。


・[古森義久]【TPP合意は日米の対中勝利】〜中国の軍拡に備えた安全保障に寄与〜

15年10月9日

>http://japan-indepth.jp/?p=22294


どれも、紋切り型みたいな主張が書かれています。もしもTPPが完全に頓挫した場合、彼らは何て言うのでしょうかね。
別にTPPがなくても、日本がそんなに死活的に困ることってないのではと拙ブログでは言ってきたわけですが、狂ったような「TPP教」の狂信者たちがそうじゃない、日本が危うくなるだの日本沈没だの日本は世界の孤児だの落ちぶれるだのと、喚いていたので、大笑いですね。



今回のトランプ勝利という大統領選の結果を招いた要因について、何年も前から「ダメな見方」「大局観なし」「先を考える力のなさ」というものを明白に示していたのが、日経の社説です。

社説を書くような論説委員たちが、いかに先々について考える力が劣っているか、ということが分かりますね(笑、細切れの改行が多くて読みづらいですが、ネット用なので仕方がたないのかも)。


・TPP参加で経済の安全保障を高めよ

12年8月23日 日経新聞社説

>http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45286500T20C12A8EA1000/

野田佳彦首相は昨年11月に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に加わる意欲を示しながら、いまだに参加表明をしていない。国内の政治情勢に目を奪われて、決断を何度も先送りしたためだ。

 その優柔不断な姿勢のツケがまわり、時間切れが迫っている。交渉を主導する米オバマ政権が国内で大統領選挙の対策に追われ、日本の参加問題に十分に対処できなくなる恐れがあるからだ。TPPの入り口が狭くなり始めている。

 首相は一日も早く交渉参加を宣言すべきだ。尖閣諸島や竹島の領有権をめぐる中国や韓国との対立が深まり、日本の安全保障は揺らいでいる。TPPの枠組みを通して、経済の面からも日米の同盟関係を強化すべき局面だ。

 米国は来週から大統領選の熱気が一気に高まるだろう。8月27日に共和党が、9月3日には民主党が全国大会を開く。この時期を過ぎると、米議会や産業界に対する米政権の交渉力は低下する。

 米国内では、政治力が強い自動車業界が日本のTPP参加に反対の立場だ。大統領選は接戦が予想される。オバマ大統領の民主党陣営に、自動車業界の反対論を封じる腕力を期待すべきではない。

 日本の意思決定が11月の米大統領選後にずれ込めば、実際の交渉参加は早くても来春以降となってしまう。年明けに米国の新政権が発足した後に、日米の政府間協議や、米新政権と米議会の意見調整などに最低でも3カ月の準備期間が要るとみられるからだ。

 その間にも、現在の参加国によるTPP交渉は進展する。新規で年内に交渉に参加するカナダ、メキシコを含めて、日本不在のままアジア太平洋地域の新しい通商秩序の骨格ができてしまう。

 オバマ政権は米国内の自動車業界の意向を気にしながらも、本音では日本のTPP参加を強く期待している。経済大国となった中国が、投資や貿易の相手国に対して政治的にも強大な影響力をふるう状況を懸念しているからだ。

 国々の相互依存が進んだグローバル経済の下では、一国の安全保障を軍事力だけで盤石にすることはできない。自国優先の通商戦略を採る中国と公正に競争できる市場を築き、中国を共通ルールの世界に引き出さなければならない。

 そのための最有力の手段がTPPだ。野田首相と民主党は、国内の政局だけでなく、今こそ世界の大局を見て判断すべきである。




米国の「自動車業界の反対論」を、ずっと前から見くびっていた連中が考えることというのは、この程度なんだということです(笑)。
拙ブログでは、米国の政治こそが、ひょっとするとTPPを阻止できるチャンスがあるかもしれない、発効を止める微かな希望があるかもしれない、そう思って、いくつかの記事を書いてきました。


そのお陰だったとは思いませんが、しかし、結果的にはラストベルトの投票結果が示すように、かつての産業基盤だった自動車産業界のような方々が、トランプを押し上げたんだということなのですよ。大統領選さえ終わってしまえば、なんとでもなるかのような、安倍自民のごときペテン政治を推進する日本とは、アメリカ合衆国の大統領や議会は違うんだ、と、当方は考えてきました。だからこそ、サンダース候補を応援していたのですよ。


5年の歳月を経て、実ったかもしれない、そう思うんですよ。たとえ、自分の力が弱くて、何にも役に立っていないとしても。


日本でも、政治を変えられるチャンスがあるとすれば、やはり選挙で政治家を震え上がらせることができなければならない、ということだろうと思うのです。



日本が貿易協定を活用したい、というのであれば、何もTPPじゃなくてもいいでしょう、ということも書いてきましたよ。

12年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2c27a24dbf52bdc5badafc35ba10dd97


ASEAN+6のRCEPを動かせば良かっただけでは?
因みに、当方は最初からそう書いてきましたよ?

「TPP頼み」でこれに全力投球をしていたことが、かえって失敗となっているのでは?
一本槍ってのが、必ずしもよいとは限らないでしょう?


TPP狂信者たちが騒ぎ続けた結果、こうなったということでしょうね。自ら招いたのですよ。

韓国がTPPに加入するかも、とかって、負け惜しみ風味で焚きつけていたけど、交渉参加なんて正式表明があったんですか?
観測記事を流すのは、簡単だものね(笑)。韓国の参加正式決定、マダ~?
1か月過ぎたけど。


・韓国、TPP参加近く決定 経団連と会談で表明
2016/10/11 3:08
>http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040004_Q6A011C1000000/

韓国を訪問中の経団連の榊原定征会長は10日、ソウルで会談した周亨煥産業通商資源相が環太平洋連携協定(TPP)に関し「近く公式に参加を決定する予定なので、日本の経済界や政府の協力をお願いしたい」との考えを示したことを明らかにした。韓国の担当閣僚が参加決定の方針を示したのは初めて。


日本がTPP交渉に参加しなければ、「韓国がTPPに先に参加してしまい、競争に負ける」って、野田政権時代に喧伝しておったバカどもがいたでしょう?霞が関にも、マスコミにも。

けど、韓国は全然参加の気配さえなかったでしょう?
もし、そんなに参加したかったのなら、最終合意までに4年以上もやってたんだから、どの時点でも参加表明くらいできたでしょうに。


11年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a5c77f80ab202c5d5a68430dbc4d2843

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/815f3d20a7e355ef5cafb54bcb382aad


韓国参加を脅し文句に使ってたのは、霞が関。

11年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d88200b0b96ab4706b90dae6acf46cee


踊るマスコミ連中。
アホだな。

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TPPがもたらしたもの

2016年11月12日 15時53分59秒 | 社会全般
ここ数日の最大の話題といえば、アメリカの大統領選だったが、これが想定外の結果をもたらしたわけだ。


まさかの、トランプ勝利、である。


拙ブログでは、一貫してTPP反対を訴え続けてきたが、当初全く米国民に知られていなかったTPPの存在が、次第にニュース等で認知されるようになり、15年のTPAを巡る議会採決では、二転三転の騒動があった。


けれども、オバマ大統領がどうにか各国大筋合意を取り付けたいということで、遂に12カ国の署名に漕ぎつけたものだった。署名時点では、ヒラリー・クリントンは国務長官を降りた後だったはずだが、当初から反対とは言っていなかった。


民主党を中心として、反対運動が盛り上がった辺りから、雲行きが変わった。民主党候補争いで、サンダース旋風が吹き荒れてからというもの、TPP反対を明言していたサンダースに後れをとるまいと、ヒラリーもTPP反対と言うようになっていった。


トランプは最初から、TPP反対と言っていたので、ヒラリーとは違っていた。
今回の選挙結果は、様々な要因があると言われているが、中でも大きな勝機となったのが、ラストベルトと呼ばれる没落地帯であり、民主党の地盤の強いと見られていた地域のトランプ勝利だった。


日本でTPPの交渉参加問題が持ちあがっていた2011年11月に、萌芽があったものと拙ブログでは考えている。

タイトルが『グローバル化の陰で荒廃する米国の地域社会』だった。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f7c95f29cc3320f8eadb6417206e489c


(一部再掲)

リーマンショック後、GMとクライスラーは破綻した。ビッグ3と呼ばれた代表的企業は、倒れた。経済危機の本質は、彼らに責任があったわけではなかった。経営方法や金融に手出ししたことなど、問題点もあったのかもしれないが、自動車会社が特別な悪事を働いて企業を破綻させたわけではなかった。むしろ、彼らは同情すべき被害者であった、と言えるかもしれない。

唯一、生き延びたフォードだったが、自動車企業が苦しいことに変わりはなかった。グローバル化や自由貿易という美名の下で、ビッグ3の危機となり、仕事を奪われた労働者たちは失業してゆくことになったのだ。


かつて、米国の上質な中流家庭のモデルは、自動車会社の熟練工などだった。ある程度の収入、医療保険、年金、といった、社会保障制度基盤を支えていたのは、自動車会社のような優良企業だった。

日本型雇用の原型は、多分こうした米国企業に学ぶところが多かったものと思う。

だが、手厚い保障の存在が、自動車会社を苦しめる遠因となってしまったのだ。
医療費がGDP比で15%以上にも達するようになったのは、自動車会社のせいではなかった。米国の貧弱な健康保険制度と競争的な医療(笑)と民間保険会社の営利の合作のようなものだろう。

自動車会社は、高騰を続ける医療保険の負担に耐えられなくなっていった。人件費のかなりの部分を、こうした医療や年金が占めるようになってしまったからだ。

儲かったのは、民間保険会社や年金基金の巨額資金を運用する投資銀行やヘッジファンドなどの金融業の連中であり、彼らのせいでビッグ3は窮地に陥ったようなものだ。経済危機を招いたのも金融業界の連中だったのに、自動車会社は「悪の権化」のように公聴会で厳しく非難されなければならなかった。


全米の労働者たちの雇用を守り続けてきたのは、自動車企業だった。
クリック一つで金を動かす、投資マネージャーなんかではなかった。それなのに、グローバル化でアメリカ人の雇用を破壊し、町を廃墟に変え、借金のカタに家を取り上げてゆくだけの金融の連中が、多額の給料を受け取っているのだ。

アメリカ人労働者たちを不幸に陥れ、仕事を奪い、家や街を奪うグローバル化が、どうして正当化できようか。
アメリカ人の雇用を守り、医療保険や年金を頑張って払ってきたビッグ3が悪者で、アメリカ国内で雇用を生まず医療費も払わないグローバル化推進企業が、本当にアメリカの為になっているのか。彼らは、企業利益を追求するだけで、アメリカ人労働者の生活を守ってなんかいないのだ。


社会的責任を果たさないグローバル企業が高く評価され、正当化されるのは、本当に正しいことなのか?
一部の人間たちの為に企業利益を稼ぎまくるのが、望ましい社会なのか?


アメリカの地方は荒廃した。地域社会が崩れ去っていった。
恐らく、小規模農家も同じような目に遭ったであろう。家族経営の弱小農家は、銀行借金で農地を取り上げられたりしただろう。田舎を荒廃させることになってしまっただろう。


それなのに、もっと貿易自由化を推進して、砂漠化を加速させようというのだろうか。それが、アメリカを守れることになるのだろうか?



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祖国の危機なのではないかと思う人たちならば、それとも、同朋の苦しみを理解し何とかしようと思う人たちならば、どうにかしよう、いやすべきだと思うに違いないんだ。


それこそが、サンダース旋風だったのであり、ペンシルバニア、ミシガン、オハイオ、ウィスコンシン、等の結果を招いたのではなかったか。苦しむ人々への想像力が欠けていたことが、敗北の遠因になっていたのではなかったか。

参考記事:

11年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/19988798f9f27587e2cd6ae4c78a595f

13年3月3日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9d35fb2fa5659ea11898c83f8e1e8319

(一部再掲)
日本はマスコミも権力層も霞が関官僚も、ほぼ押さえられてしまっているので、安倍政権を止める手立てがありません。
米国の良識ある方々、良心と正義と公正を信じる方々、どうか米国議会に働きかけをお願い致します。TPAがなければ交渉できなくなります。日本の交渉参加を認めなければ、TPPでの掠奪的条約締結は阻止できうるものとなるはずです。日本参加がなければ、豪、加、墨くらいの経済規模が対象となるので、NAFTA以上の自由化インパクトは回避できるのではないかと思います(加、墨は既に多くが自由化されているので)。



声は聞こえなかったろうと思うが、拙ブログの願いは通じたのかもしれない。神様に。
まるで、そう思えるので。



日本は、未だにTPP承認を可決し、このまま成立をさせようとしている。
彼らのペテンは、どういう手口なのか、もう十分分かったことでしょう。自民党が復権する前から、あれほど警告してきたのに、届かなかったわけであるが、そのお陰があったせいなのか、米国側でTPP反対を大声で主張してくれる人が大統領になることができたんだ。


12年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/faf547f3f3673c278ce041f7a54648d8


人間万事塞翁が馬である(笑)。
諦めてはならないんだな、と思った。


全米の皆さま、有難うございました。

コメント
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