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意味のない防衛計画~「クラスター爆弾」について(追記)

2008年05月31日 17時16分28秒 | 防衛問題
世の中には、自分の都合しか考えられない人間がいる。本物のアホかな、と思わないでもない。が、無駄だと判っていながら、名目上だけの理由で絶対に必要だ、と主張するのかもしれない。

何度も言うが、「日本上陸」という作戦は、現状ではほぼ無意味である。

防衛計画はゲームじゃない

真剣に上陸作戦を敢行すると仮定して、それは一体何を目的としているのか?
地下資源が欲しいの?(笑)
ちっぽけな島国の領土が欲しいの?
それとも、日本民族の殲滅?
日本人の奴隷化?

そりゃまあ、世界征服を企む単独国家が登場するかもしれないから、そういう場合には「征服」という形で日本くんだりまで遠征(笑)してこないとも限らないわけだが。それは、どこの国ですか?その他の国々を「押さえ込んで」、なおかつ日本征服の野望を抱く国とは、どこでしょうか?そんな超大国みたいな存在が、現実にありますかね?もし、現時点で「ある」という主張をされるのであれば、実例を挙げてもらえればと思いますな。
あるとしても、唯一候補になり得るのは、「アメリカ」だけだ。他の国ではそこまでの遂行能力はないのでは。


日本上陸が行われるには、
①海上及び航空自衛隊の戦力はほぼ全滅
②制海権及び制空権が掌握されてしまう
③国際関係の枠組みが機能しない
④国際的制裁などの効力がないか、発動されない

みたいなことになっていなければならないだろう。
②と③に関連してだが、「在日米軍はほぼ壊滅」し、その後も米国は戦闘に参戦しない、という場合なら、強力な軍事力を持つ国が侵攻を試みるかもしれない。或いは、④にも関連するが、日米同盟があっても米軍は戦闘には参加しないとか、多国籍軍のような国際間の援軍が全く期待できないとか、そういう状態でなければ、日本周辺海域で継続的に制海権を維持し続けることは困難であろう。日本が海空の戦力をほぼ喪失してしまう、というのは、そういうことだ。在日米軍も海空戦力をほぼ失っているか、戦闘に参加しないという場合だ。米軍が参戦するとなれば、国際間の協力関係は残されていると考えられ、他の国々の援軍協力を得られる可能性は残されるであろう。敵軍は、こういった戦力をほぼ全部排除し続けなければ、制海権や制空権を維持できない、ということに他ならない。在日米軍以外の別な戦力が投入されても、それらを全部排除できない限り、日本上陸などという作戦は実行できるわけがないのである。

果たして、こんなことが実行できる能力を持つ国なんてあるだろうか?
たとえ日本上陸を実現できたとしても、国際関係上で経済制裁を加えられたり、禁輸等措置を取られたりするだろうから、そうした経済活動の影響を受けずに済む国でなければ不可能である。ある国家単独であらゆる経済活動を維持でき、生産能力等も全て維持可能でなければ、国際社会から弾き出されてもいいよ、なんてことにはならないだろう。それとも諸外国が「日本占領を容認する」というような特殊な状態が有り得る、という意見があるかもしれないが、そんな想定はほぼ意味がないだろう。

日本人が邪魔なので単純に日本殲滅を考えるのであれば、上陸する必要なんてない。核爆弾でも核ミサイルでもぶち込めばいいだけだ。わざわざ「上陸」なんていう面倒な方法を選ぶ必要性なんかないだろう。


日本上陸という事態は、ほぼ非現実的である。もしも、「こうすれば日本占領が可能である」というシナリオが出せるのであれば、それを実際に提示してもらいたいね。そして、上陸部隊に対し、「クラスター弾の威力を発揮だぜ!」といのがどういう場面なのか具体的に示せるはずであり、それがあるが故に「MLRSを配備しておかねば大変なことになる!」というような意見が出るのでありましょうから。そこに至るにはどれだけの仮定条件をクリアしなければならないのか、ということが判るでしょう。それらが全て成立して初めて可能なことでしょうからね。



クラスター爆弾に関しては、既に述べた>容認する必要性は今のところ感じない


産経の記事が笑えた。

専守防衛に空白 クラスター爆弾全面禁止合意 12ページ - MSN産経ニュース

(一部引用)

 だが、専守防衛という、国土防衛力を著しく阻害する“戦略”を信じる日本の場合、クラスターの使用は海空自衛隊の装備がほぼ全滅、敵が着上陸侵攻を仕掛けてくる、いわば本土決戦の時。運用は次のように“最終兵器”としての重要性を帯びている。

 《襲来する敵に湾内遠方、次いで水際でクラスター攻撃。それでも、敵の一部は上陸に成功する。だが、上陸地点には地雷原がある。敵が地雷原を前に前進をやめれば、味方火砲・戦車が攻撃するから、敵は動きを止められず、地雷のない地点に移動・集中する。実はトラップ=ワナで、味方火砲・戦車が移動地点を狙い集中攻撃する》

=====

この想定を考えたのは誰なんだろうか、と思うけど。アホだな。
MLRSから発射されるクラスター弾は「本土決戦の最終兵器」って、本気で思っているんだろうか。

本土決戦なんて、先の世界大戦の時にさえ「できなかった」じゃないですか。実質的には、沖縄戦だけでしょ。現代ならば、本土決戦が可能だ、とでも?
まあ、元寇の時には確かに「本土決戦」だったみたいだが(笑)。

本気で本土決戦ということになれば、日本は焦土と化しているでしょ。地方都市も含めて、都市部はほぼ瓦礫の山でしょうね。そうまでして「本土決戦」を選ぶと?それは無理じゃね?そうなってしまう前に、第二次大戦の時と同様、降伏するんじゃないか?


「上陸地点には地雷原がある」って、何都合のいいことばかり言ってんだよ。要するに、この説明文の戦術は、自分の都合だけ考えた作戦だろ。これを信じて防衛作戦を考えるのであれば、相当の間抜けだな。
喩えて言えば(=最終兵器~だな、笑)、将棋で自分の手のことだけしか考えない人、みたいなもんだな。相手の手番があることも、相手がどんな手を指すかも、全くの無視だ。自分の都合だけ考えて、「実はトラップなのだー、王手飛車だよ~ん」と夢想しているのと同じだな(笑)。こういう人の場合には、きっと次のように考えるのだろう。

MLRSを将棋の駒に喩えてみると、「香車」みたいなもんだな。
で、強力な防衛陣地みたいな堅陣を組んで前方を阻み、別にわざと手薄な場所を作っておくわけだ。格言通りに香車が下段から貫いているような筋を。すると、敵軍はうっかり「香車の前に」飛び出してきて、まんまと香車の餌食になる、という寸法だ。
こんなような感じの防衛計画らしい。アホらし。
そんなにうまくいくわけないと思うけど。


湾岸戦争やイラク戦争の時のように、上陸前には敵の拠点なんかを徹底的に潰しておくだろう。日本に侵攻してくる場合でも、大体同じようなものだろう。主要な軍事施設にはミサイル攻撃や空爆が繰り返し行われ、兵器生産施設なども破壊されるだろう。破壊を防ぐ為に予め場所を移動して、隠しておいた陸上戦力がいくらか残される程度であろう。いくら日本には「MLRSがあるんだ」とか言っても、それが配備されている場所に、敵軍がノコノコと整列して上陸してくるわけないだろ。それはバカのやることだ。地雷原があって進路が封じられており、隠しておいた戦車や火砲の配備がしてあって、なおかつクラスター攻撃して下さいねと言わんばかりの配置になって、敵軍が上陸してきてくれる、なんてことがあるかっての。それは、まさに「王手飛車をお願いします」とばかりに、わざわざ相手側がハマってくれないと無理なんですって。そういう手に引っ掛かる人もいるけれど、それはヘボ将棋だから、というだけだろ。本格的に強くなれば、そんなアホな策には引っ掛かるわけがないって。


日本上陸前には、海空戦力喪失、移動できない対空兵器やレーダー基地などもほぼ喪失、空港は全て破壊され使用不能、みたいになっているだろう。日本の上空を戦闘機の護衛なしで輸送機が飛べる程度になるまでは、地上攻撃が繰り返されるであろう。
日本は地形的に大規模上陸を行える地点なんて限られている。専門的にはどう評価されているのか知らないけれども、海岸線からの平地部分が少ないことが殆どだろう。陸地部分の奥行きがない、ということ。海岸との高さの違いが大きく、狭い平地の地点には上陸できない。

どこかの上陸地点が定められたとして、そこに防衛側の陸上戦力を集中配備しておくことは難しい。仮にMLRSが生き残っていて、森林なんかに隠蔽しておけたとしても、上陸してくる海岸線の敵部隊を攻撃可能な地点に配備するのは難しい。たとえそれが実行できたとしても、移動途中なんかに敵の偵察機や衛星に発見されてしまえば、ミサイル等で攻撃されておしまいだ。

「こちら偵察機X、○○地点を鈍重なMLRS部隊がのんびり移動中、速やかに地上攻撃を要請する」
少し後に…巡航ミサイル20発が付近一帯に着弾。更に…
「地上攻撃機及び対地攻撃ヘリにより、敵地上部隊を殲滅せよ」との指令に基づき、残存兵力に攻撃が行われ全滅…
という具合になってしまい、上陸地点を攻撃可能な位置に配備するのがそもそも困難。移動中に発見されれば、意味がない。日本の上陸可能地点を全てカバーできるわけもなく、装備しているとかもバレちゃってるので、予め対策を立ててくるだけだろう。

もし新潟だの千葉だのに上陸(全くの適当です)してくるとしても、上陸地点から半径50km程度の制圧をまずやってくるだろう。
兵器を隠して配備できそうな森林地帯だのには、無差別に艦砲射撃だのミサイル攻撃だの空爆だの、いくらでもやりようがある。それと、上陸前には空挺部隊が先にやってきて、周辺の制圧が行われる可能性が高いだろう。攻撃ヘリや航空戦力の支援を受けた空挺部隊によって、隠蔽しておいた火力の多くが無力化されてしまうであろう。勿論、空挺部隊に抵抗して、全滅できればそれはそれでいいだろう。が、上陸地点を変えてくることになるし、空挺部隊が全滅するということは強力な敵部隊が展開しているということになるので、新たな空爆やミサイル攻撃等を呼び寄せることになるだろう。

なので、日本が「MLRSを配備しているから」とか「クラスター攻撃による面制圧能力があるから」とかいう、夢物語をいくら言ってみたところで、現実にその能力を発揮する場面なんてのはほぼやってこない。あるとしても、こっそりどこかに隠しておいて、敵部隊が上陸を終えた後で、どこかのキャンプ地とかに集結して油断しているようなところに、ワンチャンスでぶち込むくらいなものだろう。それができたとしても、「大勢には影響がない」程度の戦果でしかないだろう。数百人とか死傷者を出せるかもしれないが、敵主力部隊を壊滅できる程度に活躍できるようなものじゃない。


本当に「本土決戦」という考え方をするのであれば、市街地戦とか山岳戦とかで、あまり姿を見せずに攻撃を繰り返すような戦い方しかないだろう。圧倒的な戦力差があることは明白なので(米軍や多国籍軍さえ手出し不可能かそれらを排除可能なくらい、ということらしいので)、正面攻撃はほぼ無駄である。相手側にとって難しいのは、上陸作戦を実現することではなく、制圧戦に勝利することだ。沖縄戦でも、上陸前の攻撃は凄まじいものであった。艦砲射撃やロケット弾攻撃、支援火力による攻撃は、徹底して行われた。上陸そのものが困難だったわけではない。むしろ上陸後の抵抗を排除するのに、長い時間と多大な犠牲を出したのだから。結局は地上戦になってからの掃討戦が一番困難なのだ。イラク戦争だって、アフガンだって同じだ。
なので、歩兵の携行兵器で強力なものが一番効果的だ。移動が簡単だし、隠れられるし、どこに装備されていて、どの程度配備されているか、ということが敵側には中々判り難いからだ。元々正規戦闘員じゃなくても、少し経験を積ませれば、志願兵程度の錬度の低い兵力でも使えるし。MLRSや戦車が仮にあっても、志願兵には操作が難しいよ。

本土決戦というなら、「いつ、どこで、どんなふうに」攻撃されるか判らない、というのが一番効果があると思うけど。日本の地形としては山岳地帯が多く、市街地も多いので、歩兵戦力に手を焼く、ということになるだろう。そうまでして、日本を占領して、一体何の得があるというのだろうか?日本人を奴隷にでもして、農業でもさせるのか?(笑)破壊しつくされた都市に、何の価値を求める?犠牲を払う割りには、得るものなんてないとしか思えないけど。


もしも自分が世界征服可能な軍事力を持つ王だとして、国際的に孤立しようが経済封鎖されようが「そんなの関係ねー」というくらい強いとして、英米軍やその他多国籍軍を苦もなく打ち破れて、日本に上陸作戦を行って占領したいか、ということ、全然そうは思わないだろうね。こんなちっぽけな島国なんていらねー、としか思えないけど。普通は資源がゴッソリあるとか、何かの富を独り占めできるとか、そういう特別な理由でもなけりゃ、支配する意味なんかないもん。日本を支配することを考えるだけなら、上陸するなんて面倒なことをせずに、ミサイル攻撃で少々脅かして、後は完全に海上封鎖を実行すればいいだけだ。すると、放っておいても、日本側から交渉を望んでくるに決まっている。強力な軍事力があるのだから、海上封鎖するだけなら簡単だし、海と空の物資移動を完全停止させれば、日本は死んだも同然だ。

昔から、兵糧攻めというのがあるでしょ。城塞都市だの強力な城だの、攻撃すると攻撃側に大きな被害がでるに決まっているけれど、周囲を取り囲んで外部と遮断すれば、大抵は「中の人」の方から「開城しますので助けて下さい」と言いにくると相場は決まっているもの。2年くらい完全に海上封鎖をすれば、日本はギブアップすると思うよ。で、ただ待つのではなく、時々ミサイルを少々ぶち込んで、嫌がらせをする。断続的に何処かの都市を一つずつ消滅させていけばいいだけだ。そうすると、どこかの時点で、「参りました」と白旗を揚げて、投降してくるだろう。武装解除にも応じるだろう。それから悠々と乗り込んでいけばいいに決まっている。
実際に、日本はそうして無条件降伏を受け入れたではないか。

本土決戦に至る前に降伏を選ぶのであれば、意味のない装備を増やすのは愚の骨頂ですから。金の無駄。


そういうわけで、ありもしない日本上陸作戦でのクラスター攻撃、なんて寝言みたいなことを語ってもしょうがないとしか思えない。同じ火力を別な~で用意するには…、なんてのも意味はないとしか思えないね。香車の代わりに、歩だと何個必要だと思っているんだ、とか言われても、実際の盤面で自分の思惑通りに「香車の前に飛び出して串刺しに遭ってもらいます」という戦術がそう簡単に引っ掛かるとは思われないんだもの。そんな作戦を考えても、意味ないとしか思えない。
世の中、そこまでマヌケが多いとは到底思えないのだ。

はてなブックマーク - クラスター爆弾、対戦車誘導型以外を全面廃棄へ 週刊オブイェクト

毎回文句を言う人たちが大勢いるみたいですが、それがないとどうなるっての?
クラスター爆弾が装備される前には、日本の防衛はどうだったんですか?
そもそも、持ってなかったじゃないですか。それとも、持ってないと防衛できない、と?(笑)

追記:6/1 10時半ころ

JSF氏から「決定的な違いを一つだけ」語っていただきました。わざわざウチのようなオメガ級寂びれブログの要望にお応えいただき有難うございます。

一つだけのお答えは、こちらです。
>それでは、日本の防衛をクラスター爆弾が装備される前の状態に戻しても良いのですか? それはつまり、対人地雷の復活を意味するのですが。

クラスター爆弾が装備される前の日本の防衛とは 週刊オブイェクト

軍事・防衛関連の豊富な知識を有するであろう、その道のオタクの方々とかJSF氏をもってしても、これだけしか答えられない、というものと理解いたしました。

a)以前、対人地雷を保有していた
b)クラスター爆弾の方が対人地雷よりも優れた兵器だ

この2点を示したところで、クラスター爆弾保有を肯定する理由や他の防衛手段に優先することの説明にはならないわけですが、最も答えやすい部分だけ答えたのではないかと訝りたくなりますね。
別に「クラスター爆弾が保有できないなら、対人地雷に戻すぞ、それでもいいのか」みたいな、取引に応じる必要性など全くなく、単純に「いえ、どちらもいりませんが、何か?」で終わりですね。同じ予算を使うにしても、別な使い道はあると思いますので。それに、私の根本的疑問というのが、「敵の上陸作戦に対して、地雷やクラスター爆弾で迎え撃つという本土決戦」そのものであるにも関わらず、「じゃあ対人地雷に戻していいのか」という主張が全く無効であることが理解できないのかもしれませんね。産経記事に例示されたような「本土決戦」というものが荒唐無稽だとしているのだから、対人地雷などハナっから必要がないわけで。

参考までに、「○○スレをよめ」というアドバイスはありましたが、私はどこぞの掲示板を見る余裕もなければ、それほどの物好きでも暇人でもありませんので、読むつもりなど毛頭ありません。うっかりヘンなウイルスに感染しちゃったりするのも怖いですし。



「泥のように働け」論議について考える

2008年05月30日 16時24分58秒 | 社会全般
大反響となったようです。
以前からの丹羽氏ウォッチャー(ウソ)の私としては、参戦せざるを得ませんな。
(過去に丹羽氏のことを書いたことがある、という程度です。暇な方は記事検索してみて下さいね)

はてなブックマーク - 「10年は泥のように働け」「無理です」――今年も学生と経営者が討論 - IT

元々は日経新聞に掲載されたという丹羽宇一郎氏の言葉だそうだ。
こんな解説まで登場していた。
泥のように働くとは - はてなダイアリー


こういった反応を見ていると、似たようなことを思い出した。梅田氏の時のことだ。
強者の言葉は理解されにくいのか

丹羽氏の言葉も、梅田氏の言葉も、どういうわけだか「切り取り」にあってしまって、文字の上っ面だけが取り上げられ、間違い探しみたいなこととか反証探しとかのようなことが行われる。ダメじゃないけど、空し過ぎなんじゃないの、と思うね。届かない人々には、やはり理解されないし、永遠に届かないんだな、と。

別に色んな反発があってもいいと思うし、若者らしく「絶対に見返してやるぜ」という固い決意で頑張るとか実行してみせるとか、そうであるならそれはそれでいい。「年寄りが寝言言ってんじゃねーよ」ということで、年寄りたちにオレさまの実力を見せつけてやるぜ、ということで、結果を出してくれればそれでいい。結果を出しているなら、文句は出ないと思うよ。だが、現実には結果が出せないのに口だけ達者で、「じゃいいよ、お前の好きにやっていいから」と突き放しておくと、何一つ満足にできない人は結構いるだろう。

こんな感じ。

コーチ 「練習AとBでやれ。時間は○○時間。死ぬ気でやってみろ」
選手  「ヘン、死ぬ気でなんてできないって」
コーチ 「でもやってみなけりゃわからんだろう」
選手  「練習AやBはタダの根性なんじゃねーの?オレはイヤだね」
コーチ 「じゃ、好きにしろ。勝手にトレーニングをすればいい」
選手  「ヘッヘッへ、ほいじゃ、勝手にやらしてもらうぜ」
・・・・・・
結果は惨敗、プレイヤーの自己流ではまるで通用しませんでしたとさ、チャンチャン。
みたいな。

ここで「どうだ、オレ様は!勝ちまくりだぜ」ということで、結果を出しているならコーチも多分文句は言わないんじゃないのかな、ということですね。けど、世の中そんなに甘くはないだろうね。普通は、自力で切りひらける人の方が少ないだろう。勉強もそうだよ。塾とか、通信教育とか、そういう色々な「トレーニング法」みたいなのを利用しているじゃないですか。独力で「オレ様はオレ流でやらしてもらうぜ」ということが通用している人は、圧倒的に少ないような気がするんですがね。元々才能のある数%程度ではないでしょうか。そういう絶対的な自信のある人たちは、コーチとか経験者とかの言葉を聞く必要性なんてないかもしれませんが、現実には殆どが「それではダメな結果が待っている」ということではないですかね。


そうではないなら、梅田語録でもいいし、例の著書に出てくる言葉でもいいし、他の誰でもいいんですが、そういうのを聞いておいてもいいんじゃないでしょうかね。後は自分次第なんですから。言葉を聞いておいて、それで「損をする」ということなんてあるんですかね。理解するのも、活用するのも、結局自分じゃないですか。こんなの使えないな、とか思うのであれば、「ジジイに負けるもんか」と思って、結果を出せばいいだけだな。他人の力や知恵なんかを当てにせずに、自力でやってくれればそれでいいだけなんだよ。


何故か多くの人たちが「言葉尻」を捉えて、間違った用法なんじゃないのか、とか、意味が通じないよ、とか、下らない意見が多いのに驚かされる。感性の問題なのではないか、と思うけど。広告のコピーみたいなものと同じようなものじゃないかな。単に文字列として捉えて、「文章として変だ、意味が通じない」みたいな意見しか出ない人がいても、それはそれでしょうがないわな、と。

「泥のように働く」という言葉に接した時、私はどのように感じたか。
前に書いたので、基本的には同じようなものだな>日本復活の道を探る・2~「努力しろ」は禁句か

意味合いとしてはいくつかあるかもしれないが、仕事の経験がある人には通じる部分は多いかもしれない。別に、「これが正解だ」みたいな答えなんてあるもんじゃないとしか思えないのだけど。

・泥のようにヘトヘトになるまで懸命に働いてみろ
大抵は何かに一生懸命打ち込むと、疲労困憊でヘトヘトになるよ。けど、そういう頑張りがきくのは、「若いうちだけ」だから。エネルギーも回復力も、若い時は旺盛だから。年をとってから頑張ろうと思っても、無理はできないもの。だから、今すぐには意味が判らないこととか、自分では見えてないこととかあるかもしれないけれど、とりあえず打ち込んでみろ、というようなことかな。苦労を買ってでも精一杯やれば、後々自分の血肉になっていることが多いよ、というようなことかと。

・カッコつけるな、泥臭くやれ
よく思うことが、これ。「何カッコつけてんだよ、分らないなら、分らないと言え、隠さずに聞け」みたいなこととか。変にプライドとか持ってるだけで、それが邪魔して能力アップを妨げているとか。スマートさなんていらない。能力のあるスーパースター級の人とか、はじめから百人力の人とか、そういう人たちは「軽くこなせる」ので、大抵スマートに見える。けど、そんな能力の持ち主は滅多にいない。平均的な凡人(笑、オレもそう)なのであれば、スマートにできなくたっていいんだよ。カッコ悪いかもしれないけど、地道にやるのが自分の為になるよ、と。若い時の泥臭さなんて、恥でも何でもないと思う。

・泥を被るつもりでやれ
仕事や役割を与えられるまで待っているよりも、機会を自分で獲りに行け、ということかな。待っているだけではチャンスが巡ってこないことも多い。自分が泥を被ることを厭わないのであれば、チャンスを掴める可能性は出てくると思う。


丹羽氏の真意はどのようなものなのかは、私には判らない。上に書いたような私の受け止め方は、全然違うかもしれない。実際のところは直に会って聞いてみなけりゃ何とも言えないだろう。
けれど、「泥のように働け」と言われた時、もし自分がそこの会社員で社長がそう言ったのであれば、そうだな、とは思うね。若い人たちは自分の給料が安すぎで、給料以上の働きをしている、などと考えている人はきっといるかもしれないが、現実には給料分以上に働ける人たちというのは、ごく少数だろうと思う。通常の若手は、「半人前」どころじゃないと思う。むしろ「マイナス1人前」とか「マイナス半人前」とかではないかな。凄く変な言い方なんですけど。

ある程度仕事ができるようになった人には、色々と頼めるし、責任を持ってやってもらえる。これが普通の1人前として、仕事の量(?)というか稼ぎというのを10としよう。すると、若人はあまり使いものにはならないので、半人前だと5ということなのだが、5じゃなくて「-5」ということだな。それは10の仕事力のAさんと、新人のBさんとで、2人合わせて「5しかできない」みたいなことだな。それはAさんが1人でやっていると10の仕事ができるのに、Bさんが教えてくれとか間違えたとかしくじったとか、足を引っ張るというか要するに足手まといということで、結果的にAさんの仕事の能率とかを落とすことになっている、というようなことです。つまり、Bさんは現状ではいない方がマシ、みたいなことになっているわけです。でも、組織の将来の為とか、Bさんが成長して使える戦力となれば稼ぎはAさん+Bさんで20という風に増やせるわけですから、「後々の時点で返して下さいね」ということなわけなんですよ。

そういうわけで、通常の新卒なら「早くマイナスの世界から、ゼロになってください」ということを会社は願っているのではなかろうか、と思いますね。AさんとBさんを「合わせて5」から、Bさんがゼロになれば、2人で10に戻りますから。その後、順調にBさんが成長していけば、5とか10の仕事力がついてくるので、そうすると過去の「マイナス時代」の分が返せます、ということ。けれど、返しただけではまだ会社にとってのプラスなんかないわけで、時間が無駄なだけですね。きちんと「プラス分」を生み出して会社に貢献して下さいね、ということになるでしょう。ここまで辿り着くには、軽く数年とか5年とか(業界などで異なるかもしれませんが)かかってしまいますので、すぐに辞めたり職場を異動された日にゃ、会社としては「マイナス投資のまま」で終わってしまうことになるでしょう。


はじめから能力が高くて、バンバン仕事ができる若い人たちもいると思います。けれども、通常の平凡な才能の持ち主であれば、滅多にそういうことにはならないのです。機械的に書くと、2年で「-10→0」に到達し、以後この期間のマイナスを返還するのに2年かかりますよね(0→10)。才能のある人だと、これが半分で済むかもしれませんが、この2年だけだと会社にとってはゼロと同じだ、ということなんですね。それなら、はじめから仕事力5の人を雇った方がいいんですよ。つまり経験者ということだ。コンスタントに5の仕事をしてもらえる方がメリットが大きいわけだから。
別に、若くて使いものにならない「あなた」を雇う必要性なんかない、ということなんですよ。会社は何故若い人たちを求めるのか、というと、若いというあなたの将来に賭ける、あなたの未来に投資する、ということなのです。初期のマイナス投資を敢えて選ぶのは、先行投資以外の理由なんかないのです。「あなた」からその未来を取ってしまえば、会社にとっては何も残らないに決まっているのです。「会社が投資する理由」なんてものは、これっぽっちもないのです。「会社を辞めるつもり」というのは、将来時点での会社には「未来のあなた」は存在していません、ということに他ならないのです。


若い人たちには、仕事のことというのは、経験が少ない故に判り難いのかもしれません。
「泥のように働け」という言葉をどう受け止めるかというのは、各人の自由でいいものですので、判りたくない人や拒否したい人たちは自分なりの方法で仕事や未来を切り開いて下さい。結果責任を負うのは常に自分なのだ、ということです。



何じゃこりゃ~

2008年05月29日 21時49分45秒 | 俺のそれ
今日の意味不明の上げの原因というのは、何か考えついたでありましょうか?(笑)
まさか、ウチのブログで書いた途端に上げてくれたってか?
ズバリ「クリティカルヒット」を食らった人たちがいた、とか?
なわけないわな。ウチはタダの妄想ブログですので。

コレの続き>
また嫌がらせですか?(笑)

はいはい、おめでとう



スネに傷持つ方々が大勢おいでのご様子で、なによりです。これが日本市場の実態だったのだ、ということがよくお分かりになられたであろうな、と思いますね。
えーと、今日の相場の解説がどんな内容になるのか楽しみです。どんな理由でも結びつける、というのが相場の鉄則ですからね(笑)。連想買いとかの親戚みたいなもんですね。そういうのは当てにしないけど、好きですよ。ご懐妊報道でベビー用品メーカー値上がり、みたいなのは。

上がってよかった、よかった、ということで、とりあえず。



話を戻しますけれども、「三井化学」株のことですが、少し調べてみました。すると、意外な事実を知りましたよ。はい。


①4/7 GSがレーティング発表し、目標株価を引下げ(670円)

この数日前から5日移動平均線は25日移動平均線にかなり近づいてきていた。大体8円くらいにまで接近していた。が、7日発表され、8日の株価は急落。始値657円→終値622円の35円安だった。
まあいいタイミングだったんじゃないか?落とすには。旧急落となるような材料というのは、これといってなく、レーティングくらいなもんでしょうか。


②4/16 GSがレーティング発表し、目標株価引下げ(550円)

この時点でも特に材料らしきものはなかった。前日15日は、始値621円→終値618円の前日比1円高だった。
16日朝は始値600円、大量売り注文が来ていたので、前日終値よりも大幅安水準で始まった。ここから、『年初来安値の585円』まで売り込まれた。この時点での売り材料は、特別には出されていなかったようだ。GSの引下げ発表は前場終了後の昼だったからだ。
前日の出来高の倍以上の約690万株だった。
朝の時点で今日は「目標株価550円に引下げがある」ということを知っていたなら話が判るが、内部情報でも掴んでない限りそんな情報は知る手段がなかったはず。
引下げ発表と年初来安値更新が偶然同じ日に起こったのだ、という主張は有り得る。そうだとして、何故発表後の後場で安値更新ではなく、前場だったのか?引下げ発表で「目標株価550円」と言ってるんだから、もっと下げてもおかしくはないだろう。けれども、592円まで値を戻して引けた。


③4/18 利益大幅減の発表

会社側からの情報で、取引終了後に報じられた。単独利益が220億円→65億円に下方修正。週末だったので、翌週からの取引に影響が出そうだった。しかし、21日月曜日は603円で始まり、結局終値は622円の1円安で引けた。出来高918万株の大商いだった。会社側の減益発表であったにも関わらず、始値こそ20円安でスタートしたものの前日終値623円から僅か1円安だった。
GSがこの下方修正情報を知っていて、16日に引下げを発表したのかどうかは不明。目標株価引下げ情報よりも、減益発表の方がインパクトは大きいと思うのだが、大量に買われたということだ。


④5/9 連結決算発表

予想を下回る決算の為、大幅安となった。始値648円→終値610円だった。16日に年初来安値585円を付けたのに、そこまで落ちてはいかなかった。5/7には5日移動平均が634円、25日移動平均が632円と上昇基調で、戻り高値657円を付けていた(終値は652円)。
ここからの急落となったのだが、4/21の減益発表後には何故か900万株超の大商いで値を下げず、決算発表の日には急落という不思議な現象が起こったわけだ。しかも移動平均線が抜けていった直後ということで、年初来安値を付けた4月16日以降に若干値を戻していたのだった。


⑤5/28 UBSが目標株価550円と発表

23日には5日移動平均が616円、25日移動平均が617円と大接近(出来高も大幅増加し721万株)、しかし、その後売りに押されてしまい、28日朝から大幅安となった。始値599円と大幅減益発表後の時(4/21朝の603円)よりも下げてスタート。


このように、株価の変動を見ていくと、GSやUBSの発表というのはワケが判らない、ということだな。しかも年初来安値をつけた4/16の発表後に、多くの人々は無視しているかの如く株価が戻っている。謎が多いね。

この話は、とりあえずここまで。


=====


決算発表日の急落は、仕込みだったのかもしれませんね。
直近までは上げておいて、急落を演出すると、「往復ビンタ」だもんね。値上がり過程で儲け、上げた所で一気に売りに転じれば今度は売りで儲けられるからね。一粒で二度オイシイ、ってな具合だ(笑)。決算発表のマイナス材料というブースターがついてるから、下げは加速するもんね。
日本市場の下げ相場で取ってきた、コ○ーテ軍団の典型的手法だな。


ハメ手か何かの狙いなのか、素人のオレには判らん。が、意味不明な動きとか、意図的操作みたいなものがあるように思えるね。観察結果では、そういう動きがあるな、と。
結論的には、トコトン落としてやるぜ、ということのようです、はい。
今日みたいな上げ相場の日でさえ、売り売り部隊がガッチリと張り付いていたな。

どんだけ売り物が残ってるのよ、ってな話だな。信用売残はあまり変化がなく、信用買残が100万株以上増えてますが、それを超えて売ってきている本体がどこかにいるんでしょうな、多分。4/4時点の信用倍率1.10倍(買い残149万株)、5/23時点では1.98倍(買い残266万株)でした。

こんだけ下げ相場を過ぎて、年初来安値を付けた後にも、まだ売り物が大量に残されている、ということに正直驚いているんですよ。
要するに、やる気満々ってことですね?

そーですか。




な、ナゼに…ラーメン?

2008年05月29日 16時30分23秒 | いいことないかな
これは凄い、と思ったけど、発想がもっと面白い。

どんぶり直径1000分の1ミリ「世界最小のラーメン」完成(読売新聞) - Yahooニュース

『どんぶり内に触媒と原料のエタノールを加え、長さ約500分の1ミリ・メートル、太さ約5万分の1ミリ・メートルの「麺(めん)」数十本を合成。麺があふれないようにするのが難しかったという。』

って、日本人のマニアっぷりは凄すぎる、です。

麺があふれないようにするのが難しかった、というコメントもイケてる。普通はもっと科学的な立場からのコメントとか、小難しい話とか、そういうのがありそうなんだけれども、ごく平凡に「麺があふれる」ということを気遣う、その非凡さがいい。ほれ、食堂の見本みたいなのを作るマニアな職人さんと、似てる。クリームソーダだの、スパゲッティだの、本物っぽく作る人。なんと言うか、仕事の具合とかが上記「世界最小ラーメン」と共通するものを感じるんですよ(笑)。


いや、日本人の底力を堪能させていただきました。
本当に素晴らしい。



続・はいはい、おめでとう

2008年05月28日 22時25分21秒 | 俺のそれ
後講釈は好きなことが言える、という好例かと。

NIKKEI NET(日経ネット):株・為替ニュース-日経平均などのマーケット情報を速報

こちらの記事から引用。

『先物の下げに関しては「株価指数先物売り・債券先物買い」の動きが強まったとみられるほか、午前の香港株式市場でハンセン総合指数が下落したことが影響したとの見方もあった。』

債券相場は見てないけど、香港市場の下落は関係ないんじゃないの?
笑える。香港市場の下落幅がいくらか知ってるの?下落といっても、誤差範囲でしょ。僅か40ポイントくらいですって。
終値で24249.51、下落は-32.53でした。ざっといいますと、午前の下落が約60としても、僅か0.25%でしかないんですが?
そんな程度の下落が材料になってたら、日本の株式市場はどうなんてしまいますかね?そんな理由を出してくるのは、本物のアレだな。いちいち香港の下落を受けて、日本市場で売るんか?そんな判断の根拠はどの程度ありますかね?香港市場の下落幅の何倍かの売りなんて合理的ではないわな。

続けよう。
『外国為替市場で円相場が1ドル=103円台後半まで下げ渋ったことも重しになった。』

これもどうでもいい適当な理由だろうね。23日にはドル円為替が始値104.12→終値103.35と円高が進んだにも関わらず、同日の日経平均は始値13945.1→終値14012.20と上昇して引けた。21日だって102円台まで円高になったが、13926.3で引けていた。要するに、円高というのは何かの理由にはなり得るかもしれないが、だからといって、下落となるというわけでもない。適当なんですわ、結局。
実際のところ、どれもこじつけの域を出ないものばかりでは。


単に、先物売りを仕掛けた連中がいた、ってことだけで、それは、金儲けの為ということしかないんじゃないですかね。で、儲ける為には、あの手この手を駆使してくるのも当然で、ヤツラが何をやってるかなんてのは、誰にも判らんわけで。本当にキレイな商売をやっているかどうかだって、誰にも確かめようなんかないわけで(笑)。本体が一緒、ってことはよくある話ですし。枝葉を辿っていけば、あらま、根っこは一緒だね、なんてこともあるかもね、と。

大体、薄商い、って言うがね、昔にはあんなにバカみたいにメチャクチャな売買は無かったんですよ。出来高を見てごらんなさいな。ITバブル期ですら、最多の月間売買高は約160億株(00年3月)でしかなかった。05年7月でも約287億株だ。例のライブドアのバカ騒ぎ頃に増加して、05年11月には555億株まで増加した。個人のデイトレーダーが色々と言われていた時期だな。
つまり、これまでのアホみたいな出来高に馴れすぎているだけ。更には、外国人投資家を当てにし過ぎているだけだ。そういう姿勢こそが、市場の攪乱を招いているんだろ。90年代後半なんて、はるかに少なかったぞ。要するに、株価操作みたいな売買が横行しているだけなのだ、ということ。


外国資本が大量に市場に入ってきてどうなった?
金融危機の98年でさえ12000円を割ってなかったじゃないの。TOPIXでも1000前後だった。銘柄入れ替えとか指数の変更なんかがあるから、一概には言えないかもしれないが、今年の11000円台(TOPIXでは1100台)をつけたのは、外国人が大量に保有するようになったから、だろ。市場取引のかなりの部分を占めるようになったから、だろ。

外人が買わなけりゃ、株価が上がらない、なんていうのはウソだ。
逆に、上がらなくなった、というべきだろうな。10年前と比べても、殆ど上がっていない。日本市場は、いいように草刈場にされた、ということなんだよ。何故それが判らないんだ。こんなに年月が経っているというのに。

もういい加減に目を覚ませよ。


更に追加。

しつこくて申し訳ないが、欧州も米国も上げて始まったみたいだな。
日本市場だけが、売り売りですか。
ふ~ん、フシギダネ。
外資ってのは、「自国では買い、日本で売る」の法則でもあるんですかい?
要するに、市場操作だな。やり易い場所でやる、それだけだろ。

日本市場が操作されていると前にも言ったじゃないですか。

日本市場全体が「仕手」られている?


こういうのは厳しく取り締まるしかないよ>161条を発動せよ!

アイツらはどんな手でも使ってくる。それを忘れるな。



これが「外資のケイレツ」ってやつですか?

2008年05月28日 21時03分43秒 | 経済関連
レイクの売却問題なんですが、まだ売却先が決まってないみたいで。

GE、レイクの売却先決定は6月になる見込み=イメルトCEO Reuters


へえー、そうなんだ、新生銀行さんが名乗りを上げているんだ。しかも一番高い値付けらしい、と。なるほどね。
旧長銀問題では、例の外資にたかられた云々といういわくつきですね。もう済んじゃったことだから、別にどうでもいいんですけどね。

もうウマミは十分吸い上げたから、損とかそういうのはどうでもいいですわね。
一方、新生銀行にはこんな話も。

社長の場当たり経営で会長が退任 「新生銀行」の呆れた内実|Close Up|ダイヤモンド・オンライン

ほほう、色々とウワサ話は尽きないようで。本店売却で難をしのいだ、と。けど、来年には「売るべき本店」もなけりゃ、金をひねり出せないわな(笑)。貸金でも買って、収益を叩き出してもらわねばならない、ってことですかい?
で、レイクを是非買いたい、と。そーですか。社会勉強になりますね。

偶然にも、元エッソ社長からシティバンクの日本代表に就いていた八城氏が新生銀行に行き、杉山会長退任後に再登板ということですか。なるほどねえ。これがまさしくキャリア・アップってやつですかい?


日本のケイレツが何とかだ、とか、慣行が不透明だ、だのと、偉そうに文句を垂れる外人ってのが大勢いるわけだが、外人の不可思議なケイレツってのもあるみたいですな。横の関係の深いところが、買うとか、何とか、色々とオイシイ話に群がる連中が大勢いるみたいですな。GEさんが売却先に選びたいのは、新生銀行ですぜ、と。双方の思惑が一致しているもんね。何でもいいので収益が欲しい新生銀行と、サブプライムで巨額損失を食らったGEが「金の捻出の為」に高値で事業売却先を探している、ってなことだしね。

けど、例の過払い返還金問題があったので、ちょっと困ったな、ということもあるわけだ。
阿漕な商売は許さんぞ
吉行氏がコメントで色々と教えてくれました。


いずれにせよ、コヨーテご一行様は錬金術をやりたいだけなんでは?
日本国民の金を巻き上げることが目的なんではないのかな、と思えなくもない。
ここでも再びGEとシティバンクの名前が出てくるんですよね。偶然なんですけど。フシギダネ!
アプラスとの関係強化で上限金利問題にも、深~く関わってるわけだ、新生銀行は。なるほど。


ダイヤモンドの記事によれば、ムーディーズの格付け(笑)も上がったみたいですし、「日本の最優秀銀行賞」受賞(by ユーロマネー誌・英)の栄誉にも輝いたみたいですから。これって、箔付けみたいなもんですかね?
チラッと前に書いたことあるけど(権威を有り難がる人々)。まさか、提灯記事ってことでもないだろうし、「外人のケイレツ」で出されたものでもないんでしょう?
信頼に足る評価なんですよね?日本で最も優秀な銀行、ということを認めた、ということなんですもんね。よもや、インナーサークルでのあれこれ、みたいなことではないのは当然でしょう。


どうやら日本一素晴らしい銀行のようです>新生銀行



はいはい、おめでとう

2008年05月28日 15時13分21秒 | 俺のそれ
日本市場の操作は楽でいいな、オイ。
従順なヒツジさんたちばかりで(爆)。


一つ前の拙ブログ記事は昼に書いたんだが、タイミング良く13時少し前に仕掛けですか?(笑)


個別株を売る必要なんてないもんね。
なんたって、日経平均先物を売ればいいだけだから。


しかも、国内投資家の多くは「外国人投資家の動向」というものにやたらと過敏なんだよな。ついつい従ってしまう。後追いしてしまう。
それに、先物が売られたら自動的に現物のプログラム取引なんかが発動してしまったりするだろうしね。


個別株で足がつくなんてバカなことはするわけないわな(笑)。

先物売りで仕掛ければ、みんな付いてくるから。
すると、アラ不思議、現物株も大幅安達成~~

目標株価でエサはまいてあるし、コバンザメは大量に呼び寄せられるわな。
少しの資金投入(はじめの大量売り注文)で、後は口先(偏った情報ってヤツだね)とか先物を使えば、色々と出来てしまいますもんね~。

全体が下がれば、意図的な個別株操作も「うまく隠せますぜ」ってか?(笑)
うん、たしかにそうだよね。
こんな陰謀論は、成り立たないよね。

でも、気になるなあー
先物を大量に売り仕掛けした金融機関はどこなのか。
日本の証券会社ですか?
ああ、大金持ちの個人投資家かなあ??→ないわな、普通は。


それとも、別の、ヨソから来てる資本の会社とかでしょうかねえ??




こうやって、外○系に荒らされるんだよ。
引っ掻き回しはお得意だからな。

必殺技は、「釣り上げて、落とす」だな(笑)。


目論見通り、日本市場は下げ下げ、ですか。
ここ数日の上げ環境と比べて、何が違うのでしょうな?

円高がきつくなったわけでもなく、アジア株が売られまくったわけでもなく、むしろ、原油価格下落と米株上昇なんかの好影響であっても良さそうだったのに(日頃ありがちな解説でしょ?)、相場は謎が多いですねえ~~


これが彼らのやり口なのだ、ということにいい加減目覚めなさい、ということだな。



ちょっと追加。


天人ども(←判る人には判るかも)が来てからどうなったか、いい例を紹介しよう。

Yahooファイナンス - 4062t

今まで一度も買ったこともない銘柄ですが、この前発見したので。
このグラフによく表れていますよ。
会社は創設から長い年月を、地道にやってきた会社だろうと思いますね。

で、05年後半以降の有様だ。
こういう惨状は天人がデカイ面をして、市場の中を引っ掻き回すようになってから、起こるようになったのだよ。エサをまいて、上げていく。
どうやれば効果的に釣れるか、やり方を習得したんだわ。ヤツラも。
しかも国内投資家や金融機関は、必ずやつらの顔色を窺って取引してしまうからね。ヤツラは自分たちの金とエサで上げを演出していたのさ。それに追随する連中から巻き上げるためにね。

その結果がこれだ。別に急速に上げていく必要性なんてないんだよ。じーっと地道に上がっていけばそれで良かったはずなのさ。
しかし、ヤツラは上げる手法を知ったので、「時価総額幻想」を利用することを思いついたんだよ。

緩やかに上がっていったとしても、別に困ることなんかなかった。会社にとってもそうだ。地道に上がっていれば、それで良かったのに、天人が金をザクッとぶち込み、レバレッジでデカくして、更に上げていく。カモを誘き寄せ、巻き上げる。

ウマ~
なんて生産性の高い仕事なんだ!
なんて効率的な仕事なんだ!


これが日本市場。

やり放題。




また嫌がらせですか?(笑)

2008年05月28日 12時12分46秒 | 俺のそれ
ムカつく。
外○系の連中というのは、アレですか、何か特別な思惑でもあるんでしょうかね?

いやー、本当にただの偶然ってあるんですね(爆)。本に書いてある通りだわ。
別に陰謀なんてないんですよね?この世には。
まぐれって凄い!!

お前ら、取引銘柄情報でも、どこからか流してもらってるんですか?
因みに、私がネット証券でいつも利用しているのは「マネックス証券」なんですが、こっちが何を保有しているのか、バレバレですか?
いいんですよ、別に。個人情報が漏れることなんて完璧に防げるわけではないでしょうからね。

これまで損失はかぶってやったでしょ。あんたらの目的どおりに。
それで何がご不満?
あんたらの買戻しも大変みたいだけど(笑)。

まあいいや。
関係ない話は、これくらいにしておくか。

◇◇◇


三井化学という株を4月に買っていたんですわ。何となくなんですけどね。

で、

4/15に書いた記事がこれなんですよ。

リーマン提訴の謎

これがホントの「これはひどい」(笑)

すると、単なる偶然に過ぎないんですが、GSがレーティングを翌日16日に発表し、目標株価を670円から550円に引下げたんですね。因みに、4/7時点でのGS発表では800円から670円に引下げ、ということでした。わずか9日で?!
前日15日の株価は618円(出来高約288万株)でしたが、16日の発表は12時過ぎだったみたい(マネックスの記録では)なんですが、始値から大量売り注文が来ていて、600円で始まり終値は592円でした。出来高は約690万株と大幅増でした。レーティング情報の発表前だったのに、大幅に下がっていたんですよね。大量の売り注文が朝一で出された、と。ふーん。
たまたま偶然でしょうけど(笑)。


今度は、今日だな。

4/27に書いた記事がこれ>UBSの調達金利は低かった?

すると、今朝からUBSさんの発表でレーティング情報というのが出されたみたいで、目標株価670円から550円に引下げられたみたいなんですね。まあ、GSさんと同じ評価、ということなんでしょう。


ま、参考までに日経平均が12000円割れとなった3/17の三井化学の株価は644円でした。大荒れとなった3/13日でも676円と前日より上げて終わっていた。みんながパニックのように売っていたのに、売り物がそんなに多くは残っていなかったんでしょうかね。普通はポジション整理だの、何だのというのが行われるでしょうから。でも、嵐のような売りの中で、それほど下がっていたわけではなかった。
その後の決算発表などで、業績見通しが嫌気されたというのは有り得る話なので、まあ判らないでもありませんが、こうも揃って大幅下げの発表が来る、という単なる偶然に驚いているわけですよ。
よりによって、拙ブログに記事を書いた途端に出される、というのが。
他の銘柄でもあったので、偶然とは恐ろしいなあ、と(笑)。まるでこっちの動きが手に取るように漏れている、ってな感じですわ。


一応、会社発表を見ると、こうなっている。
平成20年3月期 決算短信

こちらの資料にもあるとおり、連結の一株純資産は業績悪化を反映して約650円なんですね。原油高がかなり厳しいので、そういうもんかな、とは思うわけですが、純資産の減少幅はどれくらいなんだろうかという話ですわな。550円まで下がるとなれば、資産減少幅が約15%の850億円くらいになるんじゃないですかね、ってことですわな。そこまで減るという確信の根拠みたいなもんは、一体何なのでしょうね、と。
ただ、将来的に継続して純資産減少が続けば、株価が大きく下がるのは当然なのでしょう。どれくらいの将来時点を見込むのか、ということもあるので、一概には言えないと思いますけれども、現在株価よりも「大幅に低い株価」というのをレーティングで発表する意図とは、一体何なのだろうか、ということを思うわけですよ。それって、単なる釣り目当てなんではないですかね、って話ですわな。

移動平均線を超えられるとマズい、とか、そういう事情なんかがあるのかもしれませんが、傍から見れば、狙ってやっているものとしか思えないわけですね。4/16の発表以降であっても、若干ではあるけれども株価上昇局面が見られていますな。多くの人々の判断としては、「550円が適正株価だ」みたいには考えていない、ということなのでしょうが、にも関わらず、しつこく「550円だ」という目標を出してくるわけですね(笑)。資金力があれば、特に某外資系みたいな名前の通ったところであれば、色々な手段を取りうるわけだ。こういうのが本当に「市場操作」とか「株価操作」に該当しないのかどうか、ということについては、SESCの厳正なる監視や金融業者等の厳罰をお願いしたいところです。


現在株価よりも大幅に低い株価を「目標株価」と表示することの意味とは何でしょうか?
何度も尋ねて申し訳ないんですがね。いや、現在株価が1000円で、目標株価を2000円から1500円に下げました、って話なら判らないでもないんですよ。それくらいまでは上がる可能性があるね(上がってもいいよね)、っていうことだから。しかし、逆に低い方となると、現在株価は高すぎるので、「持ってる株を売った方がいいでしょう」ということでしかないわけだから、単に「売り」ということを指摘するなり発表するなりすればいいだけだわな。アンカリングみたいな効果を狙う必要性なんかないはずなんですがね。


それと、大量保有報告は3~4月にはあんまり目だって出ていないんですよね。大きく売った大株主とかがいれば、発表されるでしょうからね。4/14以降の売買高は約1億2500万株となっており、既に発行済み株式約7億9200万株の約15.8%だ。売り物が残されていたのであれば、かなりの量が売られた、ということになるはずでしょう。だって、株を売ってキャッシュに換えねばならなかった人たちならば、少なくとも3月か4月で整理しているでしょう。それでもなお、「目標株価550円」に向けて売りたい人たちが大勢いる、ということなんでしょうかね。浮動株比率は約10%くらいなので、1億株にも満たないわけですが、じゃあ一体どこの誰が売ってきているんでしょうねえ、と。持株比率が30%超の外国人ですか?
11月以降の下げ相場で相当売り切られたのではないかと思っていたんですが。不思議ですねえ。
回転売買も多いかもしれないから、出来高と一致するということはないでしょうが、10月高値の1187円から1月の601円まで一方的に落ちてきたわけだから、普通はその過程で相当売り切られていたんじゃないかな、と素人考えでは思うわけですよ。

仕掛けているのは、一体誰なのかなあ?(笑)
売り残は買い残よりも少ないですし。



原油高抑制には「冷や水」が必要

2008年05月27日 20時22分04秒 | 経済関連
ソラミレドミラ~、じゃなかった、ほらみたことか。

原油高の要因は投機資金流入、30~40ドル押し上げ 経済ニュース マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

今の原油価格は異常。需給が逼迫している、とか言っても、実はそんなことはないよ。暖房需要は消えてるし、冬よりも使用量が大幅に増えてるなんてことはないだろうね。在庫が大幅に減ってるとかでもないし、日本の道路財源の大混乱で需給期は大幅に乱れたが、ガソリン供給は問題なく行われた。単にタンクローリーの回転が厳しかっただけだしね。

原油高の基本原理はヘッジファンドとか金融機関のやっていたマネーゲームと何ら変わりないだろうね。

オイルマネー

王族だけじゃなく、ロシア資金とか、そういうのも流れているかもしれないが、同じようなもんだ。
儲かるからレバレッジ枠が広がる→その拡大分でまた買う→上がる
という具合に、自分たちで買って上げてきているようなもんだ。世界中の株式市場で行われた、ヘッジファンドのなんかの「自作自演上げ相場」みたいなのと同じ。


だから、何遍も言ってるじゃないか。先物を売れって。
勝負に打って出る気力はないのか?

今のドル安を止めるいい手段なんてないよ。FRB単独の政策にも限界ってもんがあるからね。
原油高で世界的なインフレ加速が起こっているんだってば。何故、それが判っていながら、先物を売らないんだよ。アメリカだって、原油高で経済成長に打撃だ、ってはっきり言ってるじゃないの。日本の資金が先物相場に向かって、大量に売り続けたとしても、文句なんて言えないって。そんなの、日本の自由だもん。

原油価格が落ちていけば、ドル安は若干改善されるし。
続・緊急経済対策―「翔べ、日本」(笑)

原油高とドル安はセットになってる、って外人さんが言ってるんだからさ。「強いドル」のお手伝いをしてあげるのに、米国が文句を言うはずないんだって。

だから、米国債売り+原油先物売り、これをやりなさいってば。


米国内で利上げできる環境じゃないんだから、米国債売り=金利上昇はインフレ抑制効果が期待できるかもしれないでしょ(米国債の買い手は中国だとか、ブラジルだとか、産油国だとか、色々といるから大丈夫ですってば)。日米金利差は日本の金利上昇でつまってきているかもしれないし、それもドル安要因なんだよ。アジア各国のインフレ懸念で、ドル売り介入が既に来ているのですから。

アジア中銀が自国通貨支援でドル売り介入、インフレ懸念で Reuters

だから、日本がやれば、それは世界経済を救うことになるんですって。
米国債売って、その金で原油先物を売れば、原油価格上昇は抑制されるんですよ。日本が損したらどうするんだ、って話も若干出るかもしれませんが、ドル安が改善されるから(外為特会の)為替損が改善されるし、日本の原油輸入価格が下がるので国民経済には大きなプラスですよ。

どうしてこういうのを素早くできないんですかね、本当に。

日本の政治家の○○!



UBSの調達金利は低かった?

2008年05月27日 19時36分52秒 | 経済関連
世界のUBSだね、やっぱり。

Bloombergcojp 日本

(一部引用)

5月27日(ブルームバーグ):米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機から、スイスのUBSほど大きな打撃を受けた金融機関はあまりない。同行は380億ドル(約3兆9300億円)の評価損・貸倒損失を出し、最高経営責任者(CEO)と会長が交代し、株価は60%下落した。

にもかかわらず、昨年7月から今年4月半ばにかけての営業日の85%で、同行が英国銀行協会(BBA)に報告した借入金利は他の金融機関に比べ低かった。ブルームバーグ・データによれば、評価損が14億ドルにすぎない英銀ロイズTSBグループですらUBSほどの低金利では調達できなかった。

独立系銀行コンサルルタントのアントニー・ブロードベント氏は、市場はサブプライム問題の「UBSへの影響は甚大でロイズTSBは大したことがないと知っているにもかかわらず、これがLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)に反映されていない」と話す。

このようなずれが、LIBORへの信頼感の危機を招いている。BBAはUBSやロイズなど16行からの回答に基づいてLIBORを発表する。BBAは批判に対応し、24年続いたシステムの見直しを急いでいる。BBAは30日に改革案を発表する。

=====


被害甚大のUBSが楽々調達という怪、だな(笑)。
LIBORの信頼性が危惧される、ということだそうな。
確かに昔の日本の銀行がイジワルされたのに、と思う人々がいないでもないかも。ジャパンプレミアムとか何とか、鳥のフンみたいに上乗せ金利を取られてたんだったか。これは関係ないか。

けど、記事の「勝手な金利を報告できる状況は困る」という言い草が何とも面白かったので。

関係ないけど、こちらはちょっと同情っぽいか。
英ヘッジファンドのエンデバー、円債取引で多額の損失=FT紙 Reuters

例のベア・スターンズショック(「たった2ドル」の衝撃)の時だな。

まさか、あんなに国債が買い進まれるとは予想だにしていなかったのだろう。パニックのあまり、一斉に国債買いに飛びついたんだもんね。
けど、今は結構下落していて、金利は上昇しているみたいだから、あの時の山を越えてさえいれば、今頃はかなり儲かっていたんじゃないですかね。取引の仕組みとかはよく知らんのですが。
でも、決済日が今まで持たないとかであれば、ポジションは解消させられてしまうのかな。それとも、損失はある程度緩和されたんでしょうかね。


ウチの運用状況を見ても、まだ含み損は残ってるから。ま、酷い状態ではなくなったのでいいんですがね。
少なくとも今は、株式については「手数料負け」だ。手数料分がマイナスのまま。ともあれ最悪期からは値を戻したので、とりあえず一息つきました、というところですかね。激戦の12600高地(参考記事:蹂躙市場)は奪還できたのでよかったです(笑)。



米国は二枚舌をやめるべきだ

2008年05月26日 18時41分45秒 | 外交問題
また米国お得意の「他人に難癖、文句を言う」の図。

金融市場は回復傾向、日本は海外投資に開放姿勢明示を=米財務次官補(ロイター) - Yahooニュース

日本については、巨額なポートフォリオ投資の恩恵を享受しているが、海外からの直接投資(FDI)の点では他の主要国に遅れをとっている、と指摘。日本に対し、海外からの投資に門戸を開いているとの姿勢を明示するよう要請。「投資家の間では、日本がFDIに本格的にコミットしていないのではないか、との懸念がでている。とりわけ、制度自由化が世界的な保護主義圧力の高まりという試練に直面している時期で、日本は、海外からの投資にオープンであるという明確なメッセージを発信すべきだ」と述べた。

=====


日本がいつも貶される役回りということでしょうが、日本人の政治家や官僚は明らかに「言い負け」てる。
しかも、日本国内の連中がいちいちそれを非難したり、足を引っ張ったりすることも問題である。日本人が日本人を責めてどうする。

米国人の情報戦術は、ことあるごとに同じ事を何度も何度も言う。たとえそれが事実とは異なることであっても、だ。間違った声明であろうがなんだろうが、詳しく知らない人間にとっては真偽の確かめようなどないのだから。過った印象が植えつけられるのだ。日本は「海外に門戸を閉ざしている」と、一方的に決め付けられてしまうのである。それが事実などではないにも関わらず、「言った者勝ち」という立場を都合よく利用しているのが米国のやり口だ。

日本は総理をはじめ、主要閣僚はみな「海外からの直接投資受け入れを増やしましょう」と、殆ど望みのないスローガンを掲げているではないか。それを米国財務省の役人が知らないわけがなかろう。日本の姿勢は明らかであるし、「海外直接投資受け入れ促進」と明瞭なメッセージを出しているではないか。国を挙げての政策とまで謳っているのに、それで不十分だ、などと口出しするのは余計なお世話である。日本は、こういう場合でも絶対に反論したりしないし、海外向けへの声明で反論を大っぴらに公開したりしない。それが何よりも問題なのだ。


前にも指摘した>だから言ったろ

が、米国では「受け入れます」と表向きは言っているけれども、実際には全然違う。
対米外国投資委員会(CFIUS)が海外企業の審査をやっているのだ。投資制限をしているのは、米国自身である。以前には、10%以下の出資であれば審査がなかったのに、これからは「出資比率」や「取締役」の人数なんかではなく、「一定の力を行使できる能力」で外国資本を排除しよう、ということにしているのだ。

仮に、ロシアや中国の大富豪とか政府系ファンドなどが米国企業に大きな出資をしようとすれば、それが米国にとって重要な部門である限り絶対に認められないであろう。勿論、日本でもそうだけど。家電(笑)とかくらいなら、オッケーということでしょうがね。GEの家電部門のような。きっと中国が買ってくれるんじゃないですか?(笑)

米国人は記憶力が低いせいで物忘れが激しいようだが、日本企業が次々と米国の映画会社を買収した時、何と言ったか?
ニッポンのinvasionだ、と散々騒ぎ立てていたではないか。ロックフェラーセンターが日本の手に落ちた時、あれほど大騒ぎをしていたではないか。自動車摩擦を煽り立て、日本車をハンマーでぶち壊して世界映像に流していたではないか。「制裁関税発動」を脅しに使っていたではないか。あれは一体、何処の国のできごとであったか?もう忘れたか?都合の悪いことは、「船場吉兆のおばさん」みたいに(笑)、ボケたふり、聞えないふりか?
米国自体の歴史が浅いが故に、歴史についての知識が乏しいのか、文化の成熟度が低いせいなのか知らないが、つい最近の出来事すら忘れてしまうような国らしい。あれほど保護主義的な政策を打ち出してきたはずの米国が、しつこく日本に注文を付けてくる。日本の銀行、保険会社や証券会社を手に入れて、それでも尚、閉鎖的と?(笑)


これらは全て米国にとって都合の良いプロパガンダに過ぎない。日本への直接投資をしたければ、金を投入して好きなようにやればいいだけだ。それで日本企業に勝てるかどうかは知らんけど。が、勝っている多国籍企業は多数ある。そういうビジネスをやればいいだけだ。要するに、もっと「オレたちに買占めさせろ」と言いたいだけなのだよ。作るには長い時間がかかるが、買えばあっという間だから。銀行であろうが、保険会社であろうが、「消費者金融」(笑)であろうが。
そういえば、どうなった?売ることにしたんですか?シティグループさんのところは。


米国は単なる二枚舌である。
米国ではCFIUSが「一定の力を行使できる能力」というワケの判らないような曖昧な基準で排除しているのに、日本にはもっと「門戸を開け」と筋違いな要求をしてくる。自分たちが過去に何をやってきたのか、振り返ってみるべきだろう。過激な排外的保護主義を前面に押し出して、日本に無理難題を押し付けた挙句に、未だに日本に理不尽な要求を続けている国が、米国だ。
サブプライムローン問題にしても、全世界に「米国内の毒」をばら撒いて、世界中の金融システムに大きな動揺を与えた。詐欺的商法みたいな証券化の本拠地が米国にあったにも関わらず、その責任を取るわけでもない。早い話が「掴んだヤツが悪い」ってことだ。騙された人間がバカなのさ、ということ(笑)。
詐欺的商法であろうが何だろうが、「やり得」というのが米国式自由資本主義なのであろう。


米国は日本に介入しすぎだ。
ここはあなた方の国ではない。何を勘違いしているのか知らないが、あなた方が毎度のように五月蝿く言ってくるのは、そもそも大きなお世話である。

これから毎日、米国に注文をつけることにしようか?
それとも、日本国内で、ああ韓国の若者とも協力して、米国を糾弾するキャンペーンでも展開してもらうか?
日本車をハンマーで叩き壊したみたいに、毎日毎日マックだのコーラだのに「不満をぶつける」という動画でも作って流すか?
虐げられし「店長さん」たちや従業員なんかが大勢いるから、グローバル化の犠牲になった方々にも協力してもらって、特定外資企業の不買・排除運動でもやってもらうことにしますか(笑)。



米国米のせいだろ

2008年05月25日 23時57分41秒 | 外交問題
全く、好き放題の言い分が米国の常套手段。
crazyなのは、一体どっちだ?

はてなブックマーク - ワシントンポストにThis is crazy(気が狂っている)と痛罵された日本のコメ政策 - 木走日記

押し付けてるのは米国だ。
輸出入の不均衡を中国にも言ってるのか?
中国人は絶対にYesと言ったりしないから、まあ何も言えんわな。

日本に米国米を持ってくるな。自分たちでどうにかせよ。
どうせ米国は輸出競争力のある製品や品物なんて大してなかっただけだろう。人のせいにするな。

欲しくもないのに、恫喝で押し売りする悪徳業者と同じ手口を用いるのが、米国という国なのだということ。



このままでは中国でオリンピックなんて開催できないよ

2008年05月25日 22時30分05秒 | 外交問題
いや、当初の震災被害を甘く見ていました。ごめんなさい。

救助活動がはかどっていないし、復興も何も、まずは数千万人が暮らしていけるようにしないと、大変なことになるよ。被害の大きさに比べて、救援能力が低すぎるんだろうと思いますね。2次災害の規模も大きい。

とりあえず、大規模キャンプ地みたいなものを災害の酷い地域から少し離れた場所に設置し、移動できる人たちは一時退避させないと、物資供給に限界が訪れるのではないかな。

日本のプレハブ業者とかで中国に行ける業者さんは、全部行って数百万戸分とかのプレハブを設置するとか何とかしないと、ダメなんじゃなかろうか。それとも、テント数千万張?とか、余ってるテントを取りあえずかき集めて、持って行くとか。まるでキャンプ地みたいになってしまうかもしれないが、共同炊事場と便所とか、簡易でも仕方がないのでとりあえず設置して、生きていけるようにしないと、このままでは折角助かったのに新たな被害で死亡する人たちが続出するんじゃないだろうか。

中国国内にこんな酷い地域を残したままで、北京オリンピックなんてまともに開催できないんじゃないか?数千万人が住む場所もなく、食べ物や水もままならず、生きていけないというのに、お祭り気分になんてなれないでしょ?
日本の土木部隊とか、プレハブ業者とか、水道業者?とか(よく判らん)けど、作業できれば何でもいいので、大量に戦力(活動できる人々ということ)を投入して、生きていける場所を作らないとダメだろう、と思う。中国の国内事情で外国人が行くのがマズイ場所があるのであれば、中国政府がそこには行かないように計画すればいいだけなので、そういう場所以外に避難場所を設けたら済むんじゃないか。離れた地域に被災者たちを移動させないと、このままではこの地域に生き残った人々は助からなくなるよ。大量の難民みたいになってしまうんじゃなかろうか、と。

日本が更に協力を申し出た方がいい。中国からは支援してくれ、って言い難いだろうから。被害人数が過去の例にない程の規模なので、普通の対応では到底間に合いませんよ。



75歳になった途端に……

2008年05月24日 17時02分54秒 | 社会全般
後期高齢者医療制度の話で、反対派の言い分として明らかにおかしいと思うのが、これ。
「どうして75歳以上だけを区別するんだ、差別だ!!」

いや、気持ちは判らないではありませんが、こういうのって都合のいい使い分けなんじゃありませんか?


①旧制度でも区別されていた

前の制度は老人保健法による制度でした>後期高齢者医療制度に文句を言ってる人たちは、調べて理解してから言え

この制度だって、75歳で区分されていたわけですが、どうしてそれには文句を言わなかったのですか?いや、もうちょっと前は70歳だったんですけど、それでは老人保健制度が持ちこたえられなくなり、75歳以上となったんですが。確か、H14年から。
で、旧制度上では、70~75歳の人は「前期高齢者」として存在していたのに、誰もデモとかで文句を言ってなかったのではありませんか?いや、私が知らないだけで、本当はデモがあったのかもしれませんがね。改正前の老人保健法では、適用年齢が70歳以上という区分があったので、それを制度移行していく為に「前期高齢者」という区分けとしたんじゃないでしょうか。
要するに、前から区分していたじゃありませんか。前期高齢者と書かれた受給者証のようなものを持っていた人たちはいたでしょう?「後期」という名前がダメなんですか?でしたら、「前期高齢者」と「老人」という以前と同じ呼び方にしておくとか、「老人」じゃイヤだ、というのであれば長寿(笑)でも何でもいいんですが、名前を変更すれば解決しますね?

もしも絶対に区別するのは反対、ということなら、3割自己負担で他の現役世代と同じ負担で同じ健康保険制度ということにしますか?保険料負担もするということですね?現役世代と区別しない、というのは、そういうことなんですよ。高齢者を区別せず同じ医療保険制度にしろというのは、高齢者の特権を失う、ということを意味するのですよ。それでもいい、ということですね?


②無料化の特権は文句を言わない

地方自治体の財政状況が苦しくなったので、制度が変わったかもしれません。最近は無料というのが減ったのではないかと思いますけれども、各種サービスを無料で受けられる、というものがありました。例えば、市営バスの運賃とかの公共交通機関の運賃が免除されるとか、医療費助成なんかもそうでしたし、健康診断もそうですね。市町村によって制度は異なるでしょうが、財政的に余裕のあるところは70歳以上はタダ、なんて制度があったのです。そういう時には、「70歳になった途端に」明らかに区別されて、タダの特権を受けるわけですね。不当な差別だ、なんて文句の一つも言わずに。昔は65歳以上の人口自体が少なかったから、1割未満であった時代ならばそういうのもできたんですよ。働き手が多くて、65歳とか70歳以上の人たちなんて相対的に少なく、珍しかったから。けど、今は違う。現役世代の給料が昔より少ないとか、市町村にもお金がなくて困っているんですから。

どうせ「差別するな」と大袈裟に叫ぶならば、自分たちの無料化の特権も同じく「差別だ」と言うべきではないのか。孫が給料が少なくて困っているんです、保険料が払えなくて苦しんでいるんです、ってことなんだから、「ワシもちょっと協力しまっせ」くらいに言ってくれたっていいのではありませんか?


③昔だって、お金を払っていた

国民皆保険になったのは1961年からで、それ以前には高いお金を払わねば医療を受けられない人たちが大勢いたんです。それに、国民健康保険の自己負担率は5割でしたよ。今みたいに1割なんかではなかったのです。

その後、自治体のいくつかは医療費助成にお金を回すようになって、老人医療費の無料化をはじめた結果、1973年には老人福祉法改正によって無料化が達成された。しかし、当時は65歳以上人口は全体の1割にも満たなかったからできたことだ。65歳以上の高齢者は、1960年には約540万人(5.7%)だったのが、65年には623万人(6.3%)、70年には740万人(7.1%)、80年には1065万人(9.1%)とうなぎのぼりに増加した。国が73年に決めた老人医療費無料化政策は、わずか10年で負担に耐え切れなくなったのだ。政治家の大衆受けを狙った政策は、あっという間に制度根幹を揺るがす事態となってしまった、ということ。皆保険制度開始から10年余りで導入された老人医療費無料化は、老人保健法制定へと繋がっていった。

今の高齢世代が支えたという時代と現代では置かれた状況が全く違う。
年金受給者は少なかったし、65歳以上の人口比は今の半分以下でしかない。2660万人いる今と、600万人とか1千万人とかの時代とは違う。当時には5人とか10人で1人の65歳以上の高齢者を支えていた。今は、2人強で1人を支えているんですから。昔と同じような仕組みにしてくれ、ってのは土台無理な話なんですよ。

今の高齢者の人たちは、昔が天国であったかのように言うが、無料化が実現できた期間というのは、ほんの短い期間でしかなかったんです。今年78歳の人は1930年生まれですが、その親世代だと戦中戦後の苦労は大きかったけれども、年金も満足になかったか医療を受けることだってできなかったんですから。自己負担も勿論大きかった。60年代や70年代なんて無医村がたくさんあったし、「オレは外科が専門だから、あんまり診れないよ」なんてお医者さんであっても、何でもいいから診てくれればいい・専門外なんて関係ねー、ということで感謝されていたんですから。自宅に呼ばれて聴診器とガラスの注射器と針くらいしか持っていくものがなくたって、それで死んだとしても、誰も文句を言ったりはしなかったし、訴えたりもしなかった。そういう時代だったんです。それからみれば、今なんて幸せじゃないですか。誰でもCTを撮ってくれる。大金持ちしか受けられなかったような医療を受けられる。その費用の一部を負担することが、そんなに理不尽なことですか?


昔の5倍もの高齢者がいるのに、2600万人の「高齢者同士」が共に協力していきましょう、日本や孫たちを救えるのは我々だ、というような機運にならないのは何故ですか?
それは結局、自分たちに貰えるものを求めているだけだ。健康保険は積立なんかじゃないんですよ?何かの積立貯金みたいに勘違いしているのかもしれませんが、昔に積み立てたものを年を取ってから貰える、みたいなものではないのです。こういう高齢世代の過った認識が強いが故に、「払わないのにサービスしてくれ」みたいな社会風潮が出てきたのではなかろうか、と思わないでもありません。何でもかんでも、公的サービスはタダにしろ、とか。国がやるんだからタダ、自治体がやるんだからタダ、みたいな。
反論に窮すると今度は「お金は払っているぞ、税金を払ってる」とか言うんですが、そういう場合に限って受けてる給付や行政サービスの方が多かったりするんですよね。世の中、そんなに都合よくタダになることなんてないんですよ。




家計別の物価上昇率の話

2008年05月24日 13時07分57秒 | 経済関連
via 大竹文雄のブログ 所得階級別物価上昇率

興味深い話題である。

示されたペーパーがこちら>家計別物価指数の構築と分析

本論文で示された中で、示唆に富む部分があったので挙げておきたい。
5.2で次のように述べられていた。
『図3からも明らかなように、1980年代でもかなりの家計はデフレ状況にあった。現状でも全国消費者物価インフレ率が安定的にプラスになったとしても、40%以上の人がデフレ下にいることはあり得る。このように、平均的な物価水準で全てを理解し、政策判断することには限界があるというのが本稿の主たるメッセージである。
(中略)
すなわち約1%の上下の幅を持たせてターゲットを決めるとほぼ80%の人がその範囲内のインフレ率で生活していることがわかる。』


なるほど、と得心のいくもので、「平均的な物価水準で全てを理解し、政策判断することには限界がある」ということは同意できる。簡単にいえば、全てを理解することなんてできないだろう、というのはあまりに当たり前だからである。そうではあっても政策決定は行わねばならないのであって、理解できないことがあるにせよ、手持ちの材料や使えそうな資料等の全てを用いて「考えてみる」しかないのである。その役割を担うのが中央銀行なのだから。

山の中腹に登山隊がいる時、「このまま登り続けますか、どうしますか」と隊長に判断を求めても「判りません、答えられません」じゃ、困るでしょう、という話である。「下山しますか」「このまま待機しますか」「ビバークしますか」「アタックしますか」という判断を求めているのに、毎回毎回迷っていたり「答えられません」じゃ、登山隊は全滅するだろう。隊長がそんな役立たずでは、「隊長を代われ」と求めるしかない。指示を出せる人間が代わってやるしかない。急に悪天候に見舞われて、雨で前が全く見えません、という時に、どうにもできないのでとりあえず今まで通り、みたいに間違った指示をされたら、隊員たちが被害に遭うだけだ。日本経済というのは、実際にそうして大勢の被害者が生み出された。今後に猛烈な嵐がやってきます、どうしますか、という緊急事態の時に、「山頂に行けば雲が晴れるから登れ」と無理に登らされて多数死亡。ようやく少しだけ雨が上がって助かったと安堵した途端に「休むな、弛んでる」といわれ、駆け足で登らされるという無茶なシゴキに遭った。どうにかこれまでついてきた隊員たちも、そこでも大勢脱落し死亡。日銀とは、こんな隊長だった。

話が逸れたが、上記ペーパーの最も優れた部分というのは、家計のインフレ率はおおよそ正規分布になっており、平均値からの乖離がある、ということを明らかにしていることだ。指数として出される数値というのは全体を統合したもの(平均的な値)でしかなく、分布の低い方にも「それなりに存在している」ということなのである。これをどのように考えたらよいかといえば、ペーパーにも記されているように「80%くらいの国民」が平均からの上下約1%のインフレ率に存在し、政策的に考える時にはその多数派がデフレになっていないような状態を目指せばいいのではないか、ということになるのではないか。

つまり、正規分布の山の中心をインフレ率ゼロに位置させると「国民のかなりの数(例えば4割とか)」がデフレ下に置かれることになってしまうが、山の中心を1%高い方にシフトさせると、指数として出されるインフレ率は1%(平均値)となるが、国民の大多数の8割以上がデフレ下には置かれないことになるのである。完全に理論的な正規分布であれば左右対称ということになるから、仮に指数として出されるインフレ率がゼロであっても、半分はデフレ下に置かれることになるだろう。「理論的な消費者物価インフレ率がゼロ」という状態というのは、そういうことを意味する。これを回避して、正規分布の大半―8割とか9割とか、政策的に考えるべき水準―がゼロよりも高い側に存在するように金融政策を行うことは、結果的に正規分布の中心を「常に高い側に位置させる」ことが必要だ、ということだ。山を少しだけ右にシフトさせておかねばならない、ということ。インフレ・ターゲットの下限がゼロが望ましいのではないということは、そういうことからも言えるのではないだろうか。ターゲット(=山の中心の変動範囲)の下限をもうちょっと上に(最低でも1%とか)置いておかねばならない、ということだ。


物価上昇の実感云々の話は、これまでにも何度も書いたので、一応。

「貧乏バイアス」の存在を疑う(笑)

昔は「庶民の感覚」重視だったのか?

物価の実感云々の話は


ペーパーでは支出階級別での物価上昇とか、期間別や地域別といった差があったことを調べているので、家計の置かれている環境(年齢、地域、時期等)で個々の実感の具合というのは異なるだろう、ということかなと思った。でも、それって普通なのではないかな、とも思った。政策的に考える時には、個々の家計に合わせて判断することなどできないのは当然。日銀が全ての人たちの不満なく政策決定できるわけではない。できるだけ最大多数の幸福に繋がるように考えてみるしかないだろうと思う。だからこそ、銀行利息が少なすぎるのでもっと利上げしろ、みたいな「一部の特定層」の意見を出してくるのを疑問に思うのだ。判断する際には、全体を優先するべき、ということ。

これは、株式市場での変動なんかにも近いと思う。
指標としては、日経平均でもTOPIXでも「代表される指標」というものがある。これが平均的に算出される消費者物価指数みたいなものと同じだ。個々の企業ごとで見れば、値上がりしている株もあれば、逆に下がっている株もあるだろう。個々の動きとはそういうものだ。その変動率の分布を見れば、はやり正規分布に近いような形状となっているかもしれず(違うことも勿論あるだろう)、市場全体の動きとかエネルギーを見るには変動中心であるところの指標を見て判断することが多いのではないか、ということだ。個別の株の値動きだけ見れば、ずっと値下がりという銘柄だってある。家計でいえば、ずっとデフレ下に置かれている家計みたいなものだ。

もっと広い範囲で、地域別とか年齢別階級みたいな区分というのは、株で喩えればセクター別みたいなものかな。全体の指標は上がっていても、金融セクターだけは値下がりだとか、不動産セクターは下落が続いているとか、そういう「グループ間の差」みたいなものはある。別な区分で、「大型株」「中小型株」でもいいし、「値がさ株」「低位?(100円とか200円以下の安い)株」でもいいけど、そういうグループ間の差を観察すれば、動きには違いがあるのは珍しくはない。でも、相場全体のトレンドというか、動く方向性みたいなものを考える時には、やはり代表的指標―つまり日経平均だのTOPIXだの―で流れを見ることが多いだろうと思う。完全な予測など存在しないでしょうけど。それは政策判断、決定も同じだということ。

株式市場での弱気とか相場全体の強さとか、そういう判断の重要な材料としては、やはり指標が着実に上昇してきているかどうか、というトレンドだろうと思うし、将来予測としても重要な意味を持つだろう。業種別で見れば特定業種で連続の下げとなっていても、相場全体では上昇が続けば、方向性として「強い悲観論」みたいなものは左程出てこないと思う。
値下がりより値上がりの銘柄数が多く、変動率分布の山の中心がゼロよりもプラスに位置している限り、山の下限側の一部がマイナスとなっていても、将来予測としては「上昇」と感じ取るのではないかということ。相場観として、そうなるんじゃないかな、と。大抵の人間は、自分自身の判断よりも周囲の大勢の評価の方が気になるというか、周囲の評価を見て自分の判断が影響される、ということがあるのではないかと。経済停滞というのが、少数のマイナス領域の人々の悲観論によって引き起こされるのではなく、全体的な雰囲気みたいなもので形成されるんじゃなかろうか、と。分布の中心がどこに位置するか、ということであり、多分プラスにあれば悲観的な人は少なくなるだろう。それは「自分の持っているたった一つの株」が値下がりしたからといって、「日本市場はもうダメだ」と考える人はまずいないんじゃないかな、というのと同じ。そうではなくて、自分の持ってる一つの株が値下がりするばかりじゃなく、その他大勢の持つ多数の株が値下がりする、つまり指数は下落するという事態が続くことで、「日本市場はダメかもしんない」という将来予測が形成されるだろう、と。


ま、庶民の実感云々は別にして、低所得階層で値下がりの恩恵が少ないとすると、生存の為の最低費用が相対的に高いことになるのでちょっとマズイよね、ということにはなるだろう。
個人的な実感(笑)としては、物価下落の恩恵を受けて、基礎消費に相当する額というか、生存維持の最低費用は下がったのではないかな、と思っていたのだが、どうも当てにはならないな。失礼しました。
賃金に関する議論~補足編


今後の政策(日銀の、ということでなく)を考える上では、案外と重要な論点かもしれません。