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シムズ理論(FTPL)を模して貨幣と物価を考えてみる(試案)

2019年05月06日 06時01分14秒 | 経済関連
ここ最近の話題といえばMMTというのがあるそうだ。そちらの説明は誰かに譲って、まずは、全くの素人考えで申し訳ないが、モデルで考えてみることにする。


参考;

https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/f01_2017_12.pdf


統合政府の予算制約式を、次のように仮定する。
(各期をn期、(n-1)期と置けば、全ての文字に添え字をつければよいが、ここでは面倒なので、0期と1期だけで簡略化して表記する)


政府支出(利払い費以外)をG

0期の政府債務残高をB、1期のそれを(B+ΔB)

1期の政府徴税額をT

0期の貨幣供給量をM、1期のそれを(M+ΔM)

国債金利をr

とする。


統合政府予算は通貨発行益を利用可能と仮定し、


  G +rB={(B+ΔB)-B}+{(M+ΔM)-M}+T   

とする。整理すると、

  G +rB=ΔB+ΔM+T   (1)式

が得られる。
  

例えば、税収と国債追加発行額の合計と同じ額だけを政府が支出する場合、

 G=T+ΔB

となるので、(1)式において

  rB=ΔB+ΔM+T-G

整理すると、

  rB=ΔM

すなわち

  r=ΔM/B  (2)式

が得られる。


ここで、フィッシャー方程式の名目金利rと実質金利r'、インフレ率(物価水準)をPと書くと、

 r =r'+P

であるから、(2)式と併せて

 P=ΔM/B-r'  (3)式

となる。

日本のようなデフレ時期だと、Pがマイナスの値をとるので、

 ΔM/B<r'  (4)式

のような関係性がうかがわれる。


貨幣供給量(ΔM)が少なく実質金利より小さな値となっていると、デフレに陥る、という意味合いである。統合政府が通貨発行益を利用して国債利払い費に充当しているにも関わらず、それでもなお、マネーストックの追加量が実質金利水準に比して少ない場合には、デフレとなってしまうということである。


また、(1)式に戻って、統合政府の支出額(一般政府支出+債務の利払い費用)には償還額は想定されていないし、財政赤字(T-G)を埋めるのが国債か貨幣供給量かは、代替的なので違いがない、ということであろう。

一方で、国債発行を増加させても(2)式の関係性を見る限り、政策金利(安全資産たる国債金利の発行条件に深く関与するだろう)が適切な水準が保たれていれば、フィッシャー方程式におけるインフレ率Pが非常に高い値をとることも抑制されるだろう、ということである。もしも貨幣供給量が著しく増加する―例えば財政赤字分を国債発行せず全部通貨供給量で賄うような―場合、rが増大するので、結果的にインフレ抑制の為に高い政策金利を要求されるかインフレ率の騰貴を招くか、ということになるだろう。


自国通貨発行権と国債発行権は、代替的な役割であることを理解しようとするのには、役立つ考え方なのかもしれない。流動性の罠の状況下のように、金利rがゼロ近傍かほぼゼロであると、財政赤字分が国債発行でも貨幣供給でも違いは殆どない、ということでもある。しかも、単に紙幣を刷るだけではダメで、「財政支出として使う」というのが、(1)式の意味するところである。政府が支出しないと、マネタリーベースとして供給されることにはならないから、である。


また、(1)式を変形して、


  r=ΔM/B+財政赤字/B

と書くと(財政赤字=T+ΔB-G、税収+赤字国債-政府支出)、


貨幣供給量が財政赤字を超えていかないと、名目金利が上がらない、すなわちインフレ率も正の値をとるのが難しくなる、ということであろう。また貨幣供給が乏しい場合には、国債発行の増額によりΔBを大きくしないと、ΔB+T-Gの全体の値が大きくはならない。試みてきた大部分が、増税(Tを大きくする)か政府支出Gを減らす、という努力だったので、それも限界があろう。


段々と貨幣供給量ΔMを増やし、緩和措置によりr'の引き下げをもたらした結果、Pの上昇に若干の効果はあったかも、だが((4)式の不等号が逆転した状態、P>0の時ΔMの増加や金融緩和で引き下げたr'の効果が発現という意味合い)、デフレ脱却が定着するには至っていない。


財政赤字分を国債発行ではなく、全部貨幣供給により賄おうとすると、あまりに急激なΔMの増加があればrの増大をもたらし、引いては物価の著しい上昇を来すことがあるのかもしれない。


通常の国債市場でのデフォルト問題というのは、(1)式の rB の利払い費用が捻出できないケースということが多いと思うが、ΔMで補える限りにおいては、デフォルトの危険性は乏しい、と見える。自国通貨発行権は破綻危機を回避し易いとの意見は頷けるものがあるように思える。ただ、これがあまりに過剰になってしまうと、やはり貨幣の信頼性が落ちることになるという問題が発生するかもしれず、そうした局面ではやはり物価が高騰することを招くかもしれない。


こうした整理や理解は、問題があるかもしれないが、一応書いてみた。

今後の研究が待たれる。

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アベ政治が日本人からの収奪を加速する

2018年08月27日 16時16分54秒 | 経済関連
世界経済にとっての根本的な問題とは、米国の借金経済と異常な金融政策である。米国ではリーマン・ショック後の破綻処理に多額の損失を出したであろうはずが、その打撃を緩和するべく過剰な低金利政策とインフレでの誤魔化しをやってきたわけである。

世界大戦に陥るよりはまだマシだ、というのが妥当であるとしても、米国の過剰なドル価格の維持政策は世界経済の自律性・自己調節能を阻害しているとしか思えないのである。

トルコやベトナムやブラジルといった高インフレ国は、年平均の経済成長率が米国より断然高くとも、貿易赤字等で恒常的な経常収支のマイナスが続いていれば、通貨安を招くというのが、経済学が教えてきた基本的な原理ではなかったか。


米国のように、物価の上昇は弱い、などという話は、到底信じ難いのである。住宅価格はリーマンショック直前よりも高くなっているだろう。その他物価水準で見ても、上がってない、などということは考え難い。ビッグマック価格だってそうだろう。


だが、不思議なことに、米ドルは減価しないのである。本当にそんなことが可能なものなのか?

いくら米国債需要が旺盛だ、と言っても、無限に米国のファイナンスが可能とも思われないわけだが、対外純債務がどれほど膨張しても、米ドルの為替レートが下がらない、というのは異常としか思えない。

輸入が増大すればするほど、貿易赤字が膨らむことになり、それは為替レートの変化を通じてドル安となる為に、輸入量に自然と歯止めがかかる(輸入物価が上がるので)はず、というのが普通の考え方ではないかと思うのだが、何故か米国の貿易はそうならない。なので、関税を上げて輸入価格の増大を図るという、人為的操作に頼らざるを得ない、ということなのかもしれない。

こうした事態は、ひとえに米ドルが貿易等の取引通貨として多く利用されてしまうということと、外貨準備の資産として米ドル資産を世界中で保持せねばならないという通貨偏重に問題があると考える。そうした理不尽な仕組みが、結果的に経済原理によるはずのフィードバックが適切に働かなくなることを招いているのだ。


更に、米ドルの悪しき問題を隠蔽すべく、また、米国の借金苦を手助けすることを強いられる日本という存在が米ドルの価格調節機能をダメにしているとしか思えない。

財務省の対外純資産残高の統計をみると、以下のようになっていた。

14年度>https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2015.htm
17年度>https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2017.htm


(2010~2017年度、単位 兆円)

年度  対外純資産残高  公的部門  公的部門増減
10    255.906    46.758  
11    265.426    33.990   -12.768
12    296.315    41.357   +7.367
13    325.732    63.193   +21.836
14    363.409    70.351   +7.158
15    339.217    50.981   -19.370
16    336.306    32.943   -18.038
17    328.447    15.730   -17.213


2014年度末は、ドル円の為替が円安になっていたので(1ドル約120円程度)、外貨建資産の評価額が増大するのは、まあ分かる。けれども、最大で一般政府と日銀の保有する対外純資産が70兆円以上もあったのが、前期末には15.7兆円と54.6兆円もの減少となったのは、為替要因だけでは説明がつかないであろう。


海外勢が日本国債の投資額を増やすというのも分からないではないが、その場合、一般政府部門の中長期債券か短期国債の増加として顕れてくるので、財務省の統計値を見れば分かるはずなのだが、14年以降の各年度では政府部門の債務増加(=海外勢の国債保有額増加)の傾向と一致してはいない。

民間部門が対外純資産を増加させてきたけれども、公的部門がそれを上回るペースで債務を増大させているということだ。

例えば、日本企業の株式を売却して日本国債を買う、というような場合、円資産内での移動でしかないので、投資先が証券か国債か、的な違いで顕れるわけだが、その場合の為替への影響は無視できるだろう。けれども、民間部門が対外投資超過で、公的部門が対内投資超過(=純債務増加)であると、円高要因としかならないはずだが、思ったほど円高にはならず、10円程度しか違いがない。また、15年度は前年と比べて、円高がそう進んだわけでもないし、純資産減少の殆どを公的部門が占めるというのも、解せない話である。


要するに、為替の調節機能は正しく動かないような、人為的な影響を受けているかもしれない、ということだな。

分かることは、アベ政治の結果により、日本人はどんどん貧乏にされている、ということだろう。まずは、そこに気付くべきだな。

因みに、10~11年度の減少幅の多くは、政府の短期国債の増加であり、見合いとして外貨準備高が大幅増となっていた(外貨準備高は14年度が最大で約151兆円、昨年度末は142.4兆円に減少)。理由として考えられるのは、いわゆる円高介入、の結果ではないかと。安住財務大臣時代、約9兆円超の為替介入を実施したものが原因であろう。


>https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0700F_X00C12A2MM0000/

財務省が同日発表した2011年10~12月期の為替介入実績によると、10月31日に1日の額としては過去最大の8兆722億円の介入後、11月1~4日で合計約1兆195億円の覆面介入を実施した。

 政府・日銀による覆面介入は、09年に発足した民主党政権では初めて。覆面介入によって投機的な円買いをけん制する狙いがあったとみられる。11月1~4日は1日当たり2000億~3000億円規模の介入を繰り返した。昨年10月31日から11月4日までの間に総額9兆916億円の為替介入を実施した。


======


しかし、15年度以降に為替介入は実施がないはずだし、いくら海外勢が国債投資を増加させた、といっても、保有高の増加額では説明が困難なことに変わりないわけである。

もっと見てゆくと、中央銀行、すなわち日銀の対外債務がここ3年て大幅に増加していることが分かる。

再掲17年度>https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2017.htm

中央銀行の現預金の項目において、日銀の対外債務が増大した、ということだ。
では、代わりに資産の何が増加したか?

>https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2018/ac180331.htm/

負債中の「その他預金」、これが海外中銀の預金として負債計上、ということだろう。実際、14年12月末には1.15兆円しか計上されてなかった預金額が、何と21兆円にまで膨張しているわけよ。20兆円も、日銀に預金しに来る中央銀行なんて、世界広しといえども、そうそうありますかね?wどうせ米国辺りなのでは?


理屈は、こうだ。
外国の中央銀行―例えばFRB―などが、日銀にわざわざ「預金しに来る」ってことらしいんですよ。ドルを預けると、どうなるか?
見合いの資産として、外貨建資産が計上されるはずでしょう?

ところが、日銀の外貨建資産は大した増加してないわけ。何故?
6兆円超程度しかない外貨建資産には、外国中銀が預金したお金はほぼ入ってない、ってことでは?w

単年のフローで見て、対外債務が超過なのだから、日銀はドル資産を円転するはずなのですね。どこで?為替市場で?
日銀がドル売り円買いをやっていると?w


それとも、FRBがどういうわけか知らないが、日本円をどこかで大量にゲットしてきたので、その円資産を日銀に預ける、ということですよ?それも「現金」で。現金で1兆円を預金しに来るのは、超難しいんじゃないですかね?


予想を言おうか?
3年かけて、20兆円を外国中央銀行が調達した、ってことですかね?
だとすると、公的部門の対外純資産が55兆円も減少した理由が見えてきますかね、って話ですわな。為替要因以外に、市場外の直接取引が、日銀と恐らくFRBとの間で行われた、ということでは?


しかも、ドルを現金で預金なんかできるわけないでしょ?普通は。
だが、FRBは通貨発行権があるので、無から1兆ドルを作り出すことは可能なのですよ。紙ペラ1枚に「1兆ドル」って書けば、そうなるから。ただ、その受け取り相手というのが、普通なら見つけられないわけですね。そのままだと、何の価値も持たないわけよ。
ビットコインと同じ。受け取る相手が「現実のカネ」と交換してくれて、初めて「使えるお金」になるというわけ。


なので、どんなにFRBが「1兆ドルだ!」って頑強に主張しても、引き取る相手が存在しない限り、そのままでは使えない。
が、信用って、借用書みたいなもんだから、日銀に「ほら、これを受け取れ」と押し付けたりすると、拒否できないんじゃないの?アベの影響力が大だから?


これが可能ってなると、どんなことができるのか?
FRBは米国の債券市場で米国債やMBS等の債券を100億ドル分、まず買ってしまう。日銀の国債買い入れみたいなものですわ。見合いの負債(例えば当座預金勘定)が本当にその100億ドル分存在するかどうか、なんてのは、誰にも確かめようがないので。

一方、中央銀行間取引と称して、日銀に100億ドルの現金で預金したことにする。それは証書のような、紙が1枚あればできてしまうだろう、恐らく。
これを担保として、見合いの日本円での貸出金を受け取る。すると、日銀の資産・負債は釣り合うでしょ?
これを、在日の米系金融機関の各口座に円資金として振り込ませる。各金融機関は円資金で日本国債や日本株式を購入できる。でも元は、FRBの預けた現金、が原資だったわけで、これを返却しなければならないはず、と。
そうすると、今度は米国内の保有資産のうち、米国債や米ドル建て債券をFRBに等価交換として、ドルで戻す。すると、FRBは日銀に預けたドルの現金分が、連銀の金庫に形を変えて戻ってきた、ってことになるでしょう?
(各金融機関では、米国本社の資産が減少しても、日本支店の資産が等価で増加するので、最終的な会計処理面では影響を受けないでしょう?)


100億ドルって書いた紙が、日銀に預けた途端に、円資金に変換され、その見合いのドル資産がFRBの金庫に戻るわけよ。すると、あら不思議、紙切れに100億ドルと書いたものが、現実のドル資産100億円分になって戻される、というわけよ。そうすると、最初に買い入れた100億ドル分の債券(資産)と、これと等価の負債が両建てで計上されることになるわな。

手に入れた負債側の100億ドル分の債券はどうするか?
これを市中で売却すると、買いオペと同等の効果なのでは?米国内の金融機関にあった現金が、これらFRBの債券と置換されることになるわけで、インフレ加速を何とか抑制しよう、ってことでしょ?

この方法だと、見掛け上為替市場を介するドル円の取引にはならなくできるのでは?しかも、どうやって入手したか不明だけど、外資系が日本円を今までよりも多く持っている、という謎も、氷解するような気がするけどw


米国経済で、物価が上がらない、インフレ率も低いまま、失業率も低いまま、財政赤字と経常収支赤字は拡大の一途、それでいてドル安という通貨減価が生じることもない、借入金利も低いまま、外貨準備高もまるで減らない、というのは、経済の姿として普通ではない、としか思えないわけだよ。そんなに都合のいいことだけが生じる環境って、考え難いものw
歴史的には、金や銀の流出超過、とかになるのが普通でしょう?そうならないのは、それなりのカラクリがあるから、では?


どこかにインチキの存在がないと、無理筋だものwww


今年から来年にかけて、米国債の大量償還が続くわけで、約1兆ドル級のファイナンスが2年間も続くとなれば、発行利率を何が何でも低く維持しておきたい、ってのが本音なんでしょ?

借換のうち、海外の買入比率がそれなりに高い場合、入札の消化ができない場合、米国債価格下落(金利上昇)を招くので、中国勢やその他海外勢が米国債の入手を敬遠するようなことにでもなれば、過去の巨額買い手だったサウジアラビアも以前ほど買い資金を持ってないし、消化しきれない、ということもあるかもよ?

外貨準備高の比較的多い中露やドイツが買わない姿勢をなれば、どうなるか?台湾、韓国あたりが買い支えることもまず難しいし、そうすると、いつもの「クライシス」アタック、ですかね?w

危機を演出できれば、皆、こぞって「安全資産の米国債」を買いに来るはず、とか?
まあ、大方、そんなような処ですわな。大半が借換なら、ロールオーバーに困るはずもないし、何なら日本人をいたぶって買わせることもできるし、ってか?


ああ、日銀が100兆円分くらい、買えばいいだけ、って?ww
借入残高が増加すれば、段々と金利条件は厳しくなり、金利が上がる、というのが、基本的な経済の原則のはずなのだが、何故か米国の連邦債務が20兆ドルを超えても、金利条件が悪化するということがないのは、どうみても変ですよねえ?
世界最大の対外純債務国の米国が、本当なら借金苦で火の車であるはずなのだが、ドル高という恩恵だけでのうのうと借金を重ね、他国経済を餌食にするのは到底許し難いってことさ。実態通りに、ただのインフレ水膨れ経済であることを認めて、正確な数字なりを出せばいいものを、隠したまんまなのだな。借金は、所詮、名目額でしかない、というのが、大英帝国の経験だったわけですしw


日本だって債務膨張じゃないか、って?
まあ、日本は病的なデフレ環境ですから、全然別ですのでw
それに、海外勢に買い支えてもらわなくとも、当面は自国内でどうにか工面できるし。


本当ならインフレ率の高い米国が、同じく猿真似をする必然性なんざ、あるわけなかろうに。不動産価格や家賃高騰を見ても、日本とは違う経済でしょ。


日銀に現金で預金しに来る外国中銀があってもいいけど、それで何のメリットが?預金だけして帰るなら、何の意味もなかろうにw微々たる利息が欲しいってか?そんなわけないんだよ。
「現金での預金」に見合う、別の何かが手に入るから、だろう?


これぞまさしく、無から生み出す錬金術ってやつですかねwww


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続・無能エリート気取りが支配する国、日本

2018年02月04日 17時32分04秒 | 経済関連
偶然どんぶらこと流れてたのを見かけたので。

>http://twilog.org/hongokucho/date-180204


アベ万歳派には手痛い分析等があるようで(笑)。どこまでも無能を続けるアベ万歳派の経済愚策と、それを後押しする経団連をはじめとする財界連中の不見識といったところか。日本経済が沈下する理由が分かるというものかも。


昨年にも書いたが、新たな意見も出てたようなので、追加的に。

17年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d3827e982e448b41e782caa3c0a52238


拙ブログでは、05年当時に指摘したものだが、その後の推移を見れば当時の財界だの産業政策だのの検討や立案をやっていた「有識者」連中の思考力の乏しさや無能さが明らかになったのでは?


05年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4ee2e6f5d86220bd0f7addd473a342c7

(再掲)


構造的問題もありますし、一部には労働集約型の産業に人員を多くとるのは労働生産性が落ちるのでよろしくない、というご意見もあるようです。確かにそういう業種に多くの人員を充てるというのは、日本全体で見ればよくない面もあるかもしれませんね。しかしながら、日本人全員が高い労働生産性だけの業種に従事しているかというと全く違いますし、能力が全員同じであればそりゃカッコイイ「カタカナ職業」とか、多額の金を右から左へと動かすような大きな取引などだけの職業に全員が就けばよいのです。やれるもんならやってみろ、と言いたいですけれども。はっきり言えば、半分以上の国民は、そんな大きな仕事はやっていないし、生産性が高い職種などに就けるほど求人需要もないだろうと思いますよ。もっと限定して、就業人口の半分以上はそんな職業になんて従事していない、ということを言っているんですよ。もっと切実な問題で、固定給がもらえるかどうかの瀬戸際の人々は沢山いるかもしれませんけれども。


労働集約型産業に雇用を増やしてそこに多くの人員が就業するのはよくない、と言った人は誰か発表して欲しいですね。どこのドイツが言ったのか、教えて欲しいものです。それならば、「お前が高い労働生産性の基幹産業を作れ。就業の需要を満たせるような環境を作ってみろ」って直接言ってあげますよ。多くの人々は、それはキレイな服を着て、手も汚れず、高い給料を貰えるクリエイティブなカッコイイ仕事に就きたいと願っていることでしょう。普通にそう思いますよ。ですがね、世の中そんなに甘くはないでしょうよ。何処にそんな仕事が余っていて、求人不足の業種がありますか?是非教えて欲しいですよ。今後、そういう仕事がごっそり余り、例えば今までフリーターやニートだった人とか結婚・出産後の女性や定年退職後の人達も生産性の高い仕事に就けるなら、そりゃもう大喜びですよ。労働集約型産業以外に、生産性の高い就業先をキッチリ用意してくれるでしょうから、そういう優秀な人には是非とも厚生労働大臣になってもらい、雇用・労働問題を解決して欲しいですね。絶対応援してあげますから。ですので、是非教えて欲しいということですね。




この記事に書いた当時の予想通り、その後も順調に医療介護分野の求人は増加し、アベやアベ万歳派が「アベノミクスの成果だ」と喧伝する有効求人倍率の増加のかなりの部分を占めている、ということですわな。


要するに、無能ボンクラ頭の「有識者」たちを頭数だけ並べて考えたって、所詮は役立たずってことでしょうかね?拙ブログみたいな、経済ド素人の常識以下でしか「思考できない」ってことでしょうか?

こういうバカが大勢いるせいで、12年もの時間を無駄にしたってわけですね。
いや、奴らの狙い通りに日本が勝手に潰れてくれた、ということかもしれん。



話はちょっと変わるが、最近のデトロイトの記事に遭遇した。

>https://wired.jp/2018/02/03/detroit-shinola/


破綻自治体の代名詞となってしまったデトロイトだったが、その後、徐々に再生の道を歩みだしている、ということのようだ。まだまだ道のりは長いが、諦めずに頑張って欲しい。日本では、夕張が再生できるような環境にはなってないので、困難なことだというのも分かる。


これも、08年リーマンショック後の話になるが、もう10年も経ってしまうんだな。

08年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0591b00a8dbec2b5e0b24ad74dcd0f78


救うべきでない、という全米の批判の嵐の中、拙ブログでは「いや、むしろ救うべきではないか」と書いたわけである。が、それも虚しく13年にはデトロイトは財政破綻に至ってしまった、ということだ。


(再掲)

家族の死は、勿論悲しい。おじいちゃんだって、お父さんだって、どっちも悲しむことには違いない。けれども、一家の生計とか収入状況を考えると、父親に死なれたら、それは大きな打撃を受けるだろうということは誰しも判るであろう。今の「ビッグ3」の死というのは、まさにそういう突然死に匹敵するものなのである。


かつて日本では、悪しき官業の代表格のように言われていた「国鉄」という国営事業があった。この鉄道事業を民営化しようということになり、当時の中曽根総理が民営化実行に踏み切ったのだった。約27万人以上いたといわれる国鉄職員は、約20万人程度まで減らされ、民営化会社に採用されない人々が外へ出された。この他にも、JRに採用されず他の業種に転職もせずに、ずっと残った人たちもいたのだった。彼らの労働問題は、今世紀に入ってもなお闘争が続けられていた。国鉄時代の労組で有名だった「国労」「動労」などの内部的ゴタゴタや、労働運動や組合活動そのものの衰退といったこともあったが、要するに、規模のかなり大きな産業の「ドラスティックな変化」というのを実行しようとすると、社会問題がかなり発生してくるということを言いたいのだ。民営化移行期には、国鉄職員の自殺などが数百人にものぼり、数千人規模の人々が労働・雇用などの長期紛争に巻き込まれていくことになった。米国であると労働者の流動性はかなり高いので、大量の失業者を生むような産業死があっても大丈夫なのかもしれないが、日本の労働市場がかなり硬直的ということを割り引いたとしても、労働者たちには大きな負荷を強いることになるだろう。

 (中略)

死にゆく過程が、ある程度長い経過を辿り、時間的に余裕があってでさえ、その対策に必要な社会的コストは小さいものではなかったろう。これが昨日まで現役バリバリの「アメリカ自動車産業」ということになると、それが死ぬことによって発生する必要コストは、現在検討されている支援額レベルでは到底済まないと思われる。このことは、GMの会長が公聴会で述べた通りで、その主張は支持できる。米国人ならば、日本人労働者のように自殺する人たちが多数出るとは思わないが、失業に伴う社会的援助の増加や消費減少のマイナス影響は無視できるようなレベルではないだろう。ましてや、今の経済環境下で起こってしまうのは、産業死を超えて全産業にダメージを与えるだろう。

アメリカでも、かつて町が死んだ経験を持つだろう。例えばゴールド・ラッシュ時代の、田舎町のようなものだ。あるいは、石油事業で潤った町でもいい。デトロイトをどうしても廃墟にしたいのなら別だが、雇用の受け皿や代替産業が育たずに一大産業が突然死を迎えたら、地域社会は壊滅的ダメージを受けることになるだろう。残されるのは、移動できない貧しい人たちや体の弱い高齢者たちなどだ。多くの米国国民がそれを望んでいるなら、それも仕方のないことだろう。私にはどうすることもできないが、正しさというものは時として人々を不幸にする、ということを考えてから、慎重に選択して欲しいと思う。


=======


米国の自動車産業は瀕死となり、実際にデトロイトは廃墟が拡大したようだ。そして、市の財政破綻。
今は、その復活途上であり、まだまだ産業構造の転換は時間がかかるだろう。そうした痛みもあって、大統領選ではトランプが勝つに至ったわけでしょう?

人が戻れば、段々と復活してゆく部分はあるだろう。
都市の再生って、米国での例は全く知らないんだが、古いものも価値があると見做されるようになるかもしれないし、何とか頑張って欲しい。いずれは、「ロボコップ」を雇えるようになるまで復活するやもしれぬ。その日まで、応援しているよ。


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最低賃金に関する議論~6 大竹文雄阪大教授の空疎な議論

2017年04月25日 20時20分26秒 | 経済関連
上限金利規制の時にも、大竹先生のご意見には、疑問点が尽きなかったわけだが。
最低賃金についても、やはり同様であり、この人は基本的にデータを見て考える、ということがないのだろうか?


>http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/13j014.pdf


中身はお読み下さればと思いますが、海外の実証分析に関する論文については、非常に参考になります。これは素直に、勉強になり、有難うございます。ですが、では、実際に、日本での現象面ではどうなのかな、という点について、何らの有益な考察というものがないわけです。まさに、机上の空論的な、中身のない論が提示されているわけです。


ええ、ええ、分かりますよ、経済学ですよね、経済学。
経済学の基本的な思考パターンを知るにはいいのかもしれませんが、研究をするべき経済学の人があまりに貧弱であり、何も分からないに等しいでしょうね。いつまで、こういう「経済学の屁理屈」を振り回すだけのレベルに甘んじる積りなのでしょう?


多くの国民にとって、求めているのは現実の処方箋であり、それは政策レベルに乗せるものでしょう。こんな現実の議論に耐えられない論を提示して満足しているだけの経済学研究とは、一体何なのでしょう?


何と言うか、バカバカしいと言いたくなる気分です。最低賃金を引き上げると、雇用が失われる、と。その論はどの程度正しいのか、自覚したことがあるのでしょうか?

ならば、実証分析でもやって、もっと有効な政策論を出せばよいのでは?
それすらもできない、というのに、主張している自説の正しささえも、満足に示せてないのでは?


これが、日本の経済学の第一人者とか、経済学の最前線?とかなのでしょうか。


まず、日本の最低賃金は、長期的かつ持続的に引き上げられてきました。ならば、経済学者は「低賃金層の雇用が失われたんだ」と主張するんでしょうかね?それなら、最低賃金付近の労働者数は激減したのではないですか?


>http://www.fukuho-tokyo.jp/bt/updata/bt_20150729151219.pdf

東京都を例に見れば、03年の708円から、うなぎ上りに上がったんじゃありませんか?
最近だと、15年は907円、16年には932円と引き上げられてますが?

932円なら、03年の約31.6%増となりますね。すると、経済学者の弁を借りれば、雇用が失われるんだと。本当ですか?

常識すらないのでしょうか?
所謂、パートやアルバイトなどの非正規雇用者数は、増加の一途だったのではありませんか?(派遣、契約、嘱託も含むが)

正規雇用の人たちは、大抵の場合、最低賃金よりも高い水準のことが多いでしょう。なら、最低賃金が適用されがちなのは、まさしくこれらの非正規雇用者たちなのでは?


>http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000120286.pdf

非正規雇用は、この資料によれば、04年の1564万人から、2016年の2016万人に大幅に増加してますね。年号と同じですね、偶然。憶えやすいかも。
大竹教授は、長期変化を見るのが大事だ、と言っていたわけですが、03年から論説を書いた13年まで見たって同じ傾向であることは、簡単に分かるでしょう。それを確認することも、自分のお説が妥当なのかどうかを検討することさえも、できないのでしょうか。

話を戻しますが、04年から16年では452万人増加しているわけです。パートやアルバイトの比率が年毎には分からないですが、直近の昨年だとパート984万人、アルバイト414万人で合計1398万人で非正規雇用の約7割です。907円から932円と大幅に引き上げられたにも関わらず、前年よりパート、アルバイトは32万人も増加しているわけです。

この長期トレンドはほぼ変わらないでしょう。パートは増えているということですよ。恐らく、最低賃金に影響されがちな層ということです。


だとすると、最低賃金が持続的に引き上げられてきたのに、パートやアルバイトが激減するかと思いきや、全く逆で連続して増加しているではありませんか。これを、どう説明するのです?大竹教授は。


新卒採用でも似てますね。
賃金が増加したからといって、雇用者数が減らされるというわけでもありますまい。


全体調査ではないですが、民間求人の動向がわかります
  >http://www.works-i.com/pdf/160421_kyuujin.pdf


例えば、安倍政権後の求人倍率は回復してますが、初任給は上がってますね。それより、少し前のグラフとかも。

>http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/16/dl/02.pdf
>http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/12/01.html


これらデータから窺われることは、大竹教授の主張がどれほど正しいのか、かえって、かなり疑問である、ということです。


日本の経済学というのは、基本的に「よく考えてみる」ということがないのでしょうか?


拙ブログの想定する理由というのは、違ったものですね。

正規雇用が減って、非正規雇用を増やす、というのは、企業行動としては、「経費負担を減らす」と考えれば妥当なものです。人件費は、社会保障負担や退職金・企業年金も含めて考えると、正規雇用というのはかなりの大きな負担となるでしょう。しかも、政策的に、厚生年金の料率引き上げや健康保険も同じく料率(健保組合負担)引き上げが行われたきたわけですから、それをできるだけ回避したいということです。

よって、非正規雇用の増加は、正規雇用者の代替という部分が大きかったものと思います。だからといって、最低賃金が上がるので雇用量を減らす、という動機に必ずしも結び付かないのではないかと思えます。

影響を受けやすいと想定されるのは、、零細でどうにかやっている会社とか個人経営でバイトを少し置いてるような店とかではないかと思いますが、その程度の賃金増加に耐えられないなら、退出するのもやむを得ないのではないかと。倒産理由で、人件費増加を挙げている例はそう多くはなかったと思います。勿論、経費増加のうち人件費は小さくはないですが、基本的には売上減少(=市場の需要不足)、みたいなものが多かったのではないかと。売上が大幅に落ち込むから、人件費が払えなくなり、その他費用も払えず廃業に至る、ということで、人件費高騰のせいで、同じだけ売上があったのに経営が立ちゆかなくなる、というケースは割と少ないのでは。


最低賃金の引き上げはあったものの、社会全体で見れば、失われた「企業負担」(例えば支給する賃金と社会保障負担分)はずっと大きく、引き上げ効果よりも、喪失の影響度の方が大きかったかもしれない、ということです。生涯賃金の差、とか言われてたと思いますが、そういう違い、ということであり、それは最低賃金引き上げくらいでは、到底埋め合わせることができない程の開き、という意味です。


これで、最低賃金の引き上げさえなかったら、弱い立場の労働者がかなり不利に追い込まれていたはずで、経済学者の言う「机上の経済学理論」での損失云々のレベルではないと思いますね。


参考までに、日本の物価水準を理解する上で、役に立つかも。ビッグマック指数。
>http://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html


為替水準云々ではなく、日本が、韓国やタイよりも下位に位置しているんだ、ということは、とても参考になる、という意味です。


日本の経済学がダメな理由、それは、満足に検討もできず、自力で自分の主張が妥当かどうかさえ考える能力を欠いているから、ではないでしょうか?


そうではない、というなら、経済学の理屈の上で、答えを出すよう努力すべきですね。何の為の学問なのでしょう?


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続・経済学分野は、なぜ周回遅れの無駄な議論が多いのか

2017年04月10日 19時22分16秒 | 経済関連
ツイッター界隈で、経済学が役立たず?といった疑念が出たりしてたの?
まあ、気持ちは分からないではない。当方にも、「日本の経済学の世界はあんまりだ」と思った経験が昔にあったので(笑)。


何を今更言い出すのかと思えば、こんな学生みたいなことを言うんですね。

>http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/17p008.html

第1に、政策実務者の調査・分析スキルの向上というインフラ整備が重要である。そのための小さな第一歩は、政策文書において参照文献の引用を適切に行うことである。第2に、学者・研究者の政策現場への理解増進が必要であり、少なくとも専門分野に関連する白書や報告書に目を通し、フィードバックすることを期待したい。第3に、政策実務者と学者の交流拡大である。第4に、EBPにとっては良質なデータが不可欠であり、企業や個人レベルのパネルデータの整備、政府統計を含む各種データと政策情報のリンクが重要である。


もうね、苦笑いしかないですわ。今まで何をどう考え、実践してきたの?要するに、インチキ祈祷師みたいな連中が、あることないこと言い立てて、それを後生大事にしてきた世界ってことでしょう?言った者勝ち、という世界。



典型的なのは、「りふれは」連中と対立勢ですよね。彼らのネット上での行動などを見るようになって、経済学の世界に対する疑念は一層深まりましたしね。

政治中枢に近い政策担当者たちでさえ、大きな違いが見出せないという点で、日本の経済運営の失敗が分かるような気がしました。ああ、これではダメだな、と。喩えて言えば、リファレンスをきちんと書けない、提供を受けてる資金や利害関係についても書けない、といったようなことですわな。卒論でも、論文の書き方に則っているとは思えないような指導しかしてないようでは、身に付くわけもなく。

「良質なデータ」以前に、まず普通に公開されている、調べれば素人でも分かる公的データですら、満足に確かめていない連中(学者や研究者を名乗っているようある)が大勢いるわけで、議論以前の問題。いくら良質なデータを用意できるインフラだけあっても、分析できないんじゃ何の意味もない(笑)。まずは、データを確認するという基本を身につけないと。


ところで元大臣の大田さんは公共政策大学院大学の学長だったか教授でしたよね?その大学院大学とやらは、院生の過半が官僚さんか役人の人が来てたんじゃなかったでしたか?それに、霞が関エリート官僚さんたちは、海外留学を経験してるでしょう?
なら、基本的な学問の手法とかお作法について、トレーニングを積んでるのではありませんか?文献の読み方が分からないとか、引用ができないってことはないのでは?それができてないなら、公共政策大学院大学の存在意義が問われることになるんじゃないですかねえ。何の為の教育なんですか、と。


また、官僚の大多数がうまくできてない、ということなら、大学生時代の受けた教育そのものに問題があった、ということでは?それは、経済学の大学教員の問題であるということだ。


なので、日本での経済学分野に関連する人たちの議論というのは、曖昧とか意味不明とか事実に反するとか、何でもアリな感じになっていることが多々ある。最低限、データを見てから言えよ、というようなことでさえ、きちんと守られてないんじゃないかと思うことは少なくない。
「~である」と豪語する連中は多いが、「~」の部分を立論できる根拠があるかといえば、それは殆どの場合、そんな大きなことは言えないかも、という程度なのだ。にも関わらず、事実関係を確かめたりしたわけでもなく、明確な根拠を提示できないのに、結論だけはいとも簡単に断定している学者風の人たちはいるでしょうな。例えば「倒産件数が増えた」という時、データを調べようね、ということと、一部データの都合のよい切り取りはアウトだね、というのは、最低限の確認事項でしょう。


せめて大学教授とかの肩書で語るなら、具体的な論文を書くべきだと言ったりしてきたが、「りふれは」勢はただの一本のペーパーも出せないみたい。10年以上経っているのに、だ。
けど、本だけは出すんだって。本というのは、論文と同等のものなの?それは、自分が言いたいこと、書きたいことだけ書いた結果を集めたものではないのですか?

査読論文を出せば、「りふれは」の理論がいかに正しく、一般のザコ経済学理論が間違っているのか、一目瞭然にできるのではありませんか?
なのに、何故、誰も「りふれは」の根幹をなす理論について、日本語論文(英語でもいいけど)さえ出せないのだね?専門家同士の批判を浴びて、洗練されれば、他の経済学の学者だの研究者たちだのを、十分納得させ、社会(政治家・政策担当者・一般国民)をも説得できる、強力な武器になるのではありませんか?


でも、これといった代表的論文を、誰も書けない、と。
どういうことなんだろうね。5ページくらいであろうと、まずは出せばいいのに。長いのがいいと限ってるわけじゃないんだし。それは学術的議論には耐えられない、ということの裏返しですかね?違うなら、結果を出すべきだよね。


日本の経済学分野では、学術誌はどこかにあるんだろうけれども、それは実務とは遠い世界のものかもしれず、現実の政策決定の場面ではあまり利用されてないという可能性があります。
著書に、好きなことを書いて、多くのことを言おうとする気持ちは分からないではありませんが、いっぺんに沢山のことを言うのではなく、小さい事実を積み重ねることも必要ではないかと思いますね。その方が、大勢の研究者の手を借りられるので、研究が進みやすいかもしれないし。


法学の人たちにも共通するように思うが、きちんと学会なりで基本的な用語の定義を決めるべきと思います。議論の土台となるべき「専門用語」が、論者により意味が違って用いられていると、それでは学術研究になっていないのでは?

それは、どの経済学者に尋ねても、基本的に同一の答えが返ってくる、ということをもたらします。経済学者間の共通理解さえないのであれば、いつまで経っても体系的な研究推進なり、研究成果なりが得られないのでは?

経済学の学会が中心となって、学会の基本的部分や、共通部分の土台を構築するのは、一般的なのでは。日本の経済学には、「標準」に該当する基礎部分が欠落しているように思われる。


あと、日銀やesriのペーパーは論文体裁としては、割とそれなりになっていることが多いと思うので、政策担当者たちは勉強する機会を設けてみては?
毎週○曜日の朝は、メンバーが順番に論文を紹介し、概要等を解説・質疑も担当者が受けて答える、というような。偉くなった人たちは忙しくて参加できないなら、比較的年次の低い若手中心でやるとか。始業前の、任意の勉強会だけどな(笑)。

例えば「FTPLに関する論文A」を選んだとして、内容を解説するのと、参加者たちから質問が出るので、それに返答しなくてはならない。返答する為には、自分自身がよく理解しておく必要があるし、周辺論文を調べたり読んでおくとか、最近の議論のテーマはどういうものがあるか知っておく必要があるとか、勉強になることは多いと思うわけですよ。


大体、研究者と標榜していたって、ろくに文献や白書やらを読んでもいないという人たちは多いわけで、そんなんでは学術面での水準が向上するということなど到底期待できんでしょうな。まずは、教授クラスをどうにかした方がよいのでは?


あーだこうだ、と議論になったら、「Xというペーパーをお読みください」と提示すれば、ある程度時間の浪費を回避できるものを、そういう蓄積が乏しく、共通の土台とか理解が存在してないので、延々と同じ質問なり議論が蒸し返されることになるのである。


そういうことを、誰もおかしいと感じてこなかったのか?
日本の経済学の「学界」というものは。
それが、あまりに謎過ぎるのである。


ああ、専門家でも何でもないド素人に、あれこれ言われたくないわ、それはお前が経済学を全然知らないからだ、といった批判はあるかも。確かにそうです。けど、素人から見ても、余りに酷い状態になっているとしか思えないですね。



参考:

EBPM(Evidence based policy making)という観点から、経済財政諮問会議を批判した記事がこれだ。拙ブログは、経済素人であるが、普通に考えるでしょうに。素人ですら、一回りも前に気付ける程度のことを、12年も経った今になって「EBPが…でんでんw」って言いだす経産研の気が知れんわ。

05年9月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/c45eedda9a203837477c5a8278db2f19


一方、経済学者等、専門家たちは、自らの経済学的分析結果について、その後、誰か検証したりしましたか?

例えば>http://www5.cao.go.jp/j-j/kozo/2005-12/point.pdf

岩本康志東大教授は、自らの分析結果については、どういった評価をされているのか?経済学者自身が、PDCAサイクルなんぞ回してはいないという見本なのでは?

屁理屈で分析をやった、政策決定に大きな影響力を誇った、で、その結末はどうだったの?
政策は、妥当性が高かったのか?それとも不十分だったのか?こうした事前分析は何がどう役立ち、どこが不備だったのか?無駄だったのか?


経済学の連中は、そういう具体的な方策を自ら検証したりはできんのだよ。言いっ放し、やりっ放し、評価も反省もなし、そういうことでは実践では使えんね、ってことになりがちでは?だって、過去の知見を「次に活かす」という、基本姿勢が欠落しているから。だから、同じような失敗を積み重ねるだけなんだよ。同じ種類の毒キノコ食って、まんまと中毒になってるようなもんだ。
学問も、知識も、データも役に立ってないのさ。だって、自分たち自身が、活用しようとしないから。だから、いつまで経っても、蓄積の効果がないんだわ。

福島原発事故と同じだな。態度と、思考の根本において。
それで学問と言えるのかね?



それから、データをどう用いるか、という批判等。

06年11月
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/94b7bbd3d914ebf85129940256f53ebc


その他諸々:

10年8月
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e8394844963d7edcde10376abb8b3196

12年10月
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/df7d3aa0138ab4ad8af5571420140704
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/801cbb53e39bf3cfb73f3ba326833dc7


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インフレ・ターゲット政策への理解が乏しいのか?

2016年12月27日 19時49分05秒 | 経済関連
銀行、殊にメガバンクの保有する国債残高が減少してきた、という報道があったようだ。


>http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF16H0W_U6A221C1NN1000/


民間銀行が持つ国債が減っている。日銀の黒田東彦総裁が就任した2013年3月と比べるとほぼ半減した。長短金利を操作する新たな政策の枠組みのもと、金利は低い水準で推移しており、かつては資金運用の主軸であった国債での運用は一段と難しくなっている。

 日銀がまとめた「国内銀行の資産・負債等(銀行勘定)」によると、メガバンクや地銀が保有している国債の合計残高は10月末時点で84兆4419億円。リーマン・ショックがあった08年9月末以来8年ぶりの少なさだ。13年3月末は166兆6255億円だった。


=========


これは、黒田日銀の緩和策が実施される以前から、想定されていたものであり、政策効果がそこそこ発揮されたものと受け止めている。事前想定の通りに推移しているなら、予知性という点において事前検討が無駄ではなかった、と考えている。


当時から、あれほど油断は禁物、と警告しておいたのに、お調子者どもは短絡思考でしかないせいなのか、局地戦に勝った勝ったと浮かれるわけだ。


13年4月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a4d28c16b8213b7eb0fb57fb0d2536f5

一部の浮ついた「りふれは」連中なんかは、大戦果に狂喜乱舞の様相のようだが、愚か者たちには今後が大事なんだということが理解できないのであろうか。ヤツらは、自分の主張を通すことが目的であって、「政策実行の効果、結果」というものが大事なのだという視点が決定的に欠けているのだろう。

(中略)

多くの記者諸氏は気づいていないんじゃないかと思うが、元々は白川前総裁が記者会見で説明していた「機械的に計算してみると…」という数字の意味を覚えているかね?
あの近未来の「マネタリーベースの水準」というのが、今後13年末に向けてどのくらいまで到達するか、という説明を聞かされた時、白川前総裁の意図する所がぼくには何となく判っていた。


今回の黒田総裁の出した水準は、それに加えて上積みということではありますけれども、白川時代の数字とよく見比べてみるとよい。拙ブログには、白川総裁に向けて「ピッチが届かなかった」と申し上げたわけですが、新体制下では、偶然にもそのピッチの上積みが実現されることになった、と受け止めている。


今後は、国債価格が反転して、金利上昇局面となってゆくことが起こらなければならないわけで、それは「銀行から国債を引き剥がす」ということでもあるわけだ。

日銀が競合して国債を買うことで、銀行は別な資金の振り向け先を探さざるを得なくなる、ということだ。当預残高の上乗せというのは、ある種の「飽和攻撃大作戦」のようなものであり、金融機関と国債の結合度を低下させ、国債買いに銀行資金が向かうのを阻害する、という機能が期待されるだろう。


だから、国債買いに資金が集まらなくなっていかないと、マネーストックの増加率があまり伸びないということになる。現実の結果として、量的質的緩和策が効果を発揮したかどうかは、待つより他ないのである。



=========


良かった、というのは、そういう意味だ。
政策効果が事前予測の通りに推移するかどうか、そこが大事なんだから。そして、国債保有残高は目論見通り減った、ということであり、その資金は別に向かったはず、ということだ。



それと、インフレ・ターゲット政策が白川前総裁が述べていたような「フレキシブル」なもの、ということの意味が、山形浩生あたりには理解できないのかもしれないが、これも当時から説明しておいた。

金融政策の効果が最大になるというのが、「総裁のクビ」と捉えているなら、日銀総裁は「インフレ期待」を自由自在に操り調節できる、とでも思っているのだろうか?

政策に失敗したらクビにするなら、総裁は「ワタシ、失敗しないので」式に、インフレ目標を達成できるとでも?

そういう発想が理解できない。
というか、そんなに簡単に解決できるなら、とっくの昔にデフレ脱却できてるだろうに。


傲慢である。或いは、自己の経済学知識とか、金融政策に関する知識と効果について、過信してるとしか思えないわけだよ。そんなに簡単なものではなかろうに。


で、現実世界では、黒田総裁も岩田副総裁も、事前の宣言通りに辞任なんかしたのかね?(笑)

2年で達成の目標が達成できなければ、「フレキシブルじゃないインフレ・ターゲット政策」の餌食となってもらい、クビにせよ、と?
そのような発想を、愚かと呼ぶに相応しい。


拙ブログでは、そうした金融政策の在り方は、効果があると思ってないし、実際的ではない、と言っておいたよな?
所詮は、「りふれは」連中の多くは、その程度のものだったということではないかね。


13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/36cd62a872d26763faeeaf7f37bd65a2

(再掲)

かつて、インフレーション・ターゲティング政策というのは、目標が達成できなければ総裁(や執行部)を「更迭する」といったような人事権を掌握し、これを「ムチ」として用いることで、政治的強権を背景に目標達成を強いる、という暗いイメージ(笑)があったわけです。
金融政策効果としては、人事権の有無というのが決定的な要因かどうかというのは疑問の余地がある(確か文献的には関係ない、だったかな?)わけですが、90年代はじめくらいまでというのはそういうのを称して「インフレ・ターゲット政策だ」と強硬に主張してきた人たちがいたわけです(その認識のまんま今に至っている方々は、はやり同様に「クビにできなければインタゲの意味がない、効果がでない」などと言い張っているかもしれません)。そうした、どちらかと言えば近年の”modified”インタゲではなく、よりオリジナルのインタゲを意識しているとなれば、最大効果を狙うべく「辞任」という責任の形に言及したものであろう、ということです。
白川前総裁が言っていたフレキシブルなインフレ・ターゲット政策というのは、旧来型の「特定指標・数値(=CPIで2%)」と目標の達成と未達(=失敗なら更迭)という、極めて機械的な政策とは異なる、ということです。日銀の出したインフレ目標政策というのは、紋切り型の枠組みではありません。


========


仮に、そうした人事権で未達の場合にクビにする方式を、rigidなインフレ・ターゲット政策と呼ぶことにしよう。
フレキシブルなのは、目標とするレンジを自由に変更してもよいということではないですよ。例えば、「2%±0.5%」と目標レンジを決めるなら、それはそれでいいでしょう。


しかし、「2年」で達成と言ってたのに2年を超えると「はい、アウト」ってクビなのが本当に良いのか?或いは、買入額が「80兆円」っていうのがきっちりその額じゃないとダメなのか?国債指標金利が「0%」だったら、それを超えるとアウトなのか?


そういうのは、その局面で、或いは将来見通しとして、どうするのが適切なのか、というのは、違いが生まれることは避けられないのではないのか、ということなのですよ。

2年と宣言したとしても、その見通しが違ったからとて、2年という期日に拘る理由とは何だ?2年は、金融政策効果の判定基準に、何らかの意味を持つのか?


そうじゃないでしょ。
本気で考えたことがあるのか?
できもしないこと、できそうにないことを、平気で語る連中が多すぎて嫌になるわけですわ。


何度も再掲してるが、また書いておくわ。


これまで日本は「失われた20年」を過ごしてきました。
そして、デフレは15年にも及ぶ長期となってきたこともご存じの通りです。これから日銀が行うのは、史上最大の、過去に例のなかった挑戦です。ある意味では、日本経済を舞台にした、壮大な実験です。

またヘンな喩えで申し訳ありませんが、誰も見たこともないような「巨大な大浴場を沸かす」という作業を実行するようなものだ、ということなのです。これを成功させなければなりません。この大きな風呂は、過去のデフレ期間に魔物が成長するように巨大化してしまいました。しかもこの風呂には、人類史上最大規模の「国債プール」というものが付いています。これらを含めて、風呂が「いい湯加減」になるようにすることが求められるのです。


=======


風呂の温度が思ったより上がって行かない、という時、連結されている緩衝用の水が大量に入ってる「国債プール」に貯まってる水量が事前の予想よりもずっと冷たいとか量が多かったとしたら?誰も見たことのない規模のプールなんだぞ?そんなに最初から正確に分かるもんなのか?


つまり、適宜対応するしかなかろう、って言っているんだわ。予想と違うなら、どういう感じで違うのか、火力を上げるべきか、緩衝用プールの弁の開閉を調節するのがいいのか、別の逃がしルートに流れるようにした方がいいのか、とか、色々と方策があるだろ?


更には、折角温めてきたのに、激冷えの氷水を大量にぶっ込んでくる、アベ政権と財務省とかみたいなのだっているんだぞ?
冷えるだろ、どう考えたって。

なら、温める為に、風呂の火力を大幅に強化するとか、必要になるだろ?時間が長くかかっていいなら、火力が同じでも、待ってさえいえば、いつかは上がるかもしれないし。

そういうことって、局面ごとに違うって言ってるんだ。対処するのは、柔軟にやっていかないと、目標値はあくまで目標であって、対応は厳密に事前予測通りに事が運ぶわけじゃないってことなんだわ。そんなこと、やる前から、誰でも気付ける話だろうに。何故、これが分からないのだろうか、と不思議でならんわ。


で、結局は、”rigidな”インフレ・ターゲット政策を支持し、主張していた人間の言ってたことが正しかった、と実証されたんですかね?

現実は、どうなのですか?

黒田総裁と岩田副総裁の代弁者ではないんですが、当方がもし代わりに発言してよいなら、「rigidなインフレ・ターゲット論者の主張を採用してなくてよかった」、ではないですかね?


風呂にいちいち氷水をぶっ込んでくる連中のせいで、クビになってたら、誰も実現なんぞできんわな(笑)。あれだ、シーズン途中で監督をクビにすれば、必ず優勝できる式の発想のプロスポーツ球団みたいなものか?クビにできる権限があったからって、勝つわけでもあるまいに。


総裁のクビを賭ければいい、とか、そういう問題ではないのですよ。純粋に、政策効果の発現を予想したり、考えたり、修正したり、という具体的な実務面での、理屈が間違っている人々が殆どだった、ということではないですかね?(笑)


それは、日銀のせいばかりではない、ということですよ。
日銀批判派も同罪だった、ってことです。しかも、一度や二度言うくらいでは、自覚できない連中が多すぎるってことです。


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FTPLは2000年代前半のオワコンだったんじゃないの?

2016年12月26日 16時48分36秒 | 経済関連
何かよく分からんが、ネット界隈で再び「FTPLの亡霊」が復活してきたようだ。経済学の話題も、ゾンビと同じで(笑)、時折周期的に復活するネタというのがあるのだろうか?


日本が2000年初頭のデフレに陥った際、こうした話題というのは、大体1度は議論の俎上に上っていたのではなかったか。
当の日銀さんだって、網羅的に様々な論点を調べてきたわけで、当方でも一度は目にしてきたものであった。


例えばこんなの>http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/2002/yoyaku/kk21-3-2.html


日本のデフレというのは、かなり珍しい現象であり、理由とか原因について整合的説明というのは、これといった決定版が存在してこなかったわけです。02年なら、まだまだ「不良債権説」「銀行機能がダメだ説」が横行してたので、どうしようもなかったんですがね。


昨今でも(といっても数年前だが)、例えば佐藤審議委員の講演などでも触れられていました。

>https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140319d1.pdf


日本においては、財政政策の拡張というのがデフレに効果がないとされてきたのは、リカーディアン、Non-R論争だけではなく、実証面でかなり疑わしいというか、日本のデフレを解決するのには「更なる財政拡張はFTPLからすると効果がるとは言えない」的に説明されていたはずでは?


拙ブログでも、日本のデフレの謎について取り組んだ06年初め頃には、参考に見たことはありますが、財政政策による物価水準の決定を頭から信じたというものではなかったように思います。


06年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9df0d7389cc8e81550399ce67c8baa39



その数年後に、日銀の若手研究者?のペーパーでも取り上げたことがあります。「Expected Burden View」の話でしたね。

10年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e8394844963d7edcde10376abb8b3196


(再掲)

本ペーパーの最後の脚注にもありましたけれど、rが低下するなら、物価Pを上げるにはSを小さくするということになるわけで、そうすると財政出動をするべき、ということになるんじゃないですかね。
それとも、Bを大きくするということなら、やはり「国債買入」をやって国債価格を上げる(利回り低下)ことを正当化できる、ってことを意味するように思うんですけど、どうなんでしょうか。

そういう「Pを上げる」手段を考えるのは、いけないことなのでしょうか?(笑)


=======


日本の長期データが揃ったのですから、「財政余剰」がどの程度物価水準の決定、すなわちデフレに効果があったのか、これを検討してみたらよいのではないでしょうか。FTPLの理論としての有用性というか、どの程度使えそうなのか、日本にはうまく当てはまるのか、そういったことを研究すればよいのでは?


ただ、日本の債務残高がうなぎ上りに累積してきたことを考えると、原因と結果の繋がりとかがよく分かりませんね。財政債務が物価を決めるのか、物価のせいで財政赤字の累積が悪化したのか、みたいなことです。


少なくとも日本においては、名目成長率の著しい低空飛行が起こったので、対GDP比で財政赤字が悪化したものと思いますので、デフレ期は割引率が普通の国の経済とは全く違っており、符号の逆転かと思うくらいに違うんじゃなかろうか、みたいな話ですね。そうじゃなけりゃ、かつての常識的に言うなら、発散してますよね、という水準かと思えるので。


FTPLに家計と国があるが、企業とは違うので、日本では企業行動が大きく影響していたものと思いますね。FTPLの面白いと思える部分は、家計の行動が物価水準を決めるという点であり、日本人なら節約志向&将来不安で貯蓄増、みたいな防御的行動なのではないかと。


それは、金融企業も、非金融企業でも、という意味です。そして、根本的には、賃金抑制、ここに大きな理由がある、というのが、10年前からの拙ブログの見解であり、その行動変更をもたらしたものは、やはり倒産や貸し剥がし等の97年以降の大変化だったのだろう、と。


理論としては、まあ、そういうのもあるのか、という程度であって、画期的な見方を提供してくれるものではないように思え、当方の中では所謂「オワコン」の類かな、と思っています(笑、すまん、研究者でもないのに、偉そうな判決を下して。悪気はないです)。


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新生銀行は何故公的資金を返済しないのか

2016年12月03日 13時30分24秒 | 経済関連
これも、拙ブログでは毎度お馴染みのネタですね。

>http://www.sankei.com/economy/news/160622/ecn1606220035-n1.html


新生銀行の公的資金返済の壁になってるのは、「マイナス金利」だそうで。大爆笑でしょ?
何でもかんでも、「かぶれ」た無能がやった結果が、これなんだろうよ。


石原都知事のやった新銀行東京も、木村のやった日本振興銀行も、どれもこれもこのザマでしょうに。

08年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/1605e25fb9c192be597c3ed74feb7b15


これが、金融改革だの金融ビッグバンだのと旗振りをやってた、90年代以降の日本の政治家たちの招いた惨状なのだ。


08年から、何年経ったと思っているのだね?
あれ?おかしいなあ。

GE系から高値で貸金業を買収してたはずなのに、それでも儲けを出して、株主価値を高めて、公的資金返済に結びつけることができないってのは、一体全体どういうことなのかね?


で、新生銀行を上場させて、暴利をぼったくった連中の懐には、巨額マネーが転がり込んで、それは公的資金返済原資の足しにすらできない、ってことですかね。


こんなことがもし米国で行われたとしたら、司法省なり財務省なり、担当はどこか知らんけど、全力で「司法取引しろ」といって、巨額資金支払いを地の果てまで追いかけてきて、やるんじゃないですかねえ。



外資系銀行は素晴らしい派の連中は、何故新生銀行の不届きについて追及しないのだね?

例えば、「かんぽの宿」の30億円や50億円の赤字に散々文句を並べてた連中が大勢いたはずだが、新銀行東京につぎ込んだ1400億円はその何十年分かの損失なわけだが、これを問題視しないのは何か理由でもあるのかね?


新生銀行の公的資金の残債務は約3500億円らしいが、これを取り返せるはずだったんじゃないのかね?


08年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/75c7dbaf839fa780e0ecb8863ae54243

   同>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/636b5b3f7cdd21ed92fe04ee591c8501



因みに、あおぞら銀行は、返済が終わったらしいですぜ?

なのに、新生銀行は、GE系から高額買収をやってきたにも関わらず、国に返済資金が払えないってのは、どういう了見で?



07年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/870b443fe477ce5d2d6fa83d25c81739

08年5月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d69462dce7fb0c8efa2e77e2e047fab6


レイクを買ってさぞかし大儲けできたことでしょう。ところが、これまた大笑いの結果が。
今期の中間決算ですね。

>http://www.shinseibank.com/corporate/ir/quarterly_results/quarterly_results_2016/pdf/2qfy16announcement161102j.pdf


資料を見ると、中間期の与信費用が大幅マイナスに転落しており、管理債権比率が1%未満なのに、約150億円規模のマイナス収支ですと。
これは、個人向け消費者金融の貸出残高が増加した結果、恐らくその貸倒損失に関する費用の増加があったのかも、ということでしょうね。引当金を多く積まされた、とかそういうことかもしれませんが(現実損にならなければ、戻入で後日利益増加要因になるかもしれない)、レイク買収が利益増加にそれほど貢献しているようでもなさそうですがね。




それでも懲りずに、TPPの大絶賛大会をやってきた政官財界の、まあ、奴隷っぷりと言ったらないわな。
ところで、野菜工場は、その後に拡大したのでしょうかね?


12年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/17674e30b8d66633bebb118297a56bfb


会社は安定操業ができているのか、気になるところですね。被災地でもあったわけですし。


アベ政権のJA全中・農協への攻撃、全農イジメだって、そういうのは、何年も前から予想できていた事柄の一部でしかありませんよ。

2011年9月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a02ea8f146757cc8ab4fab6621fcf58d

(再掲)

日本には、お前のトコの農協が悪い、労働組合が悪だ、あれこれ規制が悪い、と文句を言ってくるのだが、自分の国の制度は規制をがっちり守ったままなのだな。大笑い。貸金の上限金利規制もそうさ。「無制限にして、儲けさせろ」と散々ロビーをやって、その挙句には貸金市場から撤退だそうで。ああ、いくつか潰れたんでしたか?
「あおぞら銀行」「新生銀行」とかの外資系金融機関の経営は、さぞかし日本の銀行よりも素晴らしいんでしたか。さすが、日本の非効率な銀行とは違いますな。


=======



いいかげんに、気付けるでしょう?
目を醒ませよ。


けれど、多くの人々は「陰謀論だ」と笑って、考えようとしないわけです。
長年経過してみないと、結果は見えてこないからね。当時には、言ってることが全く理解されないのだよ。答えを誰も知らないから、だ。そして、多くの愚か者たりは、ベタな屁理屈に言いくるめられてしまうわけだ。そして、簡単に忘れる。


また騙される。
騙されていることにすら、気付くことなく。


これが、我が国の実情、ということですね。


参考までに、デフォルトした米国の郵政公社はこうなったそうです。

>https://matome.naver.jp/odai/2139002425552139301


日本は、まだマシでしょうかね。で、米国の郵政公社を何故民営化しないのか、本当に不思議ですね。サービスも劣化してるなら、民間会社にやってもらえば?

ああ、暴利になってしまい、料金高騰になって、アマゾンとかが激怒する、とか?


他人の国には、どんなことだって好き勝手が言えるもんね(笑)。

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雇用者報酬が増加しない限り、日本経済の再生はない

2016年11月22日 11時14分34秒 | 経済関連
日銀があれこれと手を尽くしてきたものの、その効果は十分とは言えない。かつて、白川日銀総裁が指摘していた通りに「金融政策は万能ではない」ということである。
そうではあっても、日銀が出来ることは、金利調節と通貨供給量のコントロールであるので、これに全力で取り組む以外にはない。国債買入継続は、その一部である。


強固なデフレが定着してしまったのは、多くの国民の負担ばかりが増えて所得が減ったから、というようなことである。
これは、05年時点で既に述べていた通りである。


97年が一大「転換点」だったのだ。

05年6月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/86e3f2eebab0ac82859e869f5addb51d


雇用者報酬が98年以降には、下がってしまったのが悪かったのだということも、ずっと以前から書いてきた。
09年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/5efb0880e5dbaf7018175d129fffb11b


安倍再登板の時にも、アベノミクスとやらが失敗に至るであろうことは、13年初頭より指摘していた。株高と円安で、安倍称賛に沸き立っていた時期であったろう?

13年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/210998cac3fd3cdddb949bf7aeb96088


この時にも、再三警告した。
で、今はデフレに舞い戻る一歩手前に沈んでいるわけだ。


雇用者報酬の推移はどうであったか、近年のデータも増えたので、ざっと振り返ってみよう。

1994年  264兆2643億円
1997年  287兆2334億円
2000年  268兆9245億円
2002年  259兆5474億円
2004年  252兆4270億円
2007年  254兆7202億円
2009年  243兆1723億円

2012年  245兆8103億円
2013年  247兆4211億円
2014年  251兆4256億円
2015年  255兆9512億円 (推計)


2015年の推計額は、GDP統計の雇用者報酬伸び率より計算してみた。
>http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2016/qe163/pdf/gaiyou1631.pdf


まず、バブル崩壊後と言われた97年がピークをつけていた。皆が思うように、バブル崩壊で日本経済が本格的破綻危機になったのではない。
94年から97年を見れば分かるように、23兆円も順調に伸びていた。

企業収益が破綻に追い込まれるほどなら、そんな伸び率を残せると思うか?しかも、95年には阪神淡路大震災とオウムのサリン事件があった苦しい年でもあったんだ。それを乗り越えての、数字が97年のものだ。

2000年の数字は金融危機後だったし大型倒産などもあったので、大きく下げてしまった。しかし、真に「強固なデフレ」を招いたのは、その後の落ち込みだ。これは日本経済の体質が、以前とは「まるで別」という水準にまで変革されてしまったせいだ。
株主への還元、これなんだよ。企業利益の為に、労働者が犠牲になったんだ。

03年~07年の史上最長の好景気、と呼ばれた期間でさえ、02年の水準を下回る程度でしかなかった、ということだ。安い賃金で、便利に使い潰された労働力でもって、企業は搾取を続けたんだ。株主への配当金と称して、企業収益の形で、労働者から収奪したんだ。

06年、07年とリーマンショック前夜というのは、輸出企業が好調だったでしょう?世界経済も絶好調で、バブル懸念だと日銀が引き締めに転換するほどだったわけで。
正規雇用者数も増加に転じており、政府のプライマリーバランスもゼロへと近づいた程に好転していた。成長率だって、今よりもずっと高かったでしょう?

しかし、その分け前というのは、日本国外の大金持ちの懐へと流し込まれて言っただけに過ぎない。日本の労働者たちの賃金は増えることなく、安くこき使われたということなんだよ。

就職の超氷河期と呼ばれた02年よりも、ずっと低い水準だったのが07年だった。そして、リーマンショックで更なる悲劇が待っていた。

90年代のバブル崩壊よりも、ITバブル崩壊よりも、日本の金融危機と呼ばれた時期よりも、もっともっと大きな打撃を受けたんだ。243兆円台まで落ち込んだ。


どうしてこうなったか?
それは、日本の経済環境の体質が、米欧式に無理矢理変更されており、労働者の収入を支える環境というものが、20世紀の頃と変わっていたからだ。
故に、日本には関係のない米欧の住宅バブル崩壊と毒債券なのに、震源地の米国よりも大きなショックを受けることになった。日本の基礎体力は、銀行イジメや監査法人叩きを乗り切ってくるのが精一杯で、大企業から一般庶民の果てまで、余力を殆ど使い切ってしまっていたんだ。

ただ、震源地ではなかったことと、日本の金融機関やキャッシュリッチな企業とか無借金経営企業が90年代よりもずっと多かった為に、企業倒産ラッシュのような事態は避けられた。しかし、賃金の大幅な切り下げとか、非正規雇用を中心とした労働力調整は起こってしまったわけだ。

輸出企業頼み、という、体質変更が大きく災いした、ということだ。なので、当時の落ち込みの酷かった業界というのは、自動車のエコカー減税、電機電子系のエコポイント、雇用調整助成金などで、何十兆円もつぎ込んだんだ。


安倍政権になっても、実質賃金は下がり続けてきたが、15年からは反転して増加に転じ、雇用者報酬額もリーマンショック前くらいにようやく戻してきたかもしれない、ということだ。

それでも、02年よりも悪い、ということである。デフレ真っ只中だった02~03年頃よりも、まだ悪いということなのだよ。そうであるのに、増税をぶちかましてきたってわけね。


日本は、本当に狂気の連中しかいないのでしょう。
政治家ばかりじゃない、その取り巻きも、経済界も、マスコミ連中も、識者ぶってる連中も、学者もどきも、皆揃って「おかしい」ってことなのですよ。
それも、何十年も、だ。どうやったら、ここまで失敗を選び続けられるのだ?


こんなことは、10年前から分かっていたことでしょうに。

真の原因は、90年のバブル崩壊でも、不良債権でも、金融危機でもない、日本にはまともなトップ階層が存在してないこと、だ。
政治部門も、学術部門も含めて、だ。


答えは見えたでしょう?
喩えて言えば、「寄生虫の卵」を産みつけられたようなものなのだよ。そのことに気付けない愚か者たちが、よってたかって失敗を繰り返すのさ。寄生虫に操られていることも知らずに、だ。

寄生虫にせっせと養分を供給し、これをまんまと吸い取られているんだよ。


日本の経済運営というのは、泥棒に鍵の設計を任せてきたに等しい。
いくらでも抜き取られてしまう、ってことさ。口では、さも正しそうなことを言い募るだけだから。
「経済学の常識」とやらで、簡単に丸め込まれる馬鹿が揃っておいでで何よりです。

税収が増えたら増えたで、ロクでもない部分に金を流し込む、これまたロクでもない官僚たちも大挙して揃っているわけですしね。言って見れば、バカの巣窟というのが霞が関なのでしょう。


で、それでも懲りずに、今度はTPPの可決・成立ときたもんだ。どこまで、バカなのでしょうかね。
救い難き愚か者たちが、雁首揃えて、また「新たな鍵を作ろう」って泥棒に設計させようってんですから、底抜けのド阿呆でしょうな。そのようなレベルの、低劣な人間どもしか、経済界にも政界・官界にも存在しない、ということなのですよ。マスコミにもね。御用聞きの、提灯記事しか書けない愚か者たちが、何度でも大失敗を重ねるという寸法なのです。


日本経済がダメな理由は、結局は、こういうことなんですよ。世界に一つしかない、特殊事情があるってことですね。だから、他の国の経済では、同様の現象を観察できないってわけですわ。


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総括的検証が必要なのは日銀だけなのか

2016年09月30日 20時47分49秒 | 経済関連
色々と話題を提供しているBOJですが、散々な言われようというのは可哀想ではありますね。
だったら、アベノミクスの初期から、アベ政権に徹底して批判するべきだったのでは?マスコミがそんなに批判的だったというのを、当方は知らないわけだが。


3年前、拙ブログでは厳しい未来が待っているかもしれないことを書いたわけである。

13年9月29日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/7d075f04633bdda3dc12cf77b3c3361b

(一部再)

拙ブログでは、賃金の改定率を暫くの間はそこそこ定常的な水準で…例えば最低賃金を年率1~2%の伸びで…といったことを求めているのであり、職種毎に「いくらにせよ」みたいな固定賃金制を求めてはいない。基本的に賃金水準を決めるのは、個別企業の経営裁量であろう、ということは認めているわけである。
しかしながら、過去のデフレ期間で見れば、賃金上昇というのがほぼ得られてこなかった、というのが現象面での事実であると思われ、それをプラス回転へと変えない限りは、デフレ脱却というのが難しい(=金融面だけの支援では効果的とも思えない)ということだ。




13年10月27日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/b3eb998d5d58a417e703e758b7a50cf3

(一部再掲)

指標金利が低下から上昇へと転じたものの、まだ「国債投資」が諦められていないようであり、再び国債金利低下が生じている。一旦は拡大していった日米金利差が、再度米国債買い優勢となって10年債金利低下で縮小していることも影響しているかもしれない。
日本が金融緩和をしたとしても、米欧(勿論英国も含むわけだが)の緩和姿勢が優位になっていれば為替は効いてこない、ということかもしれない。
現状の物価上昇の主な要因は、輸入物価に牽引されている、という側面はあるだろう。この上昇分を価格転嫁することによって、ゼロ金利脱出の糸口がつかめる可能性はあると考えている。


 (中略)

為替が円高方向に戻るということは、緩和効果が頭打ち、ということかもしれず、それはデフレ脱却までは遠い道のりだということを意味するわけである。結局は、ドルの供給が相対的に多すぎるということで、日本の政策効果は減弱されているとしか思えないのである。
当預残高に積み上がったとしても、それで早期に物価上昇につながるかといえば、それは困難であろう、ということは当初より想定内だ。そして、世の中に「お金を流し込む」手段としては、財政政策ということも一つであろう、ということだ。

また、財政政策といっても、これまでの「企業への資金提供」というものが、思ったほどの効果をもたらさなかった、ということを考えれば、もっと個人レベルへのアプローチということを考慮する必要があるであろう、と。


=======


いつも思う。マスコミとか識者ぶってる人たちの多くは、最初から「こうするのが正しい」ということを適確には決して言わない。

ダメな連中が言ってる意見は、過去に採用されたりしてきても、悉く失敗だったではないか。しかも日銀の金融政策について、拙ブログでは13年時点から危惧を抱いていたし、検証するべきだと警告したではないか。


だが、マスコミはじめ多くの経済ナントカらは、アベノミクス礼讃に明け暮れて、何一つ聞き入れてこなかったろう?

そういうのを卑怯というのだ。


中央銀行は何でもできるわけじゃない。このまま行けば、危ないと分かっていながらにして、腰を折ったのは、安倍内閣ではないか。増税賛成を掲げ、そのせいでダメにしたことを忘れたか?


明らかに増税したショックが大き過ぎて、予備力の低下した日本経済では、受け止め切れないほどの大きさだったということだわ。あれほど止めろと言ったのに、皆がこぞって増税大賛成って突き進んだんじゃないのか。戦争に邁進した昔の日本と同じだろう。


その責任を、日銀にのみ負わせているのは、卑怯である。
何が良くて、何が悪いのか、それを経済学なら経済学の理屈なり理論に基づいて、何故全力で考えようとしないのだ?


転んでから毎回「ああ、失敗したね、転んだね」って、それの連続が、日本社会なのだ。社会の先頭に立つべき人間たちが、揃って失敗を後押しするから、ではないのか。それは、偉そうにしている人間たちこそが、失敗の原因を作り出し、そのせいで失敗を続けるからなのではないのか。


どうして、13年時点から、検証するべしとマスコミは日銀に求めなかったのだ?安倍政権にも、増税が危険を招くことを徹底して警告しなかったのは何故だ?


責任逃れに終始し、いつも誰かのせいにするだけなら、どんなことだって言える。批判だけでいいのだからな。


これは、日本という国の、深刻な病気である。
愚かな連中が日本のエリート層に巣食っているからなのだよ。


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黒田日銀の総括的検証とイールドカーブ調節

2016年09月22日 18時08分28秒 | 経済関連
過去の日銀の政策効果について、総括的な検証結果が公表されました。

特に海外勢を中心に、悲観的?というか否定的見解が多いのかもしれません。発表直後に円安になったものの、その後には大幅に戻して100円台となってしまっています。

こんな反応記事もあったようです。

>http://jp.wsj.com/articles/SB10367111121010623688804582328433362423026


By PETER LANDERS
2016 年 9 月 22 日 07:43 JST

 相反する二つのことを同時に発表するのは、一つの組織の中で意見が対立している兆候だ。

 日本銀行は21日、不人気な量的緩和から身を引くような政策を打ち出しながら、その後退などないという趣旨の言説を組み合わせた。

 日銀の新たな政策の柱は、10年物国債利回りをゼロに誘導するために必要なだけ債券を買い入れることだ。その半面、長期国債の買い入れ額を年間80兆円に据え置きつつ、金融緩和を「強化する」と述べた。

 これら二つの目標は矛盾する。例えばバナナ売りが栽培農家に対し、1キロ当たり50円の市場価格を維持するのに必要なだけバナナを調達すると言いながら、年間80トンの買い付けを宣言することを考えてみてほしい。需要で値上がりし、約束の80トンに達する前にバナナの価格が100円になってしまったら一体どうするのだろうか。 

 日銀が本気で新旧の政策を並行して進めるつもりなら、似たようなジレンマに陥るだろう。10年物国債は日本の千数百兆円に上る債券市場のベンチマークだ。需要が急激に縮小すれば、利回りをゼロに維持するために年間80兆円より多く買い入れる必要に迫られる。逆に、リスク回避志向の強い日本で10年物国債の需要が高まり、日銀が全く手を出さなくても良い状態になる可能性もある。

 黒田東彦総裁はこの矛盾を説明する上で、実質的に年間80兆円の国債買い入れ目標を否定した。実際の買い入れ額の「増減はあり得る」と記者会見で述べ、弁明の余地を作り出した。バナナ売りの例で言えば、本当に実現したいのは1キロ当たり50円の価格であり、後はそれほど重要ではないと位置付けた格好だ。



(以下略)

======



どうも、日銀の政策意図があまり伝わっていないのではないか、と思いますので、当方の理解について述べてみたいと思います。


参考:http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160921c.pdf

(※参考資料や総括の資料は他にも公表されています。一通り全部ご自身でお読み下さいませ)


上の記事では、バナナの買付量(トン数)と買付単価の例示が書かれていますが、イメージ的にあまり合っていませんね。
昔の日本で行われた物価統制令チックな発想のようですが、政策意図がズレているように思えます。


当方の例で書いてみることにします。

牛を捕獲して、売買する、としましょう。

月齢10
月齢20

月齢100


のように、牛にはクラス別けがあります。それぞれには、大体の相場の値段がありますが、いくらとは必ずしも決まっていません。

今、超大手の、仕入元締業者が「牛を連れてきたら、値段によらず80万ドル分まで買うよ」と宣言しました。
月齢10の牛は小型で重さは少な目ですが、キロ当たり単価は子牛なので高めです。月齢100の牛は多くいますが、若干キロ単価は下がります。


さて、牛を捕獲する業者たちは野にいる牛を捕まえます。仕入元締業者に売らなくても、他の仕入れ業者間での売買も盛んに行われているし、日々卸売市場で値が付けられています。以前には、80万ドル分も牛を仕入れてくれる大手業者がいなかったので、今では、牛が全般的に高値になってしまっています。


この仕入元締業者が登場してからというもの、ここ3年ほどはジャンジャン牛を買ってくれるので、しかもそれがどんな値段になろうとも買ってくれていたわけです。当初、月齢の低い牛は軒並み捕獲され、ほぼ全部に近い量が仕入元締業者によって買い占められてしまいました。なので、野に残ってる月齢10の牛は稀少であり、高値が付いています。

また、以前だとあまり単価の高くなかった月齢100の牛でさえ、人気になってしまい、業者間の転売などを経て最終買取が仕入元締業者の所に行く時点では、かつての2倍くらいの値段になっているにも関わらず、これも買入れられてきたわけです。まさに、「野の牛」バブル状態、です。


これを継続してゆくと、野に残っている牛の頭数は無限ではないので、かなり減っています。「80万ドル分」という牛が果たして何年か後に残っているでしょうか?今のペースで買い続けると、恐らく「野の牛」は全てが仕入元締業者が買うことになってしまうでしょう。

おまけに、今の牛の取引単価は、どの捕獲業者が高値で掴んで、転売を繰り返していても、最終的に「仕入元締業者が買ってくれる」という安心感と杜撰な捕獲体制となっており、卸売市場の価格形成に悪影響を及ぼすようになってしまいました。牛を買うのは、牛肉の料理等に使うという需要が本来のものであるのに、牛肉需要には無関係に「仕入元締業者に牛を売りつける」という目的の為に、牛を捕獲してきたり、他業者から仕入れたりする者が横行するようになっているのです。

(仮面ライダースナックが食べられる需要ではなく、カードだけ欲しいという需要が旺盛になると、需給市場に歪みを生じたようなものです)


そこで、仕入元締業者は買入のルールを若干変更することとしました。

・月齢に応じて、取引単価の推移を見つつ、あまりにキロ単価が高値の牛については、買わない日もある、ということにします
・買入資金の計画は「80万ドル」の予算は毎年確保しておくので、キロ単価が適正である限りは、80万ドル分までは買うつもりです
・料理で牛肉の実需が旺盛な近隣のレストラン等で、牛肉が高くて入手困難な時は、在庫の牛肉を売ってあげますよ

 (目安として「月齢100」の牛のキロ単価は、●円/kgと考えています)


おおよそ、こんな感じかな、と。


さて、これまでだと、牛の捕獲業者は兎に角牛をとっ捕まえてこい、ということで、いくらコストがかかっても全額払ってくれるという仕入元締業者がいたので、楽だったわけですね。ところが、今後には、あまりの高値だと買い取ってくれないばかりか、業者間の転売等で取引していても、これまた実需の料理人たちが買えないほどに高値になるようなら、もっと安い値段で在庫牛肉が市場に放出されるとなれば、転売価格にも自ずと「市場の価格調節機能」が働くようになるでしょう、ということです。

これまでみたいな、価格上昇というのは、そう見込めなくなるのではないか、ということですね。
そうすると、非効率な捕獲業者や、無駄な転売などが抑制されてゆくのではないか、牛の捕獲に精を出す連中も、旨味が減れば次第に手を引く者も出てくるのではないか(=他の投資なり稼ぎの手法を考え出す)、ということです。


「仕入元締業者」が日銀、「月齢100の牛」が指標10年国債、キロ単価は国債価格(つまり利回りを規定)、「80万ドル」は「買入額80兆円」ということです。「月齢10」は1年物国債とか、…です。


この「在庫の牛」をいつ、どのタイミングで放出が来るかは、他業者には必ずしも分からないので価格抑制的に作用し、牛肉の実需に呼応した策としか言いようがないでしょう。仮に「野の牛」が全部枯渇してしまった場合には、在庫の放出以外には牛肉の実需に応えられないので、いかに買入予算が80万ドル分といっても、現実に購入することができなくなってしまいますから、そこは調節しますよ、ということに他ならないわけです。


むしろ、キロ単価が下がる(=国債指標金利が上昇する)方が、経済の実体としては健全な方向へと向かうわけであり、それは例えば名目成長率が金利相応の増加となっているであろう、すなわち、物価水準も伴ってプラス推移してるはず、ということにもなるわけです。


日銀の総括からすると、日本の国債利回りは、日米の金利差にかなり影響されるということであり、米国債金利が低すぎる為に、こうした世界的金利低下を招いているという推測さえ出てくるかもしれません。



で、イールドカーブの調節は、本当にできるもんなの?という懐疑の向きがあるのは承知しています。
まあ、これまでのように単純には行かないかもしれません。

けど、金融調節は、人体における循環動態の調節と似ており、牛肉の例のようなキロ単価を日々チェックしていれば、値動き動向は把握できますし、在庫放出の必要度の違いというものについても、それなりに何らかの手応えを得られるようになるはずです。


人間の循環動態の場合にしても、標準的な生理学的指標とか、患者の個人差とかベースの疾患の状態とか、それらを勘案して術中循環コントロールが行われるのですから。

侵害刺激に対する一過性の血圧上昇とか、出血量増大による血圧低下とか、牽引による反射性の血圧低下とか、刻々と発生する現象に対して、例えば

・輸液の量
・持続投与の昇圧剤の/kg量
・ワンショットの別の昇圧剤
・作用機序の異なる血管収縮薬の投与量
・ワンショットの降圧剤の投与量

みたいなのを、逐一調節操作を行ってゆくわけですから。それとも、むしろ人為的低血圧環境にする、ということも行われるわけですし。


まさしく、『 target controlled 10Y-bond yield 』といった趣きでしょうか。(英語が苦手で変かもしれません。スマン)


この調節レンジについては、その時点での日本の経済環境によるかと思います。ある時点では0を中心レートに置いて考えた方がいいかもしれないし、もっと物価や名目GDPが強含んでくるようなら、徐々に引き上げた方がよい局面もあるかもしれない。


こうした金利調節は、旧来型であれば政策金利の上げ下げで行われてきましたよね?
それとほぼ似た考え方のはずです。

なのに、海外勢を中心に「そんなことできるわけない!」みたいな、決め付けはどうなんだろうな、と思うわけですよ。国債オペの変形と見れば、結局は「手持ちの国債を売る」か「市場に流通する国債を買う」という調節と大きな違いはないはずなのですけれどもね。


これを、金融締め付けに転じた、と言われても、実態としては違いますよね。
買入パターンを、少し工夫してみるよ、実需勢にも配慮できるような方法を採りますね、ということなのですから。


ただ、政策効果と、調節能力の良し悪しは、暫く様子を見ないと分かりません。
中には、本当に「ヘタクソ」という人々が存在しないわけではございませんので。けど、過去の蓄積があるはずなので、どうにかできるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。


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バーナンキ来日で財務省と日銀が恐れるヘリマネ議論?

2016年07月14日 21時00分34秒 | 経済関連
日本の経済学者が殆ど役に立たないという、惨憺たる状況になってしまっているので、当てにされるのは海外の経済学者ということになりましょうか。

>http://jp.reuters.com/article/idJPL4N1A02E6


<15:25> ドル105円半ばまで上昇、バーナンキ氏が永久債発行を議論との報道

ドルは105.47円付近で一時105.50円まで上昇し、6月24日以来約3週間ぶりの高値を付けた。買いの主体は海外勢。105円付近にあった損失確定のドル買い戻しオーダーを巻き込んで、上昇が勢い付いた。

市場では、駐スイス大使の本田悦郎氏が4月に訪米した際、バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長と永久債の発行について議論したとのブルームバーグの報道が、短期筋による当初のドル買いの手掛かりになったという。

ブルームバーグが本田氏の話として伝えたところでは、バーナンキ氏は、日本政府が非市場性永久債を発行し日銀がそれを直接引き受けるというヘリコプターマネーは日本がデフレを克服する最強のツールになり得ると述べたという。

======


だそうですよ(笑)。

というかですね、これまで日本人の学者諸君は何をやってきたのだろうな、と本当に心の底から思うわけです。20年も何ら進歩もなく、議論の質が高まるわけでもなく、無為無策が続いてきたということに、本当に驚かされるわけです。素人の拙ブログから見ても、あまりに酷いのではないかと。


つい数年前にも、アベノミクスがスタートして間もない時期から、危ないよって注意喚起をしたでしょう?

13年3月25日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6890b766733008cae666b26deca52197


無暗に浮かれているからダメなのですよ。できもしないのに、まだ手探り状態なのに、大きなことを言って啖呵を切るからダメなんですよ。よくよく考えて、慎重に事を運ばないと失敗するんです。足を掬われるんですよ。


要するに、日本の「経済学」界隈というのは、専門家という肩書の人々であろうとも、学者も実務家もエコノミストも大半が素人レベルとか、素人以上に害悪の大きい、無能集団の寄せ集め、みたいなものではなかろうかと思えるわけです。そうじゃなければ、これほど長期に経済がダメになるってことが信じ難いです。



バーナンキ来日に合わせて、というわけではないけれども、「バーナンキの背理法」関連記事で面白いのがあった。

日本にいたであろう、日本独特の、学問の域にすら到達しない「リフレ派」への批判がこちら
>http://www.anlyznews.com/2016/07/blog-post_9.html



一応、拙ブログの見解は、もう何回も取り上げてきましたが、またしても再掲しておきたいと思います。あくまで素人見解ですので。

09年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/95a947676d5f04d2bd68c06a03b5051c

09年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/53921c05d13b88d64294044476e0f385




量的緩和策の意義、時間軸効果などについて

10年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/dbde02567bdebbe3892934be9b6c205b


貨幣数量説への懐疑について

13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/95a768efa153ef4e66e04cb3eb323e45



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本当に必要な構造改革~2 金融取引の課税を強化せよ

2016年07月03日 12時40分29秒 | 経済関連
金融自由化という規制緩和政策の結果が、今のような状況をもたらしたのである。

これを改善するべく、リーマンショック後に世界中で金融規制の見直し作業が行われてきたはずだが、日本ではあまり議論されているようには見えない。


そこで、いくつかの提案をしたい。


1)株式投資の課税強化

・保有1年以内の売買益に対し投資主体の別なく一律40%課税
・日計り売買益に対し投資主体の別なく一律50%課税
・保有1年以上の売買益は従来通り
・配当金収入が1000万円以上の者は総合課税
・配当金収入が30万円未満の個人は源泉税5%に軽減
・連結子会社からの配当金に法人税課税
・信用売建1単位につき、10円+金額×0.5%
・信用買建1単位につき、10円
・市場外売買や譲渡の報告義務、売買実行者は匿名で可、銘柄数量と価格を公表
・株主の国内外比率、人数を有価証券報告書に記載し、公表
・東証は年度末に上場株式を1兆円以上保有する株主の所在地、名称、個人法人の別、保有金額につき、公表
・個人投資家にも、給与所得等から売却損を通算できるよう緩和(高額所得者有利との批判があるなら、例えば年100万円まで、とか)
・ETF等、類似の金融商品もこれに準ずる


ポイント:
巨額投資を実施する株主の明確化、頻回取引や信用売に課税強化、売買益に課税することで取引にマーキングし海外資金逃避を阻害、投機的取引抑制



2)為替(FX)取引の課税強化

・取引利益に対し投資主体の別なく一律50%課税
・金利収入が1000万円以上の者は総合課税
・建玉1枚につき、100円課税
・銀行間取引、決済用資金、外貨預金用資金、貿易に要する資金は課税しない



大雑把に考えてみたが、こうした取引課税により、投機的売買は若干は抑制されるのではないかと思う。財務省の税収アップにも貢献できる上、多くの日本国民の懐には打撃を与えないはずだ。
主として、投機的売買を頻繁に行っている海外ファンド勢にとっては、博打の参加費が上がるので、痛手を蒙ることになるだろう。大金持ちが少々苦しんだとしても、大勢に影響はない。


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本当に必要な構造改革~1 蔓延するインチキ取引

2016年07月02日 18時52分43秒 | 経済関連
※3日朝
さっき読み直してみたら、おかしなことを書いているな、という部分があったので、一部削除しました。



昨今の経済統計の信頼性の低下というのは、かなり危機的である。日本の統計処理についても、GDP統計の速報値などでは、いかがわしい操作が疑われる数字が出たりしたこともあるので、非常に嘆かわしい限りである。


中国の統計数字は、どうも怪しいとか言うレベルではなく、日本であろうと、米国であろうと、データの捏造疑惑というのは付いて回るだろう。
米中の統計に比べれば、日本はまだマシということだとは思う。


平成27(2015)年度の国際収支が出ましたよね。

>http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/bpfy2015.pdf


速報値なので、まだ今後に変動するかもよ、ということだとは思いますが、過去の傾向と異なっていることがありますよね。
それは、何だと思いますか?


経常黒字の額はそこそこだったのに、外貨準備が減ったということですね。これは、円安だったものが巻き戻って、円高になった為というのが最も考えられるかと思います。ただ、円高になったとて、外貨準備が増加してきたというのが、傾向だったわけです。
それから、誤差脱漏の額が、異様に大きい。経常収支の4割が誤差だと、統計の信憑性ってどうなんでしょうね。

以前だと2兆円程度だったように記憶していたのですが、随分とワケの分からん資金移動が増えたということですかね?


あんなに、米国が資金移動の監視を厳しくやって、過去最強の監視体制を敷いているというのに、電子化された今の方が、「帳簿の記載漏れ」が増えたとでも言うつもりなのでしょうかね?


原因が、米国さまの裏取引が活発になって、帳尻が合わなくなってる、ということであると、監視役が帳簿記載漏れの原因を生みだしているなら、ああそうかと頷けるものですけどね。これはまあ、いいですわ。


それから、金融収支ですがね、巨額の「対外投資」増加ということになっていますよね。直接投資16.3兆円、証券投資約30兆円です。これらは、日本円を外貨建資産購入の為に外貨を買った、ということを意味しており、円売の純流出額が24兆円以上あった、ということです。海外からの対内投資(円買い)をはるかに超える、2倍程度の円売りがなされたにも関わらず円高になったのだ、ということ。





それから、対外資産の統計ですね。

>http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2015.htm


この一覧表も大変勉強になるわけです。

まず、2015年度は海外勢は株式を売り越していましたよね?東証把握のデータからでも、3兆円以上、日銀統計でも4.2兆円の「売り越し」だったはずなのですね。


ところが、です。
平成26年度と27年度の差額で見ると、海外勢の株式保有残高は、明らかに増加してますね。その額、何と17兆7560億円!

その主体は、銀行や証券会社(その他金融機関)などではなく、「その他」なんですよ!これって、誰だか分からないわけです。租税回避地ということなのかもしれませんが、正体不明の部分に、殆どを買われて、持たれている、ということです。ヘンだと思いませんか?


東証では売り越されているのに、その預かり知らない場所で、どういう取引がなされているのか不明なのに、もっと持ち高が増えているのですよ?海外市場で上場している企業とかの分が、162兆円分もあると言うのでしょうか?どんだけ巨額投資しているんだ!


しかも、円高になったにも関わらず、16兆円も持ち高が増えている!どうやって買ったの?どこで?
円高になった分だけ、買い越し額がないと、為替変動の分だけで10兆円以上は目減りする。株価値上がりがあったにせよ、日本企業でそんなに時価総額の大きい企業群はない。しかも、時価総額上位企業は、殆どが大幅に株価が下がった。

なので、為替の円高の分+株価下落分を、まるまる「日本株買い」に投入しないと、昨年度末より16兆円も増やすことなど不可能なのです。


円の巨額資金を海外に持っていて、円買いをすることなく日本株をこれほど買い越せる存在って、誰かいるのか?日本政府?(笑)
「その他」という、謎の覆面投資家が、日本株を160兆円以上も保有しているんだぞ?民間投資家を装った政府機関とか?
誰なんだよ、それは。


因みに、主に日本国債(短期、中長期、財投債等)を昨年度に最も購入したのは、海外の一般政府であり、約16兆円買い越している。


それにしても、海外金融機関の売った額がこの程度でしかなくて、こんなに巨額の日本株買い越しだったなら、相場がこれほど下がるというのは考えられないだろ。2013年に個人投資家や国内金融機関が数兆円を売っていたものの、海外勢が15兆円買い越したということで、株価指数が上がったんだぞ?

なのに、海外の謎の覆面投資家「その他」が20兆円以上は軽々と買い越しても、大幅に相場が下がるのはおかしいでしょう。市場外取引が、デタラメ級に存在してないと、あり得ないですね。しかも、日本の投資家達が、そのようなインチキ紛いの取引が海外で行われており、東京市場とは全く別の独立した価格形成となっている、ということで、その情報は全く閉じられており、あり得ない取引が可能、ということでしょうな。


それから、国際収支とは異なり、こっちの外貨準備高は、2兆5270億円のマイナスになっていますね。政府の損失が最大で、約2兆円のマイナスを食らいました、とさ。まあ円高になれば、そうなるわな。



あと、資金循環を見ると、やっぱり毎年海外への資金流出が観察されており、その規模は、

2011年  14兆円  
2012   26.9
2013   12.7
2014   23.3
2015   17

だった(日銀資金循環)。

つまり、対外投資がこれだけ毎年上回っていたということであり、日本株買い(円買い)要因というのは、どこにも見出せないわけである。


日本の統計がおかしいのか?

それとも、もっと別の何かが狂っているのか?


当然、疑われるのは、為替市場の不可解な動きである。
東証が大幅に下げた上に円高だったにも関わらず、株式資産残高が16兆円も増やせる投資主体が、どうやってそれを実現できたのか?株券を直接手渡しとか、株券を盗んだとか、それくらいしか思いつかないが。


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世界の外貨準備高膨張は何故生じたか?

2016年06月17日 14時15分26秒 | 経済関連
国際収支の基本式が変更になってまだ日が浅いので、旧式の考え方で説明しますが、悪しからず。
お馴染みの式は、次のようになっています。

 経常収支+資本等移転収支-金融収支+誤差脱漏=0

かつては、

 経常収支+資本収支+外貨準備高増減+誤差脱漏=0

でした。


ここからは、例によって例の如くに架空の喩え話で考えてみたいと思います。
さて、全世界に2つの国だけがあるとします。甲国と乙国です。誤差脱漏は考えないものとしましょう。国際収支が次のようになっていたとします。簡単にする為に、貿易と直接投資のみがあるものとしましょう。

【第1期】

甲: 貿易収支100+(乙への直接対外投資-50)=外貨準備高 50(増加)

乙: 貿易収支-100+(乙への直接対内投資50)=外貨準備高 -50(減少)


この状態を10期継続したら、全世界の外貨準備高の残高はどれほどになっているでしょうか?
全世界の連結決算では、単年で見るとゼロにしかならないので、何期経ってもゼロのはずでは。


なので、恐らくはゼロでしょう。甲は残高が増加して500まで残高が増えますが、乙はマイナスが継続するので、-500となりますよね。外貨準備が大きなマイナスとなる場合、それは何を意味するのでしょうか?

甲は、乙に対し「債権500」分を有し、対外債権国となっているということでしょう。一方、乙は甲に対し対外「債務500」を抱える対外債務国となっているということではないでしょうか。
ただ、国際収支統計の性質からすると、合計はゼロになってしまうのではないでしょうか?

貿易収支は、黒字国から相手を見れば赤字国であり、合計はゼロです。経常収支でも同じでしょう。また、対外投資も受け入れ側から見れば対内投資ということで、やはり全世界で見ればゼロにしかなりません。


では、外貨準備高の合計額が全世界の総量で増加してゆく場合には、どういうことなのでしょうか?
誤差脱漏の間違ってた部分が積み上がってしまった?
他には、何があるでしょう?


貿易や対外投資以外ですと、所得収支部分があるはずですね。
所得収支は、受取利息などの部分です。

となると、全世界の合計額を見た場合、外貨準備高が5兆ドル相当積み上がっている、という場合には、単年の経常収支や対内・対外直接投資部分は常にゼロになってしまうはずなので、フローで溜まることは考えられず、残されるのは所得収支の大幅なマイナスがどこかに積み重なってきてるはず、ということでは?

つまり、外貨準備高が増加した国は、どこかの国から受取利息などでプラスになってきた、ということであり、その増加期間中には、必ず5兆ドル分の支払超過になっていた国が存在しなければ、話が合わないのでは?

それは、誰か?ということなのですよ。
途上国はそんなお金を払えるはずがないでしょう?いくら何十国も束ねてみたって、中国その他に外貨準備高をそこまで増やせる支払能力がある国はないはずです。


要するに、アメリカなんじゃないですか?という話ですね。

1995年の外貨準備高は、日本は1724億ドルでしたが、05年には8231億ドルになりました。中国は、736億ドルから7690億ドルとなったわけです。米国は同期間では微減でした。大きな変化はなきに等しかったわけです。

では、中国以外にも香港、台湾、韓国、ロシアなどが揃って外貨準備を増加させることができた理由とは何でしょうか?


そんなことが可能なのは、米国しかないのではありませんか、ということです。
ユーロ圏では通貨統合に伴って、外貨準備をそれほど必要としなくなった背景がある為か、同時期には1千億ドルくらいは減少していましたが、ここ数年では違った傾向かもしれません。


世界中の全員が、外貨準備高を増加させるということはできません。
借金をする人がゼロの世界では、全員が貯金しても、利息を受け取ることができず、貯金が増えるということはないはずです。なのに、全員の貯金額が自然と増えているとすれば、それはどこかに異常なりインチキがあるのではありませんか、という話なのです。


95年1月時点で、全世界の外貨準備高は1.2兆ドルしかありませんでした。けれど、05年9月には4兆ドルにまで増加したわけです。しかも、2002年までの増加ペースは遅かったのに、2001年の9・11以降だと顕著に増加し、2002年1月からの約2年半で1.85兆ドルも増加しました。

まさしく、アメリカの戦争の時期ということです。イラク戦争は、このような経済上のインチキを覆い隠す為に実行されたに等しいわけです。FRBの徹底した緩和政策期間とも合致しており、日本にとっては悪夢の氷河期だったわけです。


では、その後、外貨準備高はどうなったでしょう?
リーマンショック後でも、膨張を続けたわけです。世界中で。
ならば、代わりに大幅に減った国はあったのでしょうか?
貿易も直接投資も各年毎の全世界連結決算なら、常に一定でゼロにしかなり得ませんからね。


結局は、米国が対外債権を握るべく、投資資金を国内で「貨幣創造」によって生み出し、これを海外市場の株や債券に多額に投資して利益を奪うと共に、経常収支赤字を穴埋めするべく外国からのファイナンスをやってきたわけだ。その債務の積み上がったのが、全世界中の外貨準備高のドル建部分になっている、ということでしょうね。
しかも海外からの借金の利払いをなるべく軽減しようと、低金利調達を心がけており、それが為替レートの支配で米国だけに有利な資金調達となっている、ということである。


今世紀に入って以降の、米国の異常な緩和策の連発により、全世界の経済上の歪みが度々顕在化しているものとしか見えない。
それは、必ず「イカサマ」的要素がどこかに存在している、ということだ。


参考:

2013年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0bf8e08970c02a347fdd35eab731f22f



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