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川内原発運転差止仮処分事件に見る裁判所の異状~3

2015年04月26日 10時59分24秒 | 法関係
4)川内原発運転差止に関する鹿児島地裁の判断

まず、鹿児島地裁の出した決定要旨を新聞上で読んだ感想として、裁判官は合理と不合理の区別すら持ち合わせないのだな、ということだ。前田裁判長の出した答えは、ただの決めつけである。言ってみれば、根底から誤っていると言えよう。このような体質は、地裁に限ったものではなく、最高裁判事を筆頭として、そもそも単なる決めつけで木で鼻を括ったような「法律審としての当審の性格、事案の内容、訴訟の経緯等にかんがみ、右判断を左右するものではない」と有無を言わせず消し去れるわけだから、簡単なんだよ。
裁判官は、俺がルールだ、と宣言することなぞ、朝飯前なんだから。たった一言「これが正しい」「合理的である」と言い切ればよいだけだから、だ。


裁判所における判断とは一体何か?判断の基礎となるものは何か?
日本の裁判官は、それを全く欠いているにも関わらず、何らの罰を受けるわけでもなく非難されるわけでもなく、逆に権力に平伏せば立身出世の道が開ける、と。


また喩えで言ってみますか?
専門家「彼は血液型はABだ」
裁判官「「彼の血液型がABである」という専門家の意見は不合理とは言えない、何故なら俺がそう言うからだ」

こんな屁理屈が通用するんですよ、日本の司法というのは。何故裁判官が不合理と言えないと判断したか、ということの理由の説明も根拠の明示もないのに、俺がそう言うので不合理とは言えない=合理的と考えるので合法だ、という「こじつけ論」しかないのですから。

唯一ある根拠とは「専門家が言うので、正しい」の一点張り。原告、被告のいずれの主張を、どうして採用するに至ったか、ということの根拠や説明がないのである。


伊方原発の最高裁判例において、『現在の科学技術水準に照らし、…右調査審議において用いられた具体的審査基準に不合理な点があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的審査基準に適合するとした…判断の過程に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に不合理な点があるものとして、…原子炉設置許可処分は違法と解するべき』と判示されたからといって、原子炉運転を漫然と許容できることの根拠とはなり得ない。


92年の最高裁判決当時における判断は、国内における甚大な原発事故を一度も目にせず、経験したこともなく、重大事故の被害程度についての想像すらできなかった下で行われたものであって、最新の知見が反映されたものでは到底ありえない。原発事故が現実のものとなり、不可逆的かつ劇的変化を広範囲に与えた他、多大な国民に被害をもたらした上、事業者が賠償不可能なほどの経済損失を与えたことは明らかである。



以下に鹿児島地裁の決定が不当であることを、個別の論点について書く。



ア)基準地震動の基準値が不合理であること


実際に観測された加速度に基づき基準が策定されるべき。モデルは設置以前から存在してきたものであり、モデルの正確性や妥当性の証明は安全性の担保に十分であったとは言えない(ハズレが確実に存在してきたから)。

厳格な基準値を採用してはならない、とする理由が行政庁から立証されたことは明らかでない。立証が尽くされていない場合、不合理な点があることが事実上推認される(伊方原発最高裁判例)。基準値が200ガルでよいとする場合と、500ガルや1000ガルとする場合では、被害発生の可能性ないし損害程度が200ガル基準より後者が優れており、これを採用するわけである。ならば、2000ガルや4000ガル基準がもっと優れているのであれば、これらを採用しないという明白かつ具体的な理由が欠けている。


より耐性があって、安全性の高い基準が採用されるべきなのは言うまでもなく、その達成が困難であって実現不可能な水準だから基準として妥当でないとするなら、そもそも他に代替手段が存在する場合には経済合理性に欠け、これより優先すべき理由もなく、なおかつ放射性物質による甚大な被害がもたらされない手段を採用すべきなのは言うまでもない。


少なくとも、現実に観測された結果に基づく基準を適用することが不合理であるとする立論は存在せず、行政庁からの主張では立証が尽くされたものとは言えない。ひとたび重大事故が発生すれば、取り返しのつかない事態を招くことは明白であり、これを防げる可能性として、例えば事故による放射性物質漏洩となる確率が10%、1%、0.1%であるなら、0.1%を採用するのが当然なのであって、この選択に異論がないにも関わらず、仮に0.1%と0.05%の比較においては0.05%を採用できないとするなら、この理由について十分な立証がないことは許容されるものでない。


すなわち0.1%と0.05%の比較衡量において後者を採り得ることができないという具体的、合理的理由を立証できないならば、立証不尽につき不合理な点があるということが事実上推認されるのであるから、鹿児島地裁が指摘した不合理な点がないとする決定は誤りである。
2000ガルへの耐性を持つ原子力施設の方が、800ガルのそれと比して重大な事故災害を招来する可能性が小さいことが事実である時、「何故2000ガルを採用しないか」という点について立証できない限り、不合理な点の存在は払拭されることはない。



イ)放射性物質放出を「相当程度防げる」という判断の不合理


地裁決定では、つまるところ専門家の手によって、高度な手法のモデルによる計算結果を得たのだからこれが正しい、とするものである。そして、地震事故による漏洩は相当程度防げる、と述べたわけである。これは過去の事実から見て、その通りなのであって、日本で発生したM6以上の地震に対して、殆どの場合には原子力発電所は漏洩事故を起こすことがなかったのであるから、裁判官の認識の水準が不明ではあるものの「相当程度防げた」と言うことができよう。しかしながら、重大事故が発生したことも事実であって、原状回復困難な事態を招いたことは決して看過されるべきではない。


ここに、治療法A及び治療法Bがある。

治療法Aは退院までの期間が10日だが、1%以下の稀な確率で出血多量となる危険性がある。一方、治療法Bは退院まで30日かかってしまうが、出血を伴う手技を用いないので出血の危険性が皆無であるとする。
このような場合、患者にとって出血多量が極めて深刻な致死的事態をもたらすことが明らかであれば、治療法Aを選択することが優先されるべき特別の理由がない限り、治療法Bという代替手段を採ればよいだけであり、その選択権は患者にあるべきだ。

非常に確率が小さいが、致死的事態となる出血があることは、既に実証されているのであって、しかも直近に行われた治療法Aの結果が致死的出血だったのであるから、ここで治療法Aを再度実施することの利益が果たしてあるのかどうか、治療法Bの選択が否定されるのは何故なのか、合理的な立証を必要とするのは当然であろう。

考えられ得るのは、他の代替手段が存在しないとか、治療法Aの実施による不利益を上回る患者利益を期待せざるを得ないということであり、最終的な決定権は患者に委ねられるべきものである。


同様に、事故による放射性物質放出を防げる発電方法が存在しないわけではない。治療法Aの出血が発生する確率がいくらか、出血量は10ml以下が何%で100ml以上が何%で最大許容出血量は何mlが妥当か、などといった細部の技術的問題なのではなく、治療法選択の問題なのである。

伊方原発の最高裁判決はそうした考え方を封じ込める為に生み出された「土俵」規範のようなものであって、司法の役割の放棄であり、行政権への盲目的服従に等しいものである。


裁判官たちに、この条文をよく読むようお願いする。

(再掲)


裁判事務心得 第四条  

一裁判官ノ裁判シタル言渡ヲ以テ将来ニ例行スル一般ノ定規トスルコトヲ得ス


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川内原発運転差止仮処分事件に見る裁判所の異状~2

2015年04月25日 12時58分37秒 | 法関係
2)原子力行政に関わる専門家たちの意見は信頼に足るか?


信頼できるという水準には、到底ない。
理由は、前の記事でも述べた柏崎刈羽原発事故のことが、まずある。
事前想定を超える地震動は現実に観測され、しかも一度や二度ではない。東日本大震災においても、女川、福島第一及び第二、広野等でも設計前想定値を超えていた。自然には起こり得ない水準、と謳っていたのに、全然違ったということだ。


更に、福島原発事故の時のことを思い出すがよい。
5重の防御だから大丈夫だ、と宣言していたのは専門家たちだった。原子力・安全保安院も、東電も、大学教授も、1号機の水素爆発が起こった後ですら「メルトダウンはしてない」「格納容器は壊れてない」と言い張っていたではないか。
最初から嘘つきという連中なのに、これをどう信頼せよ、と?
爆発した1号機を水棺にするべく水を入れてますが、どういうわけだか水で満たされません、って、穴が開いているからに他ならないにも関わらず「格納容器は健全だ、レベル4程度に過ぎない」と言い張っていたような連中なんだぞ。


こんな愚かな連中の言い草を、どうやって信じよと?
これが専門家集団の正体なんだろうよ。


もしも真の専門家であれば、科学的・専門技術的見地から正しい判断・対策・実行方法等を指示説明でき、それを実現できていたことだろう。
柏崎刈羽だけでなく、もんじゅも壊れることがなかっただろうし、福島第一のような惨状を招くこともなかったろう。


そして、事故後の「最新の科学的・専門技術的知見」に基づいて専門家たちが1号機に投入した観測ロボットは、回収すらできない、と。2台とも「ミイラ盗りがミイラ」状態になった、と。核燃料がどこにどのように存在するかの説明すら、誰にもできない、と。
汚染水が建屋の外へと「漏れ漏れ詐欺」みたいに、漏れてゆくのも、建屋のコンクリートは健全でどこにも穴がないけど、何故か漏れるわけですね?(笑)


例えば地下1階、地上3階建の住居があって、地下に雨水が流れ込んだら、コンクリートで囲われているからどこにも漏れがないので水があふれるんだわ。水の流れ込んだ経路を完全シールすれば、水を注入し続けると建物全体が水で一杯になるんですよ。だってコンクリートですから。ましてや、漏洩の危険性を考慮して気密性が最も求められるであろう核施設が、コンクリートのどこに出口があるのか全くの不明で冷却水が漏れていつまで経っても一杯にならない、ということは、どういうことですか?
専門家の知見が正しかったことを十分に証明している、ということですかね?
地震では壊れてないって言い張り、格納容器も建屋も大丈夫だと言っていたが、現実には全部メルトスルーで貫通してしまったということですか?


どこが、原発専門家の意見は正しい、って根拠になるというのか。



3)原子力以外の専門家が存在する場合の裁判例ではどうなのか?


原発裁判だけは別な法的理屈が出されるというのは、どういうことなのだろうかと疑問に思えるわけだ。それは行政権力への服従ということか?

日本の狂気に満ちた裁判所が出す答えというのは、一貫性もなければ原理原則もなく、ただ単に「言いたい結論」を言う為に出鱈目の屁理屈を出してくるのである。それを誰からも咎められず、覆されないから、だ。法曹として末代の恥、とも批判されないから、何を書いても平気なのだよ、多くの裁判官たちというのは。


柏崎刈羽原発訴訟の上告について、09年4月に最高裁が不受理の決定には、次のように書かれていたそうだ。


本件申立ての理由によれば,本件は,民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する(なお,原審の口頭弁論終結後の平成19年7月16日,本件原子炉の近傍海域の地下を震源とする新潟県中越沖地震が発生したところ,この点は,法律審としての当審の性格,本件事案の内容,本件訴訟の経緯等にかんがみ,上記の判断を左右するものではない。)。

========

日本は、こうした連中によって支配されるという体制が構築されているのだ。


さて、東京高裁や最高裁の判事どもは、専門家によって担われている原発行政は「多方面にわたる極めて高度な最新の科学的、専門技術的知見に基づいて」おり、「不断の進歩発展する科学技術水準に即応」しているんだ、と言ったんだよ。
だから、専門家の意見は正しい=原発行政は間違ってない、正しいんだ!!
とな。


専門家が出す結論というのが常に正しいなら、委員会、審議会とか専門部会等の専門家集団による検討を経た結果は、いつも正しく合理的であって、それに沿った行政ならば何らの違法性もないはずだ。
しかし、医療裁判ではどうだ?
薬事行政は?
過去に、専門家の出した結論に対して、それは違うと裁判所が意見をひっくり返してきたではないのか?常に審議会等の専門家の意見と行政が正しい、なんて言ってこなかったろう?


その具体例を挙げよう。
エイズ騒動があったでしょう?
あの時の裁判例があったので、それを見ることとしよう。
当時厚生省の課長だった人物が刑事責任を追及された裁判だった。
最高裁判決は有罪だった。


>http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/923/035923_hanrei.pdf


内容をかいつまんで言えば、専門家集団たる薬事審議会等の医薬品承認に係る専門的見地からの意見に従って行政を行っていた厚生省課長は、それでは足りず注意義務を果たしてないから有罪だ、って断罪されたんだよ。

どこに専門家が出した意見だから、これに従うのが行政として当然だ、そこからの逸脱の有無だけ見ればよい、なんてことを言っているのか?
そんなことは、全く書かれていない。
海外文献などで書かれているなら、それを注意しておくべきだし、危険性を知ったなら即座に取り得る対応をすべきで、その義務を果たしていないから刑事責任は有責なんだ、ってことだぞ?


せっかくなので、上記判決文を一部改変して、原発行政と東京高裁の如き恥知らず裁判官に当てはめてみました。それを以下に示します。



原子力発電所は,当時広範に使用されていたところ,同所には核燃料等汚染物質が相当量存在しており,科学的には未解明の部分があったとしても,これを使用した場合,事故や作業等により被爆する者が現に出現し,かつ,いったん過酷事故が起こると,有効な対処方法がなく,多数の者が高度のがい然性をもって居住不能に至ること自体はほぼ必然的なものとして予測されたこと,当時は原子力発電所の危険性についての認識が関係者に必ずしも共有されていたとはいえず,かつ,国や電力会社がこれを使用する場合,これが安全なのかどうか見分けることも不可能であって,国や電力会社において福島第一原発事故の結果を回避することは期待できなかったこと,原子力発電所は,国によって承認が与えられていたものであるところ,その危険性にかんがみれば,本来その使用が中止され,又は,少なくとも,生存上やむを得ない場合以外は,使用が控えられるべきものであるにもかかわらず,裁判所が明確な方針を示さなければ,引き続き,安易な,あるいはこれに乗じた使用が行われるおそれがあり,それまでの経緯に照らしても,その取扱いを電力会社等にゆだねれば,そのおそれが現実化する具体的な危険が存在していたことなどが認められる。


このような状況の下では,原子力発電所による被害発生を防止するため,運転許可の差止命令など,裁判所が付与された強制的な権限を行使することが許容される前提となるべき重大な危険の存在が認められ,原子力行政上,その防止のために必要かつ十分な措置を採るべき具体的義務が生じたといえるのみならず,刑事法上も,原子力発電所の設置,使用や安全確保に係る原子力行政を担当する者には,社会生活上,原子力発電所による危害発生の防止の業務に従事する者としての注意義務が生じたものというべきである。


そして,事故防止措置の中には,必ずしも法律上の強制監督措置だけではなく,任意の措置を促すことで防止の目的を達成することが合理的に期待できるときは,これを行政指導というかどうかはともかく,そのような措置も含まれるというべきであり,本件においては,経済産業大臣が監督権限を有する電力会社等に対する措置であることからすれば,そのような措置も防止措置として合理性を有するものと認められる。


被告人は,原発事故との関連が問題となった本件原子力発電所が,被告人が課長の所管に係る発電所であることから,経済産業省における同発電所に係る事故対策に関して中心的な立場にあったものであり,経済産業大臣を補佐して,核物質による被害の防止という原子力行政を一体的に遂行すべき立場にあったのであるから,被告人には,必要に応じて他の部局等と協議して所要の措置を採ることを促すことを含め,原子力行政上必要かつ十分な対応を図るべき義務があったことも明らかであり,かつ,原判断指摘のような措置を採ることを不可能又は困難とするような重大な法律上又は事実上の支障も認められないのであって,本件被害者の死亡について専ら被告人の責任に帰すべきものでないことはもとよりとしても,被告人においてその責任を免れるものではない。




この改変文の要点を書き出せば、次のようなことである。


ア)国や電力会社は原発の危険性が見分けられない
(=だから柏崎刈羽は壊れ、福島第一は崩壊した。危険を見分けられていたなら設置許可しないか安全対策を施せるから)


イ)使用中止又は、生存上やむを得ない場合以外は使用が控えられるべきもの


ウ)裁判所が明確な方針を示さなければ安易な使用が行われる
(本来国が方針を出すべき、過去の経緯から国と電力会社は旧態依然のまま使用する、現に大飯原発はそのように使用された)


エ)裁判所の強制的権限行使の許容となる重大な危険が存在


オ)事故防止の必要十分な措置をとるべく具体的義務があり、刑法上原発行政担当者には社会生活上の注意義務を生ずる
(前段具体的義務は本来行政が負うが、行政が間違っているならこれを是正すべく司法が義務を負うはずだ)


カ)注意義務を課せられる措置には強制監督措置以外に任意措置も含むのであり、事故防止措置として合理性を有する
(行政への強制措置をとれない(=認可取消判決を出せない)場合でも、裁判所には事故防止を促すべく任意措置の義務があった)


キ)裁判所には原発訴訟において必要十分な対応を図るべき義務があった、その措置(行政に対し判決や決定などを出すこと)を採ることを不可能又は困難とするような重大な法律上又は事実上の支障はなかった
(あったとすれば、裁判官の出世や権力へのこびへつらい、人事報復などが事実上の支障ということか)



『看過し難い過誤・欠落』がないと断言できるって?
ふざけるんじゃない。
過誤ないし欠落について、裁判所が意図的に看過した結果が、柏崎刈羽であり、福島原発だったんだろうよ。


拙ブログの考え方は次の通り。


最新の知見によれば、原子力発電所がひとたび重大事故を起こした場合には、有効な対処方法や手段が確立されておらず、事故処理方法についても全くの暗中模索であり、試行錯誤を繰り返しながらの作業であることは、福島第一原発の現況を見れば明白なのであって、事故のもたらす放射性物質の危険により原状回復が極めて困難なことや、地域住民ばかりではなく日本全体の社会生活に深刻な影響を与え、本来国民が享受すべき平穏な生活環境が著しく毀損されるという重大な結果をもたらし、原子力発電所の有するこうした深刻な危険性に鑑みれば、本来国が使用を中止し、少なくとも、国民の生命財産を保護し健全な社会生活を営む為に、他の取り得る代替手段が全く存在せず、その使用がやむを得ないという特段の事情がある場合を除いては、行政が使用を控えさせるべき義務を負うと考えられる。

行政がこのような義務を履行しないという重大な危険の存在を認めた場合には、裁判所は、法律上の強制的な権限行使が許容されるばかりでなく、行政に義務履行を促すべく措置を採ることを実施すべきであり、原子力発電所事故がもたらす結果の重大さと事故予防の重要性の観点から、裁判所には率先して危険を除去し事故を防止すべき責務があるものと考えるべきである。


裁判所が責任を果たしていると言えるか?
鹿児島地裁は、どうなのだ?


コメント

川内原発運転差止仮処分事件に見る裁判所の異状~1

2015年04月24日 18時00分19秒 | 法関係
日本の司法界が東日本大震災以前からあまりにおかしい、というのは周知だったが、レベル7の福島原発事故を経験してでさえ、何ら反省もなく旧態依然の「結論ありき」体質であるというのは、真の愚鈍か頓狂か何かであろうか。

常識というものは裁判所には通用しないということなのかもしれない。それとも、体制護持こそが大事であって、司法の役割よりもそちらが優先されるということなのか。裁判官とは行政庁の「下請けハンコ押し係」とでも思っているのか。

兎に角、日本の裁判所というのは、支離滅裂であることがごく当たり前ということのようだ。異状である。権力に媚びる為なら、何でもアリということ。
川内原発の判決を見る前に、過去の訴訟から書くことにする。


1)柏崎刈羽原発の認可取消訴訟

09年の最高裁決定により、高裁判決が確定した。最高裁は何らの検討すらしなかった。言葉は悪いが、面倒だから高裁判決のままにしとけ、ということで、司法の役割など完全放棄に等しい行いだったわけだ。

で、高裁判決は、というのと、ロクでもないものだった。


・2005年11月22日 東京高裁判決:柏崎刈羽原発設置許可取消訴訟

全文が600頁を超えるほどの、超大作の判決文だったらしい。
要するに、嫌がらせと何を書いているのかボカして分からなくさせること、ネット上や文献等に公開されるのを封じる為の卑怯な作戦ということではないかな。読む人の気力を失わせ、情報拡散を妨害する為の、裁判官が編み出した汚い手口ってことだよ。

その大部から、一部を引用する。


『原子炉の安全性については多数の専門家をもって組織される安全審査会において、各審査委員の専門分野の専門技術的知見に基づくだけでなく、(中略)原子力委員会が意見を述べ、これを尊重して内閣総理大臣が最終的に判断する』のであるから、『科学的、専門技術的見地から、十分な審査が行われるように規定されている』


『原子炉施設の安全性に関係する審査が、多方面にわたる極めて高度な最新の科学的、専門技術的知見に基づいてされる必要がある上、科学技術は不断に進歩、発展しているため、原子炉施設の安全性に関する基準を具体的かつ詳細に法律で定めることは困難であるのみならず、最新の科学技術水準への即応性の観点からみて適当ではないとの見解に基づくものと考えられ、このような見解は十分首肯することができる』


『本件原子炉が具体的審査基準に適合し、その基本設計において、本件原子炉施設の地質・地盤及び同施設周辺において発生するおそれのある地震が、同施設における大事故の誘因とならず、安全性を確保でき、(中略)安全審査における調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があるとは認められない』



安全審査会というのは恐らく昔の組織で、原子力安全委員会とか原子力安全・保安院ができる以前に存在した専門家集団による審議会か委員会に類似の組織だったのではないか。実質的には、現在の原子力規制委員会に匹敵するもの、ということだろう。

アでは、手続的な担保ということで、
・安全審査会が基準策定
・原子力委員会が答申
・内閣総理大臣が判断
という3段階を踏んでいる、と。だから、正しいんだ、と。


科学的、専門技術的見地から基準が策定されているのであるから、この基準に照らして適合しているかどうか、ということだけを裁判所は判断すればいい、と。このことは、安全審査会なりの専門家が出した基準というのが「正確であり妥当であり合理的」といったような前提に立っている、ということだ。本当にそうなのか?


イから、原子炉施設の安全性は「多方面にわたる、極めて高度な最新の科学的、専門技術的知見に基づいて審査される必要がある」と。加えて、最新の科学技術水準への即応性が求められる(=だから全てを詳細具体的に条文中に記述できないのは当然だ、と)、ということである。


判決は2005年だったが、その後に中越地震が発生し原発施設は被害を受けたわけだ。
さて、本当に専門家の出した基準なり知見は正しいものだったか?
もしも正しかったのなら、何故地震後直ちに再稼働させなかった?
安全性は確保され、破壊からも免れているであろう水準だったはずなんだから、何ら支障もなく再稼働できたはずだ。どうして、そうしなかった?

専門家たちも、原子力委員会も、内閣総理大臣も、東京高裁判事も、最高裁判事も、全員一致で「安全性は確保されている」というお墨付きを与えたわけだから、どこか壊れることなんてあり得ないだろう?(笑)
国側主張でも、地震なんかあっても壊れない、大丈夫だ、だから設置認可しているんだ、技術基準は達成され安全性は保たれているんだ、ということだったんでしょう?ならば、壊れるはずない、んじゃないですか?


現実には、動かせなくなったわけだ。
どうして?安全ではなくなったから、ですかね?


東京高裁が言った、活断層だって地震ではない、地すべりの跡だ、だからウに述べたように、『原子炉施設の地質・地盤及び同施設周辺において発生するおそれのある地震』が大事故の誘因とならず安全性を確保できると太鼓判を押したわけだろう?
にも関わらず、中越地震の後には、動かせない原子炉があったのはおかしいだろう?どうして、東京高裁の認定した安全性の屁理屈というものが「現実には役に立たなかった」ということを、最高裁は放置したか?
高裁のゴマカシの屁理屈が、本当に屁理屈に過ぎなかったのだということを、実際の地震被害で実証したからに他ならない。裁判官の無能を、見事に証明してしまったんだよ。


東京高裁 「地震?そんなの大丈夫だ地すべり程度に過ぎないんだ」
国&東電「最大の地震動に対応できる基準だ」
→現実には、想定を大幅に上回る2000ガル以上の地震動が観測された


この事実だけでも、専門家の出した最新知見、国、東電、裁判所、みんな完璧に敗北していたんだろうよ。彼らの科学的知見とやらは、全く科学的ではなかった、ってことさ。


更には、施設基準があることと、現実の運用面でうまくできることは、別問題だ。福島第一と第二の違い、にも似ている。
中越地震の際、柏崎刈羽原発で正確に対処できなかったのは、この運用面でも問題があったから、だ。それが火災だった。

で、火災対策を講じたわけだ。そして、火災対策は万全だ、もう運転しても大丈夫だ、と東電が言った。自信満々に。まあ、そりゃそうだわな、火災事故後に対策ができてなけりゃ、話にならんから。
09年2月に消防法に基づく使用停止命令(柏崎市)は解除され、7号機は再稼働となった。すると、3月には、再び火災事故発生。東電は消し止められず、市の消防組織が出動して消火した、ということになった。再稼働して1カ月も経たないうちに、火災事故を起こした揚句、あれほど「対策は万全です、もう大丈夫です」って宣言したのに、やっぱり駄目だったわけだ。


想定外の大地震で原子炉火災発生、これにより長期停止を余儀なくされたのに、万全の火災対策だと言った直後にまた火災事故で杜撰さを実証した。この一連の事故から学べることは、こいつらは信用できない、ってことだけだ。

専門家、国、東電、裁判所、みな嘘を言ったに等しい。
事故後であってでさえ、満足に対処すらできてない。やっぱり火災で人的被害さえあった。


専門家の出した最新の科学的、専門技術的知見が正しく、この基準への即応性を要求されても大丈夫だ、って東京高裁判事が言った結果が、これなんだよ。
全滅だろ。
あらゆる面において、高裁判事の言い分(判決内容)は粉砕されたんだよ。
にも関わらず、この直後に最高裁判事は火災事故の翌月の4月に「東京高裁判決は正しかった」と決定を出したんだぞ!
この愚かさが分かるか?
微塵も反省がないってことだ。


東京高裁判決で大丈夫ってお墨付き
→専門家の基準を超える巨大地震
→火災事故、漏洩事故、原子炉長期停止
→事故対策やった、火災対策も万全だ
→再稼働直後にまた火災事故
→人的被害、消火もできず
→最高裁が翌月東京高裁を支持


裁判官の正しさの根拠など、どこにも見出せない。



コメント

AIIB関連記事に対するコメントへの回答

2015年04月21日 15時24分32秒 | 外交問題
コメントが書き込まれたのを気付かず、長期間放置になってしまいました。
失礼しました。

回答を書きはじめたら、長くなったので、記事にすることにしました。


吉田信二さんという方からの、以下の記事へのコメントです。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6cf668867f1769601f603bcb1f307679

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3572e5aa43bccabb2b2ca1ca0c817f78


二つに分かれていますが、まとめて表示、お答えしたいと思います。
吉田さんのコメントを再掲します。


麻生のコメントは一つの解としては有効だと思います。
少なくとも麻生の問いに対し、中国は回答が出せていないことは(現時点での)事実ではないでしょうか。

タイトルにある、貸した金を取り返せは勿論その通りですが、他にも貸し倒れがあるんだから、AIIIBに出資しても
いいとはならないのでは?




これでは回答になってないですよ。
赤信号みんなで渡れば怖くない、との理由じゃないですか。
共産党の志井は、AIIBへの不参加を「アメリカのいいなり」と断じましたが、みんなそっち行くから日本もそうしようと、言うのとどう違うんですか?

どうせADBもたいしたことないんだから、AIIBに
金だしても同じようなもの、としか聞こえませんが




麻生の問いに中国側が回答してない、というのは、報道からは分かることが限定的ですので、何とも言えません。
恐らく、創設趣旨に賛同するかどうか、というのが今回の参加意思の確認ではなかったかな、と思いますが、どうなんでしょうか。具体的な組織運営方法、出資枠組み、融資審査方法等の実務的な話は、参加表明国間での協議ということになるのではないでしょうか。


当方の理解の範囲で書きますと、組織の創設趣旨に賛同するかどうかの意思表示ですので、実務上の具体的各論については不透明な部分があるのはやむを得ないのではないでしょうか。


よい具体例が思いつかないですが、例えば産業再生機構に類似した組織が必要である、というアウトラインに賛同が多くなれば、立法措置として考慮することが出てくるでしょう。そうすると、企業再生支援機構や産業革新機構といった組織が立法措置により生み出されるわけで、法案提出後の国会議論で細部は変更されたりするかもしれないし、改めて別の仕組みが取り入れられたりすることもあるかもしれません。

この場合ですと、類似の組織例があるのですから、産業再生機構をベースというかたたき台とした新たな組織―例えば企業再生支援機構―がそれに類似した運営となるだろう、といったことはある程度推測ができるでしょう。
一方、東電救済の場合ですと、従来型の再生組織がある中で別の枠組みである原子力損害賠償支援機構が作られたわけですが、これもそういう組織をつくるかどうかというアウトラインに賛同するか否かをまず判断する必要があるわけです。既存の企業再生支援機構の枠組みで行けばいい、という人もいるかもしれませんが、現実には既存組織があるのに別組織が作られたわけです。目的とか機能とかの面で別組織の方がよいから、ということでありましょう。

この場合においても、まず、立法化に向けてのアウトラインとして「原子力損害賠償支援機構」なる組織を枠組みとする処理方法に賛同するかどうか、を考える必要があるのです。企業再生支援機構ではなく、こちらで行こう、となれば、各論的に細部をつめてゆく作業になるだろう、と。法案が出来た後であっても、国会議論で更に変更が加わるということでしょう。


アウトラインの賛否を募る
→賛成者多数なら法案化
→国会議論で細部検討
→立法



AIIBの場合ですと、


設立趣旨・アウトラインの賛成者募る(今ココ)
→創設メンバーで法案化(協定作成過程、理事会設置?)
→メンバー国の協議
→協定署名→発効


ということで、言うなれば東電賠償スキームをどうするか、ということの検討段階と似ているわけです。旧来型の破綻処理方法をとるべし、という人もいれば、政府機関を利用せよ、とか、別組織の枠組みでという人もいる、といった具合ですかね。アウトラインに賛同するかどうかは、ある程度予測を必要としますし、意見が分かれることもあるでしょう。

ただ、既存組織があること、G8やG20からの参加国も多数あること、OECDの所得上位国も少なくないこと、などから、突拍子もないヘンな組織が生み出されるとは想定し難いでしょう。

原子力損害賠償支援機構に投入される国費の額を言わないと不透明だ、だから組織設立は拒否する、という主張もアリとは思いますが、現実社会においては細部なんて誰も説明せず、そもそも説明不能であっても設立はされていますね。


つまり、細部の説明が過不足なく日本が納得できるものを要求しても、できないものがあるのは国際交渉・関係上やむを得ない、説明がされてなくとも賛同者の顔ぶれを見ればとてつもなく異常な結果が導出される可能性は小さい、ということです。


また、『回答になっていない』とのコメントの意図が分かりかねますが、記事中に書いているのが本旨でして、コメント者に対する回答はあくまで短文で答えようとしただけです。これを不十分だと言われればその通りですが、できるだけこちらの主張を伝えようとすれば長文になるので苦痛です。


みんなが参加するんだから参加した方がよい、というのは、その通りですよ。日本とASEANや中韓豪印等の関係性を考えれば、参加すべきと思いますね。そればかりか、アジア諸国だけでなく、英仏独伊露伯や産油国も含め多数国が参加するのですから、協力関係は築き易いでしょう。


参加した場合のデメリットですが、出資金を拠出せねばならない、として、他にこれといったものは見当たらず、逆にメリットは大きいというのが拙ブログでの判断です。アメリカ一辺倒の外交よりも、外からの見栄え的にもよさそうです。むしろ、アメリカの立場を悪くしたように思えますね。全世界が日本とアメリカの、「ただならぬ関係」を目にしたわけですから。


あと、こちらにも書いてます。>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a896b49f51e61e7ec3a09cdb649ad130


「返ってこない金」とやらの金額だけの比較で言えば、外務省と財務省がドブに棄てた額の方が圧倒的に大きいです。それなら、AIIBの拠出金に使った方がマシ、と考えています。


博打狂のオヤジが、自分で100万円を博打でスッてしまったくせに、妻が「今度友人の会社に出資して株を買うわ」と言った1万円について、「損したらどうするんだ、取り返せる保障はあるのか、返ってくる根拠がなければ絶対に株なんか買うな」と言っているかのようですね。

会社が大きくなって儲かるかもしれませんよね?
勿論、失敗して、1万円が丸損になるかもしれません。そうだとしても、博打に100万円つぎ込んで大損失を出したオヤジには、損したらどうするんだ、とは言われたくないでしょうね。オヤジの損失に無関係に、妻の「株式1万円を買う」の是非は別でしょうが、一つの賭けのようなものですので、希望通りにうまくいくかどうかは「やってみなければ分からない」でしょう。事後的に「1万円を出資すべきではなかった」という批判はあり得ますが、失敗ゼロを常に制限として課すなら投資は一切できなくなりますね。


コメント表示が遅くなった挙句に、長々と書いてしまいました。

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奴隷国家の日本は米国に金を巻き上げられるしか能がない

2015年04月21日 13時33分18秒 | 外交問題
AIIB問題では、財務省が「15億ドルもドブに捨てられるか!」と偉そうに啖呵を切ったが、クズの霞が関がこれまで何をやってきたかと言えば、世界中でそちらこちらに金を棄ててきたわけだ。前に書いたODA債権の放棄がそのいい例だ。

他にもあるので、ご紹介しよう。
所謂、テロとの戦い、と称して、日本がイラクやアフガンに金を注ぎ込まされてきたわけだな。どうせ戦費や武器弾薬購入費に充てられてきたんだろう、とは思うね。道路工事費にかかる金なんざ、たかが知れてる。中抜きで、金は横流しされ、戦争につぎ込まれただけなんだよ。当方の陰謀論はとりあえずいいか。


で、2001年以降、日本がアフガンに無償援助と称してつぎ込んだ金は、2009年までで約40億ドル、そこから更にプラスで50億ドル支援の宣言をした。総額は最大で90億ドルくらいってこと。

>http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/afghanistan/the_kabul_conference1007/shien.html

この後、18億ドルくらいは既に実施済みらしいので、実績の58億ドル+約25億ドルということで、83億ドルくらいは「ドブに捨てた」も同然ということだな。
だって、アフガンがその後政治的に安定したとか、テロが撲滅されたということはなく、米軍が未だに張り付いて金を吸い上げているんだから。戦争は金がかかるんだよ。


こういう財務省、外務省のヤツラが、出資金15億ドルも払えるわけがない!って怒鳴ってるわけだよ。

どうしてか分かるよね?
日本の国家の為、とか、外交戦略の為、とか、そういうことではないですよ。


アメリカに「金持ってこい」って言われたら、何が何でも増税して金を上納するしかないわけ。カツアゲと一緒。米軍は金が全てなんだよ。
日本の財政が火の車で、財政赤字がこれほど酷いっていうのに、日本にだけは海外に金を払えって、求められるのはおかしいですよね?国際機関だって、日本は財政再建途上なんだから、自国運営に力を注げ、とかアドバイスしてもいいでしょう?

ところが、金を払え、って言うわけ。
アメリカが「中国になんざ払う金があるなら、こっちに持ってこんかい!」って脅すから、AIIBになんて「払える金があるわけがない!」って財務省が必死でアメリカのご機嫌取りをするわけですわ。


そんなに大変なら、海外に一切金を出すな。
何兆円もドブに棄て続けてきて、今更、15億ドルが出せませんってか?笑わせるね。
世界中のどこに、財政赤字が危機的なのに、タダで外国に金を何兆円も捧げる国があるっていうんだ。


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AIIB問題と通貨政策

2015年04月12日 16時16分10秒 | 外交問題
ここ数日の記事で、ドル基軸通貨体制のこととか、サルコジやストロスカーンの醜聞について述べたわけだが、構想自体はずっと前から研究課題として存在してきたであろう。発端は貿易とか融資といった表面的なものだけとも言えないのではないかな。


当方は予想屋ではないので、これまで何を的中させたかエビデンスを出せとか言われても、これといったものはない(そんな的中率の比較で政策を決定できるものでもあるまいに)。ただ、過去に自分が考えたことは記事として残っているから、それを掘り起こしてくるだけである。



2010年6月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2e851231f66dd93596f1200178e2a33e

(再掲)


③米国が反対したらどうするか

最大の難関はここになるだろう。しかし、最悪の場合、米国だけ外せばいい、ということで解決は可能である。
特に、日本と中国が導入を強力に推進した場合には、欧州は米国側にはつくことはないはずだ。何故なら、米ドルに比べてユーロの地位は不当なまでに低く抑えられているからである。

日中が協同してサルコジを説得できれば、彼は元から通貨改革には賛成派なので、ユーロ圏の取りまとめに動くであろう。欧州と中国との貿易という点においても、メリットはそれなりに大きいはずである。
サルコジが独の賛同を得ることに成功すれば、欧州圏の意見はほぼ固まるだろう。何も優先的に米ドルを買い続けたいという欧州人はそう多くはないはずである。また、ロシアもまず賛成に回るだろう。

となると、主要国は固めることができるはずである。
ブラジルやインドにとっても、悪い話ではないはずであろう。新興・中堅アジア諸国にとっても、通貨政策上で米ドル依存脱却ができるので、反対するべき特別な理由というものはないだろう。

さて、残るは、イギリス、カナダ、豪州、産油国といった、過去の関係からみて賛成するかどうかは不明の国々が残るが、経済規模からみて日中欧+アジア諸国+露伯印の参加があれば、それで十分である。これら賛同する国々で共通通貨単位を用いて取引すればいいだけである。
極端にいえば、参加したくない国は別に参加しなくてもいい、というだけ。これまでの外貨準備で米ドルを買っていたのをやめて、共通通貨単位を準備しておく、ということになるだけである。


=======


ここに例示した国々は、殆どが参加の申し出をしたわけだよ。カナダは外れているがね(ベネズエラもか)。『日中欧+アジア諸国+露伯印の参加があれば、それで十分である』と述べたが、最大の誤算は日本が入っていないこと、だ。
拙ブログでは、日本のこともあるが、世界全体から見て望ましいだろう、と考えたのだが、日本は愚かにも米国の側に付き従うことを選んだわけだ。



サルコジを追い詰める為に米国情報網がフル稼働していただろう、とも述べた。

2010年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/63a9437059cecd6ca7360fa7dc4df421


それから、ストロスカーンの逮捕騒動について、も。

2011年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/274685b14fb9f5a88e37b647cf1786a2


(再掲)

今回のストロスカーン専務理事逮捕事件は、米国サイドの反感や強い拒否の意思を示したものと思われます。それは、サルコジ大統領が旗振りをしていた通貨改革に対して、ということになるかと思います。今年のサミットはフランスが議長国で、サルコジ大統領は議題として為替問題(通貨改革)とIMF改革を呼び掛けるとの報道が3月のロイター記事(http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20356820110331)などで散見されていました。
これに加えて、ストロスカーン専務理事がやはり「人民元のSDR加入」に端を発して基軸通貨改革などの意向を示していたことから、この両者が外交的に本気で取り組んだ場合には、それなりの成果が得られる可能性があったかもしれません。次回の会合日程などが本格的に議論されて、新興国を取り込んだ通貨改革のテーブルが出来上がってしまう、といったような事態を恐れたものと思われます。こうした機運が高まれば、仏単独ではなく中国が当然これに加わることを意味するので、米国としてはこの対抗手段を失いかねない、と危惧したとしても不思議ではありません。


=======


これらの動きを米国が潰してきたので、中国は自力で今回のAIIBに漕ぎつけた、ということでしょうね。待っていても、IMFの改革もSDRも人民元の国際化も進展が得られないから、と。


しかも、サウジ、UAE、オマーン、クウェート、カタールといったドル基軸のリッチな産油国がこぞって参加したということの意味は、ドル通貨への信頼低下ということを考える必要がある、ということだ。勿論、一面的な判断だけではないく、いくつかの要因の総合的評価であるだろうが、米国外交失敗の結実、と見てよいだろう。


形を変えて実現した、と言ってもよいかもしれないな、と。



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AIIBで明瞭になった世界の笑い者、日本

2015年04月10日 12時30分42秒 | 外交問題
従米派官僚たちの大勝利~!!
おめでとう。日本だけは、アメリカさまの言いつけを忠実に守る犬なんだな、ということが世界中に証明できましたね。これで、日本はアメリカの子分第一番手となれるし、韓国なんかを出し抜いて、アメリカさま自慢の手下(笑)になれたことでしょう!


いくら日本国内向けに虚勢を張っても、世界中でもの笑いのタネになっていることは間違いないわな。日本の政治家たちって、本当にアメリカの奴隷なんだね、って明らかにできて何よりでした。


これまで拙ブログなんかでそういうことを指摘しても、多くの人々は半信半疑だったことでしょう。そんなことが現代において起こり得るものなのだろうか、とね。普通の民主国家では到底考えられないし、そのようなことをするメリットすら分からない、というのが普通の感覚なのではないですかね。


けれど、現実に、今の日本においてでさえ、そういうことが起こるわけですよ。日本がGHQの占領統治下にあった時代でもなければ、経済規模が弱小国であった時代でもなく、アメリカの援助を受けねば国家運営が立ち行かなくなるといったことでもないのに、です。

だから、今回の件は非常に良かったです。誰も信じない時から比べれば、世界から見た日本の政治情勢というものが、心底「米国の犬であり子分でしかない」ということを、これ以上ない形で立証できたわけですから。
そして、日本の政策当局者たちの判断基準というものも、戦略的・大局的思考といったことは無視してよく、アメリカの言いなりの操り人形しかいないということ、官僚の保身の為ならば国家を窮地においやることも厭わない連中なのだということも明らかにできました。


まあ、要するに、クズとバカの集合体、ということですね。
そういう日本の政治家だの官僚だのが、尊敬なんかされると思いますか?あるわけないでしょう。
政治家、官僚機構、マスコミ、経済界、これらが一致協力し揃って愚かである、という点では、日本は稀にみる無能かつ異常な国であろう。自ら進んで植民地であるかのように振舞いたい、というのだから、大笑いである。しかもそれを主導するのが、エリート層であるはずの連中と来てるのだから、少しくらいの反対勢力では強固なバカ集団の目を覚まさせることなどできないわけだ。


40人のクラスに存在する不良グループみたいなものだ。例えば1人の番長と3人の子分がいても、わずか4人だから少数派でしかない。圧倒的多数派は残りの36人なんだよ。だが、不良グループに刃向かう人が1人出たくらいでは、毎回不良4人の餌食にされて負けてしまうわけだ。実際、過去の全ての勝利は4人の不良グループだったわけだよ。そうすると、クラスの皆も気付かないフリを続けるか、刃向かった1人がボコボコにされても他人事のように「あーあ、可哀想に」と蔑んだ目を向けるだけで何もしないのだ。
そうして、不良グループに抵抗することを諦めるようになるのだよ。自分だけが貧乏くじを引かされなくないから、だ。不良どもに血祭りにあげられるのを回避しようと恐れるから、だ。


不良グループ内では、番長に逆らうと痛い目に遭うが、番長の言いつけを守り続ければクラス内で優遇され、少しばかり偉そうに振舞えたりするから、子分であることを止めないわけ。一斉に子分3人が番長に対抗して戦えば勝てるかもしれないのに、子分3人は互いに牽制しあっているから裏切り子分は処分される。過去にそうした状況を目にしてきたから、恐れるわけだ。


こうして、圧倒的少数派の不良グループによるクラス内の支配体制が確立されてしまう、と。対抗策はクラスの残り全部が結束して、4人に立ち向かうしかないわけだが、それができないわけ。各人が結束することを妨げられ、情報遮断ができているから。子分の中には、クラス内の情報を一手に担っている人間がいるから、だ。その子分は自分の好きな情報だけを流すことができるから。


日本におけるアメリカへの隷属は、このクラスと同じようなもの。子分というのが、所謂日本でのエリート層なんだな。



ところで、IMFや世銀あたりがAIIBに対して一緒に協力していきましょう、みたいなキレイ事を並べるようになっているわけだが、どうしたんでしょうか。お前ら、中国のペテンに騙されて、勝手にやってろよ、と堂々と宣言してみたら宜しいんじゃないですか?

まあ、そんなバカなことを言うのは、日本のネトウヨとか工作員部隊くらいしかいないでしょうがね。


融資案件の調査って、金の動きもそうだけど、投資情報が筒抜けになってしまう、ということがあるよね。アメリカさまは、過去にそうした情報ゲットで他国の邪魔をしたり、金儲けに噛んだりしてきたんじゃないですか?
そういう憂き目に遭ってきた国々が少なくないなら、米国の好き勝手にされてたまるか、と内心思ってる国々があっても不思議ではないかな、と。


例えば、ある国Xが重要な投資計画を持っていたとする。開発計画には欠かせない投資であるなら、資金調達できるかどうかは重大である。ここで、資金提供を獲得できるかわりに、というか内々で「その条件として、パートナーにY社も入れてやってくれ」というような口利きがあったら、どうだろう?
それとも、受注先企業Zが想定されていたが、米国の有力会社であるU社に受注させるように求められたら?
その開発計画を知って、計画をほぼパクった形で別の競合計画をアメリカ主導の民間資金で一気にやってしまったりしたら?



いや別に、世銀とか開銀とかの審査の方々が情報を漏らしまくってる、とか言いたいわけではありませんよ。過去の事例において、不適切だと見られることはなかったんだろうか、情報漏れや裏取引を要求されたりしたことが果たしてなかったのか、ということは思うわけですね。表沙汰になってないビジネスチャンスが、そうした融資案件審査で判明してしまい、それがどういう影響を与えていただろうか、とか、思うわけですよ。


不満に思っていた国々があれば、もっと自由にやりたいと思うだろう。紐つきの金で苦しめられたり、嫌な目にあってきたりしてたなら、やはり別の枠組みでと希望するだろう。

アメリカ1強時代に作られた制度や枠組みは、今の時代に合っておらず、アメリカの政治的な専横に嫌気が差してきたことの表れではないか。


アメリカがブレトンウッズ体制を維持せんが為に、Gold Selling Consortiumを作っていた時期があったろう?米国と西側諸国の中銀が作ったものだ。

米国側代表はNY連銀で出資率50%、他は、西独11%、英仏伊各9.25%、スイス、ベルギー、オランダが各3.75%、というものだった。金価格のレンジ内維持を目的として、各国が保有する金地金を売ることで価格騰貴を防ぐというものだった。ドル‐金兌換を維持するべく、ニクソン・ショック以前の世界では為替管理体制が作られていたというわけだよ。これは西側世界共通の管理体制であり、IMFや世銀だってそういう一端だった。
アメリカが出資比率50%であったとして、当時においては不思議でも何でもなかった、というわけであり、それは金保有高やGNPの大きさなんかでは至極当然と考えられていたことだろう。
(因みに、金価格が下げた時にも買い介入するシンジケート団も作られるに至った)


恐らくはドル1強終焉を見据えて、ドル基軸通貨体制への対抗策を画策した、サルコジ元大統領とかストロスカーン元専務理事らは、政治の表舞台から醜聞で葬り去られた。情報監視体制で圧倒的優位だった米国の策略が勝利した、ということだろう。しかし、今回のAIIBに関しては、米国の敗退は確定的となったわけだよ。


ドル1強という基軸通貨体制は衰退期にある、ということを、多数国が感じとっているということだ。そんな中でも、日本だけは義理を果たして、番長米国に従いましたぜ、ということだけは自慢できるのかもしれないな。


日本の従米派たちは泣いて喜ぶことだろう。何たって、世界中に「俺たちはアメリカの奴隷国家なんだ、これぞ奴隷国家日本の忠誠心、しかと見よ」と大宣伝ができたわけで。


少なくとも、東南アジア諸国で参加してないのは、そもそも拒否された北朝鮮以外では、日本たった一カ国である、ということの重みは、ハンパじゃないってことさ(笑)。


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財務省は貸した金を取り返してこい!

2015年04月10日 09時46分38秒 | 政治って?
また、当たり前のことを言って、さも正しいかのように装うが、財務省が貸した金を取り返してきたことなんかあったか?



>http://www.sankei.com/economy/news/150409/ecn1504090042-n1.html

>http://b.hatena.ne.jp/entry/www.sankei.com/economy/news/150409/ecn1504090042-n1.html



財務省、それに麻生財務大臣、あなた方が金をつぎ込んだ部分から、まずは取り返してきてから言えっての。

IMFへの拠出は、昨日記事に書いた通りだ。
252億ドル、これの金の出入りをハッキリさせてもらおうじゃないの。金利収入を明らかにしてくれ。


一番デカいのが、米国債への投資な。
外貨準備で持ってる米国債を換金してくれや。
短期国債発行残高を減らせばいいし、円安倒産の打撃を緩和できるぞ?


半減させたって、別に何ら問題なんかなかろう?
借金苦の財政当局が、なんで元金を減らさないんだ?ボケどもが。

1兆ドルではなく、5千億ドルでも別に問題なんかないだろ。
民主党政権時代みたいに、ドル円為替が戻れば、為替損を40兆円規模で抱えることになるんだぞ?

そちらの方がはるかに大問題だろうに。



それから、外務省への予算、これをまず放棄した債権額の分だけ、返済してもらえ。


国税よ、貴様らは国民からはケツの毛まで回収するんじゃないのか?

ならば、外務省に貸したも同然のODAの金は、全額回収するのが筋ってもんじゃないのか?
それともなにか?、外務省はビタ一文も持ってないと?
笑わせるんじゃないよ。


分割で払わせてから言えよ、ボケが。
年500億円ずつ減らせば、1兆円は20年で返済できるだろうが。利息はまあ、勘弁しておいてやる。
だがな、国民の税金を預かる財政当局だ、と偉そうに能書き垂れるなら、まずそういうやるべきことをやってから、大見得を切れよ、クズ野郎ども。


財務省は、自分たちのポストの心配だけしていただけだろ。
IMFのポスト、ADBのポスト、そういうのを確保したい、盟主アメリカさまのご機嫌をとりたい、そういうことだけだろ。


日本の戦略なんてものは存在しない。
あるのは、ご主人さまのご機嫌を損ねることなく、「自分だけ」がいかに生き延びるか、それだけだろ。それに汲々としてポストにしがみついているだけなんだろうよ。


これが、日本の政治、行政部門の、上から下まで、一様にそうなってしまっているわけ。
だから、思考が単一で、クズみたいなのばかりになってしまうのだよ。


何兆円も金を捨ててきた上に、今なら売却できるはずの米国債すらも売れない、と。
これが、奴隷国家たる日本の落ちぶれた姿である。


持ってるのは、これまでの、僅かな蓄えのみ、と。
それも、オレオレ詐欺よろしく、アメリカさまとその一派に巻き上げられたり、カツアゲ食らったりして、毟り取られるんだとよ。
愚かの極みだ。


これに同調するマスコミ、ネット工作員部隊、揃いも揃って、●●ばっか。
上がこれじゃ、下の奴隷どもも当然同じようなもんだろうね。


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AIIB問題から見える外務省の大失敗と闇

2015年04月09日 16時59分36秒 | 外交問題
「AIIBに参加しなくてよかった」的な意見が、対米隷従を賞賛する人たちに存在するように見受けられる。勿論、世論を誘導したい側も、そういう意見が出るだろうね。


>http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000047960.html

中国が設立を主導しているAIIB(アジアインフラ投資銀行)について、日本の出資金が2000億円程度になると政府が試算していたことが分かりました。先月までに参加表明しないと判断した根拠の一つとなりました。

 試算では、AIIBが発足当初に参加各国が出資する総額は100億ドル、1兆2000億円とされ、各国の分担をGDP(国内総生産)などをもとに算出しました。その結果、日本の出資金は1000億円から2000億円になったということです。関係者によりますと、財源には税金が使われる可能性が高いうえに、いったん参加表明してから条件が合わずに離脱する場合、対中関係が悪化することも考えられるということです。この結果、先月、AIIBへの参加表明は当面しない方が良いという判断に至ったということです。


========


何としてもアメリカさまの顔色を窺わないといけない連中は、参加すべきでないという意見しか言わないだろう。それが日本にとって利益となるのか?


日本の分担金の想定額が15億ドル規模ということだとして、これを使う場合にどうなのかを考えるのが普通であろう。議論の結果、使うべきでない、という結論ならば、その通りにすればよい。しかし、これまでのところ、金額の大きさだけが出されただけであり、報道レベルでの検討材料は極めて乏しい。TPP問題の時にはあれほど狂ったようにマスコミが「参加しなければならない」の大合唱で、経済団体も一様に参加だ参加だと喚いていたのに、今回に限っては全くの「寝耳に水」といった対応なのは何故なのか不思議ではある。
日本という国においては、政治だけでなく、マスコミも経済界もネット界隈でさえもが、アメリカさまのご意向に逆らえない(笑)、ということが分かっただけである。


まずは、金が数千億円もかかるんだ!、だからヤメだ、という意見について述べてみたい。


(1)IMFへの拠出金はどうなった?

リーマン・ショック後に、麻生政権が1000億ドルの拠出を申し出て日本の存在感をアピールした、ということがあった。その後にも、野田政権時代にやはり600億ドル拠出と言って、ドジョウを狙ったわけだ。

実際、H20年12月末とH26年12月末の数字で比較してみよう。

>http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/official_reserve_assets/2612.htm

             平成20年     平成26年
リザーブポジション     2659       11993
SDR             3033       18895

(12月末、単位 百万ドル)


6年間で増加した額は、合計で約252億ドルである。平均ドル円為替が1ドル100円だったとしても、2兆5千億円も使ったということ。外為特会の収入の明細が出てないので分からないのだが、これら出資した金額や貸付に回った額の利息収入がいくらなのか、誰か知っているなら教えて欲しい。

因みに、アメリカは拒否権を残す為に15%以上の投票権を維持しなければならない(85%以上の賛成がないと決定されないから)ので、Quotaは日本の約6.5%に対して米国約17%となっていることだろう。しかし、外貨準備の額で見れば、アメリカのSDRは減額されてきており(以前は500億ドル以上あったが今では約350億ドルくらいか)、リザーブポジションも減少していることだろう。
その上、債務上限の緊急措置でESFは取り崩されているはずだろうから、SDRは残っていても実際の換金性の高い金融資産にはなり得ないのでは。

ここでは米国の外貨準備高を詮議するものでないので、まあいい。


要するに、日本がIMFにつぎ込んでいる約310億ドルの資金からどのくらいの利益が生み出されているか、それを知りたいのだよ。そして、IMFにここ6年で新たに投入された252億ドルがもたらした利益額だ。AIIB投資額15億ドルの約17倍の資金量の、税金なんだろう?
25年度末時点で、約128億ドルの貸付金残高があるそうで、その利息収入状況について、知りたいわ。


(2)アジア開発銀行(ADB)の出資金

これもIMFに似てるが、日本はアメリカと同額の15.6%だったか、拠出割合があったはずだ。これも254億ドルの拠出割当額と現実払込済額の約13億ドル(正確な数字が探せなかったので推定額です)が使われているはずで、その収支を知りたいのだよ。資金規模の近さからみて、比較対照とされやすい存在だし、検討材料として数字を公開してほしいもんだね。


(3)ODAの損失額

反中の情報操作連中の言い分によくありがちなのが、中国に騙されて金だけ絞り取られる、みたいなものだ。日本のネトウヨ連中のバカは、情報操作しか能がないのだよ。

これを先導する外務省も同じくバカの集団であり、いや、むしろ悪賢いというべきだろうね。どうせ人の金(=税金)だと思っているから、何とも思っていないのさ。仮にAIIBへの拠出が1000~2000億円となるとして、全額が焦げ付いて純損失となるのか?
中国以外の参加49カ国―G7諸国もG20諸国も当然多数参加している―は、一様に中国1国に簡単に騙され、ペテンにかけられて金を失う、と?
残り全部の国々の政府や金融担当者たちの方が、日本のマヌケネトウヨ連中よりも、はるかに賢く判断力もあると思うが。


ネトウヨ諸君の親玉外務省の恥部をご紹介しておこう。
金をまるまる損失した例というのは、例えば民主党の野田政権時代に、ミャンマーへの債権放棄3000億円、というのがあったろう?これは丸損だろうに。やったのは、外務省の連中ではないか。
これも、政治決断だった、とか、自民党ならしなかった、とか言うかもしれない。


ならば、ほぼ自民党が決定してきたであろう2003~2010年度のODA損失額はいくらだろうか?相手国が返済義務を負っていた、日本政府が持つ債権を放棄した額は6965億円だった。ODA関連分だけで、だ。これ以外にも非ODA債権も含めれば、約2倍に膨れ上がる。
単純に、外務省がやってきたODAのうち、税金が丸損になったのが約7000億円、ということだ。ミャンマー分も含めれば、1兆円がパアになったんじゃないか。どうしてそれを大事にしない?何故大騒ぎしない?

AIIBの推測される出資金15億ドル程度について、まだ見ぬ損失を恐れるくせに、これの何倍も損失を出してきた外務省のODAを大問題としないのは何故だ?やっぱり、バカだからですか?


バングラディッシュ1国に対して、03年から08年の6年間、毎年債権放棄を実施した結果、ODA関連損失額は約1544億円だった。AIIBに支出予定額とほぼ同額を自民党政権下で、丸損にしたんじゃないか。


イラクやナイジェリアといった産油国への債権放棄額も数千億円規模で行われた。この2カ国で約1兆円の公的債権放棄が行われたんだよ。


これは、どういうことが考えられるか?

・日本から金を引っ張る=外務省がODA実施、
      歩調を合わせてJICAやJBICなんかが民間企業などにも投資を勧める
       ↓
・投資を受けた連中は石油掘削関連の投資がしやすくなる
       ↓       
・ころ合いを見て内戦や動乱で不安定化
       ↓
・投資国は債権放棄を迫られる=日本の資金は丸損
       ↓
・石油関連施設などを手に入れた連中への利益供与・金の付け替え


都合の良い財布代わり、ということだな。
日本に金を出させて、その金は形を変えた資金移転というか利益供与に他ならないわけで。債権を放棄させて、動乱後に丸儲けだった連中がいた、ということになるわな。


ミャンマーやバングラディッシュというのは産油国ということではないが、次の安価な労働力供給国として利用する為に、日本に債権放棄させることの意味は出てくるだろうね。また、安倍政権になってから、安保理の非常任理事国でアジア枠を金で譲ってもらったり、というのに使われる、と。債権放棄したばっかりなのに、またしても6000億円も投資するという話は通常では考えられないから。

誰かの為にやってる、ということだ。
誰かというのは、ビジネスで潤う連中、と。


外務省が金の話を持ち出してくるのは意味があるのだ。ODA損失が膨れ上がるのはバカだから、ではなく、「誰かの為」という役割をしっかりやるから、債権放棄が莫大な額となるのだよ。
それか、税金が減って外国(の誰か)への利益付け替えができなくなる、という場合にも、予算が足りないと騒ぐわけだ。

しかし、AIIBはそういう話のタネではないから。なので、見向きもしないわけで。アメリカさまは参加するなと念押しをしてくるし。日本国民の為にやってるのではないのさ。


だから、増税した途端に気前よく世界中に金をばら撒く、と。イスラエルやエジプト歴訪時の金の話がまさにそれ。


(4)AIIB参加の意義とは

参加するメリットが分からない、という愚か者たちは、アジアでの日本の立場を考えたことがないのだろう。

具体的に、分かるように、以下の条件で試してみては?

・「ASEAN+6」の16カ国中、参加してない国はどこか?
・G20の構成国うち、参加していない国はどこか?
・G8のうち、参加していない国はどこか?
・OECDのうち、参加国はどれくらいあるか?


AIIBの役割として期待されるのは、ドル基軸通貨体制ということの備え、であろうか。例えばIMFのSDRだって最初からあったわけではない。第二次大戦後の為替や通貨というのは、端的に言えば米国の1国体制、ということだったわけで。

国際復興開発銀行、世銀、IMFといった枠組みも、米国主導というか米国という1カ国の巨人が支配する体制だったんでしょう。その他大勢の弱小国は通貨体制には大した影響力など持ってなかった。世界は「金‐ドル」中心主義とも呼ぶべき体制だった。
しかし今では、ドルの凋落は著しい。ドル通貨の大量供給によって、減価が一層進んだはず。ドルの地位低下は今後も継続するであろう、と考えれば、英ポンドが辿った歴史に似ていて、重要度は低下するであろうと予想するのは当然だ。


米国債務を、これからもずっと支えられると思うか?
英国はIMFからの借金を返済するのに、四苦八苦していたんじゃなかったか?
あのポンド諸国を多数従えていた戦勝国の大英帝国が、だぞ?


日本円だって、今よりもずっとマイナーなローカル通貨になってゆくかもしれない。それに伴って、中国元は国際的重要度を増す可能性がある。となれば、ドル体制以外の、バックアップを考えるのはごく当たり前のことではないのか。
米国の政治的地位低下、という面だけではなく、ドルという通貨に対する信頼性は低下してきている、ということだ。中国がインチキくさいとしても、経済規模の大きさは隠しようがない。
かつてソ連がIMF構想から外れたのと違い、中国は世界経済にガッチリ組み込まれている。今後、内需増大の国へと変化してゆく過程で、GDPウェイトがそう簡単には縮小しないだろう。多少の貿易(輸出)の減速があったにせよ、人口規模は簡単には縮小しないし、高齢化も一気に来るが消費がいきなり消滅するわけではない。


中国の通貨は、これまでよりも国際的役割が拡大するであろう、というのがごく普通の考え方なのではないか。そのトレンドが如実に顕われたのが、今回のAIIB参加問題であろう、と考えている。


また、資金拠出はある種の投資なのであるから、失敗の可能性はあるかもしれないが、参加国の顔ぶれから見て、日本だけが大損失を蒙る可能性はほぼない、と考えて当然だろう。
15億ドル程度の投資(出資)なら、過去の例から見て、何ら高額でもないわ。



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