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政府の経済対策と日銀利下げの雑感

2008年10月31日 19時39分15秒 | 経済関連
とりとめもなく適当に書きますので、論点整理とかは特にありませんです。
思ったことから順に。


①日銀の抵抗

最後は白川総裁の決断ということで、5対4の1票差だったということらしいです。まあ、決断といっても、市場からの催促がきつかったので、ここで見送りという「超ネガティブ・サプライズ」は許されない状況であったでしょう。

で、絶対に利下げには同意したくないぜ、という、日銀サイドの「ささやかな抵抗」を忍ばせておきましたぜ、ということかと。
「盗人にも三分の理」、もとい、日銀には日銀の言い分といいますか理屈があるようで、「どうせ利下げしても効かないぜ」という決め付けみたいなもんでしょうかね。
だったら、日銀の金融政策はイラネ、ってことじゃないですかね。だって、これっぽっちを上げても下げても「関係ねー」ってことなんでしょ?ならば、総裁はオレでもいいわけだ(笑)。どっちにしても同じじゃねーか、という程度のことを、桁外れに高額年俸を貰う連中が何人も集まって協議するのは、単なる無駄だわな。全員要らないんじゃないか?利下げはやってもやらなくても同じ、というのは、自ら自己の存在意義を自己否定するという、全くのマヌケということを証明しただけだ。

何だか知らないけれども、日銀としては、すんなり利下げには同意したくない、絶対に認めたくない、ということを、「怒りのコンマ05」に込めたということだな。今や「経済界の関東軍」という最高級の尊称(笑)さえいただく「天下の日銀」でありますので、「へそ曲がり」っぽい(?)、それとも天邪鬼的な心境を表したものでしょう。つまりは、日銀としては不快感を露わにした、ということかと。

前にも何度か書いたけれども、金融政策は日銀の為でも、政府の為でもなく、日本国民の為にあるのだ。そして、今や経済が世界的に連動した状態になっているからこそ、世界経済にとっても重要な意味を持つのだ。別に、日銀サイドの満足とか、委員連中がどう感じようと、そんなもんはどうだっていいんだよ。日銀の面子なんて、日本経済に比べれば、鼻をかんだティッシュみたいなもんだ(喩えが余計に判らんか?笑)。何を天秤にかけているのか、判っているのか。日銀のphilosophyよりも、日本経済や世界経済の方が圧倒的に重たいんだよ。
「よーく考えよー、お金は大事だよー」

つまらん見栄だか、カッコつけだか知らんが、余計なことをしてくれたお陰で、株価は再び大きく下げてしまった。0.25という事前予測を裏切って、0.2なんていう珍妙な数字を出したもんだから、良い方のサプライズではなく失望が広がった。日銀の発表後には急落してしまったんだよ。
ガイジンさんが報道する時にだって困るだろ?(笑)
下げ幅は、「4分の1」だとシンプルだし、感覚的にもすんなり「ああそうか」と思うけど、微妙な20bpです、みたいなのは、「あんたら、一体何したいの?」ってなっちゃうじゃん。20セントじゃ電話もかけられない。関係ないけど。25セント硬貨とか、感覚的なものが4等分なんだよ、多分。ピザだって、4分割は簡単にできるけど、5等分ってやり難いだろ?金利に関係ないけど。
要するに、そういうようなこった。

日銀の考えてることが、外国人には非常に伝わりにくい、ということだと思う。
何でそんな余計な真似をすんの?、と多くが思ったことだろう。日銀は依然として「緩和しようとは思ってないみたいだ」と、ガイジンさんたちは受け止めてしまう、ということ。日銀がいくら「いやいや、最低は結局0.1%水準と同等だから」みたいに言っても、マーケットに正しく理解されていなければ、政策効果はそれだけ殺がれることになるだろう。

期待が萎んでいったので、大幅反落となった、ということだ。


②効果の程はとりあえず措いといて~財政政策

ダメ出しが各方面から出されていますけれども(笑)、両面と考えています。

良かったことは、とりあえず「直ぐ動きます」という姿勢をどうにか見せたこと。

前の福田政権では、「ワレ関せず」の愚図でノロマな亀だったのですが、今回はそれよりもはるかに動き出しが早かった。まあ、こんだけ下げていて、何も手を打たないとなれば「●んだ方がマシだ」ということになってしまいますが。そうした雰囲気は市場にも好影響を与え、最低記録から反転してかなり値を戻すことに成功した。利下げへの要請工作?も、不十分ながら実施に踏み切らせたことは評価できる。どんな場面でも、「やるぞ」と直ぐに対処することは、心理的によい影響を与えることが多いかな、と。まずは、「対応する時間」を生み出せるように、初期対応をきちんとするということだと思う。そこでとりあえず踏み止まれば、次の対処をするのが間に合うようになるから。時間的余裕ができたら、その後にもう少しよい一手を考えればよい。


悪かったことは、これも散々酷評されていますが、「バラマキだ!」作戦ですかね。
効果が乏しい、というのがその理由だと思いますけれども、とりあえず気分を変えるということには、一役買っているかもしれませんよ(笑)。

そういうようなことはあるかもしれんが、金に色が付いているわけではないので、もらった金をとりあえず借金返済に回してしまうとかになったとしても、生まれた余裕資金は何かに使われる可能性はあるから。

面白いのは、まず野党の批判だな。特に民主党以外の社民とか共産あたりか。常日頃、「減税スレ、スレ」と口を酸っぱくして言ってたように思うんだけど、実際「減税するぜ」となった途端に「バラマキだ」に変わるのはどうなのよ、と思うな。じゃあ、バラマキませんか?ばら撒くのを止めたらいいんですか?つまりは、減税には反対ということですね?(笑)
多くの庶民が物価高で苦しんでいる時だからこそ、少しでも助けになるようにということで配るのですが、それはやるべきではない、ということですね?

どういうわけだか、こういう減税にはみのもんたあたりが大賛成してくれてもよさそうなんだけど。
「もっとやれ、庶民にばら撒いたっていいじゃないか」と賛成するのが本筋なんじゃないの?

今回、バラマキだ、と大反対していた連中は、とりあえず「減税に反対派」ということで区分させていただきとうございます。誠に有難うございました(笑)。


でもね、ホラ、経済学の初歩で出てくる式ですが、あれで見れば、
 所得=消費+投資+政府支出+純輸出
ということになっているわけですから。

消費が大幅に増額にはならないかもしれないが、政府支出は増大するわけなんですよ(笑)。つまり、GDP統計上では、プラス効果がきっとあるんでしょう。今年前半は原油高や材料高の影響なんかがあって、輸入額は大きく伸びたですが、輸出は低迷したのですから、純輸出はかなり減るんですよ。8月の赤字額は過去最大だったかと思いましたけれども、それくらい苦戦だったわけです。今後下半期で円高効果+原油材料価格低下の効果が出てくると思いますので、輸入額が減ることで輸出減速との相殺となる効果が期待できるでしょう。それでも、消費や投資は苦戦が予想されますし、既に前四半期はマイナス成長でしたので、今後政府支出で下支え効果を発揮するのが悪いとも思いません。

あの米国でさえも、減税を行い、金をばら撒いたではありませんか。
日本よりかは格段にガチガチの「小さな政府派」であるブッシュ政権が、政権末期にも関わらず苦渋の決断をして、金をまいたんです。確かに消費に向かう効果がどうなのか、とか言われますけど、手元の金が少ない場面では「何であっても金」なんですから、ないよりマシです。そういう効果もあって、とりあえず米国のGDPのマイナス幅は大きくならず、どうにか踏み止まっています。

GDP統計の数字がどうだって言うのよ、という批判はあると思いますけれども、上がるより下がるのは「心理的マイナス効果」が大きいと思いますし、同じ下がるのでもマイナス幅が「大きいより小さい方がいい」と思いますよ。だって、英国のマイナス成長だって、「ああ、16年ぶりにマイナスなんだ!」ってことで、大きなニュースになってしまい、そうすると心理的に冷え込むわけですから。それもあって、急激なポンド安となってしまったじゃありませんか。けど、そういう「マイナスだ!!」というのを知らないままであれば、実体経済が体感的に良くないな、と思っていたとしても、案外と不安心理は大したことがないと思うのですね。


でも現代は、情報の伝達速度が速いこと、そして世界中に拡散していくこと、これが「グローバル経済」の本質的な部分なのだと思うのですよ。昔よりも物理的障壁が緩和された(=世界が小さくなった、移動手段や速度とか…)という効果以上に、ことに金融においては情報伝達が物理的障壁以上の意味を持つのだと思います。株安だの市場崩落だののニュースは、瞬く間に世界中を駆け巡るんですよ。昔みたいに、伝書鳩で情報をいち早くゲットして、一財産作れた時代とは全く違うのです。世界の金融が情報によって連結されているからこそ、情報拡散がより大きな変動を生じるのだと思います。

部屋の中に人が100人いるとして、火事になった時のことを考えてみます。
火事だと判る人が10人だけだと、残り90人は火事なのに、直ぐには気付かず逃げようとしませんよね。ちょっと遅れて行動することになるでしょう。でも、100人全員が一斉に判る時であれば、出口に殺到しようとするでしょう。そういうようなもんだ、ということ。
世界経済というのは、昔は農業の作物みたいなものだったのですよ。北海道が冷害に遭ったとしても、九州では豊作だ、みたいに、分離独立的な動きだったわけです。だから、どこか一つの地域が冷害で不作となったり、台風被害で全滅したりしても、遠く離れた場所で豊作だったりすれば何とか大丈夫だった。

しかし、グローバル経済化が進むと、北海道で冷害になると九州で使う苗がなくなりこちらも全滅になってしまう、というようなことになってしまったのです。九州が台風被害で不作になると、北海道で肥料にするべき堆肥がなくなるのでやはり不作になる、というようなものです。つまり、何処かの地域に冷害や台風などの突発的出来事が発生すると、それは遠くの地域にまで「リスクが波及する」ということです。地域間の距離や作物構成はリスクを遮断する障壁とはなっていない、ということです。これがグローバル経済ということだろうと思います。


話が大きく逸れましたが、浮き沈みがあったな、と。




ドーキンスはこんなところで何をやっとる(笑)

2008年10月30日 19時31分15秒 | 俺のそれ
超ウケた。

「神様は多分いない」と書かれたロンドンバス、来春にも登場か 国際ニュース AFPBB News

(一部引用)

【10月30日 AFP】ロンドン(London)名物の赤いバスの横腹に、近い将来、「神様は多分いない。くよくよするのはやめて、人生を楽しもう」という無神論者のキャンペーン広告がお目見えするかも知れない。

 コメディー作家のアリアン・シェリン(Ariane Sherine)氏(28)が考案したこのスローガンは、一部のロンドンバスの横腹に掲載されている「神を拒む者は地獄で永遠に苦しむことになる」とのキリスト教の一連の警告メッセージに対抗するもの。

 シェリン氏は、英国ヒューマニスト協会(British Humanist Association、BHA)と無神論者リチャード・ドーキンス(Richard Dawkins)教授の協力のもと、広告費5500ポンド(約88万円)を集めるために、賛同者から1口5ポンド(約800円)で寄付を募った。既に目標額に達しており、来年1月にも複数のロンドンバスの横腹に掲載される予定だ。

 ドーキンス教授は、「ロンドンバスに別のスローガンを掲げようというこのキャンペーンは、人々に考える機会を与えるものだ」と指摘する。「考えること自体、宗教では良くないこととされていますがね」

=====


◇ There's probably no God.

宗教右派の方々がこんな文句を見たら、怒り狂いそうだけどね。
でも、以前にあった「塹壕では無神論者ではいられない」ということもあるので、実際の場面にならないと判らないね。
どんなに「オレは無神論者なんだよ」と常々言っていても、本当に死の危険性のあるような絶体絶命のピンチに陥った時に、こっそり祈ってることだってあるかもしれないから。まあそれも別にいいんだけどね。


それにしても、イギリスっていう国は本当に不思議だ。

英国国教会は、キリスト教といっても、他のプロテスタントとはちょっと違う印象。だって、自分の教会を「これが本山だ」みたいに自分たちで認定し、それを続けているのだからね。それって、新興宗教の教祖と大きな違いはないかも。
それに、ローマと絶縁してまで争うということ自体、当時では「全世界の中でのスーパー異端児」だったわけで、カソリックの聖職者たちを殺しまくったのもイングランドだった。

喩えていうと、今なら「国内にいる科学者や教授」連中の中から、「お前は反対派だから」という理由で、追放または殺戮ということかな。

逆に、神の言葉を持つカソリックのスペインは、天下に聞こえし異端審問所の宗教裁判で大量殺害を行い、異教徒追い出しに専念した。


つまりは、キリスト教徒同士で宗教を理由として互いに殺害したことが、欧州の歴史を作った。

日本の仏教でも同じく、仏教徒同士の戦争は行われた。大量虐殺も勿論あった。
京都人ならば、地元史みたいなものを習うから、教わって知っているかもしれないね。昔の一向宗なんかは、仏教徒といっても凶暴だったというか、ほぼ軍隊か組織的暴力集団だったし。だから信長の殲滅作戦は凄惨を極めることになってしまった。世界的に見れば、キリスト教徒でも同じようなことはあった。

現代では、イスラム教徒同士であっても宗派の違いなどで激しく争っていたり、殺害が行われたりするけれども、多分神は人間にそうした殺戮を求めたりはしてないと思うけど。無神論者であれば、別にいいけど。でも、神がいると心のどこかで思っているなら、神が血と屍を希望しているはずがない、とは考えないのだろうか?まさか、慈悲深い神がそんな恐ろしいことを望んでいるとは、到底思えないのだ。


だから、戦争はやめようね>無神論者以外の方々へ




Resounding Defeat in The City

2008年10月29日 21時09分07秒 | 経済関連
今、日本経済は「cliff」の端っこに立たされている。日本の政治家がこの危機にうまく対処できなければ、このまま本当に崖の下に足を滑らせてしまうかもしれない。これまでの経験則では、うまく対処できない政治家や日銀や財務省だったということは言えるだろう。国民はこれら責任者たちの失敗の後始末をさせられ続けてきた。それが言うなれば「Lost Japanese Economy」という長き低迷期だった。今度も同じく、彼らがヘマをやり、経済対策が失敗に終わる可能性はあるだろう。

だが、日本経済の飛翔力はこれまでの「超低空飛行」に馴れており、多くの国民は「あの時よりはまだマシだ」と思っているかもしれない。失速して墜落しそうだし、息切れしているのは確かだが、二度と飛べなくなるほどの酷い状態ではないからだ。止まり木で少し羽を休めて、再び飛び立てばいいだけなのだから。

もっと遠くに目を向けると、日本よりも不幸な人々は大勢いる。それを思えば、日本は「まだマシだ」と考えるに違いない。日本の受けたダメージは、致命傷にはならない。勿論痛みはあったが、死ぬような傷ではない。しかし、海の向こうでは瀕死の状態に陥った国々が、IMF―駆け込み寺といった感じの「最後の高利貸し」に似てなくもない―の門の前に列を作って並んでいるらしい。各国首脳はこの高利貸しが一体何ドルくらい貸せる金を持っているのか、自分の国にはどれくらい貸してくれるのか、大層気にしているようだ。そのドアを叩かずに済んだだけでも、日本は幸福だといえるだろう。


ところで、もうすぐ公開となるジョン・ウー監督の「Red Cliff」は、三国志を題材にした映画だ。三国志は中国の古い歴史ドラマで、日本でも人気が高い。小説(私も例に漏れず、吉川版を高校生の時に読んだのだった)や、日本では定番のゲームやアニメなどで親しまれている。古くは―80年代だった、NHKで1年以上に渡り人形劇として放映していたのだった。それくらい、日本には馴染みのあるドラマなのである。「Red Cliff」は日本で好成績を収める素地が揃っているといえるかもしれない。

この「Red Cliff」とは「赤壁の戦い」のことで、曹操軍と孫権・劉備連合軍とが戦った。何でも大きな中国らしく、主に巨大な川―まるで海と見まごうばかりの長江―を舞台にした水上戦であった。詳しくは映画を鑑賞してもらった方がよいが、重要な部分だけをこっそり書いておこう。

簡単に言うと、曹操軍は大敗を喫する。これは日本においては有名な話だ。赤壁の大敗として知られている。私の拙い英語で言うとすれば、「resounding defeat in Chibi」ということかな。曹操軍は大軍を率いていて、孫権・劉備軍に比べて兵力では数倍も上回っていたが、ある計略によって敗北するのである。その計略とは、これも有名なのだが―「苦肉の策」の方ではなく―、「連環の計」と呼ばれるものだった。平たく表現すると、「グローバル化」みたいなものだ。大兵力の船を「連環」したことによって、火計に弱くなってしまったのだ。炎は次々に燃え移り、大損害を被ってしまったのである。連環された船が燃えてしまうと、損害を受けていない隣の船もが共に燃えてしまう、ということだ。そう、これは今の世界経済の危機に極めて似た状況なのである。まるで、世界中の経済が連環の船と同じで、どこかの船が炎上してしまえば、その炎は「飛び火」していってしまう、ということ。


今年2月には、「Japain」と揶揄され、お可哀想に…と辛辣な皮肉と同情を英国雑誌から頂戴した(ご都合主義の人々(笑))が、まだあの時には欧州や英国はゆとりがあったから、自分の国の心配よりも日本に余計なお節介を焼いてくれたに違いない。それくらい余裕があり暇だった、ということだ。日本の政治家―当時はまだ「Fukuda」だった(笑)―が、「大盤振る舞い」をするような旧式のリーダーであり、経済改革・構造改革に着手しないことを非難していたが、今となっては、そうした直訴は国外からはすっかり聞こえなくなってしまった。

大英帝国はこの第3Qに16年ぶりのマイナス成長に転落し、ブラウン首相とダーリング財務相とが揃って「政府が借入を増やすことが適切だ」との考えを持つと表明しているようだ、とロイターは伝えていた。さてさて、これはどうしたことか、「大盤振る舞い」と日本を批判する英国では、政府が借金を増やそうとするのが当然としているらしい。欧州では1、2を争うほどに対外純債務残高の大きい英国が、今度は政府に別な借金をさせようということのようだ。加えて、ブラウン首相はIMF出資金として中国や産油国の外貨準備金を当てにしているようだ、と中国の新聞が伝えた。これには更にオマケがある。英国では、政府の借入制限する財政ルールがあるらしいのだが、これを撤廃する腹積りのようだ、という観測が出ているそうだ。私が何度か指摘してきたが、彼らは自分の都合が悪くなれば「ルールを変えよう」と言い出すのが欧米得意の戦法らしい。空売り規制や時価評価会計の変更に続いて、これもその一例と言えよう。

市場は全世界で連環されている。自由資本主義の良い部分もある。だが、「赤壁の大敗」の如く、その連環には危険も伴うものなのだ。そのリスクをどこかでコントロールするべく、安全機構のようなものが入ってなければならないだろう。現在の金融危機のフォーカスは、少し前までのUSから、UKやEUに移ってきている(新興国への資金投入割合は英国や欧州の金融機関が多いからだ)。
偶然にも、米英ともに、連環ならぬ「United」だ。これから、真の「Red Cliff」が姿を現すだろう。Chibiではなく、The Cityで。
クラスター爆弾による空爆の如く、金融ゲームによって生み出された無数の子爆弾は広範囲に撒布され被害をもたらした。ここまで、米英の評価損は約2兆6千億ドルとBOEが報告したが、「連環の計」によって燎原は更に広がるだろう。

はるか遠くの、海に囲まれた極東の辺鄙な島国である日本にさえも、火の粉が飛んできたくらいだから、日本とて「降りかかる火の粉」には全力で対処せざるを得ないだろう。残念ながら、日本も世界経済と深く「連環」されているからだ。世界が焼き尽くされるのを黙って見ているわけには参りますまい。



現時点の為替介入は無駄

2008年10月28日 20時43分09秒 | 経済関連
とりあえず、円高に慌てふためいている大企業のお偉いさん方が結構いるみたいですが、今頃になって経団連会長が「介入してくれ」みたいに泣き言を言い始めたのは、極めて悪い兆候です。これは、「介入しない方がよい」というシグナルと考えてよいでしょう。これまでに、経済界のお偉方が正しかったのであれば、この言葉を信じて介入した方がいいんじゃないかな、と思わないでもありません。しかし、散々過ちを繰り返してきたのですから、いってみれば「狼少年」みたいなもんでして、こういうお偉方の言葉は間違っていると思いますね。なので、全く逆の選択をした方が日本の為になることは間違いないでしょう(笑)。よって、現時点での介入はすべきではありません。


それから、今の円高について、「円キャリーの巻き戻しだ」みたいに言う人たちは割りといるんですが、何といいますか、それって本当なんですか?(笑)
日本の経済ナントカの肩書きを持つ人たちが、どれくらい洞察力があるのかと言えば、かなり疑わしいと思う。何故なら、あまりにいい加減な解説が多いのと、それがごく普通にまかり通ってしまい、マスメディア上では専門家の見解として流通してしまうからだ。

基調転換の声少ない日本株、円高再加速なら株売りに弾み(ロイター) - Yahooニュース

(一部引用)

<90年代からの過剰流動性相場、巻き戻しの過程か>
 さらに現在起きていることは、1990年代半ばから発生していたグローバルな過剰流動性の巻き戻しであり、この流れは簡単に終息しないとの分析も出てきた。三菱UFJ証券・チーフエコノミストの水野和夫氏は、1995年当時から始まった信用膨張が逆転している状況が起きていると指摘する。特に円は、ドル買い/円売り介入を30兆円近くも実施し、人為的に安くしていたため、足元での上昇が目立っているとみている。「ダウは「根拠なき熱狂」と言われた当時の6500ドルに戻る過程」(水野氏)であり、そうしたマネーフローの中で日経平均の下げも見るべきだと主張している。

=====


確かにそうだな、と思う点がないわけでもありませんが、「過剰流動性の巻き戻し」だとか、「介入30兆円と人為的に安くしていたため」とか、本当にそれが影響している為なのだろうかと疑問に思うわけです。「円キャリーの巻き戻し」だとか言われたのって、かつてもそうだったではありませんかね>これが円キャリーの巻き戻しですか(爆)

ま、実際誰も確かめたり調べたりしてみたわけではないので、どんな解説でもつけられる、ってことはあるかも。
思うところを、いくつかの論点に分けて書いてみたい。


1)海外からの株式投資額は?

バブル期の89と90年の外国人投資は2兆4768億円の流出だった。つまり、海外投資家は売り逃げた、ということだな。中々賢い。というか、内輪の「なあなあ的」証券業界の掟というか慣行みたいなものもあったのかも。利益に熨斗付きで儲けさせてあげました、というようなことかな。当時の主力は多分オイルマネーだったろう。あの頃、外国人投資家といえば、アラブ系大富豪と”相場は決まって”おり(笑)、「当たり屋に付け」的な感じで立会いだったこともあって(今は電子化されているから見えないもんね)注目の的だったのだろうと思う。これはまあいいや。
で、91年から02年までに海外から株式投資に投入された総額は、42兆8764億円。その後、03年から05年までのたった3年間だけで、約33兆円だった。03~07年の「金融ハイエナ&コヨーテ軍団」が暴れ回っていた時期には、何と45兆1685億円だった(91年以降では約88兆円分の買い越し)。これだけ株式市場に資金が流れ込んだのであるから、そりゃ上がっても不思議ではないわな。
世界の株式市場での市場規模比較では、米国に次ぐ市場規模があったので、米英2カ国の対外債権残高約2800兆円規模のうち、かなりの額が日本の株式市場に投入されていたであろう、と思われるのである。昨年度の対外債務残高で見ると、日本の株式は約142兆円分が海外の所有ということになっていた。よって、米英+他で3000兆円分の資産を持っていたとすると、このポートフォリオ上では日本株のウェイトが約4.7%もあった、ということになる。この資産のうち少なくない額がキャッシュにされたのであれば、そりゃまあ株価下落となるのは不思議じゃない。海外投資家たちが持っていた142兆円は、恐らく半分かそれ以下に減ったであろうと思われる。日本の株式市場規模が550兆円だったとして、そのうち約4分の1が海外保有ということだ。

で、平均株価が下がれば時価総額が減るのは当たり前として、現実の資金引き上げ規模を見ると08年1月~9月に3兆7871億円だった。これが円資産から引き上げられたということで、その結果が今の株安を生み出していると言っても過言ではないだろう。そうであるなら、円から他の通貨に移っていったのだから、「円売り」となってしまうであろう。具体的には円売りドル買いや、円売りユーロ買い、ということだ。これを「巻き戻し」というのだろうか?


2)日本の投資家はどうしていたか?

これが、意外なことが判った。日本から海外への資金移動は、今年の円高局面ゆえに起こっていたのである。何とも旺盛な投資意欲ではないか(笑)。

債券投資も含めると、1~9月に日本から資金流出となった額は6兆8996億円で、約7兆円という規模だった。今年3月にはドル円が95円くらいまで行ったが、この3ヶ月間に約6兆円の資金が海外に投資された。更に、海外勢は一気に株を売っていた時期でもあり、日本からの資金流出はネットで約10兆円にも達した。この分だけ海外通貨が買われた、ということだろうと思われるのだ。これらの投資行動による円高要因というのは、あまりなさそうではある。

で、海外勢は9月までに3兆4457億円の対内投資増、日本の居住者からは約7兆円の対外投資増で、この差額分の3兆4538億円分の円が海外に流出していったことになる。05~07年の3年間では、日本居住者からの対外投資額は約27兆7千億円なので、特別に多いというわけでもない。海外勢はその倍以上の約60兆円の対内投資をしているので、かなり巨額の円買いを行ったことになるだろう。


3)円高は何故起こったか?

日本の投資家の行動や海外からの対内投資の資金引き上げ規模で見れば、案外大したことはない。この他に貿易等の取引も当然あるのだから、それらの資金シフトから来る影響というのは全然ないわけではないだろうが、決定的な要因とも思われない。

そもそもは、昨年夏以降の「米国金融機関(及び米国経済)」への不信感というか、警戒感であったろう。ドル安基調というのは、そこから始まっていった。特に今年に入ってからその動きが顕著となり、ドルの「独歩安」状態が発生した。FRBの急激な金利引下げやベアスターンズショックなどもトリガーとなったであろう。
つまり、初めのうち、みんなは「ドルを回避しよう」ということで、それがドル安を招いた。ドル資産はユーロやポンドなど他の通貨に移しかえられたりしたであろう。なので、ドルは下落した。対ユーロで1.6くらい、カナダドルや豪ドルなど比べても1倍くらいの水準まで下がってしまったのだ。

こうした動きの影響もあって、ドル円で見ると95円をつけた春頃までが第一段階、ということになるだろう。この段階で、過去の対外通貨投資などは巻き戻しが起こったりしたかもしれないし、FXをやってる個人投資家なんかのポジション整理などに伴う巻き戻しは起こっていったかもしれない。それは大きな流れの中では、そんなに大袈裟な要因だったとも思われない。

だが、オリンピックが過ぎてみると、世界経済は本格的にヤバイかも、という雰囲気が明瞭になっていった。5~7月には日本からの対外投資は3.4兆円規模で資金流出だったが、8月には流入に転換となり1兆7642億円の資金が戻って来ていた。つまり、8月以降には円高局面となったであろう、ということが判るのであるが、これは主に「ドル以外」の通貨下落が始まったことを意味していた。


春頃までのドル独歩安基調だったものが、今度は欧州やその他新興国などにも飛び火することがはっきりしてきたのだ。で、あらゆる通貨の下落が起こっていったものと思われる。「行き過ぎたドル安」が是正されるべく、それまで売られ過ぎていたドルが相対的に高くなり、ユーロやポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル等の通貨の下落が始まったのだった。これが第二段階ということだな。

で、円はこの影響を受けて、ドル以外の対諸外国通貨に対して、ほぼ全てで相対的に高くなったのだ、ということ。夏までは、対ユーロは170円程度、ポンドでも200円程度の「円安」(笑)であったものが、現在の水準まで円高が進んだのである。利下げの早かった米国がまず単独で下げ、その後には各国の協調利下げなどもあって全世界的に下げた、ということであろう。円はたまたま単独で「蚊帳の外」にあったので、ドルに対して下がる通貨はほぼ全部が円に対しても下落した、ということだろう。


こうした現象は投資行動が影響していることもあるだろうし、資金引き上げなどの移動なんかもあるけれども、そうそう一斉に行動するというのは大変なことなのである。ドルを豊富に持っていた産油国の大金持ちなんかは、初めのうちドルから退避してユーロやポンドなんかに逃げ込んだ(一部の連中は原油や金なんかだったろう)のだが、危機はあちこちに波及していったので、そこからも逃げ出したということであろうと思う。為替市場のフローの規模は全世界中である為にかなり大きく、小さい投資資金の退避などが影響することがないとは言えないが、そもそもは「キャッシュの大きな流れ」みたいなものなので影響度は判らない。特に、ドルと他通貨の組み合わせペアは、為替市場の半分以上を占めているだろう。なので、ドルが単独で上がると他の国々の通貨への影響は大きい。

今、巻き戻しが起こっているとすれば、それは今年前半の極端なドル安是正が起こり、ドルが相対的に上がったことによる現象ではないか。ドル円が104円程度から10%増価して94円程度になったところで大した円高ではないが、ユーロが170円から120円になれば30%もの増価、ポンドも200円から150円であれば25%の増価なのだから。結果的には、遅れてきた「是正」、ということになる。円はドルにだけ上がって、他通貨には安いから円高でない、と言っていた御仁(ミスター●)もいたので、まあ良かったんじゃないか(笑)。

それから、ユーロ円の為替市場規模はドル/ユーロの取引規模に比べると20倍近くも違いがあるので、ユーロ円の変動の影響度よりもドル/ユーロの影響を受けやすいのだ。これはポンドも同様。後、ドル円だけは割と大きい市場規模を持つ。日本から見ると、ドル決済が最も大きいのであり、ユーロ圏取引は貿易も投資も小さいので通貨の必要性自体が乏しいから、これら通貨間の日本円取引の持つ影響度は他から見れば(例えばドル/円、ドル/ユーロ)小さいだろう、ということ。


これを、ゼロ金利で流動性が過剰な円を調達でき、それがバブルを生むだの、円キャリーの巻き戻しが強烈だのとか言われても、俄かには信じることができないのだ。高金利通貨を選択してきたのは、むしろかなり大勢の「日本人」だったのではないかと思われるからである(オレも含まれる。因みに、7割以上は回収しておいたけどな、笑)。それが証拠に、所得収支がここ数年ではかなり多額になってきたからで、貿易収支よりも大きいぞ(笑)。この前の90円の日には、すかさず「両替所に行列」だし。外貨が「底をつく」なんてことは過去になかった、というくらい、円高なら即「外貨に替えるぜ」という素晴らしい人たちが大勢いるということなのだ。


日本人は逞しく目ざといんだよ、思った以上に。
ガイジンさんが「避難所」として円のキャッシュを買ってるという状況の中でも、怖れず外貨を買いにいくのだから。中々やるな、と思って、見直したよ。




日本の指導者層は案山子だけ

2008年10月27日 21時04分09秒 | 経済関連
えー、日経平均はバブル後最安値更新だそうです。
日本経済まで悪化させる必要などないのにも関わらず、無能無策でございます。


◎それ兵は拙速を貴ぶ、未だ巧みの遅きを聞かざるなり!
(因みに、孫子は「兵聞拙速、未睹巧久也」だす)

頭を使えよ、頭を。
無能な日銀、財務省、その他政治家等、周囲の人間がバカで無能であれば、有効な手を打てないままに沈んでいくことになります。本当に役立たず。

必要なのは、判断力、迅速、決断、行動力、そういうものです。
そして、最も重要なのは、「全ての責任はオレが取る」という覚悟と胆力です。
「失敗したら誰が責任を取るのか、損したらどうすんだ」みたいなことが必ず出されるわけです。そんなもんは、ゆっくり後で考えればいいだけだ。何度言っても、対策に取り掛かれないのだ。

先月25日→財政赤字を心配する前に

7日→Second Impact が世界を襲う(追加)

10日→駆け抜ける歓び~日本市場 - いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

11日→おバカなお上を持つと庶民が苦労させられる


ある症状には、それに合った処置を施すしかないじゃありませんか。
生理的な反応であるにも関わらず、それが逆に有害な症状を引き起こすことは有り得ます。自律神経の働きによって起こった反応であるとしても、それが結果的には生体に不利な状態を生み出すということであるなら、放置するという選択肢は有り得ません。対症的であったとしても、どうにか処置せねばならんのです。


とりあえず、直ぐやるのはこれ。

①利下げ
②保有国債売り→投資原資に
③株価下支え
④為替介入→今はどうかな?

①について:

日銀の幹部連中を直ぐ呼びつけて、緊急に協議せよ。
実質的には、利下げを認めさせる、ということだ。拒否するのは、本物のバカだから。
銀行等金融機関は楽になるはずだ。
兎にも角にも、政策を発動させ、金融緩和を明確にすること。もしやれない、と言ったら、即座にその場で解任させるつもりで行け。

更に、金利低下なので、円高に対しては為替介入よりもマイルドな効果が期待できるだろう。


②と③について:

これは幾度か提案したが、円債の持ち高を少し減らしてもいいでしょうよ。
引っ張る先は、財務省系の政府系機関か、もし金額の調達が難しいのであれば、奥の手を使う。

それは、(略して)郵貯・簡保管理機構の持つ現預金109兆円だ。

第一に、この金には政府保証付きなので、実質的には政府債務だ。
もしやられたり(笑)、一時的にでも貯金者や簡保加入者への支払分に支障を来たすような場合には、政府が代わりに穴埋めすることになるが、そんなもんは後から札束でも刷って払えばいい。

第二に、この109兆円は「ゆうちょ銀行」の残高をキープする為のだけに使われており、特に利息とかは何にも付けてもらっていない金なのだ。簡単に言えば、「ゆうちょ銀行」にタダで「利息のプレゼント」をしているようなものなのだ。仮に国債を買って1.5%の利息を受取ると、何と「1兆6350億円」もの利息収入を得られるのだ。「ゆうちょ銀行」はこれを全部丸呑みして、ただで使っているのである。そういうわけだから、これをちょっと返してもらう(※ちょっと追加ですけど、実際に国債買いまくっていて、持ち高は何と150兆円以上も持ってるんだわ。だからちょっぴりくらい売っぱらって、減らしても全然問題ナッシング~ぅ)。

とりあえず、数兆円分の国債をどこかに移し変える。全部を市場で売却すると、価格変動への影響が大きいかもしれないから、ある時点の時価で評価して日銀のキャッシュと交換してもらってもよいだろう。とりあえず、玉として5兆円分を「ゆうちょ銀」保有の国債残高からキャッシュに変え、これを元に東証のインデックス商品を買う。

ゆうちょ銀の資産からは5兆円分の国債保有残高が減る。同額の特別貯金が消える。
これを返してもらった郵貯・簡保管理機構は、日銀を通じたキャッシュ置き換えで現金にしてもらい、この同額分の現預金残高減少と東証インデックス商品5兆円分に置き換わる。別に損するわけじゃない。ただし、このままずっとインデックスが下がり続けると、損失を生む可能性はあるものの、長年持てば多分大幅に得をすることになるはずだ。それでも下落に歯止めがかからないとなれば、玉を追加していく。これは売り方を粉砕するまで継続していくのだ。

今の株式市場の下落は外国人の現金化によって起こっている現象で、外国人たちがこれまで投資してきた金を引き上げざるを得ないから起こるのである。それに便乗して売っているファンドなどもあるかもしれないが、どちらかといえば、単なる現金化の結果に過ぎないだろう。

対内投資の外国人の動向を見ると、8月最後の週以降~先週までに、株式投資から1兆4千億円のキャッシュを引き上げている。そんだけキャッシュアウトされたら、やはり下落となってしまうのは当然ではないか?債券投資も含めた日本からの資金流出額は、9/1~10/18の間で5兆6千億円に及ぶ。こうして金を引っこ抜いていってしまったので、株式市場は下落するに決まっている。個人投資家は9月以降から出動しており、結構買い越ししてきているようだ。逆に、金融機関や保険等の法人の連中が売り越しを多額に行っていたようだ。まあこれは、単に責めることはできないが、それでも個人は頑張って資金投入を行い、かなり市場を買い支えていたことが判る。

だが、何せキャッシュアウトの規模がデカイ。
外資の連中がこれまで株式市場に投入してきた数十兆円のうち、数兆円が売り切られてしまったので、個人投資家の資金投入くらいでは中々歯が立たないだろう。それに、平均株価が12000円の時に売られる1兆円と、8000円の時に売られる1兆円では、破壊力が違う。落ち方が違うのだ。なので、均衡を保てる程度にアシストしたり、下落がきつくなりそうな時には鉄板を置いて底が抜けないように支えるということだな。この判断は、特別チームを組んでもらってもいいし、何でもいいけど、とりあえず最も早く着手できる方法で考える。


④について:

為替介入は、手っ取り早くできる方法ではあるけれども、代表的な日本企業の間抜けどもに反省を促すという意味では、放置するのがいい薬になるのではないかと思う。企業貯蓄は増大したし、手持ちキャッシュを増やしてきたのだ。日本の労働者に払わないでおきながら「海外子会社」なんかに分散して「貯め込んでいた」のさ。そういう卑怯な連中には、思い知らせる必要があるからな。その金をもっと労働者に分配しておいたなら、円安効果もあって日本人労働者に多大な恩恵が齎されたであろう。その潤いは必ず家計に行ったし、「企業が円高で困った時」にこそ、国内消費者となって救ってくれる原動力となっていたであろう。だが、そうした家計への恩恵が殆どなかったので、企業業績が苦しくなってしまえば、日本の消費者たちには消費を支える余力など残ってはいないだろう。

大企業の連中は、大金持ちを大事にし、大株主を優先して配当金を増やした。
今こそ、そうした大金持ちやら大株主たちに、救ってもらえばいいよ(笑)。
富裕層が消費をしてくれるんだろう?ん?
取締役の連中が多額の役員報酬を取ってきたのは、ダテか?
国内消費が落ち込みそうな時にこそ、自慢の購買力を発揮しろよ、ハゲ!

従業員のことを考えないような連中には、厳しいお灸を据えてやった方がいいんだよ。
その為には、為替介入をせずに放置するべきかもな、と。
反省するまで、そうしておけ、と。
搾取してきた経営者どもは、ちょっと苦しんだ方がいいのさ。

円高で大喜びの在日外国人の方々も大勢いるのでは?
良かったじゃないか(笑)。


為替介入は、ちょっと保留、ということで。
いずれ考えるかも。



また追加ですが、最も少ない資金で下落を演出できるのは、先物だわ。
なので、日経平均先物に専属の人間を貼り付けて、一定以上に落ちてくるようであれば、即座に売りに対抗して買いをぶつける。
SESCとか、東証とか、そういう監視体制は本当に役立たずばかりなので、好き勝手に荒らされているのさ、日本市場は。



原油価格のこと・2

2008年10月26日 19時01分13秒 | 経済関連
ちょっと疑問に思う記述があったので、取り上げてみる。

あれだけ高騰していた原油価格が下落するワケR25 - Yahooニュース

(一部引用)

今年7月、1バレル147ドルまで急騰した原油価格が一転、下落傾向になり、100ドルを大きく割り込む水準に達している。ここにきて価格が急に下がったのはなぜか? 商品市況にくわしいファイナンシャルプランナーの三次理加氏にその理由を聞いてみた。

三次さんによると、1つはドル上昇。ここでポイントとなるのは原油がドルで決済されていること。たとえば、ドル安になると、取引量が同じでも産油国が得る実質的な価値が目減りしてしまう。それを防ぐために市場では原油価格に上昇圧力がかかるという。つまり、「2001年9月の同時多発テロ以降、ドル安が続いたことが原油価格高騰の一因となりました。しかし、この春以降はドル上昇が続いたため、原油価格は下落傾向に転じたのです」(三次氏)。

=====


ドル安になると原油価格が上がってしまう、ということの明確な理由というものはこれまでの所、何もない。多くは、その場での思いつきの域を出ない、適当なこじつけのようなものに過ぎないだろう。経済学者、原油相場のプロ、所謂「エコノミスト」といった人々が、何らかの答えを見出した様子はない。

この解説は、どう読んでも腑に落ちないのですけれどもね。

まず、ドル決済だから、
①ドル安になれば実質的価値が目減りする
②目減りを防ぐ為に上昇圧力がかかる

これって、本当ですか?
ドルペッグなので、他のユーロ換算とかにすると確かに価値が減少することになるが、だからといって価格が上昇するという話にはならないだろう。例えば某産油国通貨が1ドル=1ギルとすれば、ドルでもギルでも自国内で使う分には関係ない。ドル安でも、ドル製品ならば(米国製ってことかな)目減りもない。ドル圏以外の国から買うと高くなるけど、そんなのを嫌うくらいなら、ドルペッグを止めれば済む話だ。自国通貨を変動為替にすればいい。日本も同じ貿易黒字国だけど、ドル安(=円高)になると、嫌がるのにね(笑)。産油国の輸出が好調になると、利益が増えていいんじゃないか?何も今すぐドルを別な通貨にしろ、っていうわけでもないんだろうし。ドル圏以外の通貨国からの輸入が、そんなに多いウェイトなんですかね?

更に疑問なのは、目減りを防ぐ為って、どうやって産油国は防げるんですか?(笑)
これって、価格カルテルとかで意図的に値段を釣り上げるとかですか?
「自由な価格」という建前なのに、価格上昇圧力が一体どこからかかるんですか?
つまりは産油国が自分で価格上昇を演出するとか、誰かが値段釣り上げをしない限りは無理なのでは?
具体的に言うと、市場規模の小さいWTI の先物買いを大量に行って、釣り上げるとかですかね。

買い手が意図的に高い値段で買いたい、ということは普通は考えられないんですよ。安けりゃ万々歳、ってことです。ドル安であれば、なおのこと嬉しい、ってなるね。別に「高い原油」だからどうしても買いたい、とは思わないんですわ。それに、わざわざ高値で大量に買って、コッソリどこかに隠し持っておきたい、ということもないんですわ。単にWTI の市場操作が容易なので、投機筋が資金を突っ込めば買い支えることは可能、ということだわね。これに釣られて、ドバイとかバスケットとか北海ブレンドとかそういう価格も決まっていってしまうわけだから。「参照価格」みたいに、現実の取引に影響してしまうんですよ。

その演出をしたのは誰でしょうか、って話だわな。
オイルマネーで潤った人々、更には投資で潤った人々、これらと一緒に儲けようと企んだ人々、そういうことだな、多分。


需給逼迫というのは若干は影響したものの、実態としてここまでの価格上昇要因とはならないだろう。いくら中国をはじめとする新興国の消費量が増大したからだ、といっても、需要が何倍にもなったわけじゃないからね。一時的であっても、どこからも買えない、というようなことにもなってなかったし、在庫が置けない程売り切れ続出とかにもならなかった。むしろ、売れなくなっていく一方だったろう(笑)。それは売上数量がドンドン落ちていくので、在庫を抱えるのを怖れて買い付けは手控えられただろう、ということだわな。
それを、「需給で価格が決まってる、需給が逼迫してるからだ、米国の在庫が減ったからだ」みたいな、超こじつけ理論を並べていた連中の脳みその中身が心配だ。

本当に供給が追いつかないくらいに需要があったのなら、どうしてOPECの減産なんてことが起こったのか?そんなに超過需要があったのであれば、減産なんてしなくても価格は上昇するはずでしょう?
需要の伸びは世界的に見れば、ここ20年間で減っていたことはないでしょう。それなのに減産するのは、多すぎたってことだろうね。供給過剰なら、価格は下落していくでしょうね、きっと。魚だって、野菜だって、そういうもんですから。


参考記事:

原油価格のこと

原油価格とバブルについて・2

原油価格とバブルについて・3

原油価格と投機筋の話


過去の変動からは、「ドル安になると原油が上がる」法則なんてものは、そもそも存在していない。都合のよい部分だけを短期的に取ってくれば、いかにも相関性のあるグラフを作り出すことは可能だろうけど(笑)。

80年代後半は概ね1バレル20ドル前後で、86年頃に10ドル近辺をつけたものの、湾岸戦争前までには大して目立った変動なんてなかった。ブッシュ(父)時代の90年に、40ドル超という急騰劇があったが、約半年で落ち着いた。その後、再びボックス圏相場みたいに落ち着いた推移を示し、96年頃に25ドルの高値圏にあったが、その後日本の経済失速、アジア通貨危機、ロシア危機、LTCM破綻などを経て、98年終わりには約11ドルくらいまで下落基調となった。90-95年の間に、世界の年間石油消費量は約1億トン増加していたが、価格上昇なんて殆どなかった。98年には95年よりも1.7億トンの消費量増だったにも関わらず、半分以下の価格まで落ちた。

ドル為替は、例えば95年の急激な円高局面があったが、特に原油価格上昇ということでもなかった。大体18~21ドル程度だった。ユーロ/ドルで見ても、92~94年頃に1.45のユーロ高局面から1.10くらいのドル高となったが、原油価格は目立った変動はなかった。その後95年の1.35近辺から2000年の0.85割れという、かなり強いドル高ユーロ安トレンドの期間を迎えたが、原油価格はボックス相場から98年の11ドルという安値~00年約38ドルの高値という上昇期間を迎えた。

97年7月のOPEC生産量は2684万B/D(日量バレル、以下この表記)で、特別多くもなく少なくもなかった。ドル相場に特に目立った影響を受けていたとは思われない。ドルが相対的に高い時に原油が安くなり、逆にドル安になれば原油高という現象なんて、存在していなかった。石油消費量は毎年増加を続けていたが、それは非OPECの生産量が伸びたものと考えられ、いくらOPECが減産決定をしたとしても、他の供給国が生産するのであれば需給がタイトになる、ということでもなかったであろう。このことは、過去の参考記事中でも指摘したことだ。

97年7月のOPEC生産量と、06年12月の減産決定時の割当量2580万B/Dとでは、アンゴラとイラクの割当量がないから単純比較は難しいけれども、大して違ってなどいない、ということだ。中国がこの10年間では大幅に原油輸入量を増やしていたはずなのに、OPECが減産しなければならない理由というのは、一体何か?中国の大量消費によって需給が逼迫しているのであれば、97年の頃の生産量とあまり違いがない、ということが起こると思うか?

06年には97年に比べると世界消費量が約5億トン増加していた。日量でなら、大体943万B/D、大雑把にいって約1000万B/Dもの消費量増加であったにも関わらず、OPECが減産するべき理由なんてものはないのだ。あるとすれば、それは「供給過剰」ということであり、供給量の伸びの方が大きかった、ということのはずだ。しかも、01年以降の原油価格は上昇してきていたのであるから、減産することは不当な売り惜しみ、価格吊り上げ行為にも等しい、ということではないか。


ドル安と原油価格上昇の似た傾向が登場するのは、01年以降の出来事であり、それは例の「9.11テロ」とアフガンでの対テロ戦争、そしてイラク戦争という流れが出来て以降のことだ。

98年のOPEC10の枠は2600万B/D以上あったのに、12ドル割れという価格下落があったので、7月には約2470万B/Dまで減産、翌99年春から1年間は約2300万B/Dまで減産となった。90年代後半の減産前までは、OPECの生産高は約3000万B/D超を記録していた期間はあった。イラクにしても、多い時には00年に280~300万B/Dの生産量があった。消費量増加分はロシアをはじめとする旧ソ連などの国々によって、ほぼカバーされていたであろうと推測されるのだ。

9.11テロ後に一時的に原油価格は上昇したものの、00年の生産量が多かったこともあり、テロ以降には非OPECを含めた減産交渉が行われた。イラクは00年に原油決済をドルからユーロに変更することを求めたり、1バレル当たり50セントのプレミアム支払を認めてもらう為に一時原油輸出停止を行った。原油価格は99年以降減産したりした効果などで上昇傾向にあり、00年9月頃にはイラク問題の余波などもある為か38ドルくらいに上昇した。イラクは更に米英に反発して、01年6月にも輸出停止を行った。

こうしたイラク問題や9.11テロがあったにも関わらず、00年秋以降の価格下落は続き、01年冬には20ドル割れの18ドル近辺となったのだ。OPECを中心に大幅な減産に踏み切り、01年7月に合意された生産枠は99年の減産時とほぼ同じ約2320万B/Dだった。9月に減産開始だったが(9.11が起こった月だ)、更に11月には非OPEC国の50万B/D減産協力(ロシア、ノルウェー等8カ国)と、OPECを含めて150万B/D減産を02年1月から行うこととしたのだ。OPECの多い時の生産力は、3100万B/D程度を00年に記録しているようなので、そこから見れば何と1000万B/D規模の減産となってしまった、というわけですね(あくまで生産枠の量なので、実際には達成されなければもっと多いかもしれない)。

原油価格上昇トレンドが作られたのは、この後からである。

ユーロ/ドルは00年のITバブル期に高値を付けてから、02年夏までは概ね0.9前後のボックスで推移していた(ドル円は、00年1月の102円くらいの円高から02年1月の130円超までドル高基調であった)。00年当時にはドルは高かった、ということだろう。それでも、00年9月には原油価格は40ドル目前まで上がっていた。ドル安が原油高を招くわけではないのだ。

そして今度は、02年以降にドル安基調が続いていった。
この大きな要因としては、FFレートが01年中に6%超から一気に1.75%まで引下げられ、02以降04年の1%まで「低金利時代」だったからではないかと思われる。低い米国金利に対して金利差がある通貨は相対的に高くなる、ということがあったのではないかと考えている。すなわち、ドルからユーロやポンドへの投資などになっていった。それとも、オーストラリアやニュージーランドのような高金利通貨であったかもしれない。


02年はとりあえず減産でしのぎ、03年には戦争でイラクからの供給が止まる、ということになるわけです。
それに、戦争時の原油高騰は前からの経験則で知っていたわけですよ。

まさか、世界経済がこんなに順調で、原油消費量も順調に伸び、かつての3倍にまで高騰した原油に文句を言う人はあまり目立っていなかったのですよ。みんなが儲かっていたから、少々の値段の上昇には気にも留めずにいたわけですよ。しかし、その原油高のダメージは確実に降りかかってきたのだ、ということです。価格が落ちているのはドルが上がったからではありませんよ。
単に、WTI に資金を大量投入してみよう、などと思える人がかつての何分の1かに減ってしまっただけですよ。投機資金が引き上げられたら、後は実勢に近づくまで修正されていくだけでしょうね。

増加した1000万B/D分の需要は、OPECがかつての生産力発揮というだけではなく、非OPECの供給能力が向上してきたので、十分カバーされたのですよ。ロシアがそのいい例でしょう。或いは、旧ソ連の国家群がそうでしょう。彼らには莫大な富がもたらされたはずです。OPECが減産している間に、ロシアは供給力を高め、売れるものはせっせと売ったわけですよ。

原油バブルも更に壊れていくでしょう。
供給量が多いから下がるのではありませんよ。だって、石油は代替性が厳しいので、消費量を直ぐには減らせませんもの。
けれど、資源高で潤った国の多くは、今後厳しい状況に置かれることになるでしょう。何の努力もなしに、偶然庭先に生えた「金のなる木」で生涯幸せに暮らしましたとさ、なんていう御伽噺がこれまでには聞いたことがないからですよ(笑)。



ま、いずれにせよ、原油価格の変動の説明としては、いい加減なものが多いでしょうね、ということ。



『香具師奥義書』が出典?~表現はどこまで解説すべきか

2008年10月25日 18時54分53秒 | 俺のそれ
日経ネット Plus に次のような見出しを発見。


○「虎の穴」 知らない世代も…

「虎の穴」という言葉を知っていますか。すぐに意味や由来を答えられる人もいると思いますが、世代によってはなじみのない場合もあります。辞書にも見られない表現だけに、使い方に工夫が必要ではないでしょうか。

=====


登録していないので、私にはこの記事の中身を読むことができないのですが、思うところを書いてみたいと思います。

確かに辞書に見られない表現を用いることはありますが、それを解説してあげることは必要なのでしょうか?
文学においても、何の解説や注もなく唐突に用いられる表現や語というのは、珍しくもないように思えますが、いかがでしょうか。


「虎の穴」を使ったのは、たれあろうわたくしなのでございます(笑)。

コレね>何故米国はテロに狙われねばならないか

恐らく「虎の穴」なんていう表現を用いてブログを書いているのは、私くらいなものかもしれません(調べてないけど)。
ひょっとして、日経ネットプラスのライターの方?が拙ブログ記事をお読みになったのかもしれません。もしもそうであるなら、御礼申し上げます。と言いますか、単純に嬉しく思います。

で、問題の記事を読んだ時に、ライター若しくは記者の方が、「虎の穴って見かけないけど、一体何だろう?」と疑問に思われたのかもしれません。それなら多分、私の世代よりも随分とお若い方ではなかろうか、と推測します。ウチの子にも、しょっちゅう「元ネタが判らん」という指摘を受けますので、ジェネレーション・ギャップは常日頃から認識しておりますし(笑)。何かのギャグやパロディというのは、元ネタを知らない人には何が引っ掛かっているのかが伝わらない、ということですね。


あまりよい例が思い浮かびませんが(その時々の場面でしか使わないので思い出せない)、こんな感じかな。

「この一件は、結局不倫だったんですって」
「そりゃ、『ヒトの花嫁』だな(笑)」

まるでヘンなんですけどご容赦を。
ここで何が笑いなのかが伝わらない、ということですね。元ネタとして『瀬戸の花嫁』という歌唱を知っているかどうかなので、瀬戸とヒトの音が引っ掛かっているわけですが、歌を知らないと別に何がどうということもないわけです。そういうことです。歌ネタだと、こんなのとか。

「私、ゴルフ始めたの。今度、彼とクラブを買いに行くのよ」
「へえー、そうなんだ。彼は上手いの?」
「まあまあね。でも左利きだから、専用クラブなんですって」
「はあ~、私の彼は左利き、ってか(笑)」
(※浅丘めぐみの「私の彼は左利き」から)
・・・・・・・・・・・・
「これ、黒板に書いたの誰?」
「それはせんせーい(先生)~」
(※森昌子の「先生」の調子で)

つまんないね。ゴメンね。オヤジだから…。

これに類するのを、我が家で用いると我が子に「元ネタが判らん」と言われるんです。


話が飛んでしまいましたが、読み手に直ぐに判らないような「ネタ」を入れておくのが果たしてどうなんだろうか、という問題ですけれども、これはまあいいんじゃないでしょうか。

映画なんかでも、そういうことはよくあるんじゃないでしょうか。
昔、ラリー・キングが映画に登場したシーンで、「恐らく有名なアナウンサーなんだろうな」と思ったことがあったが(久米宏みたいな)、その後に著名なキャスターだかアンカーマンだということを知るに至った。CNNなんて日本では一般的に放送されていなかったから、最初は誰なのかまるで判らなかったですよ。幾度か見慣れてくると、ああ、あの人だなって判るだけだもんね。
日本映画でも、3流芸能リポーターだのちょっとしたアナウンサーだの、実在の人物を登場させたりすることがあるけれど、あれも当人を知らない人にとっては特に意味はないよね。


外国小説でも、同じようなものではないかな。そこの国民には判る用語や表現であっても、日本人には極めて馴染みが薄いので「訳者注」とかになっていることがある。古典的な作品であれば、そういうのさえも入っていないことがある。なので、知らない語が敢えて用いられていたら、自分で調べてみるといいんじゃないでしょうか。因みに、「虎の穴」をググると焼肉、ラーメン屋、デリヘルなど、関係のないものが多く存在してるようで(笑、各自で実行してみてください)、元ネタが判り難いことは確かかもしれない。そういう場合もある。
これも勉強だと思って頂戴ね、と。


世代のギャップがある用法の例を、全くの適当に書いてみよう。

①スパルタ
「ウチの会社の研修は~~でさあ…」
「そりゃ、スパルタだわww」

②ターミネーター
「彼女は何度失敗して部長に怒られても平気みたいよ」
「まるで…ターミネーターじゃん」

③ブント
「”○○○母親の会”って何の役にも立たないのに、参加しろってウルサイのよ」
「ブントかよw」

私自身、滅多に用いないものばかりですが、何となく、ということで。
特に、ブントなんて全く関係なし、でした。興味もなし。でも、昔には日本で流行ったらしいです。ブントという「文字列」は見かけたことがありましたので、何となく知ったというだけですね。


他には、宗教的意味合いの濃いものがあるかな。
「ユダか!」とか言う場合には、裏切り者の代名詞っぽいイメージがあったりしますが、日本人全般的にそういう認識があるかどうかは判りません。ダイエットを頑張っていたりすると、「何?ラマダン?」とか言ったり(あんまり使わない?)。


出典が曖昧だったり、広く一般的ではないものであっても、それなりに楽しい場合だってあるじゃありませんか。

国会においてでさえ、
「えー、『ガセ』とは偽物、まやかしのことをいう俗語でありまして、『ネタ』とは「たね」を逆さに読んだ隠語で証拠や材料を意味する言葉であります…」
みたいに総理が答弁したんだからさ(笑)。
(※実際には、このようには答弁しておりません。かつて小泉総理が「ガセネタメール事件」の渦中にあった時に、国会で「ガセネタとは何ですか、ガセネタとは。これは一体どういう意味ですか!!」みたいに既に辞職した民主党議員から詰め寄られた際、辞書から引いたまんまを、掌に隠し持ったメモを見ながら答弁したのは本当です。早い話が、質問した議員さんをおちょくったのでした。)


因みに、「ネタ」というのは「種」の倒語と言われており、『香具師奥義書』(←これ、マジみたいだよ、笑)に書かれていたみたいですよ。
ホラ>香具師奥義書 - Google 検索

ところで、「オヨヨ書林」って、本物?何かのイタズラですか?(笑)
ま、いいか。
図書館の蔵書目録にもあるみたいだし。
(結構高いぞ、古書の値段が)

で、元は寿司の「種」みたいな用法だったのが、隠語的に「ネタ」ということになり逆転して用いられていたようだ。そうした隠語は香具師にも拡散し、「ガセネタ」のように用いられるようになったのではないか、というようなことです。

しかし、香具師に奥義書まであったとは知らなかったなあ(笑)。
「香具師奥義書」に書いてあるのを見よ、とか使えるかも~


今後、新入社員にマニュアル等講義資料を配布する時に、
 「てへへ、『虎の巻』だよ」
とか言ってあげると、
「うおぉぉ、新鮮だー!」となるかもしれないですよ(笑)。



円高で日本だけが助かる

2008年10月24日 23時21分50秒 | 経済関連
大笑い。
ちょっと見てなかったけど、いつの間にか90円台まで行ったんだと。

いいか、日本のおバカな企業経営者たちよ、この有様をよく見ておけ。
威張っていた輸出企業のお偉いさんたちが、この事態をどうするか見物だな。


そもそも、日本の輸出のGDP比は大体17%程度しかないのだよ。実額で約80兆円程度に過ぎない。輸入はこれよりも若干少なかったけれども、純輸出が15兆円程度の時でもGDP比ではたったの3%未満でしかない。
今年は原油高の悪影響を受けたので、純輸出はほぼゼロかマイナスだ。なので、外需要因というのは、ほぼ無いだろう。所得収支の減少は影響を受けるかもしれないが、経常収支が大幅なマイナスとなるというわけでもないだろう。


日本を代表する輸出企業のバカどもは、「日本で利益なんか出ない、海外に資金を残しておけば得だ」ということで、ドルやユーロなんかの外貨で数兆円規模の資金を置いてきたんだそうだよ(笑)。それらの評価額は、多分円換算で大幅に目減りしたであろう。欲に目の眩んだ拝金亡者たちが招いた結果に過ぎない。

企業努力で利益を出してきただって?

大企業経営者が偉いから利益が出るんじゃない。経営者が本当に偉いなら、円高だろうが何だろうが利益を稼げるはずだろう(爆)。あなた方が人並み外れて優秀だったから、企業利益が増えていたんじゃない。単に経済環境に「恵まれていた」からだ。それはたまたま幸運だった、ということだけだ。

思い知るがいい。


今こそ、経営者の能力が問われているんだよ。
環境の厳しい時にこそ、稼げる人間が能力があるんだよ。苦境に立たされた時にこそ、経営能力が反映されるのさ。

おバカ経営者は、海外にたんまりと金を置いてきて、円高で価値が大幅ダウンとなってしまったんだとさ。ドブに金を捨てたようなもんだな。海外で利益が出るんだ、日本でなんて利益なんか出ないんだから安い給料で働け、みたいに豪語していた連中は、輸出が不振になったからといって文句を言うんじゃない。

この円高で輸入額が抑制されるから、純輸出額は再びプラスに転じるかもしれんね。良かったじゃないか。貿易依存度はこれまでよりも下がるから、内需拡大を頑張ればいいんじゃないか?
成長率の寄与度で見ても、外需が1%を超えたのは、過去10年で1度しかない。07年は外需の寄与度が大きかったが、それ以外は成長率の1%にも届かない水準でしかなかった。マイナス寄与は2度あったが、民間消費は98年の1度きりだった。つまり、民間消費を確保することが最も効果があるのであり、それを怠って輸出企業が金を日本にもたらさなかったことへの天罰だな(笑)。

もう一度言う。純輸出のGDP比は2~3%程度しかなく、今年度で言えばこれまでは貿易黒字はほぼゼロなので、成長への寄与度なんて期待できるはずもないのさ。輸出企業は、特に優秀な経営陣が揃っておいでのようだから、まあ頑張れ。


もっと日本に目を向けよう。
日本人の為の経済基盤を作っていこう。

人々の幸せの為に、お金を使っていこう。
そうすれば、必ず道は開ける。
自分の為に使うんじゃない。ちょっぴり、人の為に使おうよ。
誰かの為に、使ってあげようよ。
そうすることで、日本の経済はきちんと成り立っていくだろう。


日本を代表する大企業よ、今こそ反省せよ。
国内の犠牲の上に、あなた方の金を生み出してきたことを。
そして、円高でその稼ぎを大幅に棄損してしまったのだ、ということを。
自業自得だ。


ところで、英国は思った通りの有様だったようだよ。

英、16年ぶりマイナス成長=金融危機で打撃、一段と悪化も(時事通信) - Yahooニュース

【ロンドン24日時事】英国民統計局が24日発表した今年第3・四半期の同国実質GDP(国内総生産)伸び率(速報値)は、季節調整済みで前期比マイナス0.5%となり、四半期ベースでは1992年第2・四半期以来、16年ぶりのマイナス成長に転落した。
 同国は、直近では先進国で最長の景気拡大を続けてきたが、成長をけん引してきた金融サービス産業が信用不安の影響で大きな打撃を受け、実体経済の停滞を余儀なくされた。 

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規制があるせいで、市場が閉鎖的だから成長しないって?(笑)

まあヨソの国のことだから、どうでもいいか。

ヨソの国の「不倫」は、英国では「ロマンス」(笑)

The Cityではロマンスが盛んだから、いいんじゃないか?
どん底に逝って、市場原理主義の厳しさを味わうがいい。それがあなた方の望みだったのだろう?良かったじゃないか。資本主義を満喫できて。

それに、今こそ、Economist誌やFTその他メディアの存在意義があろうというものだ。

栄えある大英帝国が危機に立たされた時にこそ、正しい答えを教えてくれることだろう。賢明なる記者諸君や、経済通の大勢いる国が羨ましいね。
「一発解答!これが市場経済だ!市場原理こそが最上理論だ!」

ポンドがいつまで持つか、楽しみだわな。
まあこれまでに積み重ねてきた経済成長という「大きな貯金」(笑)があるだろうから、今後は借金返済に勤しんだらいいと思うよ。

いよいよ本物の「ビッグバン」到来だな。
大丈夫だよ、何たって女神ブリタニアが付いているんだから(笑)。




総理が飲むべき酒はいくらでなければならないか?

2008年10月24日 16時31分48秒 | おかしいぞ
これって何なの?

京都新聞

20日夜、秘書官と出掛けたとされるホテルオークラ東京(港区虎ノ門)のバー「ハイランダー」。200種のスコッチウイスキーが売り物だ。焦げ茶色のいすの背が、照明を受けて輝く。

 1杯1000-3000円台が中心で7350円の高級品も。首相は1本2万5200円のバランタインをボトルキープ。1杯なら1365円だ。

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あのね、一国の宰相が一杯「1365円」のウイスキーを飲んでいるから、何だってのよ?
アフォですか。
こんなのどうだっていいじゃん。政治に何の関係があるわけ?
総理大臣だったら、総理官邸で「第三のビール」(笑)でも飲んどけ、ってことか?

以前にオラウータンが、、、じゃなかった、間違えました。
森元総理が小泉総理のもとを訪れた時みたいに、缶ビール片手に高級チーズのミモレットでも食ってりゃ、マスコミは満足なわけ?


まったく何を言ってるんですかね。
高級レストランとか、高級料亭とか、高級ホテルとか、そういうところで飲食してきたのは、過去の政治家たちなんてみんなそうじゃないか。今更何を言っとるんだ。それとも、貧乏人と同じ生活しろ、とか言うの?


これまで大マスコミの高給取りたちが、政治家や官僚にくっついて行き、共に飲食して奢ってもらってきたんじゃないの?
○○機密費(orその他モロモロの名目)から出すからいいんだよ、なんて言って、あんたらも共に食ったり飲んだりしてきたじゃないの。それをなんですか。ご相伴に預かります、なんていって、一緒に食ってる連中なんてごまんといたじゃないか。何なら、年配の記者諸君だの、政治評論家だの、そういうタカリ専門のコバンザメみたいな連中に聞いてごらんよ。みんな少なくとも一度は政治家か官僚や役人と一緒に食った経験があると思うよ。あんた方は「役得」とか言って、食ったんだろが。


それにだな、普通のホストクラブとかに行ってみ?
1本10万円だの15万円だのというシャンパンを、年端の行かない若い女の子だのアラフォー気味の独身女性だのが、男に一気飲みさせたりしてるじゃないの。これは一般人だわね。だろ?
おっさんだって、銀座あたりの座って5万立って10万、じゃないと思うけど、高級クラブだのに行ってる連中がいるんじゃないの?
それとも、東京から離れた場末のフィリピンパブあたりに行って、1万2万と使ってる一般人だっているんじゃないの?(行ったことないけど。長野県民とかじゃないしw)
キャバクラとかでボトル入れたりしてw数百万使っていた元リーマンあたりもいたそうじゃないか(テレビでやってた)。元プロデューサーだったか、民放だろうとNHKだろうと、裏金だのリベート&ピンハネだので愛人囲って高級クラブで豪遊とかしてたじゃないか。
京都のお茶屋にしたって、座るだけで何万も払うんじゃないの?
映画の『舞妓ハーン』でチラッと見ただけだから詳しいシステムとか金額は知らんけど、相当金を使うんじゃないのか?
京都では、それは普通の人が利用するのではなく、特別高貴な身分の方々だけが利用しているのか?
「みのもんた」に聞いてごらんよ、飲み代に毎晩いくら使ってるか。
麻生総理の比じゃないだろ。

そういうことは棚に上げて、人の酒代をあれこれ詮索するのは何の役に立つの?
要するに、難癖付けてるのと同じだろ。


ボ、ボ、ボクだって、これまでに最高に払った「グラス一杯」は、数千円ってのがあったぞ。

結婚して間もなくの頃、奮発して(死語?)妻を高級ステーキ屋さんに連れて行った時のことだ(今から15年くらい前)。

お店のおじさん(執事みたいなイデタチの人)にシャンパンを勧められたんだが、高いからいらないと思ったのに、妻が何を思ったか「シャンパン、いいわね(=注文したい)」とか、すかさず言ったもんだから、断りきれなくなってしまったことがあった。
妻は値段を知らないからそんなこと言うんだ、一体いくらすると思ってるんだ、グラス1杯が何と「7000円」もするんだぞ!!と、内心思ったよ。
帰りにお会計できなかったらどうしよう、とかちょっとドキドキしたぞ。

これが噂に聞く、生まれて初めて飲む「ドンペリ」とかいうシャンパンだったらしい。

よく考えると、今ではホストの兄ちゃんたちが一気飲みしてるようなやつだ。
うううっっ、オレの人生って……。
まあいい。


庶民派のオレだって、こんなに高いシャンパンを飲んだことがあるんだ。
総理がそれより安いウイスキーを飲んだからといって、どうってことないじゃないか。他にも、一杯2千円以上もする「珍しい日本酒」だって飲んだことあるよ。
大した自慢じゃないけど。


いずれにせよ、どうでもいいような話題に、マスコミはぐちぐちと五月蠅すぎ。
自分たちの行いを棚に上げて、他人に何を求めているのか、まるでわからん。



都合が悪くなれば「ルールを変える」のが欧米式(笑)

2008年10月24日 13時13分36秒 | 経済関連
市場原理主義を完全に捨てるつもりなのか?ガイジンさんたちは。
海外で時価会計を止めよう、みたいな「泣き言」を言ってるからといって、何も日本までもが足並みを揃える必要性なんてないんじゃないか?そんなにコロコロと会計ルールを変更されたら、会計士さんたちだって困るんじゃないですか?


NIKKEI NET(日経ネット):経済ニュース -会計士協会長「時価会計凍結に反対」

(一部引用)

日本公認会計士協会の増田宏一会長は23日の記者会見で「金融商品の時価会計を凍結することには賛同できない」と述べ、金融業界などが求めている時価会計の一部凍結議論に反対の立場を表明した。
 金融商品の価格下落により、銀行などの決算で自己資本比率が低下すれば企業への貸し渋りにつながるとの懸念がある。これに対し増田会長は「会計基準は経済の実態を表す物差し。基準の変更で(会計上の)自己資本比率を変えるのは本末転倒」と指摘した。

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日本人は過去に散々騙されてきたのに、今度もまた騙されるのかな?(笑)
会計基準が違うから、日本は「時価評価会計にスレ」とあんなに文句タラタラ言われた挙句、会計業務が「閉鎖的だからダメなんだ、もっと市場開放しろ、日本は規制が多すぎる」と不満を出されていたんじゃないか。

例えば、国内監査法人へは強権が発動され、次々と解体されていった。まさに、NHKドラマ『監査法人』に出てきたように、日本の監査法人は外資の餌食になっていったんじゃないか。

PwCやKPMGに飲み込まれ、乗っ取られていったようなもんじゃないか。
で、今度は時価会計を止めてくれ、と欧米金融機関が泣きつくというのは、一体全体どういう了見なんだよ?
欧米の言い分は、常に「自分たちの都合のいいようにルールを変える」ということだけだ、って、これまでにも何遍も指摘しただろ?そんなもんに、日本が合わせる必要性なんてない。日本人の会計士たちの意見を通すべきなんじゃないのか。もしも、全世界的に完全統一基準みたいな会計制度にするのであれば、それはそれで準拠していかねばならないだろう。けど、かつて日本が苦渋の決断を迫られ、辛酸を舐めさせられたことを忘れたのか。


続・イルカはサメになれない~幻想崩壊

これがホントの「これはひどい」(笑)

こんなとこで、欧米人のご都合主義に合わせてやる必要性なんかない。彼らにも同じく、時価会計の「厳格監査」をやってもらう。それが「市場の信頼」を高める透明性というヤツだ。債務超過なら債務超過ということで、「ハッキリ」させてもらう。市場の淘汰こそが、「正しい」のだろ?(笑)
処刑人は、大統領でも財務長官でもFRB議長でもない。

市場だ。
彼らの信奉する市場に、サクッと処刑してもらえばよい。
そうすれば、直ぐに楽になれるぞ。
断頭台に上がったマリー・アントワネットの心境がよくわかるだろう(笑)。


かつて、日本の輸出が悪の根源だ、と彼らは喚き散らしていたではないか。
だからルールを変えろ、と。

市場が閉鎖的だから株価が下がるんだ、と、ハイエナだかコヨーテだかサメだかハゲタカだか知らんが、説教を垂れていたではないか。大株主の言うことを聞け、さもないと「訴えてやる」ともの凄い剣幕で怒鳴り込んできたではないか。その時にも、ルールを変えろ、と言ったでしょう?

そんなのウソっぱちなんだよ。
再三再四言っただろ?
欧米人は自分の都合が悪くなると、ルールを変えるという「超自己中心主義」なだけ。
今まで日本に文句を言ってきた連中は、今こそ大反対の運動をやるべきなんじゃないのか?
例えばフェルドマンさんとか、表に出てきて時価会計原則を貫けと米国に直言したらどうだ?(笑)

日本市場が閉鎖的で、ガイジンが投資しないから日本企業の株価は低いって?(笑)
ハア?
彼らが来るようになってから「株価が上がった」んじゃない。見てみろよ、この有様を。
彼らが来るようになってから「株価は下がった」んだよ。確実に金を持ち逃げされたのさ。

日本人が長年築いてきた資産を超安値で買い、それを売っぱらって益出しし、トンズラしていったんじゃないか。この期に及んで、彼らの言い分通りにする必要なんかない。時価会計は実施させるべきだ。

今この時こそ、欧米の金融機関に対して「厳格査定」を監督機関がやり、不良債権を強制的に処理させるという「竹中式」を実施したらいいんじゃないか?(爆)
何だったら、竹中氏を招聘して、「竹中プラン」でも実行してもらえよ。そうすれば、アラ不思議、株価は反転して急に景気が回復することになるらしいから。効果覿面じゃないか。
で、ダメな銀行は潰せばいい。
別に金融機関が潰れても、経済には大して影響はないらしいから。
ドンドン市場淘汰を受けるべきだろうね。

政府が余計な手出しをすんな、っていう経済学者は大勢いるんだから、放っとけ。
市場の好きにさせてやれや。
それこそが「市場原理」だろ。

ああ、それから、サブプライムローンがあったお陰で「貧乏人も家を持つことができたんだから」みたいな、正当性を肯定する意見もあるみたいだけど、それは貸出がきちんと機能していた場合だけだろうね、多分。
貧乏人に住宅取得減税や金利負担補助等で、1軒当たり1千万円の公的補助をした場合、10万軒で1兆円、仮に公的資金と同額規模の70兆円を投入するのであれば、700万軒分の家が建つ。サブプライムローンで家を取得でき、差押えにならなかった人たちの数って、一体どれくらいなのだろうね。これら補助の1軒当たり金額を500万円に減らしたら、1400万軒分にもなるね。

サブプライムローン残高は約1~1.3兆ドル程度とか言われていたので、全て貸倒となったとしても損失額はコレが上限ということになり、一部は差押え物件で回収されるはずだろう。なので、世界中にこれほどまでの経済損失をもたらすようなものではなかったはずなのだ。全部貸倒でもこうはならない、ってことだ。公的資金枠はほぼ全部に匹敵しているといってもいいかもしれない。サブプライムローンの半分を公的資金で補助し残りを個々の住宅取得者が払えば、それでハッピーだったんじゃないか?延滞や差押えも非常に少なく済んだかもしれないね。リーマンが破綻して負債総額が60兆円以上とか言われていたけれども、これも防げたんではないのか?(笑)

済んでしまったことだから、別にどうだっていいんだけどさ。
こんなことになるなら、サブプライムな方々に破綻しないように数十兆円プレゼントしてやれば、ここまで負のスパイラルを食らい、損失を拡大することもなかった、ってことなんじゃないの?(笑)
けど、現実の市場というのは、誰かが破産したり、壊滅的な損失を食らうまで「数十兆円」もの資金をプレゼントしてあげよう、なんてことは思いつかないのさ。数百兆円規模で失ってからではないと、金を出せないのだよ。それなら、初めから住宅取得者たちに健全な資金提供や援助を与えておけば、ここまで酷い状態にはならなかった、ってことだろうね。


市場原理って、本当に素晴らしい!
だから、時価会計でお願いね>欧米諸国

透明性、これが大事なんでしょ?
市場においては。


ちょっと追加ですけど、原油価格の談合みたいな体質は何故誰も文句を言わないのか、不思議ですね。

独占価格みたいな、価格調整をOPEC等産油国に認めるのは何故なんでしょう?
需給に基づく価格形成なんかじゃなくて、ただの「談合」でしょ。カルテルを大きくして表立ってやってるけど、実質的には統制価格でしかないでしょう。非OPECの原油価格にしても、OPECの価格にロックされてるようなもんだし、生産量調整にも依存しているでしょう。これって、何で欧米は止めさせないわけ?

他の生産物、例えば小麦とか鉄鉱石とか金とかダイヤモンドとか、そういうものも、生産国がカルテル形成して価格統制みたいなことをやってるの?違うんじゃないの?

だったら、原油だけ認めているというのは、疑問だけど。
でも、産油国の持ってる金を目当てにしてるから、文句を言わないだけなんじゃないですかね。まあ、そういうようなことだわな。欧米の言う経済原理なんてものは、ほぼ有名無実ということだな(笑)。



ちょっとしたジョーク

2008年10月23日 20時49分51秒 | 俺のそれ
金融危機ネタのジョークが流行ってるらしいので、私も考えてみましたよ。


・沈みゆく船

沈みゆくタイタニック号の救助にポールソン号が現れた。

ポールソン号の船長は言った。

「溺れている者を急いで助けるんだ!」

暫くすると、最も早く救助された「sharks」で満員だった。

(心の声:サメだけ救ってどうすんだよww「shark」は勿論……の意。)



・栄転

ある金融機関のCEOが従業員に言った。

「この会社は絶対に潰さない。大丈夫だ。安心してくれたまえ」

従業員たちは安堵し、さすがウチのボスだ、と思った。

すると、CEOは続けて言った。

「何故なら私が財務長官になるからだ。引き続き私が経営する」

(心の声:それって、ひょっとして「国有化」ってやつ?)



うーん、ダメだ、センスがない。
あと、当事者性が欠けているので、なんつーか、心の底から滲み出るようなリアルさがない。近日首になった金融機関のサラリーマンとかなら、きっといいのが思いつくのではないかな、と。



マスコミは「スクープ」から何を学んだか

2008年10月23日 19時38分17秒 | 社会全般
東京都で起こった、頭蓋内出血の妊婦死亡の一件ですけれども、何故このような事態が起こったのかと言えば、恐らくは奈良の事件が影響した可能性はあるだろう。妊婦であったこと、頭蓋内出血の疑いがあったこと、受け入れ先が直ぐには決まらないということ、これらが似た状況であった。あの時のマスメディアの報じ方は一体どうであったか、それをもう一度振り返ってみるべきであろう。

一大スクープだ、医療ミスだったんじゃないか、そういう「特ダネ」姿勢で一次医療機関や搬送先の高次医療機関に対して、バッシングの論調を展開していたのはどういった人々であったのか、よく思い起こすべきだ。


スクープだ、と書いていた、何とか新聞の支局長だっていたのではなかったか?
テレビでも散々医療側の責任追及という論調だったのではなかったか?

奈良の妊婦死亡事件について

続・奈良の妊婦死亡事件について


あの一件から、何を学んだというのか。
どうして、同じような事態を招いてしまったのか。
あの一件で、医療側を追及するのではなく、「搬送システムの問題なんだ、もっと人員を強化しなければならないんだ、拠点を増やさねばならないんだ、救急システムを改善強化しなければならないんだ」ということに気付いてさえいれば、こういう事態は防げたかもしれないのに。しかし、そうした方向には意見が進むことはなかった。だから、似たような事態が起こるのだ。

遅すぎたのさ。
読売新聞が先日医療改革の提言みたいなものをようやく載せていたが、時既に遅し、だ。
奈良の一件の後で、「何を強化したらよいのか、どう改善策を考えるか」というような取組みを開始していれば、もっと違った状況は生まれていたかもしれない。しかし、医療側の怠慢を追及するかのような論調が大勢を占めてしまい、幾度となく「たらい回し」として受け入れ拒否をした側の非難だけが繰り返された。だから今回の一件が起こってしまったのだよ。それを助長し加担していたのは、医療の実情に目を向けることなく、06年以降に起こった「医療サイドvsマスコミ」みたいな闘争だけに利用していたマスコミなのだ。


命でコストを払う社会

こうした警句は、大抵は届かないのさ。特にウチのようなオメガ級ブログで何を言っても、大勢の人たちには何も通じないのだよ。まあ、しょうがないわな。所詮、匿名ブログに過ぎないからね。

そうして、報道によって新たな被害が作られていくのさ。問題の解決を遠のかせ、誰か別の犠牲者を生み出す。その結果が、この一件ということだろうね。




日ハム~CS第5戦

2008年10月22日 19時38分57秒 | いいことないかな
西武に3勝と王手をかけられての試合。ダルビッシュを温存という方針は、まあしょうがないとして、涌井が登板なのだから、3点以上離されたらかなり厳しい、ということは誰でも分るだろう。前回対戦では僅か1得点だったのだから、今日は絶対に3点以下に抑えて戦わねばならない、ということは考えられるだろう。


だが、何故グリンを先発?
前回に打撃練習みたいにボロ負け食らったのに、また先発って勝つ気あるの?

これもまあ、しょうがない、と諦めたとして、何なの?藤井のスイッチのタイミングは。
中島にタイムリーを打たれたのは、まあ、とりあえず我慢するとしよう。
で、グリンがヒットとフォアボールで満塁とされた場面。
既に2失点なんだし、中村を歩かせての満塁で、石井を迎えた場面。
グリンを諦めるのは、ここだろ、普通。
これ以上失点が許されないという場面だから、左には藤井を投入するのは当然だろ。

なのに、どういうわけだかグリン続投。
で、押し出し。
最悪。
満塁だけ残して、打席には右の後藤。
ここでようやく藤井にスイッチ。
しかし、初球を2点タイムリー。代わりバナを打たれてしまう。

これはしょうがないだろ。
藤井を投入するつもりだったのなら、石井の場面以外にはなかったろう。

絶対に勝つ、という意識ならば、3点目をどうやっても防がねばならないに決まってる。ましてや、相手は涌井が投げてるんだから、そうそう大量得点は取れないでしょうよ。

既に5失点で、結果はどうなるか分らないが、これで負けたら、采配ミスだわね。




戦争は他の者に任せるがいい(詠み人知らず、笑)

2008年10月22日 12時28分00秒 | 外交問題
誰が言ったか知らないが、これは結構好きですね。
マクシミリアンが言ったというわけではなさそうですが、オーストリアには関係なく、「汝は結婚せよ!」と日本男児に言っておきたいですね。少子化対策には都合がよいでしょう(笑)。


今、特措法案の審議が行われているようですが、何でも欧米の言い分に合わせる姿勢というのは、最低の対応と思います。昨年に給油法案が頓挫して一度引き上げた時、米国は何をしたのか覚えていないボンクラ頭が多すぎなのでは?

本当に議論したと言えるのか~特措法のこと

続・本当に議論したと言えるのか~特措法のこと


日本がアフガン戦争に加担して、何か意味があるのか?得るところがあるとでも?
日本の国益になんて繋がっていないのだよ。それこそ、ハプスブルク一家の言う通りに、戦争は他の者に任せておけばいいだけだ。ソマリアの海賊対策ということを考えるのであれば、それは全く別の話だ。

海賊狩りは戦争じゃない


もっと長いスパンで考えてみるということが必要だろう。
海賊対策に必要ということなら、「対テロ戦争」みたいな旗印はすっかり降ろして、もっと具体的に「海賊退治」に協力します、ということを明確にするべきだろう。それは米軍やNATOのケツにくっついて、彼らの戦争に協力するということなのではない。

大体、コソボ空爆にしても、欧米の論理だけで行われた戦争に過ぎないじゃないの。バルカン戦争、第一次世界大戦、ユーゴ崩壊、セルビア問題、コソボ紛争と、長い年月をかけても、古くからの紛争なんて終わっていないじゃないか。要するに、いつまでも継続する問題なのだ。民族問題というか、ご当地問題というのは、そこの住人たちや地域の人間じゃなければ理解が困難なことがあるのだよ。そうであるが故に、数世紀に渡り戦争が繰り返されるだけなんじゃないか。そこに他国が介入していったとしても、それはその時点での思惑とか利害関係などがあるだけで、問題解決に繋がるというわけでもないだろう。


ビザンチン帝国が滅亡した時、欧州諸国は派兵してくれたか?(笑)
塩野七生氏の『コンスタンティノープルの陥落』は幾度か読んだが、キリスト教国は増援部隊を派遣してくれることはなかったじゃないですか。ジェノヴァ人傭兵隊長のジュスティニアーニ以下約2千人の傭兵以外は、コンスタンティノープル住人等の民間人が戦っただけだった。総勢7千人の戦力に対して、オスマン・トルコ軍は約10~20万人(諸説あり)の大軍だった。ジェノヴァ船とヴェネチア船の奮戦もあったけれども、金角湾への船の移動(陸越え)という奇策で難攻不落のコンスタンティノープルは攻略されてしまった。

当時のメフメト2世が強勢を誇っていたのが事実としても、同じキリスト教徒であるギリシャ正教会を助けようとはしなかったのが、欧州諸国の判断であったのだ。因みに、セルビア騎士軍団はトルコ軍に編入され、攻撃側についていた。
現代でのスーダンの虐殺に介入しなかったのと同じようなものだし、ソマリアからの撤退をしたのも同じだ。要するに、欧州諸国の自己都合によって、「戦争を選ぶ」ということに過ぎないのである。アフガンでの戦争というものが、欧米諸国の都合だけで介入が行われているのであれば、そこに日本が参加する意味などない、というのはそういうことである。

コソボ問題を長年にも渡って解決できなかった欧米が、今後もっとうまく解決策を提示できるかと言えば、そう簡単ではないように思われるのである。虐殺は度々行われてきたし、繰り返されてきた。そこに攻撃を加えるということで、問題を解決できるようになるわけではない。これはイスラエル周辺の問題とも似ているだろう。テロがみんないい大学を出て高等教育を受けており、思想的な何かに基づいて行うといった水準のものとはまるで違う。
もっと、地と血に根ざした、タイムスパンの長い果てしなき抗争、みたいなものが存在しているとしか思えないのである。


なので、日本の地位向上とかいう、盲目的なスローガンを掲げるのは愚の骨頂である。欧州列強がコンスタンティノープルを救わなかったのと同じく、日本が軍事的協力をしないとしても、誰も文句は言えまい。




日教組のせい?それとも…

2008年10月21日 15時33分59秒 | 教育問題
そんなことがあったとは露知らず、というのがこれだ。

【正論】初代内閣安全保障室長・佐々淳行 日教組よ、まず「自己批判」せよ - MSN産経ニュース


私は闘争の歴史とか、そういうのはなんにも知らないけれども、思った以上に過激というか、本格的武力闘争みたいなものだったのね。

これって、主導していたのは「戦前生まれ」の人たちだったのではないかと思うんですけど、どうなんでしょうか。指導者層は普通に明治か大正生まれとかだったんでは?大正元年生まれでも、昭和30年代中頃だと50歳くらいですよね。比較的若手の30代でも、大正末期~昭和初期生まれくらいでは。つまり、日教組の闘争の歴史を作ってきたのは、こうした「戦前教育」を受けた過激分子みたいな方々が圧倒的に多かったのではないでしょうか?

それにしても、警察官や自衛官の子だからといって、差別的扱いだの罰を受けさせられるだのというのは、今では考えられないね。昔はそういう酷い教師もいた、ということかな、と。イデオロギー体質というか、何かに染まる気質というのは、結構怖いかも。

あれだ、悪しき平等・全体主義的な「みんなやってるんだから、お前もやれ」っぽいこととか、「これが絶対正しいんだ」「こうしなければならないんだ」みたいなやたらと教条主義っぽい感じとか、昔の「朝日的なるもの」(笑)を見る思いがします。戦争に突入してゆく人々とか、日比谷焼き打ち事件のような大衆の激しさとか、とても似てる感じがする。

結局、革命主義的な思想傾向とか、テロリズム支持の左派的な方々とか、そういう人たちは、昔の一般大衆に多かったんではないでしょうか。だからこそ、「力技」を用いるわけで。警官を人質に取るだの、警察幹部を集団で逮捕監禁しようとするだの、現代では考えられませんね。「武闘派」なるグループ分けの呼称は、今では「ヤクザ屋さん」にしか用いられませんしね(笑)。



一方、文教族のドン、森元総理が日教組批判をしているんですけれども、どうも「戦後教育が悪い」というふうに言っておるようなのです。

森元首相:日教組批判 「親や子を殺す世の中、戦後教育の過ちだ」 - 毎日jp毎日新聞

この記事によれば、

『日本教職員組合について「親や子供を殺すようなことが珍しくもない世の中になったのはなぜか。やはり戦後の日教組教育の大きな過ちだ。それが民主党の支持団体じゃないか」と批判した。』

ということらしいです。


ですが、佐々氏の記事からすると、その日教組を率いていたのは「戦前教育」を受けた人たちであり、森さんと同じような時代に生きてきた人たちだったんですよ、多分(笑)。そういう方々の行いが、戦後世代にも引き継がれていっただけではないかと。

それから、出尽くした話ではないかと思いますけれども、親殺し、子殺しというのは昔からあったわけで、戦後に悪化したという事実はなく、むしろ現代の若者の方が犯罪率は低下してきているでしょう。私も以前には、犯罪不安みたいなものが拡大してきたんじゃないかと思っていましたが、事実を知るというのは大事みたいですよ。

ご参考にどうぞ
Amazoncojp: 戦前の少年犯罪 管賀 江留郎 本

驚愕の事実に青ざめて下さいませ。
戦前の犯罪がいかに酷いものであったか、よく理解できることでしょう。これが日教組のせいかどうかは知りませんけれどもね(笑)。


親殺しの有名どころだと、たとえば斎藤道三が斎藤義龍に討たれたりとか(実父ではなかった説もあるが)。昔の人たちも、それなりに殺してきたんですよ。現代人は昔に比べると、随分と「よくなった」と思えるのですけれど。


まあ、いずれにせよ、「昔は酷かった」ということで。
特に、『戦前』が。

残念でしたね>森元総理