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郵政民営化の考察3

2005年01月31日 14時13分35秒 | 社会全般
郵政職員の非公務員化は、どうやら自民党内で概ね合意へ向かった(むしろ受け入れざるを得ずというところかな)ようである。政府案に対して有効な反論ができなかったと思われます。これを肯定する制度として、国家資格の導入ということを考えているようです。

NIKKEI NET(1/30)より以下に記載します。



郵政民営化、職員の国家資格「郵便士」創設案が浮上

郵政民営化の法案化で焦点となっている日本郵政公社職員の身分に関して、民営化会社設立に合わせて国家資格を創設する構想が政府・与党内で浮上してきた。訴状の配達など国家公務員が行うことを前提としてきた業務にあたる職員を中心に、新たに「郵便士」の資格を与える。非公務員化の原則は変えないが、公的サービスへの国の保障を残すとともに、公務員の身分維持を求める自民党などの主張にも一定の配慮を示す。

新設する国家資格は「郵便局職員が国家公務員であることを前提に成り立っている制度が多い」との指摘を踏まえたもの。基本的には郵便会社社員を対象とする方向で、公認会計士など他の国家資格と同様、試験制とする案が有力だ。




この様に、報じられておりました。
この資格制度は、業務の信頼性重視には役立つ案であろうと思います。妥協案としては悪くないと思います。自民党も考えればできるではありませんか。「妥協案」を探るという姿勢ではなく、よりよい方策を考えるという方向に進むことが必要です。


続いて毎日新聞(1/30)の記事がありました。以下に記載します。



郵便料金:民営化後は届け出制に 上限を決め料金設定

政府は、郵政民営化後の封書やはがきの郵便料金について、総務相が認可する現行制度から、政府が定める上限額までの範囲内で新郵便会社が届け出る制度に変更する方針を固めた。経営の自由度を高めるためには完全な届け出制が求められる。しかし、日本も批准している万国郵便条約は、郵便料金に関して「恒久的かつ合理的な価格」と明記しており、新郵便会社が経営難などから無制限に郵便料金を値上げすることを防ぐ必要があると判断した。

上限額は、郵政民営化関連法案の成立後、07年4月の郵政民営化までの間に総務省令で定める方向で調整している。料金を収益重視で上限額いっぱいに設定するか、利用促進を狙って安めにするかが、新郵便会社の経営判断になる。政府内には当初、現行の認可制を維持すべきだとの意見もあったが、民営化会社に認可制を強いることは困難と判断した。
現行制度では、民間会社が封書、はがき事業に参入するには全国に10万本のポストを設ける必要があり、事実上、日本郵政公社がこれらの事業を独占している状態。政府はこの参入規制を民営化後も継続することを「郵政民営化の基本方針」で明記している。




前の記事に書いた時は、はがき・封書についても民間との競合となるのかと勘違いしていました。お詫びします。定型はがき・手紙は郵便事業会社の独占的業務のようでした。よって、競合会社はこの業務に関しては存在しないことになります。現在の民間が行っている業務範囲(定形外や小包等)が競合分野のようです。しかし、郵便の実需自体が減少傾向を辿るのであれば、このトレンドを劇的に変えるようなビジネスモデルがない限り、郵便事業会社のこの事業における利益確保は厳しい状況となるでしょう。

この意味では、JTの民営化後の努力が参考になるかもしれません。喫煙率は世界的規模で減少トレンドであり、実需は大幅に減少してきました。しかし、タバコ事業だけではなく、医薬品・食料品・飲料関係・エコロジー関係等の経営努力により、収益基盤の多角化がある程度成功すれば経営は成り立つことが示されています。ただし、戦略なき多角化は野放図な経営と変わらず、大型の所謂ワンマン経営型企業群が次々と経営困難に陥っていますから、このような企業財産・資源の無駄遣いとならないように十分注意して多角化を推進する必要があります。

政府案についての希望は、現時点での郵政公社を民営化した場合(特に新たな事業付加などせずに何も変えない状態)の、大筋の4つの企業規模(人員・資産等)と営業収益予測、利益水準等の具体的数字(シミュレーションでよい)があった方がよいと思います。委託手数料の水準や、各事業の最低必要売上高等が見えてこないと、実際の業務でそれが達成可能かどうかが分りません。あまりに無謀な、達成困難な事業計画となるようなら、端から民営化計画を考え直す必要があります。

例えていうなら、「郵便事業会社が赤字にならない為には、今のはがきと封書を2倍増の売上増が必要」とか、「郵便銀行会社が赤字にならないためには、新規貯金残高を最低20兆円集め、年率5%以上の貸付先を確保しなければならない」とか、「郵便保険会社が赤字にならないためには、新規保険契約額が1兆円必要」というような具体的な水準があれば、これは無理だな、ということが見えてきますね。そういう具体的数字がない状態では、民営化の枠組みや方法としての技術的問題はクリアできる見通しがあっても、実際的に不可能な事業計画となるような民営化事業は無理なわけで、検討方法を根本的に変える必要があります。そういう基礎となる数字を明らかにして欲しいですね。


それが出来ないならば、説得力に欠ける、一か八かの賭けのような民営化の印象が拭えないでしょう。与党内でもそうした「得体の知れない不安」があることは確かであると思います。ですから、こういう具体性のある数字を出して説明することは、政府側の絶対的な責任ですね。今度はそれについて、事業として成り立つかどうか、あるいは収益源となる新規事業がどの程度の規模で必要か、というところの検討が出来るようになるのでは(その見通しが立たなければ、「どの位の規模でリストラが必要か」ということにもなりかねないのですが)。


ところで、民主党は本当に郵政民営化に反対するなら、現時点での着手が合理的ではない理由と根拠をきちんと述べて、郵政民営化の絶対阻止を狙うべきでは?それが本当に国民の為になるという考えであるならば、そうすべきですね。しかし、単に傍観者を決め込むならば、政府と与党が議論を重ねて、そこには民主党の考えや主張というものが全く入らない法案ができてしまうことになり、それが真に国民の代表たる国会議員たちの集まった野党第一党のすべきことなのか、よく考えてみるべきですね。

追記(2月3日):

郵政民営化の考察2のコメント欄に私が記入した部分について、以下に抜粋しておきます。非公務員化についての意見が書いてあります。


民営化後にも郵便事業会社と窓口NW会社は政府が株式保有を続けますから、完全民営化までは時間がかかると思います。28万人をいきなり解雇はないでしょうが、電電の時にも削減までは相当の時間をかけてリストラはある程度達成されました。いずれそういう方向へ動くでしょうね。

司法文書の送達については、証明発行の仕組みや制度が整えば、誰が運んでいっても同じと思います。内容証明付郵便もそうですね。住民のアクセスは不便になりますが、市役所や役場で文書証明をもらい、専門窓口に投函しておけば業者(郵便会社でも他の民間会社でも)が期日通りに送達するということも可能かと思います。あとは、全ての文書についての「通信の秘密」についての守秘義務を厳格に適用するとかでしょうか(民営化後に公務員でなくなれば、どの業者であっても条件は同じように思います)。



社会保障改革への道2

2005年01月30日 18時41分56秒 | 社会保障問題
社会保障改革の推進で間接税比率が高くなることによって、公的扶助が必要な低所得層があると考えられます。これらについて検討してみます。


現在の生活保護の実態から考えてみましょう。
主に身寄りのない独居老人等で、年金以外収入がない(もしくは何も収入がない)ような方が多いのではないかと思われます。自己所有の家に住んでいる場合もあるし、公営住宅や賃貸住宅の場合もあるでしょう。或いは、介護福祉施設に入所されている方も多いかもしれません。

生活保護費(約2兆円弱)の大半は医療給付費となっており、直近の統計数値が出ていないので正確には分りませんが、支出の伸びから考えて医療・介護給付が非常に多いと考えられます。以前の検討でも約7割が医療給付でしたので、現在は概ね4分の3程度が医療給付と考えられるでしょう。残り(約5~6千億円程度)が純粋な生活保護給付金ということになるのではないかと推測されます。この水準は概ね大きな変化はないと考えられます(そういう特殊な世帯が全世帯に対して急激に増加するとは考えられないからです)。結局高齢者が増加することによって、その人の医療関係費の伸びが生活保護費の増大に直結していると考えられるでしょう。

現在は国庫負担となっていますが、昨年の三位一体改革の時に地方へ移す案がありましたが、これは医療関係費の切り離しを目論む官僚たちの姑息な罠です。地方財政の圧迫要因となりますから、実施主体は自治体でよいと思いますが、国庫負担としておくべきです。


新たな社会保障制度になると、基礎的年金のみ(現在の基礎年金と同レベル、一人当たり月額約63000~65000円と想定しています)支給されますから、それ以外は確定拠出型個人年金で用意する必要があります。これでは生活できないという世帯について生活保護の給付を考えるということになりますね。


まず、自己所有の住宅がある場合に、自治体はこの不動産の扱いについてはどうしているのでしょうか。売りに出して、処分をさせたりできるのかな?現状ではそのような措置をとっていないと思いますが、どうなんでしょうか。正確には分りません。しかし、新制度導入後には、生活保護を受ける場合には、このような不動産所有者に対して費用請求権を自治体が持つこととします。
例えば生活保護開始時点で、所有する不動産の評価額を算出します。仮に4百万円であったとします。生活保護給付金の累計総額がこの額に達した場合には、自治体がこの不動産の所有権を得ることとします。その額に到達する前に支給打ち切りや死亡となった場合には、相続権がある遺族がいる場合、その人に相続される不動産に対して支給した累計総額を請求することにします。相続財産が請求額に満たない場合にはやはり自治体がその不動産の所有権を得ます(老夫婦の場合には、1人が死亡してその配偶者が相続することもあるので、その人が住まない状態になった時に自治体の権利行使ができることとします)。自治体は、競売等に出して現金化してもよいし、他の用途に用いてもよいことになります。このようにしないと、個人年金に掛金を入れずに、生活保護決定の少し前に不動産を購入し、その不動産を誰かに相続させることが可能になってしまいます。


次に自己所有の不動産がなく賃貸住宅等に入居している場合には、基礎的年金のみ現金給付されますから、他は公的住宅の費用助成(以前の記事を参照して下さい)、水道料金や訪問看護・介護等の医療関係費の給付により相殺することにします(医療費がそれ以上かかってしまう場合には、勿論全額給付します)。原則的には、現金で貰えるのは年金分だけです(長期的な介護施設入所者等は、一部を除いて年金からも払って頂き、残りの払いきれない分は給付します。そうでないと、年金分が丸々貯金できてしまい、一財産になる場合があるからです)。とても元気で、医療関係費がほとんどかからないような人の場合には、自治体ごとに一定上限まで(例えば、「年金と併せて10万円まで」とかですね)地元の町営温泉利用券とか交通機関利用チケットとか他の行政サービスで給付したりしてもよいでしょう。利用しなければ、勿論自治体の費用負担はありません。出来るだけ現金給付を避けることとします。これは非常に厳しいシステムですが、このような制度にしなければ、「年金なんかなくても平気」と思ってずーっと過す人が必ずいるからです。若いときに使いたいようにお金を使ってしまって、高齢になった時に困るというのは自分の責任だからです。


間接税が高い水準ですから、低所得層には住民税減額、公的住宅の助成金給付や水道料金割引等の工夫が必要なことは確かです(これも以前から書いていますが、自治体は現金給付をなるべく避けて行政サービスで相殺するような形が望ましいですね。現金を渡すと何の考えもなく遣ってしまう人達は大勢います。例えて言うなら、生活保護を受けながら一家全員が携帯電話を持ち、無駄に浪費してしまうとかですね。今までの日本政府の財政事情と似てるかもね)。そうした助成を生涯に渡って行ってきているわけですから、それにもかかわらず自己の資産が全くなく、個人年金も無理ということになれば、当然その人の生き方に見合った生活をして頂くことになります。何でも行政を当てにするという悪しき考えは改める必要があります(現在でも生活保護を受けながら、パチンコ屋に入り浸っている人が存在するそうです)。


ここまでは年金を受給している場合について考えましたが、こうした高齢者単独世帯とは異なり、特別の事情(重い病気により就業できない等ですね)があるような世帯では生活保護となるでしょうし、扶養しなければならない子供(学童・生徒等)がいる場合にその公的扶助が必要です。通常の生活保護費の給付の他に扶養分の加算が必要でしょう。公立小中・高校の費用についても免除規定等によって、子供達が教育を受ける権利は守られるように配慮する必要があります。また障害者世帯では、障害年金以外に公的扶助や医療関係費の減免が受けられるように配慮すべきでしょう(現在の介護サービスについても、年齢に関係なく利用可能とするのが望ましいでしょう)。いわゆる母子家庭、今はひとり親世帯というようですが、この場合にも所得水準や養育費の額によっては、公的扶助が必要ならば現金給付する場合があります。


その他の理由によって生活保護となる事態があまり分りませんが、失業中に雇用保険給付が終了してしまい、その後なかなか再就職が出来ず、蓄えが底をついたような場合でしょうか(?)。もしも病気等の理由がなく就業可能な状態ならば、元来生活保護を受ける以前に、どのような仕事でもよいので就業してもらいたいと思います。しかし、社会的環境によっては困難な場合があると考えられますので、自治体で何か考える必要があります。

例えば、市庁舎の清掃業務の委託等があれば、その人員を予め削減しておき(10人必要ならば5人とかにしてもらう)、生活保護世帯から人員を出して頂きます(働ける人がいるのですから、普通はおとーさんでしょうか)。その清掃業務の日当分として生活保護費の支給をします。日数には制限が必要ですが、「タダでお金が貰える」ということではなく、労働で払って頂きます。自治体は委託費の代わりに生活保護費を支給するという形になりますから、節約になりますね(恒常的にこの形で働くというのは困りますので、自分で仕事を探してもらうか自治体の相談員とかが就業斡旋するなどが必要ですね。この場合、現ハローワークとの協力も必要です)。


このように、自分達でできることはある程度やって頂くという形にすることによって、住民自身も市政にかかわり、社会のサポートへのお返しができるという意識が芽生えるかもしれません。仕事の内容は複雑な訓練等の必要ないもので、人員の調節がつきやすい業務をいくつか用意するべきですね(主に外部委託するもので、単純労働作業に該当するもの)。労働の対価として費用を受け取れるという考え方を、徹底して頂きます。きちんと決められた日に出てこないとか、真面目に仕事をしなかった場合には、費用を払わないことにします。住民1人ひとりが地域社会を支えるんだという気持ちが必要です。保護を受ける方々にも、そういったところを理解して頂くようにします。


今日の妻 6

2005年01月29日 18時49分41秒 | 俺のそれ
久々のシリーズです。今回は、お茶の間から見たNHK問題です。


妻に「海老沢会長辞任したの知ってた?」と尋ねると
妻曰く、「知ってるわよ」
「ふーん、一応知ってるんだ」(内心意外であった、興味なさそうだけどな・・・)
「顧問も辞めたんでしょ?」
「そうらしいね」
「あんなのバカみたいじゃない。人材育成って十何年も長い事やってて、不祥事だらけだから辞めさせられたんでしょ?育てられるならとっくに育ってるじゃない。」(なるほど、その通りだ・・・)


さらに妻の力説が続く。「学校の校長が変で辞任したら、学校に残って教育できる?そんなの絶対おかしいよ。大体、辞任して直ぐに顧問なんて、70過ぎのじいさんがズルすぎなのよ。わざと神経逆撫でするような感じなんだもん。碁でも打ってりゃいいのよ。抗議は当然よ。」

(強烈だ・・・意外に厳しい主婦のご意見だ。しかも、私が碁を好きなのを知っていて、――「年寄りみたい」と妻に言われる――『じいさん=碁』という固定観念なのか?40前に碁を打ってはいかんのか?ちょっとクヤシイぞ・・・)



ということで、我が家の「NHK批判」は、「エビ殿を辞任に追い込め」を圧倒的に支持という結論のようでした。主婦の感覚は案外世の中に大きな影響力を持っているのかもしれない。抗議の電話が殺到というのは、仕事している男性とかは面倒くさくてあまりしなさそうだけど、NHKを愛する暇な高齢者の方やエビ殿に対して生理的に怒りを覚える主婦というのが結構抗議の電話をしたような気がする。実際のところはよくわかりませんが。

エビ殿は、碁でも打って余生を楽しんでくださいませ。

でもやっぱり最後まで恋々としていたよなー。


社会保障改革への道1

2005年01月29日 14時18分54秒 | 社会保障問題
今までの社会保障制度改革の骨子をまとめてみましょう。加筆あり。
(カテゴリー:社会保障問題を読んでみて下さい。そちらにもう少し詳しく書いてます)

1)年金・医療・介護は保険制度を廃止し、税方式に変える
2)従来の雇用主負担分は社会保障税として新税を創設
3)消費税を目的税として段階的税率とし、平均実効税率15%程度(その後数%引き上げあり)
4)社会保障番号・納税者番号の導入により、社会保障を個人単位で一元的管理
5)低所得層や金融資産の少ない層には、公的扶助を行う必要あり
6)新年金制度は移行期間を40年として、個人の納付総保険料に比例した逓減方式
7)移行期間終了後は基礎的年金(税方式)と確定拠出型個人年金の2本立て
8)ネットワーク環境・住基カードの活用(ICチップに社会保障番号・納税者番号を搭載)
9)医療統合情報ネットワーク(仮称)の利用による、医療制度改革


抜本的な改革が必要ですから、段階的に行うしかありません。まず、医療用のネットワークを構築するには数年かかりますから、それまでは、保険方式を暫定的に継続しておくしかないでしょう。介護保険は医療に伴うものと考えると同時に制度開始ということになるでしょう。

(以前財源検討に用いたデータが平成13年度のものしかなかったので、現在はかなりのハイペースの伸びとなっていますから、数字がかなり違ってきています。そこで今回もう一度現状に近い数字を検討してみます。)


当初は年金改革に着手するしかありませんね。全年金保険制度の統合になりますから、直近の年金保険料収入から必要額を算出して、消費税を上げるステップを2段階とするようにします。雇用主が負担する分については、現在と同程度の負担額を基準としてもよいでしょうが、企業年金等で福利厚生の手厚い企業(主に大企業ですね)については税率を現在よりも高く設定します。中小企業は直ぐには負担増には耐えられないかもしれません。


企業・家計・政府のマクロ的な財政状況は、ほぼ企業の1人勝ち状態ですから、社会的な負担割合は当然現在よりも多くしなければなりません。企業の事業継続性には富が必要ですが、企業貯蓄のみの増加では、社会的に許されないでしょう。そのかわり、政府の行っていた無駄な事業等は民間への仕事量の増加として還元されるように、行政が行っていた事業の見直し・再設計が必要であり、結果的には全体的な民間企業売上は増加するでしょう。従来法人税を支払わない法人も多いわけですから、社会資源の使用・消費に見合う税負担という視点が必要です。よって、企業(雇用主)負担は給与総額の約7~9%ということになるでしょう(現状よりも高い水準となる見込みです)。


まず直近の医療・介護・年金の内訳で考えてみましょう。医療・介護保険の合計がおよそ36兆円。このうち患者自己負担分を引くと約28兆円です。保険料収入が18兆円程度ですから、国庫負担は約10兆円程度。年金給付額が41兆円で、国庫負担が6.3兆円だが、公務員共済への支出(雇用主負担と追加費用分の公費)と併せると約13兆円になると推計されます(政府予算には医療費の一部が生活保護費に入っていたり、特別勘定があったりでなかなか正確な統計数字が判らないので、あくまで推測値です)。


このうち、医療・介護関係の費用負担が従来と同じ方式で、国庫負担も増加させないと仮定しましょう(年金に投入できる公費は約13兆円)。
すると、企業負担が約16兆円、残りを消費税増額分と積立金・運用益によって約12兆円まかなうことになります(運用益は約5.5兆円、当面の余剰分は医療関係に回せるかもしれません)。よって、第一段階の消費税引き上げは、約3~4%の上げ幅となり、同時に年金保険料の徴収廃止となります。前にも述べましたが、この場合見かけ上、個人が自由に使えるお金は増加します(給与から天引きされる額が小さくなる。ただし、同時に確定拠出の個人年金もスタートしますから、その掛金は払わなければなりませんが。自由ですからゼロでも可)。ここまでが最初のステップです。


次のステップは、医療制度改革のための基盤整備が終了したら、一気に行うことが必要です。この時の消費税引き上げは、以前にも述べましたが、贅沢品に傾斜課税をすることが必要で、税率が15~25%となるように設定します(全体の実効税率では15%程度)。この引き上げで約15兆円分に相当するような課税としなければなりませんから、世の中の消費支出の傾向が分っていないとダメですね(それか、シンプルに全体に均一税率とするかですが、低所得層には厳しい環境となりますね)。企業負担(社会保障税)の税率が最終段階の15~18%となるような設定にしなければなりません。これによって、残りの約15兆円規模の税負担が得られます。


結局消費税で30兆円、企業負担で30兆円、公費負担13~15兆円程度となります(従来の消費税分10兆円が収入としては計算できなくなりますので)。社会保障制度全体の統合によって、事務経費の大幅削減が可能となります。無駄な組織やポストは、一掃することになります。不足分は今までの積立金の運用益と取り崩しによってまかないます。


また、公務員に追加費用として投入されている恩給制度の給付水準についても見直す必要があります。昭和34年以前に加入していた人で、現在も給付の権利のある人とはどのような人か。昭和25年に22歳で就職した人は、その後9年間恩給制度に加入し、その後は国家公務員共済に変わりましたから退職共済金となっていると思うのです。この方が昭和63年に60歳で退職したとすると、今年で77歳ですね。こうした恩給期間が1~14年しかない人々(戦前の方は別枠になっているはずで、それに5百億円以上かかっており、軍人恩給は1兆円くらいかかっています)に、現在も年間5千億円以上の追加費用を投入するというのは一体どういうことなのであろうか。給付水準が異常に高すぎるとしか思えない。戦後の恩給部分だけで、1人年間百万円としても50万人もいるということになる(国家公務員共済の受給権者は約百万人である)。その他に退職年金ももらうのですよ。地方公務員も同じような制度なのです。こういうのを改めてもらわないと、財政はよくなりませんね。ただ、年数が経過していけば軍人関係と恩給関係は全廃できますから、この費用負担(2兆円程度)が消えるのはプラス要因ではあります。

郵政民営化の考察2

2005年01月28日 18時37分17秒 | 社会全般
郵政民営化の論点は何だろう?対立ポイントを明確に示してほしいですね。自民党内部の反対意見は、何を根拠としているのか分りませんが、どこの部分について反対しているのかな?
民主党もどの部分について反対なのでしょう?


それがはっきり分らないと、考えようがないようにも思うけどね。政府案の何が問題か?
一応、私の考える不安な点について書いてみたい。



最初に気になるのは、窓口ネットワークと郵便事業を全国どこでも存続させることによって、それに伴う高いコストを民営化会社が支えきれるかという点である。もちろん、電気や電話のような社会基盤事業については概ねユニバーサルサービスが維持されており、それと同等に考えれば窓口ネットワークが存続できないということはないであろう。民営化後の経営努力にもよりますが。


郵便事業については、経年的に利益が減少してきており、ネットやメールの浸透によって手紙・はがきの利用が今後も減少傾向をたどるであろうことは予想できる。この時に、郵便事業会社が単体でコスト維持ができるか、不採算な離島や僻地にも同一料金で配達を続けられるか、という心配は有り得るであろう。

全国的には民間会社のメール便等との競争となることが想定され、こちらは配達地域により料金設定が高くできるのが普通であるが、郵便事業会社は高くできない。移行期間は政策的にある程度保護されるであろうが、それを経過した後にも現行体制が維持可能かどうかは不明である。将来的には、郵便需要が今まで以上に減少して、全国一律に料金値上げが必要になる可能性がある。

また、他の民間事業者との価格競争も今まで以上に考える必要がでてくるかもしれない。特定地域(例えば東京都内だけのような)だけに展開する事業者が出てくれば(他の地域への配達は外部委託――基本的に郵便事業会社ですね、全国どこでも同じですから発送し直せばよい)、配達効率の高い所だけで価格競争を挑めるようになってしまうかもしれない。



郵貯・簡保の競争力が低下した場合、窓口ネットワークの委託手数料が重荷になる可能性がある。銀行が不採算支店に人員配置をするようなものだからです。この点で、全国一律に保険や銀行業務を取り扱わないということになれば、一部地域(過疎地や僻地等)では住民の利便性が大きく低下する可能性はあります。前に書いた設置基準に合致するものについては、銀行・保険業務の取扱を義務付けるか、もう少し基準を緩和して、周辺地域に農協や信金等の他金融機関のない単独(独占)地域については銀行・保険の取扱を義務付けることとするかでしょうか。

保険についてはネット経由でも大丈夫なことが殆どですから、必ずしも義務化しなくともいいかもしれませんが、高齢者等で面と向かって話すのじゃないと嫌だという人もいるかもしれません。これをどうするかですが、義務化のない地域には簡保会社が営業等で年に1,2度くらい戸別訪問するということでも対応可能かもしれません。保険は日常よく使うとか緊急性が要求されることは、基本的に少ないですからね。書類は郵便でも対応できますしね。民間の保険会社は、窓口業務というのが非常に少ないし、あちこちにそういった窓口があるかというとそれ程存在しない。このことは、やはり窓口ネットワーク会社の委託手数料を減少させる要因となるであろう。


窓口ネットワーク会社は、委託手数料が収入の大半を占めることになると、郵貯・簡保会社のこうした不採算窓口への手数料カットが経営圧迫要因となる為、出来るだけこれら委託のみに依存しない収入基盤の整備が必要ですね。そのビジネスモデルがどのようなものとなるのか、はっきりとは分りません。銀行やその他金融機関は、窓口業務として旅行チケットや物品販売等を行っていないので、どのような効果があるか想像もつきません。むしろ、コンビニに銀行機能(ATM設置によって一部その機能が果たされていますが)がついたような状態かもしれませんね。地域のよろずや?的存在になっていく、ということなのかな。


検察も報道批判――強烈な一言

2005年01月28日 17時29分50秒 | 社会全般
次の記事を読んで、びっくり仰天でした。
共同通信(1/28)の記事を以下に記載します。



東京地検の井内顕策特捜部長が今月初め、「やくざ者より始末に負えない悪らつな存在」とマスコミを批判する文書を司法記者クラブの一部検察担当記者に配布し、南野知恵子法相は28日の閣議後会見で「私信ではあるが、穏当に欠ける部分があったのではないか思う」との認識を示した。
文書は「東京地検特捜部長に就任して」と題するもので、一部記者が送った年賀状を返却するとともに配布した。この中で井内特捜部長は「マスコミの取材と報道は捜査にとって有害無益」「世の中でマスコミほどいいかげんで無責任な組織はない」などとしている。




このような内容でした。去年の「マスコミ批判」騒動はブログ界の中にも見られましたが、レベルが違いますね、やっぱり。モノホンです。

このような社会的地位の高い方が、公然と記者クラブに配布するということは、所謂「マスコミ」に宣戦布告ということでしょうか。それとも、今後起訴前の捜査情報を絶対に漏らさないということなのかな?いずれにしても今後が楽しみですね。

今までのマスコミ批判の中でも、最大級のインパクトですね。例文も一個や二個ではなく、色々なバリエーションがあって、なるほど徹底的に攻撃する場合の「辛辣な」「悪口」表現はこのようにして書くのか、と思います。だてに今まで起訴状とか弁論を書いてきていませんね(犯罪者への厳しい非難は法廷内で用いられるから、その範囲内で最もあくどいイメージで書いてますからね)。

もしこれを個人的にブログに書いたら、何処からかマスコミ擁護派が大挙して訪れ、「コメントスクラム」攻撃を食らうかもしれませんね。この検事さんにもブログ書いて欲しい。すごく骨がありそうだし、読んで見たい気がする。個人的に書くとしたら、さらに強烈な言葉でかくのでしょうかね。

まさに『「検事の視点」でマスコミ批判』、そのものズバリでございました。

でも、こんな宣戦布告よりも、警察組織やハシモト関係に厳しい視点で臨んでもらえんもんかね。
マスコミ叩きより先に、国民になりかわって「巨悪」を懲らしめてほしいけどね。



追伸:
切込隊長氏はいつの間にか、「検事の視点キングダム」と書いていたのを、また元に戻したんですね。間違い探しでも仕掛けているの?それとも「俺様」がやっぱり一番好きなのかな。ひょっとして「ナルキッソス」系というわけでもないですよね・・・

郵政民営化の考察1

2005年01月27日 22時25分05秒 | 社会全般
まだ、よく分らないのであるが、個人的には民営化に賛成である。但し、方法論的に国民が大きな不利益を被らないように十分な配慮が必要であるということは、自民党内部の意見と同じである。また、現在業務に従事している人員の雇用面については、性急な削減等は出来るだけ避けた方が良いが、長期的には削減せざるを得ないであろう。国鉄や電電公社の民営化を思い出せば、多くの人員削減が行われたことは明らかであり、非効率的業務が漫然と行われ続けてきたことは否めないであろう。郵政もしかり、である。


郵政公社の事業規模は誠に大きく、資産規模は郵貯約218兆円、簡保120兆円で、利益レベルも半端ではありません。15年度決算では、2兆円以上の最終利益を生み出しています。トヨタをはるかに凌ぐ規模なのですね。日本最大級のコングロマリットとも言えるのですから、「官から民へ」というのは至極当然ですね。


最初に、窓口ネットワーク会社について考えてみたい。
(他の呼び名ですが、郵便会社はよいとして、郵便銀行や郵便保険会社というのは、いただけない。なじみのある「ゆうちょ(郵貯)銀行」、「かんぽ(簡保)保険会社」という風に、呼び名をつけた方がいいのでは?皆さんはどう思いますか?)

まず、郵便局の今までの存在を考えてみよう。不便な過疎地域とか、利用者がそれ程多くない地域にあって、銀行や信金等がなくても存在する。地域住民はそこに郵便局があることで、十分恩恵を受ける。郵便や小包等の物流についても同様である。従って、設置については、当面現状維持の規定を設ける方がよいと思う。しかし、中には存在が必須とは言えない地域は少なくない。特に大都市圏に見られる便利のよい中心街や、大きな郵便局(以後、中核局、一般的な郵便局は窓口局と呼ぶ)の比較的近い距離に存在するような場合である。これは、窓口ネットワーク会社が設置を続けるかどうかを自由裁量によって決めた方がよいかもしれない。


設置規定の例を考えてみよう。

・原則的に、現状の窓口局は維持を継続する
・次の場合には設置は自由裁量とする
1)中核局から窓口局までの距離が5km以内の場合
2)最も近い窓口局との距離が3km以内の場合

窓口局は不採算な場所も維持しなければならないことも想定されるため、委託する郵便・郵貯・簡保会社はその費用負担をする必要がある(委託手数料は会社間の総額制にした方がよいのでは。契約一件・口座一件ごとだと大変だし、業務の凄く忙しい所と、暇な所でばらつきができるから、不採算窓口はやって行けない可能性があるかも。)。人員が非常に少ない地域では、窓口業務を行いながら、配達業務も行うかもしれない。その為、兼業する場合の人員所属をどう解釈するか問題がある。窓口ネットワーク会社の業務範囲として中核局・窓口局から個別住宅等への配達を含むものとするのだろうか(この場合には、郵便会社は中核局・窓口局から中核局・窓口局までの運送業務を担当することになる)。この辺はよく検討した方がよいと思う。

弾力的に対応できると思われるのは、窓口局に所属としておき、近隣への個別配達もできる方が有利ではある。郵便会社に所属とすると、窓口業務を行おうとする時には、副業となってしまうのかな?中核局のある地域では、恐らく配達と窓口業務がはっきりと分担されているのではないかと思うのであるが、その両者が窓口ネットワーク会社に所属していても特別な不都合を感じないが、どうだろう。このように考えると郵便会社の業務は、個別配達とは全く関係ない純粋な物流運送会社ということになるのではないか。これでどのような問題点があるのかは、よく分らない。


もう一つ大きな問題点となっているのが、身分の保証――というか、公務員としての身分であるが、これは敢えてその必要性があるとは思われない。郵便物や小包等の取扱に際して、特別な倫理感や責任感等が必要であるから、というような理由をまことしやかに述べたりしているが、何を言っているのか、と思う。もしもそうなら、民間の宅配業者は公務員ではないから、きちんとした仕事ができず、手紙や品物が届かないということがしょっちゅう起こるとでも言うのか。むしろ、郵便の方が不明や未達のものがあるのではないか、とさえ思うのだが(郵政公社の保障した損害額についての内部資料を公表してほしいですね)。

個人的経験からすると、メール便等の手紙類が未達であったり不明となったことは一度もない。また、宅急便の荷物が紛失したことも、届かなかったことも一度もない。日本の宅配民間業者のレベルは、諸外国に比べて相当高い信用があると言えるのではないか。公務員ではなくともこのように出来ているのであるから、先の理由によって身分保障がどうの、という議論は筋違いというものだ。単なるこじつけにすぎないのではないか。それとも、公務員でなくなったその日から、郵政職員は豹変して、未達や紛失が膨大になるとでも言うのであろうか。

窓口ネットワーク業務についても同様で、銀行員は公務員ではないが、顧客の信用情報を漏洩したり、個人情報を悪用したりはしていない。保険会社も同様ですね。公務員ではなくとも、きちんとした仕事をだいたいはやっていますね。郵政公社では、公務員でなくなるとできなくなると言うのでしょうかね。そんなことはないでしょう。他に、公務員であること、の理由付けはあるでしょうか。むしろ、公務員から外れた方が、窓口ネットワーク会社を中心に、民業に進出できやすいと思いますが。コンビニ的業務も可能ですし、チケット売ったり旅行代理店業務もできるしね。郵貯業務にしても、窓口で投信販売も可能になるし、個人向け少額無担保ローンも可能、簡保も通常の生命保険以外にも民間保険会社と提携して、各種の損保や医療保険等々の保険商品も扱えるようになるでしょ。自動車保険にしても自賠責や任意保険も可能だよね。公務員に限定される方が、将来性は乏しくなるのではないでしょうか。全国津々浦々に展開されている窓口ネットワークは、もの凄い武器となるのではないでしょうか。よって、将来は窓口ネットワーク会社の地域分割が必要になるかもしれません(不当競争となることが予想されますね。NTTと同様です)。


銀行業務であるが、今までは財政投融資等の高いことが約束された貸出金利によって、貯金金利が民間銀行預金との競争に打ち勝ってきました。今後はそうもいかなくなるでしょうが、資金量や不良債権なしという点で、圧倒的に有利であることは間違いないでしょう。窓口ネットワーク会社にどの程度の委託手数料がかかるのか分りませんが、通常の銀行業務よりも楽であろうと思います。今すぐに、貸出先を探し出す必要がある訳ではありませんし。金利設定は、自由でいいでしょうね。

郵貯と簡保で国債を150兆円(平成16年11月、郵貯が95兆円、簡保55兆円程度)も保有していますから、これは当面動かせないでしょうね(というか、簡保は別枠で引き継がれるので売る必要性がない、郵貯は資金量の約4割程度なのでそれ程引き出される事態にならなければ大丈夫)。民営化になったからと言って、多くの人が一斉に引き出すとは思えません(はっきり言って、そんなに引き出しが相次いだら、深刻な取り付け騒ぎでしょ?)し、運用面だけで考えてみても他の銀行が運用先を見失っているのに比べたら、それほど不利とも思えません。唯一の心配は、デフォルトだけですが。政府が信用できない人は、他に移した方がいいかもね(笑、冗談です。まず当面その心配はないでしょう)。


保険業務は、保険金額の上限を設けるかどうかですが、自由競争とするなら金額上限なし、ということが望ましいですね。あるレーサー系の人が言っていましたが、民間保険会社の生保とかにはどこも加入させてもらえなかったらしいのですが、簡保だけは加入させてもらえたそうです。若い人ですが、怪我して入院したりする場合もあるようなので、このような人を救済するという意味では、民間の保険会社が全て優れているとは限りません。よって、従来の方式と非常に良く似た生命保険制度(つまり今までの簡保ですね)は、希望者がいたら加入できるように一本の保険商品として残した方がよいかもしれません。加入手続きや審査が簡単な、もっとも基本的な商品ですから。この商品に限って、金額上限は今までと同様の取扱としてもよいでしょう。


自民党の主張する、郵便・郵貯・簡保のユニバーサルサービスというのは、何のことを言っているのでしょうね。郵便は分りますが、他はどんな意味なのかな?今書いたような保険を残せとかでしょうかね。実際の所、よくわかりません。
もう少し分ってきたら、書いてみますね。


幾つか小物を・・・

2005年01月27日 14時27分48秒 | 社会全般
動きがありましたので、小ネタを幾つか書いてみますね。

NIKKEI NET (1/27)より 以下に転載します。



検察審査会、橋本元首相ら3人の不起訴不当を議決

自民党の旧橋本派(平成研究会)のヤミ献金事件で、東京第二検察審査会は27日までに、政治資金規正法違反容疑で告発された橋本龍太郎・元首相(67)、野中広務・元同党幹事長(79)、青木幹雄・同党参院議員会長(70)の3人を不起訴とした東京地検の処分について、「不起訴不当」の議決をした。

同検審は議決理由について、橋本氏ら3人が日本歯科医師連盟(日歯連)側から1億円を受領した会合に出ていたことは明らかな上、野中、青木氏は収支報告書への不記載を決めた派閥幹部会に出席し、入院中だった橋本氏も報告を受けていたと思われると指摘。橋本氏について「検察官の取り調べは形式的。おくすることなく掘り下げて捜査すべきだ」と捜査手法を批判。野中氏についても「虚偽記載に十分に関与しており、『記憶にない』で済まされる問題ではなく、起訴すべきだ」、青木氏についても「不記載を決めた幹部会の一員で当然責任がある」と指摘した。




検察庁の威信をかけて検察批判を正そうということでしょうか。やはり、法の番人たる検察はこうでなくてはいけません。もう少し早く、こういった指導を上部組織が行うようにして欲しいものです。国民の信頼を得るには、公平性が確保されていなければなりません。闇に送るということではなく、司法の場で真実を明らかにしていくことが重要ですね。「毒まんじゅう」関連の記事(毒まんじゅうの抵抗何を審査するのか?政倫審)を書いて、検察批判をした甲斐がありました(笑)。




続いて、asahi.com (1/26)より以下に抜粋します。



公的医療保険、全分野で赤字 健保組合・政管・共済など

健康保険組合や共済組合など公的な医療保険のすべての類型で、02年度決算が経常赤字だったことが26日、厚生労働省の医療経済実態調査でわかった。調査はほぼ2年ごとに実施しており、全保険者が経常赤字になったのは現在の調査が始まった80年度以来初めて。高齢化に伴う医療費の増大が、保険者財政を圧迫している構図が浮き彫りになった。

赤字幅が最大だったのは中小企業の会社員らが加入する政府管掌健康保険(政管健保)の6169億円。大企業の会社員らが加入する健康保険組合(健保組合)の3999億円、自営業者らが加入する市町村国保が1721億円と続く。このほか、医師・建設業者など同業者でつくる国保組合や国家公務員共済組合は、00年度には黒字だったが、それぞれ45億円と104億円の赤字に転落。地方公務員共済組合、私立学校の教職員らが加入する私学共済、船員保険も軒並み赤字だった。




分りきった結果であるが、当然のように本格的財政難が浮き彫りになった形だ。このような厳しい状況では、早急な対策を考えねばならないことは明白であろう。今の保険方式での限界が見えている。一刻も早く、無駄な組織を廃止して、持続可能な単一の制度設計にしていく必要があるだろう。




次は毎日新聞(1/27)から以下に抜粋します。



<衆院予算委>消費税引き上げは07年末までに結論 財務相

衆院予算委員会は27日午前、小泉純一郎首相と全閣僚が出席し、新潟県中越地震などの災害復旧を柱とする04年度補正予算案の審議に入った。谷垣禎一財務相は社会保障制度の負担のあり方に関連して「07年をめどにして、必要な行政サービス、特に社会保障がどうあるべきか、負担を公平に担ってもらうかを議論すると、おのずから消費税をどうするかとの課題が出てくる」と述べ、07年末までに消費税引き上げについて結論を得たいとの考えを示した。さらに財務相は社会保障制度の財源には消費税がふさわしいとの考えを示した。




国民負担を求めるだけの改革では、到底賛同は得られない。小さな政府を目指すのだから、行政府自ら組織改革と徹底した無駄の削減を行い、それと共に歳入・歳出の総合的制度設計を考えるべきですね。そうでなければ、国民の不満は爆発するぞ。

公益法人の意義

2005年01月27日 12時25分24秒 | おかしいぞ
以前書いた厚生労働省の記事がありましたが、今回ある公益法人について考えてみたいと思います。

財団法人介護労働安定センター(以後、センターと呼ぶ)についてです。
やっぱり、うまいシステムを作ろうと思えばいくらでも可能といえるでしょうね。私でも思いついたくらいですから。まさか本当にこんなに良く似た組織があるとは思ってもいませんでした。しかももっと巨額資金の浪費が続いているんですから。


このセンターは、高齢社会の進展に伴う介護労働力を確保するため、民間部門に働く介護労働者の総合的支援機関として、平成4年4月1日に労働省(現厚生労働省)所管の公益法人として設立された。同年7月1日には,「介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(介護労働者法)が施行され、同法に基づき労働(現厚生労働)大臣の指定法人となった。さらに、平成12年4月1日同法が改正施行され、当センターの事業範囲が介護分野全般に及ぶこととなった。

このセンターの組織は、複雑であるが、会長、その下に理事長、事務局長がいる。また監事2名と理事会理事11名、評議員会12名という大組織になっている。

現在、官僚出身者が理事会に4名存在する。理事長はILOアジア・太平洋地域総局長、理事には旧厚生と旧労働事務次官、厚生労働省労働基準局長となっている。ご立派な方々ばかりですね。監事は2名とも官僚出身者で、新潟労働基準局長と大蔵省主計局局付 総務庁行政管理局 行政情報システム企画課システム管理室長(超長い!)だそうな。残りの理事は、人材派遣関係とか労組系、政府系経済団体関係など、労働族絡みと思われるようなところの方々がおられるようである。それ以外の業界の人はいないようである。

評議員会には弁護士・作家・評論家なども入っていますが、その他の評議員には次の方々が名を連ねている(役職のみ記載)。
(財)21世紀職業財団 理事長 、職業能力開発総合大学校 教授 、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 理事長 、(財)勤労者福祉振興財団 理事長 、(社)日本損害保険協会 専務理事、(社)全国シルバー人材センター事業協会 専務理事 、(財)産業雇用安定センター 事務局長 、(財)女性労働協会 顧問 、中央職業能力開発協会 理事長、以上である。
これらの、厚生・労働関係者は、だいたい内輪のポストの人で、公益法人は補助金もらってるところがほとんどである。そういう似た者同士の法人で、役員を互いに出し合ったりしているようなものだ。

このように、組織は非常に立派で大きいのだが、大半が補助金によって運営されている(21世紀職業財団、女性労働協会などもそうである)。補助金依存度は何と約95%である。要するに、補助金がなければ存続し得ない組織なのである。こういう組織をもっともらしく政策的に作ってしまい、労働族の溜まり場兼天下りポストの供給源とする。役員は外部から入れたように見せかけて労働族の公益法人同士(天下った役人たちが食い込んでいる)が役員を供給する。省庁再編によって厚生省が入ってくると、介護全般にまで手を広げ当然のように旧厚生省役人も入ってくる。タカリの構図がこのようなグループを形成して作られていくのである。

このセンターに対する補助金は、平成14年度で約139億円だ。10年間で約1400億円という巨額事業なのである。会費を徴収しているから、補助金以外にも収入はあるのであるが。賛助会員みたいなのを業界関係に募って形をととのえ、巨大な利権集団を形成している。事業内容は、介護事業者に人材研修や雇用創出資金を提供するのである(他にも事業はあるが)。たぶん、介護保険創設に向けて人材確保の為に、当初は介護事業者の参入をしやすくすることと景気・失業対策としての雇用創出という目的として始められたと思うが、現状では介護事業者は民間企業が数多く参入しており、今さら参入に優遇的行政措置は必要がないのであって、利益事業として広く行われているのであるから行政政策の役割はとうの昔に終了しているのである。こうしたところに、官と業の馴れ合い的構図が見てとれる。

厚生労働省はこうした現状をずっと以前から知っているが、巨額補助金を大幅減額したりカットしたりはしない。天下り先が多く確保されているからであり、事務次官級のOBが睨みをきかせているからである。こうして、血税は介護に関連付けられた事業によって、厚生・労働族の格好の餌食となり、組織維持のための人件費等に何十億円か投入されているのである。全国の支部では同様に支部長等のポストが地方の労働・厚生族に割り当てられているのかもしれない。

普通の会社組織にしても、こんなに役員の多い組織は珍しいでしょ?おかしいんですよ、何につけても。このような事業を延々と、国民の目の届かないところで巨額の税金を浪費させるようなシステムを、自己利益を貪る愚かな官僚たちが、あたかも理想的事業のような顔をして、寄ってたかって作り上げるんですよ。これが、官僚世界でもトップの事務次官をはじめとするお偉いさんが加担して、日本の為になることを考えるのではなく、非効率部門の片棒を担いでいるような日本の政治・行政システムは本当に腐っている。絶対に信頼なんか出来ない。ちょこっと小賢しい、浅知恵を持っている奴らがいれば、こういう組織作りは朝飯前の楽勝だろう。

どう思っているんです?財務省。こういうのはいいのでしょうか?公共事業費数百億でも相当叩かれるご時世に、十年1千億円以上の大型補助金事業は?あちこちから数十億円、下手すりゃ数億円規模の削減を積み上げてやっとこさ数パーセントの削減に漕ぎ着けたのに、こんなところでざっくり浪費。
総務省はどう思いますか?こういう政策評価は?本当に実効性・経済性・効率性が検証されていると考えていますか?どうです?官僚諸君、本当にあなた方は改革が出来ると思うのですか?こういうのを許し続ける組織は、普通の、正常な精神構造を持ち合わせていないのですよ。

根本的に、おかしな公益法人に補助金を出し続けるべきではない。業務が政策的に本当に必要ならば、自治体組織を使うとか、全国にあるハローワーク等の組織を使うとか、厚生省管轄の保健所・保健センター等を使うとか、普通に考えられるでしょ?NGO組織への資金提供を補助金にしてもよいはずです。なのに、すぐ自分達の領域を拡大する組織を作り、天下りポストを割り当て、国庫から大量の金を引っ張る。合法的に利益を搾取する構造をつくる、その精神が許せん。前にも書いたが、一度全て整理して、補助金事業に本当に必要なものだけを支出するようにして、下らん人件費は削減すべきだ。どうしても不採算部門で、社会的に人員配置が絶対的に必要な部分だけ、ヒラの人件費払えばいいんですよ。理事長だの理事だのあれこれ大会社以上の役員たちは全く必要ない。

こういうことをやっている行政府は、無駄を削減してから国民に痛みを求めるべきですよ。裏金も全て一緒だ。腐った精神の持ち主以外、この国で役人になる人はいないのか。教育基本法などを問題にしている場合ではないぞ。まず、政治家も官僚も、自分達の精神を正せ。真に、教育し直しが必要なのは、法律を作ったり政策を考えたりする自分達であるということだ。

腐敗構造を率先して作り出すのは、心を失った、正義や崇高な志の一片の欠片もない、外部から見れば「教育レベルが高い」と思しき人達ということだ。一体、教育って、何だ?こんなことを考え出すために、一生懸命勉強し、試験に臨み、他の連中を蹴落としてきたというのか?こんなことのために?


日本は終わりだ。こんな連中が行政を担当している限り、無理だ。中枢にいる連中が異常では、直しようがない。何も感じない、おかしいと疑問にも思わない、そういう連中が権力を行使する限り、まともな行政なぞ有り得ない。・・・・・・深い絶望しかない。
残念ながら、「いい国作ろう!」は絶対不可能だ。結論が見えたようだ・・・・・・


国会議論の根本

2005年01月26日 12時57分08秒 | 政治って?
「腰を低くし、協力を求める姿勢を」――昨日の青木参院会長の代表質問で、「基本的姿勢を正せ」と苦言を呈された小泉首相。これは前日の民主党岡田代表の質問に対する答弁の態度を見ても、総理大臣の取るべき態度ではなかったし、青木さんの忠告は「痛いところ」をついたと言えるであろう。


「賛成、反対ではなく、将来の日本、国民、地域のために…議論を尽くすべき」という青木さんの意見には、賛同できる。政府と自民党の衝突は、そう簡単には決着がつかないであろうし、自民党の元郵政大臣野田さんは「党の拘束があっても、造反する」との意向を示したように内部の反対派が相当存在する。


国会討論の本質は、青木さんが述べた通りであり、国会の本来の役割であるのだから、改めて言われることではないはずなのであるが、これが従来の政治に欠けていた姿勢なのである。前にも述べたが、「郵政民営化」という象徴的議題によって、議会政治のあり方そのものが問われていると思うのである。

その意味においては、小泉首相のとった不誠実な態度は非難されるべきである。少なくとも、「国会議員に向かって答弁」しているだけで、小泉さん自身の言葉を待っている「国民への説明」ということがすっぽりと抜け落ちているのである。記者会見で「国会議員たる者、国会と委員会との答弁の違いについて当然認識すべし」という小泉さんの発言は、非常に疑問に感じた。国民は政府の考えを「政治家自身の言葉」として―官僚が考える答弁ということではなく―知りたいからである(施政方針演説では、小泉さん自身の言葉で述べていたからこそ、その気持ちが伝わったと思っている)。

現在は、自分の言葉で意見を述べたり、政策について議論したりできない国会議員が多すぎるのである。前に書いた仙谷さんがいい例だと思う。自分の中で秩序立ててきちんとした考えが纏まっていれば、他人にも説明ができる。ところが、よく理解できていないと、他人に分かり易く説明ができないのである。このことは、知識習得の段階と似ている。他人にうまく説明することができると、最終的に自分の知識として定着・習得されるといえるのである。だから、政策論議で、政治家自身が他の人に上手に説明できないということは、その人自身が自己の中に意見を確立していないと思えるのである。


最近は自民党の若手議員が勉強会を開いたり、公明党も経済政策についての勉強会を専門家を招いて行ったりという動きが出てきている(民主党も一応やっています)が、本来もっと早くから行うべきであり、立候補する時にはある程度の知識と目的・目標を持って公約するのが普通であろう。オールマイティな知識を持てとは言わないが、あまりに政策的無知が多すぎるのである(現法務大臣を見てごらんなさい)。

元来官僚出身者が石を投げたらぶつかるほど大勢いるのであるから、その人達が中心となって行政システムや基本的知識を教えたらよかろう(それとも、教えられるほどの知識も力量もないとでも言うのか?)。そんなことだから、会計検査院長の答弁で「実質的に犯罪の認知は困難」というような答弁を鵜呑みにしてしまうんですよ。

族議員にはなってほしくないが、議論の土台となる程度の専門的知識が必要であるし、また、国民の意見を聞いたり常に問題意識を持つことによって、必要な行政施策が浮かび上がってくるのである。そういう着想は単なる無知であれば浮かんでもこないし、他人の意見について議論もできないのである。今の議員たちが主に出来ることは、選挙区の陳情を聞くだけなのだ。その結果が今までの政治システムに繋がってきたと思うのである。せめて、委員会の委員になるのであれば、その分野については知識を深化させるような努力をして欲しいのだ。それは国会議員としての最低限の義務であろう。


これらが達成されれば、議員自身が「自分の言葉」で議論したり、答弁したり出来るであろうし、純粋に政策についての有意義な検討が進められすであろう。よく分からないが、政治には国民感覚とはかけ離れた政局や寝技などの「大人のテクニック」もあるでしょうが、これは政治屋のする低劣な活動であって本来の議会政治に必要なことではなく、「日本、国民、地域のために議論を尽くす」という根本を決して忘れてはならないのです。


「政策評価」の実力

2005年01月25日 17時24分16秒 | 経済関連
今まで、勉強不足で大切なことを見落としていました。お詫びいたします。省庁の業務については、適正な評価システムがないことが問題であると今まで述べてきたのですが、一応評価の仕組みがありました。

政策評価は、「行政機関が行う政策評価に関する法律」の施行に伴って各省庁から公表されるようになった。予算が10億円以上の政策・事業について、各省庁ごとに評価を行う仕組みのようです。決められたものについては、総務省が評価を行ったりするものもあります。ちらっとしか見ていないのですが、このシステムも使い方によって、意味があったりなかったり・・・であるような気がする。


例えば社会保険庁について言えば、世の中全体から厳しい批判を浴びなければ、改善は進まなかった。平成14年度から評価しているものの、内部の業務に携わっている者たちが自己評価をいくらしてみても、真に問題点を洗い出し、適切な改善策を考えるという姿勢にはならないようだ。結局のところ、有名無実のシステムで、作成書類の数だけ増やす結果でしかないのか。自らが変わろうとしない限り、自分達の業務内容の追認作業で終始するとか、「真実の評価」とは言えないような定型的な「問題なし」という評価ばかりが並ぶことになる。今までもそうだが、形骸化したシステムということだ。

元来、公共事業等や財政投融資関係の事業について、必要性の乏しい内容の事業や無駄遣いが指摘されたことから、こうした評価システムが導入されたのであろう。昔に比べれば、情報公開に関しては格段によくなったと思う(これは評価してよいと思う)。総務省が中心となって、情報開示や法令の周知について、努力していることが伺える。「仕組み」自体の理念はよいのだが、果たして実効性はいかがか、ということになると、非常に疑問に思うのである。



各省庁も国税職員に査察受けたら?昨年、税務処理の誤りを指摘されて、大企業といえども相当の金額の追徴をくらっていたはずだ(きっと国税庁にもノルマがあるんだろう。「今回は2億円追徴したよ」とか自慢になるのかな?)。会計監査を監査法人に出していても、細かな「解釈の適用」を国税側に主張されてしまっては、逆らいようがないのかもしれない。一方、各省庁は会計検査院の会計監査を受けるが、全部は受けないからね。一度、全員厳しく監査されてみた方がよいのでは。
勿論大臣も一緒に監査されるんですよ。その方がいいよ。いかに、業務に不備や穴があったか、身にしみてわかるでしょう。そういう監査される立場になって、検査職員に「この書類がありませんねえ、本当に○○に使用したんですか?」「この法令では、○○に支出できないことになっていますから、間違ってますね。このケースは適用できませんねー」みたいな感じで、ねちねち責められるといいよ(検査の現場を見たことはありませんが、何となく思い浮かぶような気がします)。国税庁は甘くないよ、きっと。

あと、金融庁の検査職員にも参加してもらえば?銀行の金融庁検査もかなり細かいし、厳しいよ、恐らく。UFJみたいに、ヤバイと思えば隠蔽工作とかしてしまうくらいですから。千件の書類があって、そのうち一件でも書類の不備があれば、「~~の書類に不足・不備が認められた。改善するように」と改善指導されてしまうんですから、きっと。債権分類でも、「通達にあったように、この会社は○○の基準に達していないでしょ?」「でも、売り上げは増加していますし、利益が少ないのは・・・」「基準がそうなんだからダメなんですよ。要注意債権に分類して下さい」みたいな感じなのかな?分らんけど。

折角だから(何が?)、今後、お互いの省庁を監査するということにしたら?監査して国庫に返還させる額と同じ額が、その省庁から次年度の予算で分捕ることができるようにするんですよ。とられた方はその2倍減額(去年の返還分と今年の減額分)されることにします。例えば、厚生労働省が防衛庁を監査し、財務省が厚生労働省を、防衛庁が財務省をという具合ですね。「積年の恨み晴らすぞー」みたいな感じで、気合入るだろうね。防衛庁は財務省の不備を探し出せば、その同額予算が分捕れますから、検査官は「よし、90式30両ゲット!次はF15だ!」てな具合で、血眼で無駄を捜すでしょ。非常によいと思うんですけど(爆)。厚労省は「ミサイルで雇用は増やせないんだよ!労災分ゲット!」という感じで、防衛庁から分捕る。財務省は「徴収システムが甘い!とん税(何じゃそりゃ?)ゲット!」という具合ですね。本当にやってみてほしい。
「予算獲得戦!ハンターチャンス!」(古い?知らない人が多いかも)




お互い気兼ねせず、ばっさりいけますよ。その効果で、かなりの無駄が省けるようになるかもしれませんね。自分達の大甘評価よりも、真剣に評価するでしょう。まあ、実際にはこんなことはできませんが、それくらいの気持ちで取り組まないと正しい評価なぞ到底出来ないでしょう。


政策評価が、意味のない省庁の「通信簿」に成り下がるかは、結局自分たち次第ということです。




政府管掌保険再編の真意

2005年01月24日 16時21分09秒 | 社会全般
厚生労働省は自分達の権益確保のため、都道府県単位に独立行政法人設置という考えのようだ。。社会保険庁の解体危機を前にポスト減少を避ける為なのか。

NIKKEI NET (1/24)に次の記事がありました。以下に抜粋します。



政管健保、都道府県ごとに再編・社保庁から分離

厚生労働省は社会保険庁改革の一環として、中小企業社員を対象とする政府管掌健康保険の運営を同庁から切り離し、2008年度をめどに都道府県ごとに分割・再編する検討に入った。いまの保険料率は全国一律だが、各地の状況に応じて変更できる仕組みにして地域ぐるみの節約を促す。国民・厚生年金の運営は新たな独立行政法人をつくって同庁から移す案が浮上している。2大業務を分離して不祥事が続く同庁の「解体」を印象づける狙いがある。



市場化テストの案で、最も槍玉に挙がっているのは厚生労働省だ。ハローワークと社会保険庁の両者を失うと、官僚達の影響力行使が出来る部分が大きく減少する。ポストも予算も失うわけだ。その目くらましに、少しでも残せる部分は残そうという魂胆が見え透いている。組織を細かく全国に分けて、目立たなくするというだけで、社会保険庁の業務が無くなったとしても全国にばら撒いておけば、そこは助かるはずという読みだ。自分達の厚生行政における失敗や無知を正すことなく、こうした影響力とポストを確保した独立行政法人を新設することによって権益死守にこだわる小賢しい連中ということだ。

現在、最も急がれるのは社会保障改革であり、医療制度改革・介護保険制度の見直しについても早急に着手しなければならない時期なのに、考えることは自分達の天下り先の数の心配だけだ。厚労省は元々関連公益法人の数が異常に多い。補助金のばらまき度も半端じゃない。単に天下り先の確保の為にあるような、実態のないものや必要性の乏しいものたくさんあるじゃないかと思うのである。


おいしい補助金事業を考えてみましょうか(あくまで架空の話ですから、実在団体等とは全く無関係ですから)。



まず公益法人をつくる(まあ、前からあってもいいんですが)。業務内容は厚生労働省管轄のものなら、何でもいいです。そうですね、例えば薬剤の安全使用の啓蒙活動・調査としましょう。名前を「薬剤安全普及協会」とします。事務員を数人雇います。協会の会長ポストは官僚の天下りとします。補助金事業として、厚生労働省が「国民の薬剤に対する安全意識の啓蒙と向上を目的とする」事業を計画し予算計上します。名前を決めましょう。「薬剤安全啓蒙活動等補助金」とでもしましょうか。

予算を仮に1億円とします。これを協会に給付します。協会会長は年俸1500万円で、事務員達は合計1000万円としましょう。事業費としてオフィスとか器機の料金とかで年間1000万円、各種ポスターの印刷費に残りのお金からいくらか払います。また、薬剤関連の学会とかシンポジウムに協賛金とかでちょっぴり支出することにします(後援・協賛 厚生労働省と入れてもらうのです)。また、協会ですから、全国の薬メーカーとかに会員となってもらい、年会費を少し徴収して代わりに協会員にお知らせ文書をちょっぴり印刷することにします。このようにして、一見有効な活動に見える事業として成立しますが、実質的には大して意味はなく、協会会長は印刷業者に発注するだけ(これも特定業者と癒着OK!民間団体ですから!問題なしですね)の仕事で済むのに(しかもそこからまたリベート貰ったり、接待されたり・・・限りなく腐敗できます)、たくさんの給料と退職金を引っこ抜いていきます。人件費と退職給与引当金を積むだけに多くの補助金が費やされ、事業実態は誰でもできる簡単な内容ですね。本当の必要性など僅かしかありません(無くても大丈夫なものかも)。この他、たまに調査費が増額されてきます。調査は協会会員にアンケートを送り、答えを返送してもらって、それをエクセルに入力して調査報告の出来上がり!簡単ですね。事務員も暇で楽だし、時間外勤務もない。本当に皆が幸せ、って感じるんですよ。これをね、補助金打ち切るとかってことになると、従業員の働き場所を奪う気か!って叫ぶんですよ、そうすればなかなか切れないでしょ?

こんな風にたくさんの税金が投入できるんですね。この会長ポストは死んでも放さないのですよ、官僚どもは。おいしすぎますから。名刺には「薬剤安全普及協会会長」って入っているから、同窓会に行っても恥ずかしくないでしょ?勤務なんて、朝遅く出勤して、昼で退社できるんです。たまに、協会の会合とか会議と称して業者連中と「宴会」やら「本庁の後輩」とかと一緒に飲み食いするんですよ。いいでしょう、うらやましい?こうして、「薬剤安全啓蒙活動等補助金」という事業が延々と続けられていくのです。

国民はこんなこと気づかないでしょ?まず知られる心配なし。こういうのを、総額10億円の事業の中に紛れ込ませておくんです。すると、その事業だけで、20個くらいに細分化されていて、その中にこういうのが何個か混ざっているから、中々わからないと思うよ。例えば「薬剤安全対策費」総額20億円、中身は各事業が最大5億円から最少6千万円とかに分かれていたら、最大のものだけ「~~補助金」等という具合に記載すれば、どうせ中身なんてわかりっこないんですよ。財務省の目を誤魔化すなんざ、楽勝ですね。見た目のラベルだけもっともらしくついてりゃ、専門外なら疑うのって難しいと思うね(知っていても、暗黙の了解で見逃すし)。それで、こういうのを幾つも作る。すると、管轄するポストの数をごっそり溜め込むことができます。こういうのは一回食らいついたら離しませんよ、本当に。だから、予算編成は新たに増額する一方になりやすい。削減されるのは、国民が金を払うものだけ。例えば障害者福祉とか社会保障とかですね。自分達のこういうポストにかける補助金は絶対に切らない。どーです?うまくできているでしょ。全て合法ですから。これを止めさせる方法はありません。省庁内で「まともな」精神と強い意志を持った人が現れるまで、無限に続くんですよ・・・・・・。



こんなことは、日本の優秀な官僚達がやっているはずはありません。だって、官僚が行政を支えている、という自負があるんですから。「日本を動かしたい」というような「青雲の志」を持つ頭脳集団なんですから。ですよね・・・?


経済学は難しい3

2005年01月23日 17時14分08秒 | 経済関連
日本国債の海外拡販について。

「破綻懸念がある」という、今の日本財政。勿論すぐにというわけではないが、このままでいくと近い将来起こりえるのではないか―。その恐怖感が心の底にいつもある。

先日、海外での国債販売促進が行われたそうな。説明会が開かれて、外国人に「日本の国債をどんどん買ってくださいね」というお願いをしたらしい。そんな暢気なことを言っていられるのだろうか。


現在の国債の海外保有比率は約4%だそうだ(正確な資料がないので、数字の出典を出せないのですが、疑問に思う方は調べてみて下さい)。従来は国内機関投資家が大量に購入していたが、この低金利時代ですから、個人向け国債が発売されたので買った人はかなりいるであろう。今後は100兆円を超える借り換えが必要になってくるようである。日露戦争戦勝百年にちなんでいるわけではないだろうが、GDP比の国債発行比率も日露戦争以来の高水準らしい。戦時経済並みの厳しい財政事情ということになる。


このような状況で、国外投資家が大量に国債を保有する事態になれば、一体どうなるのか。この影響はよくわからない。国内投資家及び家計には新たなロールオーバーに見合う余剰資金があまり残っていないとか、市場資金が国債に吸い上げられて結局フローが少なくなるから(?)デフレ圧力となることを懸念しているとか、そういう理由によって国外投資家に積極的に買い上げてもらおうということなのだろうか?

国内投資家などに買われて安定的に保有されているうちは暴落危機は少ないであろうが、もしも海外ヘッジファンドのような巨額資金を持つグループが資金を一斉に引き揚げて(国債の大量売り)しまったら、市場で誰かが買い支えられればよいですが、支えきれなくなると国債の暴落が起こり、一気に長期金利は上昇、円の暴落が起こってしまうんではないかと危惧します。国外投資家の保有比率が高まる方が、暴落リスクが高いような気がするのですが・・・。実際のところ、本当にそうなのか解りません。何となくそう感じるだけです。

国外投資家は日本国債に見切りをつけて大量に売り出すことに、抵抗感など微塵もないであろう。国内市場ならば「国債の一時売買停止措置」とか「日銀の全額買い上げ保障」とか、いくらでも手を打つことができるであろうが、グローバル経済社会で海外市場での取引停止などできないであろうし、国外にある日本系銀行に買い支え指示も出来ない(金融不安以後、大手銀行の国外拠点は撤退が相次いでいて、海外での活動は大幅に縮小したんでは?)かもしれない。そうなると海外投資家がパニックに陥って投売りし、国債暴落の雪崩現象が起こったら止めようがなくなるんでは?


日本人は「お上」を信じているところがあるし、政府や日銀の指示に比較的冷静に従うと思うのですが、外国人はどうなのか全く分りませんから。たぶん、日本の中央銀行たる日銀の評価が高いということは全くないでしょうし、財務大臣の発言力が国際社会で信任されているわけではないでしょうから、完全に無視されるでしょうね。現状では日銀総裁発言や、財務大臣発言によって国際市場取引に影響したことは、ほぼないと思われるからです。


このようなことから、国債の海外保有比率を高めるのはどちらかと言えば反対です。国内のフローが減少しないようにするなら、日銀が現金で一部を買い取って、企業再生と同様に「政府債権の放棄勘定」とかに入れて全額ゼロ償却を毎年少しずつやって行けばいいんでは?経済無知な素人なので、無謀な意見と言われるのは承知ですが、敢えてこれをやることを主張します。これで、どのようなデメリットがあるか教えて欲しいです。例えば、日銀がこれから毎年3兆円ずつこの債権放棄を行えば(結果的には政府に贈与)、十年間で30兆円の借金が減少しますね。ラッキー!まるで徳政令に見られた借金の棒引きですね。これで、ひどいインフレが起こるでしょうか?年間のインフレ率が一定以上になりそうなら、この債権放棄を一時停止すればよいのです。インフレによって借金の価値が相対的に減少するのですから、国の返済負担が軽くなります。日銀はお札を印刷すれば、破産するということはありませんから、債権放棄を続けても大丈夫でしょう?ダメ?


為替への影響は、円の価値が低下する可能性が高くなると思いますが、現在外貨残高は相当あるでしょう?円高でかなり差損になっているのは解消されますね。また、輸出企業にとってはプラスです。輸入品は多少値段が上がりますが、日本経済自体がデフレから脱出して安定的に成長するならば、所得や購買力が上昇するので相対的には価格が相殺されるんではないでしょうか?

このような無謀とも言える提案は、真剣に考えなくともよいと思いますが、仮にやるとしたらどうなのか?ということが知りたいです。

麻酔剤による死亡事故

2005年01月23日 10時56分43秒 | 法関係
歯科治療の麻酔剤使用による死亡事故の例です。このような問題について、どのように考えるでしょうか。


YOMIURI ON-LINE (1月22日)の記事を以下に記載します。



虫歯治療の麻酔で女児死亡 埼玉の歯科医を書類送検

埼玉県深谷市の歯科医院で2002年6月、虫歯治療で麻酔注射を受けた女児(当時4歳)が死亡した事故で、県警捜査1課と深谷署は、治療した男性歯科医(54)を業務上過失致死の疑いで、24日にさいたま地検に書類送検する方針を固めた。 調べによると、歯科医は同月15日、神経切除のために女児の歯茎に麻酔薬を注射。女児がショック症状に陥ってこん睡状態になったのに気付かず、そのまま治療を続け、適切な処置を取らなかった疑い。 女児は蘇生(そせい)措置を受けたが意識が戻らず、別の病院で間もなく死亡した。

同課などによると、女児は麻酔直後は騒いだものの、すぐに静かになったため、歯科医は麻酔が効いて眠ったと判断したが、間もなく女児の顔が青ざめているのに気付いたという。同課などは「注射から数分後に異変に気付けば蘇生措置が間に合ったはず」と判断した。




以前の記事(「市立札幌病院事件」シリーズ、市立札幌病院事件5)でも書いたように、医療担当者はこうした法的義務を負っており、その為のトレーニングが十分ではないと、このような深刻な事態を生じます。まだ起訴されるかどうかは不明ですが、おそらく起訴されると思います。このような深刻な事態を防げたのではないか、という可能性が残されているならば、「過失を明らかにして欲しい」という遺族の願いもあろうかと思いますから。

このようなケースは稀ではありますが、基本的に全ての薬剤について重篤なショック状態に陥る危険性があり、これを予見することは非常に困難です。不幸にもこのような不測の事態が生じた場合には、やはり適切な救護義務があると言わねばならないでしょう。しかし、実践的なトレーニングをある程度経験しないと、緊急事態に陥った当事者(医師や歯科医師)が冷静に対処できるかわかりません。


こうした不幸を極力防ぐには、医療担当者の研鑽以外にはありません。医師の救急・麻酔科研修の義務化と同様に、歯科医師についてもこうした研修が義務化される方向に進むべきであると思います。


もはや・・・

2005年01月22日 18時29分10秒 | 政治って?
昨日の施政表明に関連していくつか思うところを書いてみたい。
(加筆:竹中大臣は「もはやバブル後ではない」というインパクトのあるフレーズを用いた。「もはや戦後ではない」をなぞらえて・・・この言葉にちなんで記事のタイトルにしました)
小泉内閣の決意は手に取るように分った。「郵政民営化」を必ず成し遂げるということである。自民党内の非難をものともせず、明確な文言を盛り込んだ。決戦を目前にして、明らかな「宣戦布告」を叩きつけた格好だ。ある意味、その気概は「天晴れ」である。生ちょろい改革はしないぞ、骨のある所を見せるぞ、という意志と、族議員・権益死守の官僚・利権集団に真っ向勝負を挑む「勇気」を――蛮勇とも言えるかもしれないが――示したことは確かであろう。


こうした無謀ともいえる政治スタイルが支持されるというのは、本格的改革に挑む政治家が不在であったことを物語っている。到底策士とは言えないし、まともな知恵がある行動とも言えないところがあるが、他の誰かが旧来の体制を打破できたかというと、難しかったかもしれない。普通の感覚ならば、もっと周囲の状況を見たり得策を考慮するからである。そういうまともさがない。「変人」と呼ばれるのもちょっと分る気がする。それ故に、長年続いてきた長老たちの談合政治を少しは変えることができたのかもしれない。


今国会では、郵政民営化関連法案を通せるか否かに内閣の命運がかかっている。本来的には優先事項が社会保障であることは論を待たないし、税制や歳出削減も大いに不満が残る部分でもある。しかしながら、こうした議論も交えながら、財政投融資の資金供給源となっている郵政を切り崩すことは、大きな意味があると思っている。小泉さんや平ちゃんが「肥大化政府の悪の象徴」と見なしている「郵政事業」を本当に切り崩すことが出来たなら、他の大きな改革も可能になるのではなかろうかと別な期待も生じるのである。


これは、族議員やその他抵抗勢力との戦いであると思う。そして、古い政治形態との決別ができるのか、という分岐点でもあると思う。

この問題での議論は、本当の議会政治の実力が問われると思うし、政党の意味や存在価値についても試されるのではないだろうか。私としては、大きな変革が日本には必要であると考えているが、自民党であろうが民主党であろうが実行してくれる人物が登場して、政策として国民に示せるならば、それを支持するであろう。



今朝の日テレでやっていた番組(タイトルは何だったかな?)に出演していた民主党の仙谷さん(政調会長?だったか、弁護士出身らしい)は、他の出演者や塩爺さんなどから質問が出たら、まるでまともな答えができなかった。多分話している本人も何が言いたいのかよく分っていなかっただろう。桂文珍さんにさえ、「困ったな」という顔をされてしまっていた。1人で力説しようとすればするほど、「結局どう考えるのか?論点は何か?」のような明確な問いかけには、きっぱりと答えられないのである。下らない国会答弁を見ているようです。こまごま説明しようとしたり、幾つもの主張を織り交ぜようとしているのか、端的に主張が伝わらない。評論家たちや塩爺さんにさえうまく説明出来ないなら、国民はもっと理解できないでしょう。


隣の人(名前忘れた)に、「民主党は、細かいことを言う前にですね、全体としてどうしていくか、ということを示さなくちゃ・・・」との言葉を遮って、主張に没頭した仙谷さんでしたが、「教育基本法についてもですね・・・」と言いかけた評論家(だったか教授だか?)にも、その人の話を遮って「基本法じゃなく、教育そのものなんですよ!教育をなんとかしなきゃいけない」とまくし立ててみても、言ってることはバカそのもの。「教育をなんとかしなきゃいけない」なんてのは、素人の言うことで、改めてそんなこと言われんでも国民は知っていますから!聞きたいのは「どうしたらよいか」であって、「問題です」ということは分りきっていることなんですから。以前コメンテーターの話を書いたが、まさにそれであった。こんな人が幹部なんですよねー。がっくし・・・


またも民主党、大幅マイナス点でした。がっかりですね。私的支持率さらにダウンです。ここのところ連続ダウンばかりですぞ!自民党に戻ろうかな・・・

もはや――戦後政治ではない、このことを期待しているのであるが、成熟した議会政治と政策重視の議員活動は・・・まだ道のりがはるか遠い。まさか、「もはや・・・手遅れ」なら、国民は泣き崩れるしかないだろう。