いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

民主党もリストラ推進派へ

2005年08月31日 17時51分31秒 | 社会全般
「労組がバックに・・・」などといつも攻められていた民主党ですが、自らその弱点を前面に出して、「ほら、私達だって切れるんですよ。切るときゃ、切りますよ」ということらしい。以前の「そーり、そーり、そーり」と発言していた某女性議員のように、「労組、労組、労組」と毎回攻められたので、逆切れした模様(笑)。


NIKKEI NET:政治ニュース

この記事の一部を抜粋します。

「民主党の枝野幸男幹事長代理は同党の郵政改革案に関して「郵貯・簡保を縮小し、8年間で8万人の人員のリストラをやる」と表明。年金一元化に伴う財源については「(年金目的消費税として)3%と言い続けている。党を代表して(政権公約に)追加して結構だ」と述べた。」


その象徴として、まずは「官公労斬り!」の国家公務員人件費2割カット案。しかも新規採用を半分に減らすということで、ただでさえ高齢化が進む官僚達を、更なる高齢化路線へと導くということらしい。「若い血」が入らないと、大体どの組織も活性を低下させ、停滞路線となりやすいし、マンネリ状況が生まれやすいかもしれませんね。よいプランとも言えないでしょう。むしろ、天下り先みたいな高給ポストを削減し、逆にやる気のある若手をどんどん登用して、「前進志向」で行った方が組織内に蔓延る過去の因縁は断ち切れると思うけれど。そういう若手はべらぼうに高い給料なんて貰わないだろうし、雇用にもプラスだな。


そして、本日の枝野発言は、「郵政職員8万人斬り!」ということらしい。これはマジで郵便局員は怒るだろうね。いきなり大リストラを掲げるんですから。

大樹の会員達も、嫌な選択を迫られているね。「よーく、考えようー」状態。どっちが勝っても、当初の反対意見は粉砕される可能性大。唯一の望みは、参院での再否決という政治的に厳しい道だろう。だから、最初から廃案などに追い込まずに、自分達の明日に繋がる可能性を模索していくべきだったのですよ。毎年1万人のリストラですって。「これが改革だ」という、極端粛清路線をひた走ることになりそうでコワイ。

因みに、霞ヶ関も同様に、幹部クラスは大幅な粛清を覚悟せねばならないでしょう。民間人を大量に連れてきて、各省庁内の官僚権限を取り上げよう、という魂胆なんだろうな、と思います。そして、その旗振り役には以前官僚だった人達も入っていて、「官僚ではダメだ」というご意見の持ち主達が幹部にどのような報復を用意しているのか、これもちょっとコワイ。

なので、霞ヶ関にとっても非常に難しい選択を迫られるでしょう。


民主党は、マジだと思いますよ。

自民党にはまだマイルドな部分が残されていると思いますね。


郵政と財投と周辺組織の問題2

2005年08月30日 22時43分55秒 | 社会全般
前の記事の続きです。

国の借金は実は多い訳ではなくて、国の貸借対照表で見れば平成15年度末時点では、227.4兆円の負債超過に過ぎないんだよ、と。そういうご意見もあるのですが、確かに数字を見るとそうなんだろうな、と思います。でも、現実にそれを信じる人がいるのかな、と思いますけれども。通常倒産した会社が負債を1億円抱えていて、他に在庫とか会社の不動産とか、たとえ帳簿上の資産があったとしてもそれが額面通りを意味することなど想定してはおらず、実際に回収する段階になれば当然激安となってしまうでしょうね。資産価値1万円だった在庫は、バッタ屋などにゴミみたいな値段で売られるだけだろうと思いますけれども。固定資産にしても、額面通り回収出来る人がいたら、それは本当に極めて稀なことなのではないでしょうか。ただ、国の資産が誰かに売り切られるということは想定できませんから、現実になった場合をいくら考えてみても何の意味もないのでしょうけれども。


貸借対照表で見れば借金は意外に少ないですけれども、普通の会社は潰れてる水準でしょうね。内閣府の統計などでよく出てくるSNAベースで、国の負債を見てみる方が現実的な感じもします。


このSNAベースで見ればH14年度時点で、一般政府のうち、中央政府の負債は600兆円(特別会計国債や特殊法人等の債務を含みます)ですが、金融資産は149兆円に過ぎません。差額は451兆円です。地方政府は負債182兆円に対して、金融資産62兆円で差額は120兆円です。一般政府での合計は、負債が571兆円超過となります。社会保障基金では、金融資産237兆円に対して負債が27兆円で210兆円の資産超過です(将来時点までの支払額を含みません)。


では、公的企業はどうでしょうか。こちらは、公的金融機関と公的非金融機関に分けられています。前者は金融資産1031兆円に対して負債が1007兆円となっており、資産の方が多いのですね。つまりは、金融部門は国から切り離しても十分やって行けるということになり(勿論負債は多いことは多いですが)、そこには損失処理のような面倒があまり存在していない、とも言えるかもしれないです。全部を見た訳ではないので、正確には判りませんが、民間移行がしやすいという可能性はあります。後者の方は、金融資産26兆円に対して負債が158兆円となっており、132兆円の負債超過です。一般政府外の非金融部門の負債がかなり多いということが分ります。


ここに、かなりの不良債権状態が隠されていそうだな、ということは想像できますね。これも個々に見て評価しなければならないでしょうけれども、非効率の為に無駄に浪費(言葉がかぶってる?浪費は無駄に決まってるか)されてきた部門が隠されているはずでしょう。再建が不可能な水準に陥っている、公的企業がかなり存在する、ということです。現在はその組織を生き長らえさせる為だけに、言ってみれば「追い貸し」しているような状態とも言えるでしょうか。その資金は、一般会計などから、運営交付金とかただの交付金、補助金、委託費、補給金などの名目をとりながら、支出されている可能性があります。資金を送らなければ、利払いが出来ないし借り換えが出来ないということなんだろうと思いますね。本当に必要な部門ならば、一般政府内に入れて、不採算であっても業務を行うべきでしょうが、果たしてそんな重要な業務を行っている公的企業がどれ程多く存在しているでしょうかね・・・。


特別会計の中身とかって、非常に分りにくくできてまして、私のような一般個人が調べるのも大変なのですが、一例として経済産業省の担当部門を見てみましょう(金融機関部門はとりあえずパスします)。


貿易再保険特別会計は、総額579億円に対して一般会計からの受入70億円。特許特別会計は総額955億円に対して一般会計からは僅か1700万円だけです(殆どが事業内での収入で運営出来るということです)。電源開発促進対策特別会計は、総額237億円に対して一般会計からは235億円と殆ど全部ですね。電源開発は確か上場企業となったのではなかったか、と思いますが(記憶違いならばゴメンナサイ)、その企業への委託とかそういう資金?だろうと思います。ここまでは一般会計からの受入額が割と少ないですね。全部で300億円程度しかありません。ところが、以前にも取り上げた石油関係(特別会計は抜本改革せよ)がデカイのですよ、金額が。


石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計という非常に長いネーミングですけれども、この収入構造に謎が隠されているのですよ。恐らく政官業の構図から生み出された部門だと予想するのですけれども。目的税として、原油等関税収入415億円の財源を持ちますが、何と一般会計からは4456億円もの資金を入れています。これがどうもオカシイのですね。本来の目的税としては、極々少ないのに、石油公団、NEDOや新エネルギー・産業技術総合開発機構(名前が長い独立行政法人・・・)などの組織を生き延びさせる為には巨額資金が必要になっている、とも推測されるのです。上3つの特別会計の総額と一般会計からの繰入額のバランスを見ても、この「石油~特会」とは全く違う感じなんですね。目的税の10倍以上の資金を入れているんですから。こういう巨額部門にこそ、非効率部門の山が隠されているとしか思えないのですね。一般会計や特別会計から運営費等を貰わねば生き延びられないという可能性が高い組織と言えるでしょう(業務の全てが不要とも思いませんけれども、使われ方には大きな問題があるんじゃないのかな、と)。


この特別会計の使途を見てみると、勘定が別々にあって、石油関係と石炭勘定の2本立てです。自己収入である原油等関税収入は全額石炭勘定になっていて、この収入全部(415億円)に前年までの繰越があり、その一部が追加され500億円くらい石炭勘定として使われますが、一体何に使われているかというと・・・実は国債整理基金特別会計に繰入するだけなんですね。石炭勘定は国債の償還を行うための会計で、結局借金返済にのみ資金をつぎ込み、原油等関税収入は全額国債償還費に消えていくだけ、ということなのです。案外と、バカな話でしょ?目的税と言いながら、現実は借金返済にのみ使われる。目的なんて関係ないんじゃないか?これは法改正で目的税の使い方を決める必要などない、ということを示していると思いますが。結局余った分があれば、国債整理基金特別会計に繰入することにすれば、どの特別会計の目的税にしたって国債償還費に使えるんじゃないか、と。道路財源にしてもそうだろうな、と思うけれども。とりあえず、今はそれについてはよく分らないので、置いておくけれど。


ここに行き当たるまでには、あちこち彷徨わないと資料が見つけられないんですね。省庁はそういう風に分りにくくしてあるのかも・・・。多分、違うと思うけれど(笑)。でも経済産業省はまだいい。省庁別の貸借対照表を出しているから。でもね、厚生労働省は、出してない。あるのかもしれないが、見つけられないんだよね。経済産業省は、資産が上回っていたと思う。連結(一般会計と特別会計の合計)でも、負債超過ではなかったと思う。


まあ、特別会計については、闇がやたらと多い。仕組みもそうだが、何処に金が流れていっているか、一般会計からも飲み込んでいるか、そういうところが謎。部門ごとの負債総額もよく分らないし。


こういう複雑な闇を作り出すのには、長い時間をかけて色々やってきたんだろうと思うよ。何せ、全体像がはっきり見えないようにしてある。これは意図的にそうしているとしか、考えられないけれどね。


一般政府のうち中央政府の約450兆円、公的非金融企業の約130兆円、この辺に特殊法人の闇が隠されているだろう。そこに資金を流し込んできたのは、今は国債もあるし財投債も(そして機関債も)あるだろうが、かつては専ら預託金として郵政と年金からの資金還流が続けられてきたんだろうな、と思う。郵政民営化後の行財政改革の一環で、もっと実態が掴めるようになるかもしれない。


追記:9/2

記事中に誤りがありましたが、元の記事はこのままに残します(自省のため)。電源開発関係の収入が間違っております。訂正は電源開発関連の記事の訂正の方に書いてありますので、そちらを参照して下さい。申し訳ございませんでした。



郵政と財投と周辺組織の問題

2005年08月30日 19時45分18秒 | 社会全般
財投は郵政民営化との直接の関係があるとも言えるし、民営化したからといって公的部門への資金還流が完全に防げるということでもないかもしれないが、民営化によって60兆円分の(郵政システムという)国民資産は一部現金化され、少なくとも現状のままで郵政公社内部に眠らせているより、資産を活用する方がましでしょうね(財政再建にも使えます)。それに、財投先への資金供給は、財投債だろうが国債だろうが、預託金時代に資金を流し込んできたような緩んだ規律は改善するだろうと思います。財投機関債の問題についてfinalventさんは考察を続けていますが、この存在自体に問題があったとしても発行額は少ない(4~5兆円くらいだったと思います)のと、今後の預託金からの借り換えで機関債が財投債並みに増えるというのは恐らく無理だろうと思います。ある程度の規模となる収入源を持つ公的機関というものが、所謂特殊法人等の財投先には存在しないのではないのかな、と思うからです。


大きな収入源を持つのは多分道路公団であって、他は大したことが無いと思います。国の資金援助がなければ基本的にやっていけない所ばかりだろう、と。旧国立大学や旧国立病院も結構収入源は大きいですが、独立行政法人化されています(勿論国からお金を貰っているけれど)。こういう所が発行する財投債は額が知れてる。多くても単年度で高々50億円とか100億円程度だろうと思います。国家財政の大幅な圧迫要因とはならないだろうと思います。負債総額も収益源も大きいのは、やっぱり道路公団なんだろうと思います(道路公団は例えば17年度の機関債発行水準が3千億円と巨額でケタが違う。機関債と財投債の両方があるということは、ある意味ズルイというか結局政府保証は入っているという意味になると)。政府系金融機関は負債総額が案外小さいので(貸付先の不良債権があっても、財投先全体の負債総額から見ればはるかに小さいだろう、と)、逆に国から切り離しても大丈夫、ということが言えるかもしれません。民間企業としてやっていける、という見通しが立ちそうです。そういう所は、国庫からのお金を入れなくても1人立ちしてもらえるからいいけれど、本気で困るのは自力で全然やっていけないところだと思います。これについては、いずれ。


郵政にある国民の資金の意味合いについて、再び取り上げてみたいと思います。

昔は逓信部門=国であって、逓信部門の事業は国の直接事業ということだったと思います。これがもしも銀行しか存在しなければ、国民は銀行に預けるしかなく、銀行が経費や利益を抜いた後の残りから利息が支払われます(当然企業の取り分はかなり大きい)が、国が直接金を集めて銀行が抜いていた分を国のインフラ事業に投資すれば、国の資産として使えるので国民利益にも繋がるということでした。それ故、昔は鉄道事業や電話事業といった社会資本整備事業を進めたのだろうと思います。このような社会資本は事業の公益性は高いだろうと思われます。


国の社会資本整備には、国が銀行から資金調達をして銀行に金利負担をするよりも、国民から直接資金調達して銀行に支払うべき金利負担を国民に返した方が望ましい。何故なら金利そのものは税金で賄われるものなので、結局は国民から国民への所得移転ということになるからです。鉄道整備事業のような巨額資金を必要とする場合に銀行から調達すると、国民から国へと入った税金は銀行に利払いをすることで、銀行を儲けさせるばかりになってしまいます。そういう意味では、昔は郵貯の大きな意味がありました。


ところが、郵政という巨大部門が政府内に出来てしまった結果、国民から郵政を通じて国へと入ったお金は、昔のような公益性の高い事業に使われるばかりではなくなり、あらゆる非効率部門にも資金提供される財源と化してしまいました。中間体である郵政部門も肥大化してしまい、非効率構造となってしまったのだろうと思います。国民→郵政→国という流れで集められたお金は公的事業に投資されていき、国民に利息が払われる時には逆の経路で出てきます。本来郵政という中間体の消費する資金量(運営経費)が小さければ国庫へ戻される資金量(投資運用利益-運営経費-国民への利息)が必然的に多くなりますが、中間体の郵政が無駄な消費をする組織となってしまった、ということです。


国が100兆円の投資を行う時、郵政という中間体を通さずに、例えば空港整備事業の為に「空港建設国債」を国民向けに直接発行し資金調達した場合、国が利払いを国民に直接行う(その利払い財源は当然税金=国民のお金)のです。利率が3%ならば、国民に3兆円の金利が支払われるのです。ところが、郵政が存在する場合には、郵政内部で2兆円使ってしまい、国民への利払いが1兆円という具合になるのです。もしも他の民間金融機関と同じくらいの利率を保つ為に、国民への利払いが1兆円(金利1%)では多すぎるということならば、水準を合わせて例えば0.5%の5千億円だけ払うということになり、そこで余った残り5千億円が国に戻されればまだ良かったのですが、「余ってるならもっと使え」ということで、郵政は使い道を膨らませていきました。こうして非効率部門が作られていったのだろうと思います。

反対派の反対理由としてよく用いられる(共産党や社民党も)、「完全独立で税金を一銭も使ってない」というのはトンデモナイ間違いです。本来国の事業の為に直接資金調達するならば、利払い費が郵政に飲み込まれることなど有り得ないのですから。たとえ郵政事業に不足分を直接税金から投入することになったとしても、その場合の国庫からの歳出にはある程度の抑制がかかりますから、現在ほど肥大化はしなかったでしょう。


もう一つ、重要なことは郵貯資金の過度な膨張でした。バブル崩壊によって安全指向の高まりもありましたが、郵貯の純増額(新たな貯金者が入金すると言う意味で)は恐らく多くても50兆円位、予想される水準では35~40兆円程度ではないかと言われています(出典は思い出せません)。バブル崩壊直後に急増した預入残高は、6%の半年複利で最長10年というとんでもない商品性を持つ「定額貯金」があったことが最大の災いだったのです。金利6%ですから12年で元金の約2倍になります。従って10年間待てば、大体1.8倍は郵貯残高が増加するということになるのです。誰も新たな貯金をしなくても、100兆円あった残高は10年後には簿価の上で180兆円まで膨らみます。このことが、郵政を大いに困らせる結果となってしまったのです。貯金者にはそれだけの利息を払う約束をしてしまっています。ところが、運用環境としては、バブル崩壊によって、6%を上回れる運用先などありません。金利は下がっていく一方ですし、預託先も限界がありますが、郵政が運用に回さなければならない資金総額はものすごいスピードで増えていくのです。今までには、100兆円の運用先を探せば良かったものが、5年後くらいには30兆円以上の新規運用先を見つけださねばならなかったのです。これが、財投先の財政規律を大いに壊す結果となっていったのだろうと思います。


郵貯残高は、90年頃の130兆円から97年の220兆円(今とほぼ同じ規模です)、00年には260兆円まで増加していったのです。たった10年間で今までの2倍の資金運用先を見つけるということが、「大いなる失敗」の原因となってしまったのです。これは国民所得とか国民経済の大きさと、公的部門のバランスを大きく欠く額まで膨れ上がってしまった結果であったとも言えるでしょう。残高が増加した130兆円分を何かに運用しなければ貯金者に利息が払えない、という状況を産んでしまったことが、財投先のありとあらゆる無駄な投資に繋がっていったのです。現在はその後始末をする、という時期なのだろうと思います。郵貯資金は260兆円から今は220兆円弱くらいまで減少してきました。郵貯に入れても利息は増えないので他の運用先に資金が向かっているということだと思います。今の郵政という中間体組織は、かつての猛烈なスピードで肥大していった時に合わせて出来上がっていますから、昔の郵貯残高が少なかった時代の規模へと戻すことがそれ程悪いことなのでしょうか。90年には130兆円の残高でやっていたのですから、これがそれ程困難というのもオカシイ気がします。国民可処分所得は91年の403兆円と03年の405兆円と殆ど同じです。そういう経済規模なのに、郵政の肥大化した部分だけはそのまま残す、というのは変です。


それと、財政規律の緩んだ財投先ですが、これは次に書いてみます。

(TBしましたが、弾かれてしまいます・・・なんでだろ・・・よくあるんですよね、こちらを読んでくれることを期待してます、finalventさん・・・因みに私はfianlventianですよ。笑)



自民党の消費税への言及

2005年08月29日 18時07分07秒 | 社会全般
明日の公示を控えて、各党の動きも活発になっていますね。特に目を引いたのは、自民党の消費税上げへの言及。これに合わせて民主党も、「年金保険料を消費税に振り替える」という発言が出てきました。


自民党は都議選前に「サラリーマン増税」に懲りて、歳入改革部分への言及を避けてきましたが、やっと政策部分でも「正面から勝負する」という姿勢を出したことは評価できると思います。武部幹事長が「勇気を持って告白」、じゃなかった「勇気を持って歳入増」への説明をしたことは、政権担当としては当然の責任である。これは、他党の「まやかし」「単なる反対」論を退けることには必要だと思うし、国民も当然そこは見ていると思う。たとえ財政の細かいことが正確に分らないという人でも、一般的な感覚で「国の借金は尋常ではない」ということに気付いてるし、それ故の「年金不安」なのですから。そりゃそうだろう、と思うよ。普通の借金の量じゃないもんね、確かに。


なので、いくら「国民からは取らない」とか口だけ言っても、どう見てもウソっぽく聞えるし、「このままじゃ、まずいんだろうな、きっと」という鋭い勘(普通の勘でも十分かもしれない)が働いているんじゃないかと。まあ普通、これだけ言ってりゃ、分るわな。「国の借金が~~」って、毎度の話だもんね(笑)。


なので、正直に「国は本気で困ってます」ということを話し、国民の理解と協力を求める姿勢は当然必要なのです。これは確かに困難な作業ですが、誤魔化すというのではいつまで経っても解決出来ません。むしろ、「与党として責任を取る」という点でも、他の野党の連中と同じような態度ではダメでしょうね。それは、共産党みたいな万年野党の理屈と言ってもいい。そういう意味では、武部幹事長の「消費税を上げることを前提とする検討」というのは妥当です。これを受けて、細田官房長官も「財政再建に向けて・・・消費税を含めた税制について、総合的に検討する」という趣旨の発言をした模様。


一方の小泉さんは、「07年度では、ちょっと早すぎなんじゃないかな~」と発言。もっと”地ならし”が必要だろうね、という意図か、年金改革を含めるので時間がかかる、という意味か、経済指南役からの”耳打ち”(入れ知恵?かな)か、もっと単純に”選挙用発言”か、でしょうか。他に何かあるかな?案外うまいコメントだな・・・これは。「早すぎなんじゃないか」というのは、やらないと言ってる訳ではないが、少なくとも「自分の時には有り得ない」ということをきっぱり言ってるのですし。概算要求の前には、「消費税率アップの決定」は無い、ということを表明してるんだろうね、純ちゃんは。まあ、確かに消費税率上げ単独で踏み切るならば、時間はかかるだろうし、経済動向を見定めて、ということも必要ですし。中々奥が深いか、小泉さんのコメントは。



公示後の選挙違反行為って・・・(追記あり)

2005年08月28日 21時52分22秒 | 社会全般
昨日は24時間テレビの為、「女王の教室」が無くて、ああそうなんだ、とガッカリしました。でも、丸山弁護士が100kmも走るということで、「大丈夫なのかな」と思っていましたが、何と完走してしまいました。最後の部分だけ見たけれど、驚きと共に、感動。よく走れたと思う。妻と共に泣いてしまいました。毎年見てないのですけれど。


話が全く変わりますが、公示後にブログにどのくらい書いてもいいものなんでしょうか?選挙法違反になったりするレベルって、どの位なんでしょう?色々書いて、お縄になっても困るし。新聞とか見て決めようと思います。


選挙方法も、もっと低コストにする方法を採用した方がいいような気がします。
選挙カーとかで連呼するのは禁止にしたらいいのに。電話作戦も禁止でいい。ネットでは、届出HPだけいいことにしたら?
できるだけお金かけなくても出来る選挙の形をつくるべきなんでは。


各市町村の市民会館とか公民館などや、町内会館とかに有権者に集合してもらって、候補者全員の討論会とか演説会とかだけやればいいように思うけれどな。そういう場所に来れない人の為に、一定量の印刷物かデカイ掲示板(実物のものです)を数箇所設置するとかでいいのではないかと・・・ダメですか??


追記:

木村剛氏に先日取り上げて頂いたのですが、御礼が遅れてしまいました。いつも有難うございます。そういえば以前に木村氏が記事に書いておられた平将明氏が第4次公認候補となっていました。平氏は、経済産業省の産業構造審議会委員でもありまして、この審議委員には有名どころで言えば、よく官庁に呼ばれている翁百合氏、野田聖子さんの所に立候補した佐藤ゆかり氏、意外なところではフジテレビの木幡美子氏、有名な学者さんでは清家篤慶応大教授も入っています。


このようにして、意外な所で今回の候補者達の行政との接点や、行政側の面子選定が判るのですけれども、平氏と言えば、基本政策部会でSMAPが歌う歌詞の「オンリーワン」解釈を取り上げて、これについてご意見されたことがいつだったかの読売新聞に出ておりましたが(一ヶ月くらい前だったかな・・・?)、なかなか面白いのですね、審議会というのは。確かに議事録にもありました。ナルホドですね。私もその話題を取り上げたことがありますし(格差社会6)。お気持ちが判ります。


候補になられた両氏には、若い力を活かして是非とも頑張って頂きたいものだと思います。選挙区民ではないのですが、陰ながら応援しております。


話題シリーズ8

2005年08月27日 18時56分51秒 | 社会全般
1)経産省裏金は、やっぱり「ここ掘れワンワン」

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 経産省裏金 現企画室長も私的流用 外部調査委報告書

参考記事:話題シリーズ7

選挙報道の陰で、地味に拡大中ですか。
何でなんだろうね、この人達は。普通の感覚では有り得ませんね。でも、これを自ら告白すると、組織内では生きていけなくなるということなのでしょうか?省庁内で酷いイジメに遭うとか?OB達から、「貴様のせいだ」と後ろ指差されるとか?霞ヶ関って、一体どうなっているのだろう?どこも、そういう組織風土ですか?

しかも、複数口座に分けているというのは周到な隠蔽工作と考えてよく、また、財源自体が別々なところから引っぱってきているから、同じような手口を何度も繰り返し行っていたってことだろ。悪質な常習性の高い犯罪と同じであり、再犯性も認められるでしょ。

こういう連中が巣くってるのが、霞ヶ関という所。


2)経済同友会のマニフェスト検証

NIKKEI NET:政治ニュース

この記事より以下に一部抜粋します。

 経済同友会は26日のマニフェスト(政権公約)検証大会で、今回の衆院選で自民、民主両党などが発表した公約の評価を発表した。内容の充実度では自民より民主に高い評価を与えたが、実現性では逆に自民を評価した。また、同友会は小泉純一郎首相が2003年の衆院選で掲げた公約がどこまで実現したかを検証した結果も発表。金融再生などに高評価を与えた。

 同友会は今回のマニフェストについて、内容や表記の充実度とその実現性の両面で5段階で評価。自民は抽象的な表現が多いとして充実度は「3」としたものの、実現性は「4」とした。民主については数値目標を盛り込んだ努力を評価したが、実行力に疑問符も付け、自民と逆の評価になった。



経団連は自民応援という順当な結論だったようだが、経済同友会はどちらにも距離感は変わりないような感じでしょうか。政権を獲るのがどちらでもいいように対応している、とも言えるかも。そうでもない?よく分りません。何れにしても、経済界から提言していたことを各政党に要求するよう、きっちり発言するべきだと思うけれどな。公務員改革や天下り問題にしても、年金改革にしても、以前からの主張をきちんとするべき。自分達の主張と政党マニフェストとの突合もそうだし、言うべきことをこの際言った方がいいと思う。それは国民にとっても判断材料となるはずだし。


経団連も経済財政諮問会議がらみで、黙るというのは正当ではないと思う。経済政策にしても、従来からの要求項目があったはずだろうし、社会保障制度改革についても、当初からの主張を続けるべき。客観的に見て、単に政権への擦り寄りでは、経団連の名が泣くというものです。「政官業癒着構造」の一翼を担ってきたということをよく反省して、政官だけじゃなくて「業界」も変えていくんでしょ?「自民党が変わろう」という時に、経済界だって一緒に変わっていかなけりゃ、どうするんですか。政権担当にだけ「言い顔」しよう、ってのは、昔の政治のやり方を維持しつづける、ということを国民に知らしめているようなもんです。たとえ自民支持であったとしても、経済界が正当と思う主張を取り下げることなどないし、多くの従業員達を預かる代表者達の役目として、当然主張するべきです。「これをやってくれ」と、従業員達の代わりに―引いては国民の代わりに―発言力のある人間が言わないでどうするんですか。

そういう体質を変えることこそ、今回の選挙の意味があるのではありませんか?
親ならば子供が可愛いからこそ、たとえ本人が「聞きたくない」ということも言ってあげるのではありませんか?それが愛情というものではないですか?


省庁の研究所などと同じで、ただ提言を出して、それでおしまい、っていうことなら、あんまり意味がありませんよ。
主張・要求するからには、国民の目に見える所で、はっきり言いましょうよ。そういう政策決定プロセスに変えていくんでしょ?諮問会議はそうすることにしてきたんじゃありませんか。選挙の時だけそれに反するというのも変です。


経済学は難しい9

2005年08月26日 20時21分07秒 | 経済関連
このシリーズもこんなに進んでしまいました。最初の頃のバカっぽさも今なら笑えますが(現在も同じかな?笑)、徐々に前進してきました。初めの頃の「全く解決策が見つからない」という時点から見れば(経済学に詳しい方々には、端から結論が分っていたのかもしれないですが)、将来の解決方法の糸口が見えてきたように思います。前には、思いつきで下らないことも書いてたけれど。

参考記事:
経済学は難しい3
医療費の罠
経済学は難しい5
経済学は難しい7


まず将来像を探る時に、多くの経済学者達がよく口にする「マクロ経済計量モデル」ですけれども、これが議論の根底にあるべき、ということらしいです。これは内閣府の経済社会総合研究所や経済産業省の経済産業研究所や財務省の財務総合政策研究所など(因みに、これ程あちこちに研究所があって、経済財政・金融について色々研究していて、どうしてよい政策や解決方法を出さないのかな・・・皆何をしていたの?専門にやって給料や報酬貰っているなら、もっと頑張って欲しいな。問題は大きいし、色々検討課題は多いでしょ?)でも、時々出てきますね。研究所が多すぎて、逆に答えを一つに出来ない根本的要因ってことはないよね?ならば、役割をきちんと果たして、それぞれが研究成果を意味のある政策に反映させて欲しい。


今回はこれらからの出典ではなく、別な所から。またも研究所なんですけれども(笑)。
財団法人電力中央研究所の社会経済研究所という所です。この中に、ある記事がありまして、研究参事 服部恒明氏の報告です。

社会経済研究所[SERC] - 日本経済の進路:財政破綻か持続的成長か

社会経済研究所[SERC] - 国家破綻回避のシナリオ -需要創出型の財政・税制改革を-

上の記事での結果を基に、さらに検討をしたのが下の方の記事のようです。

これによれば、3つのケースについて検討されており、持続的成長シナリオがこれから目指すべき状態と考えることができると思う。これを達成するには、社会保障改革―特にケースでも述べられているように年金の約10%弱のカット(これは多分、年金受給者の負担増でも似たような効果となるだろう)―と、消費税率の年1%づつ15%までの引き上げ、そして重要なのは新規需要を約70兆円規模で創出することである。これが条件となる。


経済財政諮問会議が否定的であった医療関連分野が成長分野であるということについて、医療費の上限キャップ制とすることはおそらく将来時点での財政削減効果となって成長にはマイナスに作用すると考えられるが。むしろ、この分野には人的資源も金額的にも市場規模はかなり見込まれるのですから、これで70兆円創出の一部を担わせることが可能となると思います。少なくとも大学院生を4倍くらいに増やそうという作戦よりは、はるかに現実的だと思います(介護、医療補助人員等の拡大ということで、それにはその為の教育が必要となるのでそれも需要創出の一分野だと思うのですけれど)。大学院生の雇用拡大を促すような成長分野を創出することが先決と思います。


また高齢化に伴うヘルス分野、アンチエイジング分野(広義にはエステとか美容分野、ハゲもとい育毛分野とか(笑、将来きっと私もお世話になるかも)、スポーツ・トレーニング分野とか・・・)などといった市場は拡大するかもしれない。他にも、独居老人増加などで、資産管理分野・セキュリティ分野の成長も見込めるかもしれない(そういうルール作りは官僚諸氏が考えてくれればいいと思います)。今でもリフォームで騙されたり、振り込め詐欺にあったり、ということが多いのに、今後増加する独居老人は格好のターゲットにされると思うし。ロボット市場もうまくいけば拡大できるかも(話の「お相手ロボ」、「お散歩ロボ」、「見張りロボ」、とか・・・)。


あとは、育児・教育分野でも、新たな市場を創出するべき。変な例だけれど「お助けおばあちゃん」みたいな、仕事をしている女性の代わりに、子供の急病に対応したり、お迎えに行ってくれたり、お稽古や塾に連れて行ってくれたり、そういうことの手助けをしてくれる仕事とか(女性にしか分らない部分もあるので、現実的にどのくらい需要があるか分らないですけど)、企業の福利厚生の一環で保育分野への投資促進ルールを作るとか(従業員に保育園利用希望者がいる場合、その一部を補助しなければならない、とか)、教育格差を出来るだけ小さくできる公教育制度を地域ごとに作るとか、かな。


他にも、環境分野(例えば燃料電池車の普及拡大のためバス・業務用トラックの早期移行を目指す、燃料スタンドの整備・普及とか)や、医療制度改革の一環として医療情報ネットワーク構築(これだけで何十兆円かの規模になると思うけどな)ということも大きな国家的事業の柱になると思いますが。全額公的資金でやる必要なんてなくて、医療機関側にも優遇税制などで対応して個々に努力してもらえばいいんですよ。タイムリミットを決めて、ネットワークに参加しなければ報酬請求が出来なくなるという制度にしておけば、必ず猶予期間内に整備すると思うけれどね。特に地方と都市部の医療水準の格差を無くすには、ネットワークが必須。医療費の効率化達成の為にもそう。何でこれが理解できないかなー?


とりあえず、皆で知恵を絞って年間4兆円拡大を目指していけば、きっと将来には国債残高の対GDP比低下を達成できるはずです。



国債償還と借り換え(2)

2005年08月26日 13時27分13秒 | 経済関連
前の記事について、次のようなコメントを頂きました。

おかしな論理だと思います。
利息の支払いをこなすのがやっとの、これから収入の上がる見込みのない個人が、
ずっと自転車操業可能だと思いますか?
思わないでしょう。個人なら即「無理」と分かるものを、
国家となるとこうも楽天的にかまえるのはどうしたことでしょう?

国内問題(家庭問題)だとしても、父親が国債を発行するのに
限界はないかもしれませんが、母子の購入には限界がありますよ。
個人資産1400兆円をすべて国債購入にあてられるわけではないです。
そもそも1400兆円のうち、既にどのくらい国債に
費やされているか計算したことありますか?
郵貯・簡保は既に資産の約半分が国債ですし、
生保も資産のおおむね1/5~1/3が国債です。
銀行は貸付が運用のメインですから保有率が低いですが、
これからどれだけ国債を引き受けられるかははなはだ疑問です。
これは日銀に関してもそうですが。

そもそも、景気がよくなれば真っ先に売りに出されるのが
運用効率の悪い国債だと思うのですが、その辺りはどうお考えですか?





お気持ちは、よく分ります。私も同じように危機感を持っております。そして、ブログを始める動機の一つにこのような借金地獄を何とかするべきだ、ということがありましたから。そのための社会保障改革プランを、私のような素人が勝手に考えてみたのです(カテゴリー:社会保障問題のところの最初の方に書いてます。主に、昨年です)。


「限界なんじゃないか、破綻するんじゃないか」という危惧は多少なりともあります。ですが、はるか遠いかもしれませんが、今は将来を見て、希望を捨てずにこの難局を乗り切るしかない、と思っています。それ以外に解決策は見出せないからです。

つい先日書いた(選挙と政治3)ように、利払いは現状の財政政策だけでは無理ですし、仮に20兆円規模の大増税というような非現実的手段を考えたとしても、その後の低成長によって逆に新たな借金の増加を招くかもしれません。つまりは、普通に返済することは不可能という水準に達している、ということです。


そこで、コメントにお答えしたいと思います。質問事項を大まかに次のように整理してみます。

①利払いも不可能状態なのに、どうやって返済するか
②個人資産のうち、どれくらいが国債買入に回っているか
③今後更なる買入が可能か
④景気動向が良いときに売り切られるか

概ねこのような質問として、まとめてみました。


①について:

これは先日も書きましたが、増税プランや削減プラン(又はその組み合わせ)だけでは、資金手当てはかなり難しいでしょう。ましてや元本削減をまともに実行するなら、重税地獄を見ることとなるでしょう。ですが、元本が減少しない限り、利払い負担は楽になることはありません。また別な記事で書いてみたいと思いますが、単なる歳出削減とか増税だけではなく、それにプラスしてGDP成長率を増大させるような政策が必須ということになります。今後20年くらいの間に、80~100兆円規模の成長があれば、借金総額は増加しますが対GDP比では減少していき、発散は食い止められます。つまり、個人で言えば、借金も少し増えるが(例えば住宅ローンの他に、車や教育ローンが増える)給料が順調に上がっていくので、給与収入に占めるローン返済額の割合が減少して、返済負担が減らせるというものです。

(税や保険料は考えないものとして)今年収300万円の人が借金返済に180万円当てているが、20年後に年収500万円に増えていれば返済額が240万円に増えていても、使えるお金で見れば120万円だったものが260万円に増やせるという具合です。返済額が25%増加したけれども、使えるお金は約2倍に増えています。このような政策を実施しない限り、普通の返済プランでは元本減少は不可能、ということを申し上げたいのです。収入が少ないのに無理なローン設定をして窮している、というのが今の状況であるとすれば、給与が増える方法をとりながら、無駄は小さくして効率的にしながらも給与に占める借金を減少させていく、という考え方です。

上の例で見れば、60%返済に充てていたものが、48%に減少してやり繰りは楽になります(笑)。


②と③について:

これは正確な資料を探せなかったのですが、おおよその数字を調べてみました。政府系機関が国債をかなり買っていたり、色々数値が掴みにくいのですが、概略を書いてみます。国債保有者別に見ていきますと、だいたい次のようになります。直近では変わっているかもしれないですけれども、ほぼ近い水準と思って下さい。

日銀が90兆円、郵貯100兆円、簡保50兆円、保険・年金基金75兆円、銀行・金融仲介機関等200兆円、家計・非金融法人等30兆円(弱かな・・・)、一般政府50兆円、という具合です。合計595兆円となります。

ここ1、2年で財政投融資資金が年金運用や郵政から引き上げられて、その代わりに国債に置き換わったりしている(新たな運用先を求めるならばどうしても国債を買ってしまう)ので、一般政府と郵政部門・年金基金などの保有比率が結構変わってきているかもしれません。けれども、大体上の水準だと思います。それと生保の保有額は正確な数字は不明ですが、02年あたりでは全体の5%程度ですので恐らく30兆円程度となって、家計・法人等と似たような規模と思います。


個人金融資産1400兆円のうち、預貯金は約734兆円、同様に法人が178兆円ですから、合計912兆円のうち郵貯・銀行等併せて300兆円の国債に置き換わっていると考えてよいと思います。民間部門の預貯金資金の約3分の1が国債投資に回っているということです。因みに、郵貯以外の預金約770兆円のうち貸出に回っているのは約440兆円で、57%程度です。

保険部門は個人資産が375兆円で、このうち国債投資額は簡保50+年金基金等45+生保30という具合と思います。従って、こちらも個人資産の約3分の1が国債投資に回されていると思われます。ですので、個人資産のうち、預貯金と保険年金の合計額約1100兆円のうち、預貯金から240兆円(個人と法人の預貯金比率が大体8:2なので)、保険・年金基金から125兆円、個人向け国債30兆円となって、395兆円が国債投資に回っていると考えられます。日銀の資金循環統計を見ると、個人資産1416兆円のうち明らかに分類されているのが1307兆円で、残り109兆円は何処にあるか不明です。現金として残っているのか、埋蔵金となっているか(笑)、自分の財布の中なのか、タンス預金なのか・・・?結局、個人資産の約28%が国債投資に回っていると思われ、残りの資産から今後の不足分(大体15~20兆円規模?)を補うとしても、大きな問題はないと思います。それは個人証券資産約200兆円からでも、死蔵資金から振り向けても、どちらでもよいと思われます。少なくとも、個人向け国債が郵貯や銀行に預けるよりも、何倍かの利回りが期待出来る時、個人の投資行動として有利な方に資金移動をすることは当然かもしれません。銀行や郵貯に入れておいたとしても、大してメリットはないのですし。家計部門の国債直接保有比率が3%くらいから10%程度になったとしても、銀行がそれ程困るとも思えません。民間部門の余力はまだ残されていると言えると思います。


④について:

景気循環で、好景気となれば国債が売られるというのは、確かにそうですね。通常の債券市場で売買されますが、一般的に言えば金利は上昇局面となり(=債券価格下落)ますけれども、個人向け国債は保有していれば年2回のクーポン利率が改定されるはずで、上昇局面では利息が増えると思います。勿論売却しよう、ということになれば下落した価格で、ということになってしまい、損失を出すことも有り得ますが、全体の中で見れば少ない割合と思います。保有している限りは、金利上昇局面では、若干のタイムラグなどがありますけれども、クーポンレートが上昇するので3年定期とか5年定期預金よりも有利ではあります。そういったことを考慮して、自己責任で購入することが望ましいですね。


機関投資家なども当然売ってくる可能性がありますが、金利上昇は青天井ではないので、一定レベルまで上昇すれば低リスクで利息収入が魅力的という水準があるのですから、誰かが買ってくるでしょう。つまりは、既発債は保有者が変わるだけで、発行側には大した違いがなく、誰が持っていても利息は支払わなければならないことは同じです。従来よりも利率が高くなるので国の金利負担は重くなりますが、好景気ということでGDP成長率や経済拡大による税収の伸びも期待できるようになりますから、あながち悪い事ばかりではないと思います。少なくとも、新規国債の引き受け手が存在しなくなり消化出来ないとか、売却が続いて買い手がつかない、といった心配は少ない(というか、もしも買い手が存在しない場合、日本国債の信用が完全崩壊しているか、長期金利暴騰という経済パニックを意味する)と思いますけれども。



郵政公社の収益構造について

2005年08月25日 17時01分57秒 | 社会全般
預託金については以前に少し書いた(郵政民営化の考察5)のですが、馬車馬さん(郵貯:改革の理由(2) 収益源のタイムリミット)が詳しく説明してくれています。やっぱりそうだったんだ、ということが明確になりました。調べるということは、重要ですね。ブログはこのような方々のお陰で、知恵が集積できるので、優れたツールだと思います。


それと、先日郵政民営化後の姿を予想(郵政民営化後の未来(追記後))したのですが、郵貯銀行について別な解釈も成り立つかなと、ちょっと思いました。それは、地方の基盤が弱い信金・信組や農協系の金融機関の問題です。所謂田舎を中心に、今後人口減少や企業減少などによって収益が落ち込むので存続そのものが非常に厳しい環境となってしまう可能性がある、ということです。そういう将来が予想されるならば、地域ごとに地銀、信金、農協や郵貯銀行がバラバラに存在していることの方が苦しい訳で、それならいっそ郵貯銀行が地域特化として、その地域の弱小金融機関を合併した方が効率的なのではないか、ということです。私には経営的な判断は分りませんけれども、大都市部のような地域とは事情が違えば、なかなか事業存続は厳しい信金・信組・農協というのが有り得そうで、弱体化して倒れる前に大同団結して地域内での生き残りを図るべきなのではないか、と。その場合に、存続事業会社は、その地域の郵貯銀行でも、別な名前の銀行になってもいいのではないかな、と。


結果的に郵貯銀行とその他の民間金融機関のどちらが残るとしても、統合の道を探るのが望ましく、それが地方の人口減少への対応ともなると思います。



国債償還と借り換え

2005年08月25日 13時57分05秒 | 経済関連
コメントなどでよく散見され、割と多くの人が心配されているようですが、所謂2008年問題として、国債の大量償還を迎えて借り換えが出来なくなる、という不安があるのだそうです。この問題については多くの専門家が本などを書いたり、色々研究されているでしょうから、私の方で専門的検討は出来ませんが、分る範囲でちょっと考えてみます。


今までの記事にも書いてきましたが(選挙と政治3)、今の借金レベルは普通の水準では利払いさえ困難です。そのことに変わりはありません。このために「プライマリーバランスの黒字化」を掲げて、政府は歳出削減を目指してきました。しかし、現状水準ではそれでも足りないという予想も立ちます。構造改革や地方分権によって、政府部門から大幅な切り離し(例えば、医療・介護、生活保護、など今後の伸び率が高いと推測されている部門)によって、一見スリムに出来ますが、これをやると、例えば労働人口の割合の低い地域―いうなれば高齢人口比率が高い、過疎地の多い都道府県―は、極端な財政難に陥る可能性があります。


それは働き手が少ない(仕事が無い、雇用がない)ことや若年人口が少ない(皆仕事を求めて都市部へ出て行く)し、大きな企業も少ないので、税収そのものが少ないのに、高齢化進展によって社会保障費だけが伸びていってしまう、という構図です。支え手は減り、医療・介護費が増加していくような状況です。現状の医療制度や年金制度等の枠組みのままで中央政府から切り離してしまうと、地方財政が困るだけです。従って、持続可能な税制・収入(保険料とか消費税?とか)と社会保障負担の改革を行うことがまず必要です。


それはとりあえず今後の問題として、当面の運営状況では国の借入金の元本返済は不可能です。借金返済の目処が立つような経済財政状況と長期展望が必要です。08年度までの時間は少ないので、当面は「借り換えが可能か」という点について、考えておけばよいと思います。


国債発行は、プライマリーバランスがマイナスであれば、償還額よりも多い金額が発行されます。歳出の不足分をそれで補うということですね。仮に償還が120兆円で、不足額が20兆円の合計140兆円の発行額ということであれば、資金調達規模がこの額が必要ということになります。


まず、償還を迎えた国債資金の多くは郵政や銀行・機関投資家などの国民から集めた資金を運用している人達にだいたい戻されます。要するに、国民が銀行に預金してるとか郵便局に預けてるとか生命保険に入っているとか、そういう理由で金融機関や機関投資家の元に集められた資金です。そういう人達が国債を大量に買っていたので、お金が戻されれば利用者達に利息を払ったりする為に、必ず何かで運用しなければなりません。勿論償還されたお金の有利な運用先があれば、そちらに資金は向かいますが、最近の状況では都銀ばかりではなく地銀や信金なども運用先が多い訳ではない(つまりは貸出資金の割合が多くは無い)ので、結構国債を買っています。従って、償還されて金融機関や機関投資家に戻された資金の多くは、行き先がなければ再び新規国債を購入する資金として当てられるという可能性が高いと考えられます。もしも、他の運用方法が魅力的で安全に増やせるとなれば、誰も日本国債のような低金利の債券など欲しがったりしませんが、お金の持って行き場がない状態では、ただ置いておくよりも国債を買った方がまし、ということになります。ですので、償還額が多ければ多いなりに、そのお金の運用先を求めることになるので、120兆円償還されてまた120兆円で新規国債を買ってしまうということなら資金移動はないのと同じです。この場合、必要となるのは不足額として上乗せされる20兆円分であり、これが消化されるならば問題ないと言えます。


20兆円が消化できずに資金調達が不可能となれば、利払いも出来ないということになりますが、実際には日銀が毎月1兆2千億円の長期国債買入を行っており、これだけでも年14兆4千億円の買入額となります(純増額とは若干違うかもしれませんけれども)。従って、かなりの国債買入が行われるのですから、せいぜい10兆円規模を売り切るなら、毎月個人向け国債を1兆円売れば済む程度です。これは個人金融資産1400兆円の規模から見れば、1%以下の水準に過ぎないですから、消化はそれほど困難とも思えません。不足する新規発行額(償還額に上乗せする部分)が大幅に増加していかない限り、当面の心配はないと思いますが、金利負担分が均衡するようにしていくことは最低限の目標として必要だと言う事です。


この前提としては、「日本」という言ってみれば大きな家庭が、破産しないという信頼に基づいていなければなりません。多くの人が、「日本」という家庭は金が払えなくなり破産しちゃうんじゃないか、というような不安が増大してしまい、皆が「お金を貸さないよ」と言うならば、その時にはデフォルトが起こる可能性が出てきます。それは、自らが破滅を恐れすぎて資金を止めると、次々に他の人々にもその恐怖が伝播してしまい、本当に破産するということになってしまうのです。ですから、不安を必要以上に増大させたり、恐怖を煽り立てるというのは、自分達の破滅を決定付けてしまう結果となるのです。


例えば、銀行が潰れもしないのに、風説の流布などで取り付け騒ぎが起こるのと似ています。一斉に現金化しようとお金を求めて銀行に殺到すれば、それだけでパニックとなります。その銀行は本当は潰れることなどなかったかもしれないのに、全ての預金者達が現金を回収しようとしたら、きっと潰れるでしょう。潰れたことによって、銀行に預けていた資金のうち戻ってこなくなる分があり、それで自分が損をしてしまうようなものです。


国民が国を信頼し続ける限り、利払いは続けられ、たとえ苦しい台所事情であっても持ちこたえることが可能であると思います。ですが、「破綻するんじゃないか」という不安だけが増大して、多くの人達が現金を回収しようとして国債大量売りが一気に起こるとするならば、長期金利暴騰とか海外資金引き上げによる株価暴落とか、為替市場の極端な円安とか(これは実際どうなのか定かではありません)、そういう混乱が起こることも有り得ます。現金に換えてみたところで、それは日本銀行券に過ぎず、国債を手堅く持っているのと、大して変わりもしない気もしますけれど。だって、日本という経済が大混乱となるなら、日本銀行券を大量に手にしたところで、単なる紙切れ同様となりかねないのですから、パニックに陥って国債売りを浴びせることは自分で自分の首を絞めるのと同じです。もしも、その可能性を信じ、「日本」が怪しすぎて国債なんて紙屑同然と思う人は、全財産を持って一刻も早く海外へと逃げた方がいいと思います。それが唯一助かる方法だと思います。


かつて、企業を中心に現金化が起こったのと似ているような気がします。土地も株も売り払って、眠っていた資産を現金化することで、日本のデフレが悪化、加速してしまったのではないか、という推測に過ぎないのですが。競って売り出し、何は無くともとりあえず「手元に金、金、金」とかき集めた結果が、この大きな停滞を深刻化させたと言ってもいいのではないか、と思う。株式持合解消の売りを浴びせた結果が、外資の買収の陰に怯えたり、安定株主を多数失うという今の状況を作ったというのも、どこかマヌケな話とも言えるけれど。資産劣化のリスクを減少させたということなんだろうと思いますが、逆にリスクをとらなくなった企業活動の結果が投資減少・雇用減少・銀行貸出減少となり、銀行に集められたお金の行き先は国債に集まった、ということです。


国の借入金の利払いが現状では非常に困難であり、ましてや元本返済は夢のまた夢です。ですが、借り換えを支え続けない限り破綻してしまうのですから、ここ数年で長期見通しをきちんと立てて、(社会保障制度等の)制度設計を構築が必要でしょう。当然その場合には、歳入部分にも着手する必要があります。


日本の国債保有者が国内が殆どで、海外比率が3~4%程度と極めて少ないことは、問題解決にとっては幸いしていると思います。これが唯一良かったと言えることなのではないか、と思います。海外投資家は、「損する」と思えば、容赦なく売ってきますし、日本のことを信頼するとかそういうことは全く関係ないでしょう。儲かるかどうか、が問題なのですから。そういう投資家が日本の国債を大量に保有していないということは、返済の為の経済財政政策は国内問題として解決できうるチャンスがあると言えます。これが海外投資家達に「返せない」となると、極めて深刻な事態も想定されますが、返済先が国民とか民間企業である限り、国民が「金返せー!!」とパニックに陥ったりしない限り大丈夫と思います。いうなれば、家族間の金の貸し借り(父である国と、母子の国民や民間企業)に過ぎないのですから、家庭の外の取立て屋に脅されたりするのとも違いますし(笑)、家庭そのものの破産はしないとも言えます。家庭内問題(=国内問題)であっても、対外的問題(国際間問題)とは本質がやや違う、ということでしょう。


国民が日本銀行券を信じるのと同じように日本国債を信じるならば、破滅的混乱は避けられると思います。その為の舵取りは甚だ困難な作業であるということは間違いないのだろうと思いますが。



予算削減した後、どうするか

2005年08月24日 18時30分16秒 | 経済関連
前に書いてきましたが、政府が言う「小さな政府」の意味は、税負担を大きくすることなく、行政サービスもそれに合わせて削減していくということだ(参考記事:不正と不公平と「小さな政府」大きな政府とは・・・)。ですが、何でもかんでも削ればいいというものでもない。景気などの経済的影響をある程度検討しなければならないでしょうが、民主党の主張するように、郵政改革を行い(リストラも含めて・・・)、公務員給与の2割削減、10兆円歳出削減、これらが3年という短期間で一気に進行していった場合、経済成長にはかなりの下押し要因となるし、インパクトも少なからずあるのではないか、という危惧を払拭出来ない。エコノミストはこういうのを計算するのが得意でしょうから、どなたかササッと概算を出してくれないかな~?


政権発足したら、来年度の予算編成について早急に取り掛かることになるでしょうから、とりあえず大幅な変化は直ぐには出来ないのではないかとも思います。ですので、いきなり政府系機関を消滅させたりは出来ません。


削減ポイントとしては、まずは特殊法人や公益法人等の天下り組がポストにかじり付いてる部門を一斉にスクリーニング、主要な高給取りポストについて大幅な減給とか組織簡素化(幾つかの組織統合を図り、理事長職や部長職などの数を減らす)を図り、まずは人件費削減に着手します。それ以降に業務内容の見直し(これは完全開示とか第三者有識者等による評価)を行い、不必要とか重要度の低い業務については民間移行とするとか、予算の大幅削減(猶予期間も多少必要かもしれない)を行う。来年度の予算には間に合わないかもしれないだろうが、政府系機関の目標削減レベルをトータルで20%カットとかは設定できるかもしれない(これはなかなか厳しいか)。これをやれば、特別会計部門の改革は時間が必要だが、とりあえず一般会計からの繰入(補助金や委託費等)を減らせる。公務員人件費は、地方ならば地域ごとで少し削減できると思う。国の開発局の人員は削減できる部門があれば地方組織に編入させるか、配置転換をして別な部門に移し、余剰人員の整理を行う。


それから、公共事業費のうち削減可能な部分については当然削減するでしょうし、社会保障費以外の一般歳出もだいたい削減されてきたから、来年度もその傾向は維持されるだろう。


こうして削減できた分は、とりあえず年金の穴埋めに使うか、医療・介護等の社会保障費の不足分(伸び率を抑制しても、それでもなお不足するだろう)に充当することになるだろう。民主党の主張するように、削ったままというのは良くない。厚生年金で5兆円以上の赤字、国民年金でも2千億円強の赤字だったはずで、均衡なんていうレベルではなく、全く足りない状況である(未納者は依然として3人に1人いるし。因みに菅直人氏はテレビで「半分とか、50数パーセント」と言ってたが、間違ってます)。また医療費の伸びもそれなりに高いので、そちらにも充当しなければならないだろう。また、医療機関側への努力義務を求めるため、一般会計からの補助金を多くもらっている順に、補助金を定率で削っていくこととする。例えば、10億円超は6%、1億以上は4%、それ以下は3%という具合に。一般会計からの繰入をして運営している病院というのは、普通の民間病院に比べても有利であるし、公益性を考慮したとしても両者に明瞭な違いが存在しなければ(例えば救急医療や小児・産婦人科などの必須的部門への補助金は除外しておく、とかですね)、原則的には民間と公平な競争にするしかないでしょう。診療報酬改定については、伸び率ゼロとしておく(GDP成長率はプラスだが、とりあえずゼロとする)。それでも微々たる削減でしょう。


これでも社会保障費の自然増には足りないだろうが、とりあえず余った分を回すしかないと思う。経済財政諮問会議のプランでは、医療費について高齢化修正GDP成長率を目標に減らせと言うだろうが、そこまで医療機関側が一気に削減できるとは思えないですね。でも、医療制度改革の着手に向けて、何らかの方向性が必要ですので、とりあえず今出来る補助金削減を進めるしかないでしょう。


当然国家公務員共済組合連合会の医療施設整備費等補助金も削るし、剰余があるなら国庫に返還してもらうぞ。それが当然でしょ、財務省。自ら手本を見せないとね、予算削減の。まず、身を切れ、なんでしょ?



お礼と申しますか

2005年08月24日 12時17分36秒 | 俺のそれ
昨日何故だかgooのアクセスランキングで2位となっていました。正直に申しますと、初体験のアクセスに驚きと嬉しさがあります。皆様有難うございました。きっと一時期のことで、インフルエンザみたいなものだと思っておりますが、今後も地道に書いていきたいと思います。

コメントに幾つかありましたが、自分の考え方については今まで記事に書いてきましたから、特に政治的スタンスはそちらをお読み下されば、ご理解頂けるかと思います。

私的政治思考の変遷


郵政民営化問題については、既にご存知の方も多いと思いますが、finalventさんが書いております、「極東ブログ」や日記(左ブックマーク欄にあります)の方もお読みになられると論点が非常に判り易くなると思います。


今後も従来通り、自分の考えは考えとして正直に書いていきますが(それはあくまで私の個人的意見であり、他の方々はどのようにお考えになるか、判断はお任せします)、私はメディアなどとは違うので中立性を意識することもないとは思いますが、極々普通の国民の視点で(無知が丸出しになってしまいますが)言いたいことは書いていこうと思います。



心配事などなど

2005年08月23日 21時58分17秒 | 俺のそれ
実は非常に気になっていたことがあります。
田中秀臣先生のブログ(Economics Lovers Live/top)が読めない状態になってしまい、まさか、私が記事に時々名前を書いちゃったり、しかも自民党公募なんていう大それたことをしたので、そんな奴は着信拒否、みないな感じで私が閲覧できないようにセットされてしまったんじゃなかろうか、とビクビクしてました。しかし、その後読める状態になったので良かったです。杞憂に過ぎなかったのでホッとしました。


それから、よく読ませて頂いている方々(左欄にあるブログの方々です)にも、何かご迷惑をかけてしまったり、特に東京近辺の方々には現実世界での実害とか、あらぬとばっちりとか、そういうことが起こったら申し訳ないな、と思ったりしました。それで、しばらく記事中には他の方のブログの名前を書いたりしないようにしました。でも、どうやら実害は発生していないような感じ(他人のことがどうして分るんじゃ、ボケと言われそうですが・・・もしあったら、ゴメンナサイ)ですので(笑)、以前と同じように人様のブログを書いちゃったりしますね。


ここ数日間で一気にコメントが増えまして、コメント全てにお答えするのはできませんが、全部読ませて頂いております。誠に有難うございます。出来るだけ、記事中にお返事の内容を含められるものについては書いてまいりたいと思っております。


郵政民営化問題については、かなり記事に書いてきましたので、そちらも併せてお読み下されば幸いです。

郵政民営化のまとめ編5


2つ前の記事の「郵政民営化後の未来」については、いつも勉強になるbewaadさんのブログ(左ブックマーク欄にあります)の私案について読んでみて、今までの自分の考えを加えてまとめてみました。bewaadさんの方では、いつも迷惑しているかもしれませんけれども(笑)。


選挙と政治5

2005年08月23日 19時44分40秒 | 社会全般
メディアは、選挙報道について、ややトーンを変えて来ましたね。きちんとした選挙報道、国民がどういう選択を求められているか、そういう部分に多少スポットを当ててくるようになりました。また、「刺客」を煽り立てる方向から、実際の中身について思慮を求めるようになってきています。これはよいことです。ムード便乗よりも、実際的に解決が必要な問題や、どういう視点で選挙に臨むべきか、そういったことを国民に啓蒙するのは今後の政治に対しても良い影響となるでしょう。政策の中身についての「検証」に重きが置かれるのは、メディアの姿勢として好ましいことです。


最も重要なのは、郵政民営化の先にある政治・統治システムの問題です。従来型の政治からは脱却して、自民党も「生まれ変わり」を前面に出しており、これは小泉政権がなければ達成されなかったでしょう。また、今までの経済財政諮問会議、官邸や内閣府についての批判も勿論あろうかと思いますが、こうした政治・行政改革が行われたのは、やはり現政権があったからこそです。進め方に改善するべき点があるのは当然でしょうけれども、このような道筋をつけたことは評価されていいと思います(もとはと言えば、橋本さんの時代に基本線は作られたものも多いですが)。政策議論の過程は、かなり公開されたりしてますし、国民が見たり情報を入手することも可能となりました。このような政策決定方法は従来よりもはるかに望ましいとは思いますが、一方では反対論については単に「却下」という形で処理されるというのも、EBPMの流れから考えれば如何なものかと申しますか、寧ろ反対論を論理的に否定できる論拠を明示する義務があろうかとも思います。そうでなければ「独善」という評価や非難を排除できず、重要政策決定の際の取捨選択を詳らかにしているとは言えません。


当然多くの国民が嫌がる政策をも決定しなければならないことも多い訳で(例えば増税のような決定ですね)、単なる多数派が常に正しいとも言えませんから、合理的理由とか反対派を納得させるに足る論拠を常に用意して、それを国民に提示して理解を得る努力をしていくことが必要でしょう。目先の不利益は誰しも受け入れたくないですが、受け入れない場合に将来の更なる不利益を受けてしまうということが国民にも理解できれば、単なる反対だけということも少ないと思います。そういう決定過程、国民理解を求めるステップを経ることが、今後の困難な行財政改革を推進するに当たり最も必要なことだと思います。それは、たとえはっきりとは言いたくない事柄であったり、きっと反対が多く出るであろうことであっても、真実を伝える以外にありません。政府与党の説明方針は今一つ言葉を濁している感があり、たとえ知られたくない部分であっても、真実を正しく説明するべきです。そういう真摯な姿勢こそが、これからの政治に求められています。


普通、「親が入院してしまってお金が急にいるから貸してくれ」と友達から言われたら、貸すだろう。でもこれが実は、彼女への高価なブランド品のプレゼントを購入することに使われてしまうならば、真実を知った時に、怒りが倍加してしまうだろう。それと感情的には違いがないと思います。ですので、郵政民営化の後に控える、着手するべき財政改革の基本方針を明示しなければならないでしょう。そうでなければ「改革、改革」とどの政党も同じ大合唱では、「何をどう改革するのか」ということが理解出来ないでしょう。特に「歳入」部分はどういった考えを想定しているか、それは「増税」を意味するのか、保険料廃止と同額の税方式を考えているのか、そういったことまで説明するのが筋と思います。これを言わずして、選挙後になし崩し的に増税プラン提示では、国民を欺くのと同じです。メディアもそういうところまで突っ込んだ議論や、説明を求めるべきでしょう。



郵政民営化後の未来(追記後)

2005年08月23日 02時13分39秒 | 社会全般
今までかなりの検討を重ねてきた話題ですが、再び考えてみたいと思います。それは、今回選挙を乗り越えた後の改革進行と共に、本当はどのような道をとるべきなのか、ということを将来像についても考慮する必要があると思います。

(追加した部分がありますので、ご了承下さい)


多くの反対派が危惧する民営化会社が、果たして生き延びられるほどの実力が得られるのか、ということです。はっきり言えば、これはやってみなければ分かりません(笑)。何と無責任な、しかも笑とは何だ、とのおしかりを受けることは確実ですね。失礼いたしました。真剣に考えていきます。


まず、郵便会社と窓口NWは後回しとします。金融・保険関係からいきましょう。

保険については、ユニバーサルサービスの義務とか、他の民間会社との商品性についての大きな違いはありません。ただし、簡保はまさに簡易な生命保険商品ですので、加入条件等が他の民間保険との違いがありますから、公庫の団信や火災保険同様に業界団体が運営する形で残すことは出来ると思います。なので、簡保会社が完全民営化した後で(その前でも株式譲渡するなら前倒しでもよいですが)、保険業界で株式を買い取って消滅させます。これによって、郵政に眠っていた国民の資産が国に戻されます。民間業界は、強力なライバルが1社自動的に消滅させられますから、「民業圧迫だ」とかいうこともなくなり、メデタシ、メデタシです。国民は契約した年金保険や養老保険が民間会社の何処かに引き継がれますので、従来と変わらない保険サービスが維持されます(貯蓄性保険を国債に置き換えるのは、死亡した時に困ってしまいますので、他の民間保険が買い取って引き継げば問題ないように思います)。買取資金の拠出した割合に応じて、或いは地域などでもいいですが、顧客を引き継げることにすればよいと思います。


次に郵貯銀行ですが、以前に書いたように(郵政民営化の真の意味は?)、本来的には国民が持つ220兆円分を個人向け国債に移行した方が、国民も国の収入にもプラスに働きます。つまりは消滅です。しかし、いきなりこれを実行することは出来ません。そこで、資産の引継ぎ法人にある国債が満期償還を迎えた分は、全て自動的に個人向け国債を買って他の金融機関に移すということにします。そうすれば、自然に資金量は減少させることが可能です。現在郵貯の上限を超えた金額については、これと同様に国債を買って個人に戻すということが行われており、それと仕組みは似ています。個人はその方が高い利息を受け取ることができるようになりますから、きっと喜ぶことは多くても、強い反対は出ないと思いますが(どうしてもお金が入り用で売却したい時には、その時に限り保管している金融機関が買い取るということにすればよいでしょう。いくらか事務手数料を払うことにすれば、金融機関も文句は言わないと思います。個人は債券相場の価格に影響されず売却できるので、元本割れのような大きな損をしないように出来ます)。

一方、決済については銀行と同じシステムになっている方が、資金移動や振込みについても有利です。現状では、銀行と郵便局間での資金移動が出来ないし、MRFとしてもやはり決済サービスの利便性は向上することはありません(証券のMRFと銀行間も資金移動は事前届出口座以外には出来ません)。なので、民営化によって一旦銀行の枠組みに入り、郵貯銀行とした方がサービスの点では有利と思います。そして、いずれ郵貯銀行の解体を段階的にすることとします。例えば、九州ゾーンと北海道ゾーンをその地域の金融機関に買い取らせるのです。そういう地方では、競合となる金融機関を一つ確実に減らせるし、地銀と信金と農協などがそれぞれ自分の地域に応じて買えば、有利な地域を作り出せます。このようにして、最終的には全て買い取らせ、郵貯銀行は消滅させます。これによっても民業圧迫が無くせるでしょう。国民の資産の大半は個人向け国債に置き換わっているので、銀行ばかりに多くの資金を吸い取られることも防げます。


将来的に、リアルマネーが減っていき、「お財布携帯」「エディ」「suica」のような電子マネーが主流となるなら、いちいち郵便局にいってお金を下ろしたりしなくとも、家にいながらにしてお金は自動的に入ってくることも可能になります。むしろそういう社会を目指す方が、コストも少なく強盗などの犯罪も減る可能性が高いと思われますので、郵貯銀行という有形のネットワークの存在価値は低下すると思います。従って、窓口NW会社の一部も一緒に買い取ってもらう必要が出てくるかもしれません。それはいつぐらいになるのか不明ですが、地域ごとに郵貯銀行の買取が進められる際には、そういった売却の仕方も考える必要があるでしょう。それまでの間は、民間会社として段階的合理化などを徐々にやっておくことも必要です。


そして、郵便事業と窓口NWですが、基本的には当面現状維持となります。しかし、民営化移行過程で、ほぼ独占的地域である過疎地ではなく、まず大都市圏や地方都市部に存在する郵便局のいくつかは整理されていく可能性があります。ただ、これも例えば窓口NW会社の運営担当が有能で、都市部にあっても新たな集客・収益基盤が生み出せるようならば、局舎を利用した新ビジネスや新サービスによって存続させられるかもしれません。ですので、一概には存続は今の時点で、はっきりとどうなるということは判りません。営業努力以外にありませんね。


郵便配達についてはユニバーサルサービスが維持されますから、特に離島や過疎地だからといって郵便物が届かなくなるとか、そういう心配はないでしょう。問題は将来に渡って「郵便局」という固定された建物が残るのかというと、これは弾力性が必要かもしれません。当面はリアルマネーが殆どですのでATMも必要ですし、他の金融サービスも扱う窓口が必要となるかもしれないですが、上述したように電子マネー比率が高まっていけば、そのATMを利用することさえもそれ程必要とはならないことも十分予想されます。それと、過疎地の村そのものが、将来の人口減少によって消滅する可能性すらあるのですから(これは現状のままであればかなりの確率でそうなります)、固定化された「郵便局」を一体いつまで維持するのか、という問題も出てきます。そうした時に、局舎を維持する方が困難となるならば、配達業務とその他業務の一体化した「移動局」として存続させる方がコストも抑制できます。そういう方向性を探っていくしかないと思います。村や町そのものの存続危機であるのに、「郵便局を残せ」などということを優先する国民はいないと思います。


従って、窓口NW自体は民営化過程の中で、徐々に整理縮小されつつも、他の収益基盤確保も続けられ、存続可能な条件を模索していくということになります。当面は維持されますし、人員整理も急激に行わずとも自然減や早期退職奨励で進め、整理した郵便局については他部署への移動などで対応が可能と思います。