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救急当番と即応部隊の運用は似ている

2010年01月31日 14時27分36秒 | 俺のそれ
普天間基地問題に関していくつか記事を書いてきた。その中で海兵隊の組織や編成について思うところがあるので、書いておく。
即応部隊の位置付けは、夜間や休日の救急センター的な意味合いである。まさに救急対応可能な体制を整えておかねばならない、ということである。海兵隊等の即応部隊の運用を医療に置き換えて例示してみると、次のような感じである。


救急当番センター = 即応部隊

この救急担当は、各病院等医療機関に配置される医師たちによって、順番に割当られているというようなものである。それら医師の供給源となるのは、次の医療機関である。

・A大学付属病院
・B保険病院
・C総合病院
・D企業病院
・Eクリニック
・F診療所

これらは、それぞれ通常時に配備されている基地と同じ意味合いである。医師や看護師等のスタッフが常駐している場所ということになる。

各施設から当番に当たった医療チームが、救急当番センターで受け持つということになるわけである。医療チームの習熟は、日々それぞれの施設で行われる。施設によって、設備内容や手術室の構造とか器具類に若干の違いがあり、それぞれ環境が異なるので、医師たちは慣れが必要となる。また、救急当番センターでのやり方というのも、他とは微妙に異なるので、時々配置換えをして慣れさせる必要があるのである。これら、A~Fと救急当番センターで環境が異なる、というのが、運用上では最大の問題となるわけである。

更に、大型の病院と小規模なクリニックとでは、編成されている診療科や医師たちの規模なども異なる。各科の連携具合についても、当然条件は異なるわけである。内科・小児科の診療所と、ほぼ揃っているA大学付属病院とでは、日々の業務や訓練が異なっているということである。医師や看護師というのは、軍隊で言うところの「部隊」ということになる。

医師個人を中心に見ると、色んな施設(=基地)で経験しておくのが望ましく、各科の連携具合も経験しておく必要があるということである。また、手術室の使い勝手が違うので早く動けないとか、看護師との息が合わない(笑)とか、そういうモロモロのことが現場にはあるので、時々一緒に仕事をしたりして相互確認をしておく、ということになるであろう。そういう意味では、医師(部隊)がローテーションで各施設を回るというのには、それなりに意味があるものなのである。

もし救急当番センターには、いつも決まってA大学付属病院だけから派遣、ということになっているとすると、その救急当番を割り当てられた医師と看護師チームは、他に比べてかなり疲弊するであろう、ということがある。救急当番に非常に慣れた医療チームと、そうではないチームとで、実力の格差を生じることも考えられる。そうなると、もっと大規模な数の医療チームを必要とされる事態では、「早く動けて業務をこなせる実力派チーム」と、「不慣れな実力に乏しいビギナーチーム」という混在になり、作戦失敗を来たすかもしれない。少数精鋭の実力派チームがあればいい、というのは、必ずしも間違ってないが、ある局所的な医療を担えるけれども、もっと広域の医療を全部できるわけではないので、自ずと限界があるのだ。そういう点でも、できるだけ各医師や看護師の実力を向上させるシステムを構築する方が、全体のレベルアップになるだろう、ということである。


救急当番センター以外の日常業務や訓練を行う場としては、小規模な「○○診療所」みたいな場所だけ数を増やしても、あまり有用とは言えないのではないか。医師や看護師の実力向上には、必ずしも貢献しないのではないかと思うが。そういう施設に派遣される医師たちには、ニッチな(特殊な?)能力を必要とされるかもしれないが、例えば「外科がない」「小児科がない」「産科がない」みたいな特殊な環境での業務に慣れても、救急当番センターでの業務遂行とは異なるからである。ローテーション施設が増えることになるのは、それなりのデメリットも覚悟すべき、というのは、そういうことである。


それから、普段は「○○診療所」業務であるのに、設備や器具類だけは「△△総合病院」なみのものを取り揃えておき、時折大学病院の医師団なんかがやってきてデモのオペをやって帰る、というのは、あまり賢いやり方とは思えないが。稀にしか使うことのない設備に多額の投資をしろ、それは「大学病院の医師団が年に数回やってきてデモを行う為である」とかいう理由で、普段はただの内科診療所でしかなく他科の医師なんて誰もいないのに、である。これが、グアム移転後の在沖海兵隊の状況を示しているものであることは、お分かりいただけるであろう。


代替施設が沖縄に作られたとして、それはどんな施設になると思うか?
標榜だけは、内科、外科、脳外科、産科、小児科、とか書かれていて、設備や手術室等についても、総合病院と同等ということだ。しかし、実際の医師はどれだけ配置されているかといえば、殆どが幽霊医局員である。名ばかり、ということだな。所属とか、名簿には記載されているけれど、殆どがそこにはいないのだ。で、年に1回か2回くらい各科の医師たちがやってきて、「何か活動をやっている」ということだけを見せる、ということになる。

こんな医療施設に多額の資金を投入して、今後も永続的に維持せよ、なんていう話になるのか、ということだ。設備を総合病院なみにしておくのは、既得権益を守るためだけではないとすれば、一体どんな合理的理由があると言うのであろうか?

設備を要求する側こそが、その答えを知っているだろう。その説明を行うべきである。



心因性の嘔吐?~W杯日本代表候補DF内田の憂鬱

2010年01月30日 13時36分04秒 | 俺のそれ
こんなことがあったなんて、全然知らなかった。

岡田構想ピンチ!内田また吐いた…練習試合(スポーツ報知) - Yahooニュース

能力の高い選手だけに、離脱するのはあまりにも痛い。それに、本人があまりに可哀想ではある。
医学的には、様々な検査を受けたけれども、特別な異常とか器質的な疾病が考えられるわけではない、と。なるほど。


またまた、例によって例の如く、全くの専門外の素人なのに書いてみるよ。


消化器系や咽頭、喉頭なんかに病的なことがない、ということであっても、嘔吐は起こるでしょう。多分、内田選手の場合には、そういう問題ではない、ということでは。平たく言えば、心理的なもの、ということくらいではないかな、と。

大人ではどうなのか定かではありませんが、子供なんかだと、これに類する現象を目にしたことがある人は少なくないのではないかな。

例えば、3歳程度の幼児がいるとします。この子は、以前に病院で点滴を受けた辛い経験があり、どうしても病院には行きたくありません。さて、母親は予防接種を受けさせる為に、どうしても病院へ行って注射をさせる必要があるとします。このような時に、この子が嘔吐する、ということが発生するわけです。別に、この子には消化器系なんかに病気があるわけでも、当日に嘔吐を来たすような何らかの病因があったわけではありません。そうではなしに、子供の心理的な要因として、どうしても拒絶したい、という強い気持ちと、病院の恐怖、そういったものが絡み合って発生してしまうものと思います。

こうした子の場合、大抵は激しく泣いていることが多いはずです。
そう、吐く前には、「かなり泣く」ということが条件として加わっているわけです。一つの要因だけで嘔吐反射が惹起されるのではなく、「拒絶や恐怖」、「激しく泣く」などといった複合的条件が揃うと、発生するということになります。こういう子の場合、病院に来る数時間前から飲食をさせないでおいたとしても、やはり病院について注射という行為を実施する直前になって嘔吐するパターンというのはあるわけです。食べるものとか、そういった条件にはあまり関係がないだろうと思います。


内田選手の場合には、子供ではありませんから、こういうのと同一ということではありません。ただ、発生機序としては、似通っているのではなかろうか、ということはあります。内田選手の嘔吐は、どちらかといえば過換気症候群とかに近いかも。それは、「発生したらどうしよう、発生するのではないか」というような、起こった時の恐怖を強く感じてしまう、ということだろうと思います。この恐怖心がある為に、なお一層悪循環となってしまっているのだと思います。

多分、初回の時には、外国だった、たまたま体調が悪かった、水や食べ物で何らかの誘因(消化器系症状を来たすようなもの)があった、などという偶然が重なったものかもしれません。普通の人だって、忘年会などで飲み過ぎた翌日には吐いたりすることがありますでしょう?そういうのと似ているわけです。別に病気とかじゃなくても、起こることなのです。

ところが、これと似た状況が再び発生してしまった。
この理由も判りません。だけど、以前の「吐いた時の感じ」に非常に似た感触のようなものがあった、ということではないかと思います。これこそが、恐怖をもたらす要因なのではないかと思うのです。実際の嘔吐に至る直前には、何らかの「吐きそう」という予兆のようなものを自分自身で感じ取るわけです。「前回、吐いた時に感じたのと同じ感触」というのを、自分自身で感じ取ってしまうわけです。そうすると、「また吐くかもしれない」という不安と恐怖が襲ってくるのです。その心理状態こそが、更なる嘔吐反射を容易にしてしまうことになり、現実の嘔吐を促す結果を招くわけです。

しかも、子供が「激しく泣く」時と似たような行為を行っているのです。それは、激しく呼吸する、というものです。ハアハアと換気を必死に行っていると、普通の人でも吐きそうになることはあります。カゼ症状が酷い時なんかに、咳き込みが激しく続くと、まるで胃が痙攣しているかのような感覚を生じます。実際に胃液などが逆流してくることもあります。子供が注射の恐怖と激しい号泣によって、思わず吐いてしまうのとほぼ同じ現象が、大人であっても「激しい咳き込み」とかで起こってしまうわけです。


ですので、内田選手の場合の嘔吐というのは、ちょっとした「悪いクセ」がついてしまっているものと思います。そして、これまでの悪い思い出としての嘔吐経験が、「また吐いたらどうしよう」という恐怖を亢進させ、そのこと自体が嘔吐反射を招来しやすくする要因となってしまうのです。このきっかけを与えるのは、「激しい換気」とその後に襲ってくる口内に唾液が流れ溜まるようなイヤな感触、これを感じ取ると先の恐怖は高まることになるのではないでしょうか。


では、これを防ぐにはどうしたらよいのか?
専門家に聞いて下さい(笑)。

あくまで個人的考えを述べると、まず悪い条件付けとなっているので、これを緩和するよりないかな、と思います。一番手っ取り早いのは、例えば試合前なんかに「ヒドロキシジンの内服」をしておく、とかですけれども、これは眠気を誘うのでダメかもしれない。ドーピング検査で引っ掛かったりするとか、そういうのも確かめないとわからない。原理的には、嘔吐悪心を防ぐのと、不安を緩和するので、ダメということもないかな、と。ただ、これをいつ使うか、また、ずっと飲み続けるのか、という問題があるので、長期的には薬物というのは不適であろう。何度か「成功体験」を重ねると、嘔吐しなくなるかもしれず、先の悪い条件付けがなくなれば、起こらなくなるかもしれない。その為の内服、という意味かな。

他には、呼吸方法をトレーニングする、というものかな。普通の人たちでも、歯磨きをしている時に、ゲボっと吐きそうになった経験ってありますよね?ああいうのと同じで、ある領域には「嘔吐を刺激しやすい」ということがあるわけです。でも、毎回毎回そうなるわけではないんじゃないのかな、と。そういうのも気をつければ多少は防げる、ということです。
サッカーであれば、全力疾走が続いたりした後で酸素需要が猛烈に高まるわけですから、一生懸命呼吸して回復させようとしますよね。そういう「息が上がるような状況」になった時に、喉を開いて口で何度も呼吸をしますと、「子供が号泣する」とか「激しい咳き込み」というのと似た状況を発生させやすくなるわけです。これを回避せよ、ということになります。

口で激しく呼吸をするので、口の中が乾く
→口内は粘膜なので、乾きを防ごうと唾液は多く流れてくる
→口の中に唾液が溜まってくる感じがする
→これがイヤな感触なのでペッと吐き出そうとする
→嘔吐反射を刺激する

歯磨きする時の、吐きそうになるのと似たような状態、ということです。


なので、
・苦しくても、できるだけ口で呼吸せず、鼻から大きく息を吸う
・口を大きく開けて呼吸しない(特に呼気の時)
・唾を吐き出そうとせず、飲み込む(別に汚くありません)

といったことをやってみるとどうでしょうか、という話です。
ああ、あと、大事なのは、自分が「予兆」を感じ取った時に、決して不安や恐怖を抱かないこと。自分は大丈夫なんだ、ということを心の底から信じていれば、多分反射は抑制されるはずです。そこで慌てたり、不安に感じたりしてはいけない、ということが大事です。

以上のことは、専門的知識に基づくものでも、医学的な裏づけのある話でもありません。あくまで日常的に見られることや私が感じる範囲で述べていますので、本格的な対策とかは、専門家に相談してみた方がいいと思います。

内田選手には期待してるので、頑張って代表選手に残って、是非とも活躍して欲しいですね。



関係ないけど、そういえば、清原さんの背部痛 は診断がついたのかな?
その後、元気になったんでしょうか?

後日談がないので、ちょっと気になりますね。



普天間代替施設に常駐する部隊は何か?

2010年01月28日 11時41分10秒 | 防衛問題
拙ブログ記事での推測について、これ以上説明するのが面倒なんですが、中には、理解できないということで「自ら調べ考える」前に、しつこく聞いてくる人がいるようです(某O弁風言い回し?)。

いくつか前提条件を述べていますが、それは「海兵隊(3MEF)の戦力が拡張、増強される」という可能性はかなり低く、逆に「整理、統合といった縮小」路線の方がはるかに可能性が高いであろう、ということです。部隊規模や部隊数が拡張される、というのは考え難い、と言っているわけです。まず、この前提が理解できていない。


部隊配備先としては、あくまで例示で書きますけれども、これまでは

①普天間
②岩国
③ハワイ
④基地”X”
⑤艦上

ということでした。④は、その他の何処かがあるかもしれないので、「その他基地」を総称的に基地”X”と呼ぶこととします。艦上というのは、具体的な配備先は判りませんが、揚陸艦等の艦船上、ということです。

で、今後には、「⑥グアム」がこれに加わることになるわけです。①の代替基地がもしあるとすれば、その名称に変更すればいいだけです。そうすると、部隊の総数が「変化なし」か、むしろ「縮小」を予想するわけですから、①~⑥のどこかに配備されるとしても、全体としては増えてないだろう、ということです。グアムの1箇所が増加することによって、1箇所当たりの部隊配備数は逆に減少する可能性が高くなるであろう、ということも言えるわけです。

そうすると、グアムに常駐となるMV-22Bが1個中隊、ローテーションで来るのも同じ1個中隊ということであれば、ハワイや岩国などの配備数をある程度維持しているなら、「過去の普天間分」を⑥グアムと①普天間で分け合う形にしかならない、ということです。いや、ハワイやその他基地等の部隊を削減してグアムに振り向ける、だから「過去の普天間分」は代替施設でも維持される、というのであれば、そういう根拠を調べてくればいいだけです(そういう活動は、ウチではなく他所で出来るはずなんですがね)。

②~⑤の部隊数に変化がない場合、これまで普天間に存在していた中ヘリ中隊2個のうち1個がグアム常駐ということなら、グアムにはローテーションの1個中隊及び他の31MEU編成に含まれてきたヘリ部隊(重ヘリ、軽攻撃ヘリ等)が予定されているので、推測としてはやはりグアムと沖縄の間でローテーションが想定されるのではないか、ということです。勿論、他の②~⑤から沖縄に常駐部隊を持ってくるのは可能であるが、その重要度の面からいえば、かつてに比べて低下しているであろう、と言っているのである。

これまでの中ヘリ中隊の能力が向上するのであれば、重ヘリにしか担えなかった領域もカバーできるようになる可能性も高まるのであるから、範囲は拡大するということになる。それは、重ヘリ、中ヘリ中隊の再編を促すものとなるであろう。再編というのはそういう発想なのではないか、と考えることがそんなに困難であるとも思えないが。


いずれにせよ、①~⑥の配備を考慮する時、ローテーションの場所と回数が増えるのはデメリットも生じる、というのが当然であろう。

仮に、1個海兵連隊程度の規模に縮小になってしまうなら、普天間代替施設の重要度がそんなに高いとは考えられない。そうまでして、沖縄に置かねばならない必然性というのは、理解できるものではないのである。



普天間基地問題についての中間整理

2010年01月26日 13時38分54秒 | 防衛問題
移設反対派が当選したという名護市長選挙の結果が出たが、鳩山政権とDPJ は「戦略的目標(笑)」というものを全く持っていないようである。これまでの時間の空費は、一体何の為のものだったのか?あまりに杜撰な主張の変遷には、呆れるばかりである。政権誕生以前から、普天間移設問題では「国外移転」、悪くても「県外移転」を掲げてきたのであれば、その目標に向かって努力すべきだろう。

一応、個人的見解について、簡単に整理をしてみることにする。


①本当に代替施設が「沖縄に存在しなければならない理由」とは何か?

最大の疑問点がこれである。これまでの報道等で散見された理由としては、代表例が朝鮮半島有事であるが、どうやらその説明というのが妥当なものではなかったようである。また、台湾有事の際に普天間から「スーパースタリオンでとんでゆく」作戦というのも紹介されていたようではあるが、普天間のスーパースタリオンが4機ないしゼロの配備ということなら、正当性の説明としては極めて脆弱な根拠としかなり得ないだろう。4機マックスで200人規模の特殊部隊を投入したとして、超人戦隊でもないわけだから、どういった作戦や目標で投入されるのかという疑問は残る。

また、日本の憲法上の制約というものがあるのであって、これについての見解は回答が得られてはいない。たとえ台湾と中国その他との戦闘状態が発生したとしても、日本領土内に存在する基地から米軍が直接出撃し攻撃参加する、といった事態が、法的に認容されるかどうかということである。この問題はクリアになっているわけではない(過去の解釈からすれば、不可という立場をとらざるを得ないのではないか)。いくら米軍の事情があるからといっても、憲法に反するわけにはいかないことくらい、承知しているだろう。仮に、台湾に特殊部隊をヘリで直接送り込むという想定を有しているとしても、そのことを「代替施設は沖縄」とする理由付けには使うことができない、ということである。これは、米国側が説明すべき立場にあるものである。


②沖縄に残る海兵隊の機能とは何か?

現在約11000名の海兵隊員が沖縄にいると言われているが、グアム移転は約8千、場合によるが8550名規模の移転ということも想定されている(米側文書)ようである。そうすると、残りは約2450名ということになるわけである。これには、ロジスティック中隊のような、地上戦闘部隊以外も含む数であると考えられるので、地上戦闘要員としての実数ということになれば、恐らくは約2000名規模、ということになってしまうのではなかろうか、と。ESGやMEUの編成には、各基地の部隊を順繰り入れ替えつつ、訓練もやり、という予定なのであろうと思われる。

将来的な展望として、3MEFの規模が縮小されるという予定はあっても、拡張されるということは考え難いので、これまでの部隊の規模や数よりは減少してゆくであろう、と予想する。そうなれば、沖縄にあった時の規模よりも全体として小さくなっていても不思議ではない、ということである。固定化された常駐部隊の数は、それほど多くはないのではないか、ということである。


③他の論点として

そもそも、米軍再編という大きな流れは様々な側面があって、軍事技術的な部分ばかりではなく、政治的な部分も少なくないであろう。それに関する論説は、恐らく数多く出されてきたであろうから、ここでは気になる論点だけについて述べておきたい。

第一に、東アジアにおける緊張の程度である。ロシアや中国の政治的脅威がかつてに比べて低下している、ということはあるだろう。直接対決の場面というのが、大規模には想定され難くなった、ということもあるだろう。米国から見た、対ロシア、対中国というバランスでは、そう捉えられているということである。

第二に、戦争自体の質的変化である。国家間の大規模総力戦のような対決構図は後退し、違った紛争が多く生じてきているということである。これについても、定型的な解説が多くあるだろう。

第三に、米軍以外の軍事能力向上である。よく言われるのが、中国軍の近代化と能力向上、である。これはその通りだろう。また、北朝鮮にしても、ミサイル能力の向上は見られてきた、ということになるだろう。このことが、米軍再編に重要な影響を及ぼしていると考えられるのではないか。

この第三の論点について、もう少し述べたい。
以前に拙ブログ記事に書いたことがあるが、「中国軍や北朝鮮軍のミサイル攻撃」というのが攻撃手段として脅威を増した、ということではないかと思う。基地へのミサイル攻撃を集中すれば、飛べなくなる、というごく当たり前の事実について、これに対する”保険”、つまり軍事的対策が必要になってきた、ということであろう。
昔であれば、中国軍や北朝鮮軍の攻撃能力として、「沖縄」までは侵攻を想定し難かったわけである。しかし、昨今のミサイル能力の向上や中国軍の航空戦力強化等、在沖米軍基地は昔ほど安全ではなくなった、ということである。もしも沖縄に集中しすぎているとすれば、どういう事態が想定されると思うか?嘉手納基地ばかりでなく、在沖米軍基地にミサイルが雨あられと降り注いでこないとも限らないわけである。それは、一気に戦力を削がれることになるのだ。

こうした攻撃を緩和するには、「射程の外へ出る」というのが有効となるのではないか?
遠いからこそ、意味があるのだ。
また、ある程度分散配置をすることで、リスク軽減が図られるということになるわけである。投資と同じ。

ハワイやグアムに届くミサイルというのは、数が限られてくる。中国軍の潜水艦から発射される巡航ミサイルがあるかもしれないが、その能力には物理的限界がある。北朝鮮や中国の本土から発射されても届く、という事態よりはマシ、ということである。こうした点を考慮すれば、沖縄に集中配置するのは得策ではない。

沖縄から「ヘリで直接攻撃しに行ける」という機能は、現時点では、さほど重要ではないはずである。代替施設を求められるのは、殆どが訓練の必要上ということであり、いざ事が起こった時の運用が想定されている「攻撃部隊の出撃拠点としての軍事基地機能」ではないだろう。だとすれば、沖縄に代替施設を設置しなければならない、という必要度は低下し、必須の要件であるということの説得的な意見とはならないだろう。




マスコミの断罪と法的責任は別である

2010年01月24日 14時33分47秒 | 社会全般
小沢の会見を見た印象などについて、書いておきたい。


落ち着いた感じで、静かではあった。
疲れもあったせいなのか、元気はなかった。小沢がウソを言っているようには思えなかったが、人間というのは中々複雑なものではあるので、真実がどうなのかは判らない。まあ、討たれるべき政治家である、とは思えなかった。金を欲しがるタイプの人間のようには見えない、ということもある。
小沢の主張ややり方には反対すべき部分はあるけれども、それと事件は別だ。


それ以上に、今回のような手口を使えば、いつでも政治家の首を獲れる、という手法を根絶させるには、ここで退くわけにはいかない、という思いはある。


とりあえず今後の検察の捜査や出方を静観するよりないと思う。
ただ言えることは、検察の見立てや描いている絵は、必ずしも正しいわけじゃないということ。マスコミが煽り、検察の権力行使を促すのはこれまでにもあったが、マスコミが検察官や判事の役割を演じる必要性はないはずである。なのにマスコミというのは、「恐怖の人民裁判」がお好きらしい。


少し前になるが、耐震偽装問題というのがマスコミを賑わせたことがあったはずだ。
あれも、連日マスコミに登場しない日はなかったんじゃないかというくらい、テレビ、新聞、雑誌などで徹底取材をやっていたはずだ。

そうして、証人喚問まで実現したし、関与のあった人物は軒並み逮捕されることとなった。問題の設計士は勿論だが、マンション業者の社長、設計会社、建設会社の社長と支店長、そういった人たちは逮捕された。

黒幕としてテレビなどに再三登場していたコンサルは助かった。他はみな、逮捕に至ったわけである。


例えば、検察が起訴した内容がどの程度認められたかというのは、マスコミが検証したことなどあったのか?
木村建設の社長は有罪が確定したらしいが、容疑は耐震偽装には無関係の建設業法違反だった。会社の粉飾決算が違法とされたのだ。確かに、違法ではあるのだろう。だからといって、マスコミが大々的に報道していたような事実とか容疑で有罪になったわけではなかった。むしろ、誰も指摘してなかったような、本筋とは無関係部分の犯罪認定ということであったわけである。

これこそが、「叩けばホコリは出てくる」みたいなものであって、マスコミの煽動さえあれば、逮捕させることができ、本筋じゃなくとも別件逮捕であろうと何だろうと、「制裁を加えよ」精神発揮で、マスコミが人民裁判の検事兼判事となり、社会的に葬り去ることができてしまう、ということだ。

マスコミに狙いを定められたら、終わり、ということではないか。
社会的に抹殺されてしまうのだよ。

そうして、抹殺された人間のことなど、殆どが報じないか、報じられたとしても極々小さくひっそりと報じられるだけで、そのことになど誰も関心も払わず興味も失われているのである。社会的に抹殺された人間のことになど、誰も何とも思わないのである。


どんなにマスコミが新事実だとか、新たな疑惑とかいって、色々と探し出してきて、報道合戦をやったところで、それは法的責任を負うものであるかどうかなんて、別問題なのだ。違法かどうかも判らないのだ。



司法への信頼を失わせた検察

2010年01月24日 12時50分43秒 | おかしいぞ
小沢証言の話は、また別に書くことにする。今は、検察の問題について、取り上げたい。
誠に残念なのは、検察批判を散々問題視していた人々は、何一つ答えようとしないことである。鳩山発言(「闘って下さい」等々)が行政の長として不適切である、ということだけは言うものの、問題点に正面から答えたものなど、ただ一つ見たことがない。鳩山発言が不適切であるということは、検察の正当性を立論できるものでない。

「反検察」陣営(笑、そんな陣営はないけど、便宜的にこう呼ぶこととする)を殊更取り上げている人はいた(例えばこんな話)が、自分の主張には何らの説明も立論もないままである。検察の正当性の立論には無関係の、どうでもいいネット上の釣り合戦なんかの記事を供給して、笑いを提供してはいるものの、検察批判を否定できるような説明など一切ないわけである。特定政治家と自らの関係などについても、一切コメントがない。つまりは、焦点ずらし(某氏の得意技だったか?笑、かつての木村某とのバトルの時と一緒だな)の、単なる「逃げ」だな。


検察のやり方が妥当である、法学専門家の見地からしても恣意性など存在せず正当である、といった主張というものは、法学・法曹の専門家が行うべきものであろうから、それを期待したいわけである。そういう専門家の人こそが、具体的事例に沿って取扱いが平等であるとか、法解釈論的に見て整合性が保たれている、ということを是非とも明らかにしてもらいたいわけである。だが、そんな主張や説明をしている人がどれほど存在しているのだろうか?
検察は正しい、というのなら、その主張なり説明なりをせよ。


仮に、検察リークが存在しているとしても、刑訴法47条(*1)の但書部分で違法性は回避されている、という主張をするかもしれない。そうであるとしても、検察官が国家公務員であるには違いないので、国家公務員法111条の適用を免れているかどうかは別な法解釈の問題であろう。
現に、「第二の西山事件」などと仰々しく報じられていた自衛隊の漏洩事件では、1等空佐は取材に応じただけであるはずなのに、送検された(*2)し懲戒免職となったのだから。読売新聞記者の取材方法が違法であったかどうか、違法とは言えないまでも社会的に認容せざるような手段方法であったかどうかなどということは、取調をしなければ判るはずがないにも関わらず、なきままに処分が決せられたというわけである。

(*1):刑事訴訟法 第四十七条 「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」
(*2):起訴猶予となってしまい、不起訴に違いないので裁判は開かれていない。検察や裁判所の法的見解は不明のままである。


検察の行っているのは、まさに恣意的運用である。
整合的な説明などつけようのない、あからさまな「検察の為の運用」である。法の適用も、起訴・不起訴の使い分けも、全ては検察の都合のいいように利用されているに過ぎない。説明など不必要である、という判断なのであろう。

それが、検察の論理である。



逆らうとどうなるか?

2010年01月23日 17時55分27秒 | 俺のそれ
大抵の場合には、思い知らされるわけである。

一度くらい小さく勝利することがあっても、代わりにもっと酷いしっぺ返しを食らうことになるのである。

だから、いつまで経っても、その権力構造は残されてきたわけである。


情報を押える者が勝つ。

情報を支配する者こそが、勝利する。


ヘタに抵抗したり、意に背いたり、刃向かったりすると、お縄とか、スキャンダルとか、完全に干されるとか、多種多様な手段が用いられるのである。

だから、必ず敗北する。

かつて、某社は倒産した。


個人だってそうさ。
ヘタに正義感ぶったりすれば、出入り禁止だの、海外特派員なんかの閑職に追いやられるだの、いくらでも制裁方法はあるから。”向こう側”の批判なんかをやったり、追及で手柄なんて挙げてしまうと、二度と戻れない可能性だってある。残りの人生を干されて終わるかもしれないのだから。


下請けで書いてる連中なんかも必死になるさ。
永久に仕事がもらえなくなるかもしれないからね。業界からは抹殺されるのは簡単だから。どこの社も使ってくれなくなる。



今後にだって、某放送局とかが目を付けられてしまうと、広告が入ってこなくなる。それを恐れれば、前言撤回だって必要にはなるから。
そういう部分を支配しているのは、誰だと思うか?


業界で、干せるほどに力を持つのは、どんな人間なのか?


背に腹は代えられない、結局そうなるわけだ。
生きる為には、仕方ないのだから。

社ごと消滅の危機に晒されるとすれば、誰だって逆らえなくなる。


そうして、支配構造は永遠に維持されてゆくということである。




続・検察批判を封じ込めるマスコミの自己正当化

2010年01月22日 16時19分30秒 | おかしいぞ
前の続きです。


2)マスコミ側の問題

マスコミは「報道の自由」という金科玉条を掲げているわけだが、報道内容がどんなものでもよいとか、レベルが低くてもよいということではないはずである。取材であれば、何でも許されるということでもないはずであろう。記事であれば、何を書いても許されるということでもないだろう。

事件報道に関していえば、未だに酷いということはある。

取材・報道指針(ガイドライン)

最高裁刑事局の参事官が述べたという事項である。

1.容疑者が自白していることや自白の内容を報じる
2.容疑者の弁解に「矛盾がある」「不合理だ」と指摘する
3.DNA鑑定結果などの証拠を報道する
4.容疑者の前科・前歴を伝える
5.容疑者の生い立ちや対人関係を報じる
6.有罪を前提にした有識者や専門家のコメントを掲載する


「小沢まつり」の大騒動に関して、この基準で洗いなおしてみるとよいのではないか(笑)。

・自白内容を報道→アウト
・弁解に「矛盾」「不合理」の指摘→アウト
・証拠の報道→アウト
・前歴の報道→アウト
・生い立ちや対人関係を報道→アウト
・有罪前提の専門家等コメントの掲載→アウト

他にも、いくつか引用させてもらいますよ。

◎毎日新聞のガイドライン:
 「関係者によると」→「捜査本部によると」「捜査関係者によると」など

◎東京新聞のガイドライン:
 「情報の出所」を明示
 「否認」の主張は必ず盛り込む
 「現行犯逮捕」でも断定しない
 双方の主張のバランスに配慮
 見出しで予断を与えないようにする

◎産経新聞のガイドライン:
『配慮の方法としてはまず、できる限り情報の出所について明示することが求められる。情報の出所が警察・検察側なのか、被疑者・被告側なのか、被疑者の近隣住民なのか、被疑者を知る関係者なのかなどを明らかにすることによって情報の位置付けが明確となり、報道に対する読者の受け止め方も違ってくるからだ。また、捜査段階での被疑者の供述が絶対的なものではないということを踏まえ、そのことが読者に伝わるように記事の書き方を工夫する。捜査段階で捜査当局が得た証拠や関係者の供述についても同様の工夫が必要となる場合がある。被疑者・被告側の主張についても、可能な限り、取材する。』
『事件報道の目的・意義を果たすうえで識者コメントが必要と判断した場合、「逮捕容疑が事実とすれば」「捜査当局の調べが事実ならば」などと表現を工夫する。』


まあ、何と言いますか、書いていて、思わず笑ってしまいます。
どこからどう見ても、こうしたガイドラインなんかは、屁でもないわな、ということがわかりますね。

そういうことを指摘したり批判しても、何故か”逆ギレ”されるわけだ。
報道のあり方として不適切なのではないか、ということを考える以前に、「マスコミに圧力をかける気か」だの、「権力批判ができなくなれば民主主義の終わり」だの、どうしてそういう方向に行くのかなとは思いますわな。

小沢の批判は、きちんと手続に則っている限り、やりたいようにやればよろしい。民主党の小沢一極支配を徹底阻止するというなら、検察権力とマスコミの合作なんていう(昔ながらの?)手法を取らずにやれ、ということ。本当に犯罪がそこにあったのであれば、マスコミの煽動なんか受けずに、犯罪捜査をやって法廷で立証するべきことだ。情報操作をやれる素地を残すな、というのが、根本にあるべきだ。


そういうことを本当に認識しているのだろうか、という疑念は残るわけである。

いつまで経っても、マスコミが生み出した過熱報道とスキャンダル煽動によって、支配体制維持を続けたいという勢力が存在している、ということなのであろう。


参考>解説委員室ブログNHKブログ 視点・論点 視点論点 「裁判員制度を考える(4)報道のあり方・接し方」



検察批判を封じ込めるマスコミの自己正当化

2010年01月22日 15時15分58秒 | おかしいぞ
検察批判や、報道姿勢への疑念が一部識者たちから出され、その後に少しは沈静化してきてはいるものの、一部メディアは依然として自己正当化を貫いているようである。報道の自由は必要だが、行き過ぎは行き過ぎと言わざるを得ない。


1)検察の恣意性

これも書いてきた通りであるが、また書いておこうと思う。finalvent氏が西山事件について取り上げていたので、それについても触れておきたい。

簡単に書くと次のようになる。

【例1:西山事件】→西山事件 - Wikipedia
・国家公務員(外務省)―国家公務員法違反で起訴
・新聞記者―同、起訴

【例2:鑑定医による漏洩事件】→参考記事1
・鑑定医師―刑法134条違反で起訴
・取材側―著者、出版社ともにセーフ

【例3:防衛庁情報漏洩事件】→参考記事2
・自衛官(防衛庁)―自衛隊法違反、不起訴
・読売新聞記者―取調なし、送検なし


例1については説明するまでもなく、国家公務員の秘密漏洩はアウトということである。たとえ、取材であっても、ということになる。取材方法等の問題、というのは論点が問われる可能性はあるが、条文をそのまま適用すれば違法という理屈を付けるのはさほど困難とは言えないだろう。違法な取材方法とか、違法ではなくても裁判官や検察官の「アウト」とみなす方法なら、ダメということだな。しかも、新聞記者側が「そそのかし」に該当するという認定であった。


例2は、裁判にはならなかった事例(少年事件なので普通の裁判はないから)の調書等、資料を見せたらアウト、という判断である。検察側の論理構成とか知らないけれども、起訴するんだし裁判所も有罪ということだったと思うので、アウトなんだな。
そもそも、裁判後には刑事訴訟法によれば裁判記録(調書等の証拠類も含めて)は何人も閲覧できるということになっているのが原則であり、どうしても見てはいけないというものについては検察庁や裁判所の許可を必要とするものである。本来的には、処分決定後であれば見てもいいよ、というのが基本原則であるはずなのに、それを取材者に見せたらアウトという理屈を適用されるわけだ。検察庁の公式見解として、不起訴事件の調書や証拠関係についても「訴訟事件と同等に扱う」としていながら、じゃあ刑訴法の閲覧規定に基づいて見てもいいよと言うかといえば、但書の部分で「恣意的に見せない」ということをいくらでもコントロールできてしまうわけである。
検察の理屈というのは、本来「原則として見てもいい」調書類を見せたら秘密漏洩罪適用ということである。


例3は、マイナーな事件だったから覚えている人は少ないであろう。
これも特別職国家公務員たる自衛官が秘密を漏らしたということで送検された事例である。

元1等空佐を起訴猶予 防衛秘密漏えいで東京地検 - 47NEWS(よんななニュース)
記事では、『元1佐が情報漏えいを認め反省しているほか、2日付で懲戒免職となったことや、防衛省の再発防止策などを考慮した。自衛隊法には情報提供をそそのかす教唆罪もあるが、記者は書類送検されなかった。金銭提供など社会通念を逸脱する行為がないとされたためで、地検も「現在の証拠で十分事実認定できる」として記者への事情聴取をしなかった。』と述べられている。

つまり、不起訴処分にはなったものの、違法性が消えたわけではない。もっと謎であるのは、教唆が問われるはずの読売記者には事情聴取さえ行われなかった、ということである。要するに、恣意性のど真ん中、ということだ。検察とマスコミが結託して協力すれば、どういう事態を招くのか、ということは考えてみるべきであろうね。


ならば、法務省職員とか、検察庁の検察官とか、そういう人たちの「秘密漏洩」は違法認定されないのか?取材ならよい、ということか?そうであれば、西山事件の違法は何故認定されたのか?取材方法云々と言うのなら、例2では取材側の手法に問題が問われてないのに鑑定医側だけに刑責を問うのは何故か?検察は不起訴か起訴猶予も選択できたはずなのに、何故起訴だったのか?検察が保持してきた情報公開の決定権限を、無謀にも侵したからか?
例3の自衛隊法118条違反では、秘密漏示だけではなく、教唆や幇助者も違法に問えるのに、読売新聞記者への取調どころか事情聴取さえも行われなかった(笑)のは何故なのか?検察は、特定報道機関に対しては特別の取り計らいでもする習慣でもあるのだろうか?


報道が書けなくなったら終わり、というのはその通りであろう。
しかし、情報統制を検察が行い、そのお先棒を担ぐだけの報道が正当化されるとは到底考えられない。検察では恣意的運用を行っていないのだ、ということの説得的説明ができるなら、是非ともそれを知りたいものだ。

本当に取材を正当化したいのなら、西山事件だけじゃなく例2や例3の事件においても、マスコミ側が徹底的に抵抗すべきだし、反対を粘り強く訴え続けるべきではないのか。もし、各報道機関がそうした論説を展開していたのであれば、今回のような疑いを抱くことはなかったかもしれない。
だが、現実は、そうではなかった。
検察の恣意性と同調するかの如く、マスコミもまた言論の危機や取材の危機には無反応であったし、情報統制の域を出ない報道姿勢が殆どであったと受け止めている。


次は、マスコミ側の問題を取り上げる。

(つづく)



食いものにされたJAL

2010年01月21日 20時00分33秒 | おかしいぞ
遂に破綻したJAL。
企業再生支援機構主導による、会社更生法申請ということになった。今後の再生がどうなるかは、今のところ、不透明ではある。航空業界の厳しい競争に生き延びることができるかは判らないようである。

参考記事:
JALの社長人事に介入した政府

どうすれば、日本はデフレを脱却できるか?~その5


①日本航空にとっての1985年

この年は、JALにとって「特別な年」であった。
日本の空を巡って、極めて特殊なことが起こったのである。

論談:日本航空、昔話

◎7月:
日航の取締役会で、長期の為替予約を決める話し合いが行われた。
11年間に渡って、1ドル=184円の平均レートという為替予約をしたのだ。その後の円高によって、当然の如く大幅な赤字を蒙ることになったわけである。一方では、為替予約の反対側の取引があるわけだから、儲かる相手というのは存在したはずである。それは一体誰だったのか?

日航は、この取引により約2000億円以上もの巨額損失を蒙ることになったのである。


◎8月12日:123便墜落事故

言わずもがなの、日航ジャンボ機123便の御巣鷹山墜落事故である。
原因は未だに定かではないが、大韓航空機事故から数年後の出来事であった。


◎9月22日:プラザ合意

日航が長期為替予約をしてから僅かに約1ヶ月後、先進国蔵相会議が開かれた。
日本の円安是正という名目で、協調介入という美名の円への介入政策が取られることとなったのだ。合意事項については、事前協議が進められていたため、大蔵省内部には「今後には、確実に円高がやってくる」という情報が得られていたはずであろう。多国間の外交協議が、僅か数日前に合意文書が作成されるなどということは難しいからである。すなわち、協議開始は、このはるか以前からのことであり、大蔵省が要求を呑むことも以前から決められていたはずであろう。
そうした背景があって、なおかつ日航に対し「隠然たる力」を有していたはずの大蔵閥がいながらにして、長期為替予約を行ったということである。


◎12月:運政審の答申

いわゆる、「45/47体制」終焉、航空業界の自由化・規制緩和推進、日航の民営化、という路線へと突き進むきっかけとなった。
日航にまつわる勢力―大蔵省と運輸省―がNOと言い続けていたであろうから、「既得権益死守の守旧派」対「自由化推進の規制緩和派」という、典型的構図があったのではないかと予想される。
恐らく、日航の墜落事故がなければ、このヤマを乗り越えることはできなかったかもしれない。トップ交代劇など、ドラスティックな変革が行われたのも、事故後のことだったからである。


バブル期にはデリバティブで損失を出す企業は珍しくはなくなったかもしれないが、当時のJALのように長期為替予約で大きな損失を出す企業というのは、極めて特異だったのではないだろうか。その損失は、長きに渡り尾を引くことになったのである。



②原油先物で大損失計上

08年になってでさえ、乱脈経営的な体質は変わっていなかった。
怪しげな増資を繰り返した挙句に、増えたはずの手元資金で無駄に高額な機材投資や原油先物取引に手を染めてゆくことになるわけである。

あれほど投機的であると警告した原油先物になんぞに、何故手を出したのか。
このまま上がり続けたら困るから、というような、安易なレベルで素人が先物などに多額の金をつぎ込むというのが、そもそもの間違いなのではないか。これでやはり2千億円超級の損失を出したわけでしょう?ニュースではまともに報じられてはいないのだけれどもね。

逆に、ちょうちん記事(笑)だけはあるけれどもね。
日航「燃油先物」解約へ 会社更生法申請で 金融ニュース マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

必死だな。

政府保証つきで注ぎ込んだ追加融資の1000億円以上の金は、こうした先物の業者に支払う為の資金となってしまった、ということだろう?

なんて愚かなんだ。
結局、自分の金なんかじゃないからだ。
他人の金なんだよ。天下り官僚にとっても、そうさ。所詮は、「国が出してくれる金」だからだ。

おバカな「士族の商法」っぽい日航なんかには、まんまと高値で掴ませて大儲け、という図だろ。
こういうのは、「なによりも投資」推奨教団だの、「開かれた国ニッポン」教団だの、そういう連中の口車に乗せられて、一緒に「日本国売り」に大挙して参入していたからなんじゃないのか?
例の、私大が軒並み投資損の大損食らった図と、あまりによく似てないか?(笑)


つまるところ、どこかの誰かに、いいようにタカられ、毟られ、最後には、「国で面倒みてやれ」というお決まりのパターンに落ち着いた、ということですわな。そういうマヌケ揃いだということに、世間は気づいてなかったし、上の方では気づいていても内緒にしてきた、ということです。


これが、JALの法的整理の実態、ということですわな。
こういったことは、新たな経営陣がタカリ軍団の仲間であると、ずーっと隠されたままで過ぎてしまい、誰も責任を問われることもないだろうけどね。

あとは、国民負担でヨロシクです、ってか?(笑)
JALの末端職員が泣いてくれ、と。



日米安保50年と『グラン・トリノ』

2010年01月21日 14時43分27秒 | 俺のそれ
『グラン・トリノ』を観た。

アジア系少年と典型的な米国の白人男性。

社会のあらゆる場所に滲み込んでいる「差別」の存在。
ポーランド野郎、とか、イタ公(イタリア系移民)とか、そういうのも出てくる。
黒人だけじゃなく、ヒスパニック系も、アジア系も、そういうマイノリティの「底辺」感がよく出ている。


孤独な偏屈爺さん。
息子夫婦との関係なんかも、思わず頷いてしまう。

自宅に色んな「道具」を揃えていて、爺さんが少年に教えるのも、凄く共感できる。
爺さんだって、誰かには必要とされたいのさ。だけど、年寄り扱いされたいわけじゃない。

米軍に凄惨な被害を出した朝鮮戦争を経験していた、爺さん。
歴史ある「第一騎兵師団」の生き残り。栄光の戦歴と勲章。
その陰には、一生涯拭うことのできない罪悪感とか深い心の傷を負い続けてきたこと。お節介な若造神父さんが、爺さんに関わりを続けようとするけれど、爺さんは結局懺悔することはなかった。本当は言いたかったのだけれど、そういう問題ではなかった、ということなのだろう。

その思いのたけは、アジア系少年の前で遂に明らかにされる……。

朝鮮戦争というのは、ある種の防波堤としての戦争(参考記事)と思えば、第二次大戦を生き延びた後にも、更に戦いに身を投じざるを得なかった米兵たちの、その後の人生というのは苦悩に満ちたものだったということなのだろう。


日本人が観るべき映画、だね。



『コード・ブルー』のエンディングが同じでよかった、という話

2010年01月20日 11時41分09秒 | 俺のそれ
今回のシリーズも楽しく拝見しています。

妻や子供も一緒に観て楽しめます。


で、エンディングはお決まりの「もううぃっかぁ~い、もううぃっかぁ~い」と大合唱。
そんなに大袈裟じゃないんだけど。
でも一緒に歌います。殆どの歌詞が覚えてないけど(笑)。

あのサビ部分だけは「モノマネ」が入ってしまうのは、何故なんでしょうか。

こんなことをしているのは、うちの家族くらいでしょうか?



今度は家宅捜索の映像がなかったのは何故か?(笑)

2010年01月20日 11時33分26秒 | 社会全般
検察が情報漏洩批判を食らったからといって、どうして家宅捜索のテレビ映像が無くなったんですか?

この国のマスコミのやり口というのは、所詮、こういうことなんでしょ。


胆沢ダム工事受注の「宮本組」へ 談合仕切り役“天下り” 下請け捜索(産経新聞) - Yahoo!ニュース

このニュース映像は、どこかで流していたんですか?
だったら、その放送局がどこなのか知りたいですね。よくぞ「映像を撮れましたね」って褒めてあげたいですよ(笑)。

それともあれですか、検察からの「入りますので、みなさんご用意をお願いします」というテレビクルー派遣要請でもなければ、誰も行かないってことですかい?

検察には、「マスコミ総動員法」でも持っているのか?
一斉家宅捜索に行く前から、テレビ局には情報漏洩がなされているということだそうですぜ。それは合法なんだと、検察の論理では。だったら、このショボイ家宅捜査もテレビに映せば良かったものを、どういうわけだか自粛気味らしいですぜ。

石川議員逮捕の時には、どういうわけだか記者会見だったそうだが、今の「検察批判」に会見でもやって答えたらいいのではないのか?(笑)
検察は誰も情報漏洩なんかしていない、と検事総長が答えたらいいよ。できるよね?それくらい。簡単でしょ?
検察の人間がマスコミに情報を流すのは「守秘義務違反には該当しない」とかいう、検察独自の法学理論でも開陳すればいいだけだろ?何故、それができないの?


やましいことがないなら、取調べに応じろ、とか、国民に説明できるだろ、とか言うのと同じでしょう?
やましいことがないのだから、「マスコミへの情報漏洩は合法」とか、誰が情報を流して、誰が受けたか、明らかにすればいいだけ。

で、最高裁判例では、守秘義務違反はどうだったんでしたか?(笑)



「”反検察”というラベル」で誘導するかのような切込氏のポジションが気になる件

2010年01月19日 17時08分17秒 | 社会全般
報復が怖いけど、やっぱ書いとくわ。
この前から気になっているんだけど、やけにあっち方面の肩を持つという傾向が垣間見えるわけだな。

コレね>反検察の言論人は概ね出揃った感じかな 切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off mans Blogmore

おんなじ「一郎」なんだから、もっと配慮してやれよ、とか、慶応閥なんだから親身になれよ、とか言いたいわけではない。軽い冗談です。


一応、当方の主張というのは、以前から書いてきた通りである。
09年3月時点
3/17>西松献金事件の背景を読む
3/28>改革なんて、多分無理


個人的には、別に、民主支持だの、小沢支持だのといった、特定の政治思想や傾向を持ってきたわけではないよ。過去の記事をお読みになってきた方々であればお分かりになると思いますけれど、昨年の政権交代直前でさえ民主支持ではなかったですよ。


ただ、今回の一件は、次元が違う。
09年3月時点では、検察に対する評価をするだけの情報とかがそんなにはなかった。でも、今は、評価に加えられるであろう情報は、増えているから。検察の対応の仕方なんかも、当時と今では見える部分は異なるわけで。


土地購入問題、所謂小沢ハウスという話は、07年のことです。
そして、西松献金事件以降では、代表辞任に追い込まれることになったわけです。

平たく言えば、政治的には一度制裁を受けている、ということになるかと思います。
そして、その事件後に選挙はあったわけですよ。
過去の国会議員さんたちで、疑惑とか何とかがあった後に、選挙という洗礼を受けることによって、一応のみそぎ的義務を果たした、というような対応になってきたのではないかと思います。つまり、それが選挙民の選択なのだ、ということでしょう。

小沢のエグイところとか、経済学部出だけに金にはうるさいとか、そういうのは実際どうなのか知りませんが、色々とグレーみたいなところがあったかもしれません。たとえそうだとしても、今回の騒動は解せないわけなんですよ。


切込氏は、二階さんとどういった関係にあるのか知りませんが、顔見知りですか?それとも、同じ政治思想を持つ同志として、何らかの接点を持ってきたとか、人脈を介して繋がりがあったとか、そういうのはどうですか?
利害関係にある当事者が情報を出すなら、立場の表明でもしたらよいのではないかと思いますけれども、どうなんでしょうか。背後関係を探られると、何か痛いところでもあるのかな?
ないのであれば、それなりに表明しておくべき事柄があるやもしれませんな。まあ、別にいいんですがね。


で、問題の二階派のことなんですが、記憶をもう一度呼び戻していただきましょう。
小沢の秘書だった大久保被告は突然の逮捕。事情聴取もなし。いきなり、逮捕。これが09年3月ですな。
二階さんの会計責任者の秘書は、逮捕されてない。身柄拘束?何をバカな。事情を聞かれただけ。しかも、大久保逮捕の後に、検察の横暴ではないかという批判の集中砲火を浴びた後から、自民党議員の関係に捜査着手となっただけ。

西松建設の違法献金事件 - Yahooニュース


そうして、東京地検特捜部の判断はどうなったか?
6月に嫌疑不十分で『不起訴処分』。しかし、検察審査会で不起訴不当の議決が出された。そうすると、次は起訴かな、と思うでしょ?
そうはイカの金●。検察は、再び不起訴処分としたんですよ(笑)。まあ、会計責任者はずっと否認を続けていて、だけど逮捕されずに、起訴もされない、と。これが、権力行使の恣意性ということなんですわ。
で、また7月の検察審査会での議決は、『不起訴不当』。

要するに、特捜部は初めから「二階ルート」の献金問題なんて、やる気なんかなかったってわけ。起訴する気も、ハナからないわけ。唯一の狙いは、小沢のところだけでしょ。だからこそ、突然の大久保逮捕だったわけで。

で、二階さんの会計責任者はどうなったか?
昨年の12月に、略式起訴で罰金100万払って、こっそり終結。昨年3月に起訴された大久保被告の初公判は、その後に控えているという事情があったからだろうね(笑)。
言ってみれば、一事不再理の原則(*1)、これを最大限活かしたい、ということさ。
事後的に騒ぎになったとしても、「いや、二階さんは、もう裁判が済んでいるから、終わったこと」というふうに片付けられるでしょう?


2度も嫌疑不十分で不起訴になっていた事件で、なおかつ当初から数ヶ月間に渡って否認を続けた事件が、何と「略式起訴」で手打ちということになったということですわな。これがおかしくない、正当であるというのなら、「説明義務(笑)を果たせ」ってなもんだわな。検察の正当性について、是非ともご高説を拝聴したいものですな。


(*1):
おなじように、小沢の件についていえば、代表辞任で「一事不再理」原則みたいなものと一緒であろうし、政治的には決着が付けられた話であるはずなんでは?
説明義務を果たせというのは、ただ聞いても簡単には理解できないから、というだけではないのか?図解なんかも複雑にしたり、マスコミ情報が不可解なものを数多く入れれば入れるほどに、一般国民には何のことだか判らなくなるだけ。前のこれとこれの話です、なんて言ったって、普通には判らんわな。そういうのを利用しているのは、検察とマスコミなんじゃないのか?



で、今後、残るのは「大久保被告の事件」ということ。更には、そこから小沢へのルートを「どうしても開きたい」という特捜の思惑があるわけさ。大久保被告の事件で、公判維持さえも困難になるかもしれないと危惧すれば、どうなるかな?
新たな突破口を見つけ出さねばならない、ということさ。
西松事件も、水谷事件も、既にあったネタを再利用しているに過ぎない。しかも、検察側の「都合のよい情報」というのが数多く織り込まれているので、どれが事実なのか、誰にも正確に判らないんだよ。

大久保被告が逮捕された直ぐ後に、NHKが「~と供述していることがわかりました」とか、報じていたけれども、実際には、あれが事実ではなかった、と別な新聞記事などでは否定されたりした。西松関係者の公判は終結しているのに、何故か大久保被告は起訴だけされているけれど、公判が開かれないという事態が続いていたのもおかしいんじゃないのか?逮捕に踏み切る時点で、物証なんかはほぼ揃っているでしょうし、裁判が開始できないはずないからね。なのに、数ヶ月間もの空白期間。何故?(まさか、政権交代して民主党の法務大臣がやってくるのを待っていたとか?笑)

NHKが言っていたように、認める供述をしたのであれば、難なく裁判をやって終わらせられるはずでしょう?
数ヶ月間もの否認を続けていた二階さんの会計責任者は既に裁判が終わって、大久保被告の裁判が開けないはずないだろ?(笑)

嫌疑が不十分だったのに、何故かアッサリ決着。これ如何?


で、今年になってから、何故か『鹿島本社』に家宅捜索。東北支店じゃなくて?(笑)
何故に?
しかし、水谷建設には行かず。
どうして?

在京のテレビ局を総動員する必要があったもんなあ~。
テレビの絵を必要としたから、だろう?
だから、近場じゃなけりゃならなかったんじゃないの?
あんまり遠くに分散していると、各局が数箇所へクルーを送り込むのが対応できなくなるもんね。
はは~ん、と。


切込氏がどうということを言ってるわけではありませんが、普通は、煽動情報を流す「●●分子」みたいなのは配置しておくのが、常道なんじゃないですかねえ?煽動とは限りませんけれども、言論を引っ張れるような影響力を有する人たちには、それなりの役割ってものがあることもあるわけで、そういうのはビジネスの上においてもひじょーに大切ですよねえ?

識者でもいいし、学者でもいいし、色々とあるだろうけど、言論人も当然ありえるわな。ある陣営なんかに都合のよい情報や主張を代行(笑)してくれる人材を、当然重用するわけである。だったら、話は早いな。よく判るよね、ってなもんでして。

ああ、JALのタスクフォースね、ああいうのに、呼ばれて参加していたとか、デューデリだかで特需にありついて「かっぱぎ」をやっていた面子なんかを並べて確認すると、ビジネスってこういう人脈・系列でできているのね、ってのが見えてくるって話にも似てるかも。

旧日本郵政公社の超オイシイ物件やタカリ事業で、転がして懐にガッポリ潤った連中なんかがいたのと、構造的にはほぼ近いわな。


まあ、世の中、そういう風にできているし、コネが最強だから、別に下々の者には関係ないからいいんだけどさ。


で、「反検察」軍団の反対側にいる、珍妙なネタ投下部隊はどういう軍団なのかな、というのが気になる今日この頃です。

親●軍団とかにかなり近い存在なのであれば、それはそれでいい具合。
工●員乙。


ああ、参考までに、有価証券報告書の話は、ホリエモンの一件を取り立ててどうこう言いたいわけじゃないけど。あれね、西武グループ解体となったことの方。堤さんの件。

それと、例の「財務省主計局官僚の集団強姦事件」ね、あれは親告罪適用じゃないらしいから、東京地検発表によると「処分保留」になったままで終わったんだけど、検察審査会でどういった議決が出されたか、誰か調べてくれないかな?
あんな悪質事件が処分保留で終わるのは解せないんだよね。不起訴不当とか、起訴相当とかの厳しい意見が付いても不思議じゃないんだよ。もし審査会の結果が残ってないとすれば、それはどうしてなのか、疑問が増えるわけさ(笑)。


追加です。
略式裁判のことですが、毎日新聞のネット上の記事があったのに、何故かキャッシュしか残ってないのな。慌てて消したからなのかな?よく判らん。
でも、以下に引用しておきますから。

=====
2009年12月9日 21時17分 更新:12月9日 23時43分

西松献金:二階氏秘書を略式起訴 100万円略式命令

 準大手ゼネコン「西松建設」による違法献金事件で、東京地検特捜部は9日、自民党の二階俊博前経済産業相の長田(おさだ)武敏政策秘書(63)を政治資金規正法違反(虚偽記載、他人名義の寄付受領)で略式起訴した。関係者によると、長田秘書は「西松側から『社名が出ないようにして献金する』と言われ了承した」と容疑を認めているという。東京簡裁は同日、長田秘書に罰金100万円の略式命令を出し、長田秘書は即日納付した。西松建設を巡る一連の捜査は終結した。

 民主党の小沢一郎幹事長側への総額3500万円の資金提供については3月、公設第1秘書、大久保隆規被告(48)が特捜部に逮捕・起訴された。特捜部は(1)大久保被告より金額が低い(2)長田秘書が容疑を認め反省している(3)小沢氏側と異なり公共工事受注に絡む二階氏側からの便宜供与がない--ことから略式起訴を選択したと説明している。

 献金者側の西松建設、国沢幹雄元社長(70)は既に同法違反で有罪が確定しており「さらに立件するのは酷」として不起訴(起訴猶予)にした。

 起訴状によると、長田秘書は西松建設から06~08年、総額900万円の企業献金を受けたにもかかわらず、二階氏が代表を務める「自民党和歌山県第3選挙区支部」(和歌山県御坊市)の政治資金収支報告書に個人からの献金と虚偽記載したとされる。

 西松側はATM(現金自動受払機)を使い、収支報告書に寄付者名を記載する必要のない1人5万円の個人献金60人分に分散し、年300万円を支部に送金していた。支部の会計責任者は地元支援者の会社社長だったが、特捜部は長田秘書が会計実務を担当していたと判断した。【岩佐淳士、伊藤直孝】

 ◇「処分は誠に残念」二階氏
 二階氏は9日、「(秘書は)長年活動してくれただけに処分は誠に残念。政治資金の受け入れについては誤解を受けることのないよう指示を徹底した」とするコメント文を出した。

 【ことば】略式起訴

 公判を経ずに100万円以下の罰金または科料を科す場合の手続きで、簡易裁判所に審判を請求する。容疑者が事実を認めて同意した時にだけ行うことができる。簡裁は書面審査で有罪と判断すれば略式命令を出す。略式命令に異議があれば14日以内に正式裁判を求めることができる。

 ◆解説 「便宜供与なし」と判断

 西松建設を巡る虚偽記載事件では3月、民主党の小沢一郎幹事長の大久保隆規・公設第1秘書が逮捕・起訴された。また、鳩山由紀夫首相の偽装献金問題を巡っても近く刑事処分について判断が出る見通しだ。だが、法務・検察幹部は「民主の次は自民、というバランスを取ったのではない」と強調。この時期の処分となったのは長田秘書が今月になって容疑を認めたためで、しかも900万円という比較的少額でも立件したのは、政治資金規正法違反に対して厳しい態度で臨む検察側の姿勢を示したものと説明する。

 昨年6月には坂本由紀子前参院議員が代表を務める自民党支部が約137万円の経費を架空計上したとして、静岡地検が担当者を在宅起訴した(有罪確定)。虚偽記載額がわずかで、しかも「入り」ではなく支出面での立件。「自分たちで作った法律だからこそ、きちんと守らなければならない」。別の幹部はそう話し、議員立法である以上、内閣提出の他の法律より議員にとって規範性が強いとの考えを示した。

 とは言え、長田秘書については4月ごろから否認を続けていたのに在宅のまま捜査し、半年後に認めた後で略式起訴。一方、大久保被告は事情聴取を経ず、3月にいきなり逮捕。その落差は大きい。検察側は「小沢氏側と違い、公共工事受注に絡む便宜供与がないからだ」と説明するが、捜査手法の正当性に理解を得るためには、18日に始まる大久保被告の公判で、小沢事務所が公共工事受注を差配するために発したとされる「天の声」の存在を確実に立証する必要があるだろう。【小林直、岩佐淳士】

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以上ですけど、解説にも書かれているように、「天の声」問題は残ってるわけです。しかも、検察側主張というのは、大久保被告の発する「天の声」というような言い方なんですな。これで、どうして小沢の線が?


更に追加だけど(20時過ぎくらい)。

12日の切込氏の記事>小沢さん4億円入金関連で官報掲載を騒いでる微妙な奴らは何なのかな 切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off mans Blog

この中では、切込氏は
『公務員の守秘義務とか明後日の方向から検察批判をしている人は何らかの背後関係があるんじゃないかと疑ってしまいますね。』
と仰っています(←誰かを批判する時の引用口調の定型版)。

それは、オレも書いてますけど。こんなどうでもいい部分はおいといて、

『単に金額が一緒なだけで、性質も使途も時期も全然違うものです。というか、しょっぱなの入金が10年以上前とか、自民党離脱したときじゃないかとか、そういう方面のミステリーだと思います。』

という部分について、切込氏なりの言論人というのか、売文稼業の人なりの「けじめ」ってもんをつけてくれることを期待したいですな。



小沢を陥落させない限り、普天間問題で鳩山政権の譲歩はない

2010年01月18日 12時46分56秒 | 政治って?
手っ取り早く言えば、そういうことだろうね。

攻め手としては、まず鳩山総理自身の「偽装献金問題」というのがあったわけである。

これがまず使われた。
同じく政治資金規正法違反事件であり、会計責任者と元公設秘書は在宅起訴ということになったわけだ。12月22日だな。
この焚き付けは、思ったよりも広がらず、燃え上がり具合は案外「大したことがなかった」ということさ。


で、情報操作側というのは、色々と思案するわけ。
12月21日には、例の「藤崎駐米大使がクリントン長官に呼び出し食らって、国務省前で記者会見をやった」日、ということになっている。
大雪のさなか、入る前からマスコミは待ち構えていたという、何と都合の良い展開で、異例の呼び出し&異例の藤崎大使会見ということになったわけだ。

攻めるポイントというのはいくつもあって、そういうのは次々と投入されてゆく必要があるからね。で、鳩山総理は、かなり「グラッと来た」わけですよ。

なので、抑止力発言なんかに繋がった、と。そう見ているわけですよ。
12月27日>続・日本の外務省とマスコミは日米関係を破壊するつもりなのか

鳩山総理は、危うく「心が折れそう」になったわけだな。


もう一度戻って、小沢の金の問題が取り上げられ始めたのは、年末だったわけだが、発端は12月22日の産経記事だ。
陸山会土地問題 石川議員に聴取要請 東京地検 4億円超不記載も (産経新聞) - Yahooニュース

(以下に引用)

民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が平成16年に購入した東京都内の土地を翌年に購入したように政治資金収支報告書に記載していた問題で、東京地検特捜部が小沢氏の元秘書で同会の会計事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=に、任意の事情聴取に応じるよう要請したことが21日、関係者への取材で分かった。同会の政治資金収支報告書に4億円以上の不記載の疑いがあることも判明。特捜部は今後、聴取に向けて石川氏と日程調整を行う。特捜部は小沢氏側が重機土木大手「水谷建設」から計1億円の裏献金を受けたとされる疑惑も捜査しており、この疑惑についても説明を求めるとみられる。

同会は17年1月7日に東京都世田谷区の土地を約3億4千万円で購入したと収支報告書に記載。しかし、同会が都内の不動産会社と売買契約を結んだのは16年10月5日で、代金の支払いも同月29日だった。この際、都内の不動産会社は同会から「登記日を年明けにしてもいいか」と言われたとされる。関係者によると、小沢氏側はこれまで、土地代金について、4億円の定期預金を担保に小沢氏名義で金融機関から借りた4億円を充てたと説明。ところが、同会が不動産会社に土地代金を支払ったのは、融資を受ける前だったという。16年の収支報告書によると、前年からの繰越金を含む収入は約7億3千万円で、借入金4億円を差し引けば約3億3千万円。土地代金と定期預金の原資には計7億4千万円が必要で、4億円以上が簿外で調達され、収支報告書に記載されていない可能性がある。このため、特捜部は同会の会計事務を担当していた石川氏からの事情聴取が不可欠と判断したもようだ。

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爆弾投下と同じようなものなので、第1弾、第2弾、第3弾と、プレッシャーを与え続けねばならないからね。相手側に恐怖を与えなければ、効果はないわけだから。

で、鳩山総理の虚偽記載はとりあえず過ぎ去ってしまったので、次のネタとしては小沢に狙いをつけるということになるわけだ。
自民党時代だと、安倍、福田、麻生、いずれも「叩けばOK」ということで、すぐに効果が出たから。そういう学習効果は、長年の蓄積だからね(笑)。


さて、偶然にも12月21日~22日くらいにかけて、いろんな動きがあった、と。
(そういや、ウチの記事では、こんな頃だった>沖縄海兵隊はソマリアの二の舞を望むのか台湾有事と違憲性

このネタ投下後、年明け以降には「検察には大マスコミがついています、とことん支援します」というお墨付きでも得たのかな?
検察は必死の情報供給、これをマスコミは全面バックアップ体制で「大炎上」へと向かうように誘導を重ねました。

こうして当初の目的通りに、「小沢まつり」に発展させることに成功した、と。


要するに、鳩山政権にヤキを入れてやろうと思ったら、鳩山が小沢に寄りかかり、小沢の後ろ盾がある限りは鳩山を落とせない、という確信を抱いたので、やはり最終目標である小沢を刺すよりない、ということにはなるわな。

別に、小沢の立件なんてできてもできなくても、どちらでもいいんだよ。政治的に葬り去ることができるなら。秘書逮捕でもそれなりにダメージを与えられるからね。

結局は、「逆らえばどうなるか」というのを思い知らせるには、十分なのさ。



かつて久間さんが討たれたのも似てるだろ?
事務所費問題から始まって、怪しい関係だか人脈だか、そういうのもそうだったし、週刊誌ネタで刺されて、しまいには防衛大臣辞任へと追い込まれていった。「しょうがない」発言なんて、マスコミで大袈裟に取り上げるべき話題でもないのに、ターゲットを絞るとバッシングは簡単。麻生さんのバー通いだの、漢字読めないだの、どうだっていい話もそうだよ。

どれも、突然降って湧いた疑惑で失脚するわけじゃない。
「演出の仕方」次第、ということなんだよ。

それを決めるのは誰だと思うか?(笑)


恣意性というのは、検察だけの問題じゃない、ということさ。