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大屋雄裕名古屋大教授の不誠実な議論

2015年08月23日 14時15分57秒 | 法関係
法学部教授がド素人相手にしか議論を挑めないのかと思ったわ。日本の法学教育は大丈夫なのか?w



玉井東大教授の場合

>https://twitter.com/tamai1961/status/635077726265708544

要するに、違憲じゃ違憲じゃと叫ぶ、若者を煽る、しかしなぜ違憲かは頑として答えない、法案も読んでない、読んでないくせに、疑問を挟む者にはなぜ合憲か説明せよと執拗に迫る。これがある種の扇動者の典型だとすると、若い人には、騙されないように慎重に行動するよう勧めたいですね。



大屋名大教授の場合

>https://twitter.com/takehiroohya/status/635068169648902145

「○○先生がこういう理由で違憲だと言ってました」なら「私の考えは違い、その理由はこうです」とでも説明できるだろうが「とにかく○○先生が違憲だと言ってたんです」と言われても「どういう理由なのか聞いてくるか、自分で考えて説明してください」としか言いようがねえだろう。



法学に疎い一般人なんかが「複数の憲法学者が違憲と言っていますよ」などと指摘すると、彼らが要求するのは「どういう理由か言ってみろ」であり、「言えないなら意見するな」ということなのでしょうか。
行政裁判での準備書面みたいに、いちいち主張点を全て示し、それも逐条的・逐語的な解説と違憲と主張する根拠について、法廷でのお作法みたいに示さないと、彼らは例えば「これは合憲である、その理由はこうです」と自説を開示できないんですかねえ。


極めて不誠実ですな。己の選択した判断(賛成、反対など)の理由は何かと問われて答えられないことはないだろうに。
大屋氏は、本気で「一般国民が逐条的解説を行った上で賛否を述べよ」とか思っているのだろうか?


少なくとも、「私は反対です、何故なら、多数の憲法学者並びにその他大学教官たちが反対意見や声明を出しているからです」という意見は認められるべき。それは、多数の憲法学者並びにその他大学教官たちの、理性なり知性なりに信頼を置いたものと思われるのだから。
「じゃあ、大学教授が賛成と言えば、あなたは賛成と言うのか」みたいな批判はあり得るが、それは「じゃあ、政府が賛成と言えば、あなたは賛成と言うのか」「安倍総理が必要と言えば、あなたは賛成と言うのか」みたいなのと同類なので、有効な批判ではない。

普通の人々が誰・何を信頼するのかは彼らの自由であり、自分の知らないことが圧倒的に多いのだから、医者の言うことを信じたり、弁護士の言うことを信じたり、税理士の言うことを信じるのは一般的に行われていることである。
「私は安倍総理の言葉よりも、○○の発言を信じます、何故なら~」という理由を提示されたなら、それで説明は尽きている。殊更に「何という法律の、何条が違法なのか」の立論を、国民全員が個別に行わないと賛否を決められないとか、意見表明を行うべきでないといったことにはならない。


だが、法学者なり憲法学者なり、そうした「専門的立場」の人には、相応の責任を伴うのは当然だ。医者が「治療法Xは△△に有効」と述べた場合、ド素人が言うのとはわけが違う。「医者の言葉」として普通の人々は受け止めるから、専門的立場の人からすればそれは「正しい」のであろう、という予断を与える。


故に、例えば憲法調査会での憲法学者3名が「違憲である」旨発言したということは、社会に重く捉えられたわけだ。自民党の高村議員は、これについて「最高裁が違憲を決めるのであり学者ではない」といった批判をしていたが、権限がないことをもって意見の妥当性が否定されるわけでない。


そもそも、過半数の国民から要望しているものでないものについて、「今までの法制度ではダメだ、新たな法案が必要である」と、安倍内閣が幾度か総理会見などを行ってまで「法律を作らせてくれ」ということであろう。

国民からすると、過去との連続性、現行法体系で不十分な点が不明、違憲との評判などの理由から法案に賛成したくない、と言っているわけで。これを説得する役割は、法案が必要だと主張する政府なり、衆院通過させた国会議員なりに義務があるだろう。だとすれば、いちいち逐条的逐語的に解説を加え細かく説明すべきは、政府や与党議員なのであり、それを「知らない」と答える一般国民側に説明義務を負わせることはお門違いだ。議論の土台部分からしておかしい。


元々まともな議論などできないのかもしれないが、玉井教授や大屋教授のやり方というのは、決して褒められたものではないだろう。仮に内閣提出の法案について、賛成の立場を取るのであれば、賛成論の憲法学者らのように自説を展開すればよいだけのこと。そして、賛成の立場を取るに至った「理由」を示せないというのは不自然だ。これは議論でも何でもない、ただの回答に過ぎないのだから。それは前述した「私は反対です、何故なら~」の表明と同じようなものだ。


もしも、自分は一般人・反対派の憲法学者・その他反対論者たちよりも法案について詳しく知っており、安倍内閣の見解を熟知しているのであれば、それらについて逐条的に分析を行い、違憲とする根拠がないと考えるなら、それを示せば事足りる。それをやれば、ろくに法律も読んでないor読めない反対派(と彼らが批判していた)の意見を否定できる根拠にできるだろう。


何故、それをしないのか?
不思議だね。


玉井さんは、例えば長谷部教授の違憲だとする論説等を読んだことがないのか?
違憲だと主張している、おおもとの憲法学者なり主要論者なりを法学の論理でもって叩き潰せば、反対の論陣を張る側を撃破できるかもしれないのに、どうしてそれをしない?(笑)同じ東大同士なんじゃありませんか?
ド素人の雑魚相手でしか、言い負かすことができませんから、ということかな?違うというなら、反対論側の学者を個別に選び出すなり、個別論点を逐条的・逐語的に反対派主張を退ける主張がいくらでもできるので、やって見せればよいだけなのだよ。


でも、彼らにはできないんでしょうね。
専門家相手だと、自分たちが逆に撃破されるかもしれない、と考えているからじゃないですか?それで素人相手に、いい気になっているのかな?



大屋教授については、公安の京大構内不法侵入事件の時にも取り上げたことがあるな。

14年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/580abbaca4373961c431cbe287e9072e


まあ、法学専門の教授がトイレだの図書館使用だのといった言い訳を主張するのはタダなので別にいいけど、誰何に逃走する理由を説明できないので、無駄だわな。雑な論だろうと安易に言えるわけで、お見事としか言いようがない。


さて、そんな大屋氏に、具体的な例を挙げておくことにする。彼の言う
「○○先生がこういう理由で違憲だと言ってました」
ってのを、用意しましたよ。



ア)拙ブログでの見解、及び内閣法制局長官経験者の見解:
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/fdcb7366fa32c8573ab5db206bd10559


少なくとも、ここには5名の元内閣法制局長官の見解があり、それぞれについて「私の考えは違い、その理由はこうです」と説明できることでしょう。拙ブログ見解は場外ですよ、勿論(笑)。



イ)報道ステーションの実施したアンケート調査結果:
>http://www.tv-asahi.co.jp/hst/info/enquete/


ここに、全国の各大学教官のご芳名が記載されており、回答のあった見解も載っている。この中から反対論者を逐一選び出して、「「私の考えは違い、その理由はこうです」と説明すれば、法学界での学術的結論が導き出せるかもしれませんよ?
法学素人の一般人相手に、「どの条文、どの語が違憲なのか言ってみろ」とか無理気味な要求をするよりも、ずっと有意義な議論になるんじゃありませんか?法学の専門家同士、話も通じやすいでしょう?


だから、大屋さんや玉井さんのように、政府の発表を熟知し十分理解している学者が、玉井曰く「違憲じゃ違憲じゃと叫ぶ」他の人々に対し、「あなた方の見解はこれこれこういう理由・根拠で間違っている、安倍内閣の言い分が正しいんだ」と主張すれば、いとも簡単に反対論を排除できるんじゃないですか?
おお、何て有意義な議論なんだ。


早速、大屋氏におかれましては、逐条的解説付きでもって、違憲という主張に根拠はないとか、違憲という判断は誤りである何故なら云々とか、個々の大学教授等の主張を具体的に挙げ、大屋氏の法学的に正当な立論でもって、打ち破れば宜しいんじゃないかと。
どっとはらい。


大屋氏が個別具体的な法学者を相手にして、何らの有効な反論なり立論なりを出せない場合には、色んな憶測を呼ぶだろうね。


・実は、圧倒的多数派の反対論の方が妥当性が高いのではないか?
・実は、逐条的乃至逐語的解説や反論ができないんじゃないか?
・反対論者に言い負かされるのを怖がっているのではないか?


さあて、お手並み拝見。



反知性主義、あるいは権威や専門家への懐疑と信頼喪失

2015年08月22日 13時37分28秒 | 俺のそれ
ちょっと目に止まったので。
>http://b.hatena.ne.jp/entry/cruel.hatenablog.com/entry/2015/08/20/185544


続きがあるようで、どんな結末が用意されているのか楽しみだ。
さて、「反知性主義」なるテクニカルターム(笑)が昨今の流行り?か何からしい。今年に入って、色々と取り上げられていたようなので。



内田樹による『日本の反知性主義』
>http://blog.tatsuru.com/2015/02/20_0907.php


その書評
>http://blogos.com/article/119232/

>http://webronza.asahi.com/culture/articles/2015061000013.html


内田本は読んでないから何とも言えないが、少なくともアメリカでの「反知性主義」と日本のそうした”傾向”というようなものは、恐らく別なものであり、歴史的社会的背景も違っている(特に宗教的にプロテンスタンティズムからは程遠い)から、日本と並列的な論評というのは困難(それとも前提として誤り?なのかな)なのではなかろうか。すなわち、あくまで「日本での」反知性主義であって、アメリカの反知性主義は当てはまらないのではなかろうか、と。単に、知性なり知識人なりの批判や評価には使えるというものなのでは。


以前に―といっても10年前だが―拙ブログでも、この話題を書いたことがある。

05年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/11730e9d160bbc556c15fbe9bfc7f883


当時はブログを始めて間もない頃であり、ウブなぼくは、ネット社会の未来に若干の希望を見出していたのだと思う。そして10年後の今、世界は何かが変わったのだろうか?


普段よく目にする、知識人らしき人々というのは、その多くが役立たずの有害言説を拡散するだけの人々なのだ、ということを再確認できただけだった。日本のエリート・知識階層の堕落とも言うべき、著しいレベル低下や劣化を感じた。かつては、まだ信頼に値する知識階層の人々が存在していたはずなのだが、基本的原理原則を失い、利益に迎合的な人間が社会への影響度を増すにつれ、大衆の眼前からは消え去ってしまった。
まだ「まともな」or「マシ」な知識人たちの言説は世間から遠ざけられ、「結論ありき」的なロクでもないことしか言わない人間の出鱈目言説が重用され、社会に拡散するようになってしまった。


そして、最悪なことに、知識階層を自認するような人々に限って、出鱈目を言っているということに無自覚なのであり、自己の論理的正しさを盲信しているという病的状態に永遠に気付けないのである。従って、反省がないのだ。反省がないから、進歩もないのだ。


昨年にも、そうしたことを指摘したことがある。

14年6月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6c0aaf17dd49c566ade7f39a6044a797


記事中で、ぼく自身が反知性主義というか反専門家・反権威的(或いはヤンキー的?)傾向を持つだろうと書いたが、生来の下賤かつガサツな性分といいますか、昭和の頑固おやじ・信念重視・水戸黄門的世界観の情感派な人間らしいので、しょうがない(笑、自分では長年そうしたことに全く自覚がなかったんだが)。本質において、ヤンキーなんだな。話が逸れた。


で、知識だか知性だか知らないが、そういうものを過信しているのか己の全能感に蝕まれているのか、疑問を抱かない知識人気取りの連中というのがいるわけだ。ぼくが「どうしてかな?」と素朴な疑問がある時、それは自分が知らないだけということがたくさんあるわけだが、そうではあっても兎に角疑問に思うんだよ。

けれども、知識人気取りの連中はヘタに知識があるせいなのか、「どうしてかな?」と疑問に思わないってことさ。まるで最初から答えを知っているかのように振る舞い、自信満々でこれが正解だと言い募るんだが、それが大間違いだったりする。よく知らない人以上に、大嘘を「これが正解だ」と喧伝する人の方が圧倒的に有害なのだ。


中には、権威を政治的に利用しているだけに過ぎないものもある。その選り分けが難しいことは分かるが、知識階層の人間ならば「正解」を探せるはずだし、社会に知られてないなら、専門家として正解を言うべきなのだ。経済学や法学ばかりではない、裁判官とか弁護士とか公認会計士といった人々においてですら、「信頼に値しない」ことは少なくないのだよ。


参考>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0bc557db31408f464947323604003694

(再掲)

誰も正そうとしない、できない、そうして、狂ったような方向にみんなして向かってゆく、そういう愚か者どもにだけ権力が存在する、という狂気の国なのである。
しかも偉いヤツらのほんの少数が狂っているんじゃない。
多数が、同じように、隠蔽に加担し続ける、そういう体質が隅々まで浸透しているのだ、ということさ。福島原発事故は、そうした狂気の体質の一部が露見したに過ぎない。
権威の側にこそ、ろくでもない連中が蔓延っており、そいつらが牛耳るという仕組みが、まさしく完成されている、ということさ。権力構造は打破できていない、ということだ。
狂気の者どもは、これを称して「政治」と呼ぶ。
これは政治なんだよ。政治とは、権力の力学である。クズどもに権力を奪われている限り、常にクズが勝利するようにできている、これを「政治」と言うのだよ。力学を支配するのは、お仲間の数と役割だ。クズが互いを支え合うから、クズをいつまで経っても排除できない。


=======


日本には、知識階層とか知性とか、そういうものは、絶滅危惧種のようなものであり、存在しないに等しい。大衆の目から隠されているとか、社会に伝播力・影響力がないなら、存在しないも同然なのだから。エリートの喪失、だ。エリートの役割を担うべき人たちが、機能してないのだから。そういうのは、ぼくのような野卑な人間のすることじゃない。そのような階層の人々のなすべきことだ。


聞こえない声は、何も言ってないのと同じってことさ。


『インターステラー』を観た

2015年08月13日 19時25分42秒 | 俺のそれ
DVDで観てみました。

ちょっと難解な長編。音楽の使い方とか、多分、監督の好みというのが反映されているのだと思うが、『インセプション』に似た感じ。特にラストの処理が雰囲気が近いかもな、と。


多分、作り手は敢えて「意識的に」、『2001年宇宙の旅』との対比を見せたものと思う。
SF映画の中で金字塔である同作を超える、2010年から見た(それとももうちょっと後の)新たな『2001年宇宙の旅』を生もうと思ったんだろうな、と。


あの時代にはこうで、現代版だとこうだ、というようなのが随所に埋め込まれているかのよう。


特に象徴的だったのが、人工知能。
HALLと対照的に、有能かつ人間よりも信頼できるのが、TARSなどのキカイ。
人間は「邪悪」サイドに堕ちてゆくが、人工知能は忠実・正確に人類の味方であり続ける。
しかもアニメを含めた未来ものの映画では、進化形態がより複雑化・人間近似化の発想なのに、本作では敢えて逆の単純形態かつ旧式表現形態の画面をつけたものとなっている。これぞまさしく「未来への挑戦状」だ。

単純化は、過酷環境下でも「頑丈、壊れない、整備が問題にならない、多機能、信頼性」という点で有利だろうから、ということかな、と。
何という頼もしい相棒か!
難しい指令もこなせるし、何より「孤独」を解消してくれる無二の存在なのだ。


父と娘の愛、それが、2つの家族を通じて描かれる。
博士の父娘は、父親が解決不可能という答えを知っており、娘を地球外=宇宙へ「逃がす」。
宇宙飛行士の父は家族を救わんが為に行ったのだが、死んだ博士から事実を聞かされたマーフは父への懐疑を募らせる。


家の本棚がどうして、というのが理解され難いのかもしれないが、そのずっと以前に言ってた通りに「愛が観測可能なら、何らかの意味があり、powerとして存在するのではないか」という娘博士の見解を表現したものと思う。


みんなが幽霊の仕業?とか驚く現象の裏側には、ひょっとすると「未知の現象」と言うだけに過ぎず、本当は理論的裏付けが存在しているのではないか、そういう全ての出来事が「宇宙」では「因果」?か「論理」?か、そういう法則性によって繋がっているんじゃないか、ということである。現実世界で生きる僕らには、その真の理論や法則が「まだ発見・理解されていない」だけなんじゃないのかな、と。


だから、「愛」や「家族の記憶の中に生きる」ということの「意味・科学的論理」などが、現在の自分には理解できない・知らないだけで、本当に存在していても不思議ではないんじゃないか、という物語なんだろうなと。そのpowerこそが、未来を切り開く力となるんだ、と。

そして、それは神頼みのような「特別の、超越した存在」ではないとしても、起こり得るんじゃないか、実は「力を信じ続ける・愛を疑わない」自分ないし家族という存在があれば、できるのではないか、ということです。


父が奇跡的に生還を果たしたのは、運もあるし、別の存在の思し召しかもしれないが、マーフの兄が言った「起こるべくして起こる」は信じ続ける気持ち、疑いのない思い、それこそ「愛」という計測不能の力で達成されるものなのではないか、ということである。そうでも思わないと、現実世界に起こる信じられないような奇跡は、説明不可能だから、だ。神(のような超越的存在)を肯定するか、未だ理論が構築されず観測方法の分かってない「愛」の力を肯定するかは、実際の所、大差ないのだよ。科学の否定でもなく、唯一の答えが「まだ正解を知らないだけ」というものなのだから。


いずれを否定したとしても、既知の科学では説明不可能なものなのだ。

本作が驚異と感嘆の言葉を受けるのは、現代ではなく、30年後か50年後なのかもしれない。その時、この映画を見た人々が「どうやって、こんな過去の時代に、この映画を作ったのだろう?」と不思議に思うかもしれない。

できれば、私も20年後とか30年後(生きていれば、だが)に再見してみたいなと思った。どんな感想を抱くだろうか。
そうか、あの父親と同じく、「映画を通じて」過去の自分に会うことができるんだね。映画を見たら、「ああ、あの時観たな、当時の自分がこうだったな」とか、記憶が蘇るもんね。これも「愛の力」の一部なのかもしれない。映画ラブ。


暴走安倍政権に立ちはだかった法学者の矜持

2015年08月09日 18時12分04秒 | 社会全般
戦後初の合衆国合同議会演説の栄誉に浴した安倍総理は、安保関連法案を夏までに成立させると高らかに宣言し、意気揚々と帰国した。

これを受けて、法案の国会提出は順調に進められた。ゴールデンウィーク明けの5月下旬には公式の総理会見を行い、授けられた必要性についての説明―あくまで政権の独自解釈に基づくもの―を国民に強調した。
この時、安倍総理は法案成立の意気込みは並々ならぬものがあり、成立への自信に充ち溢れていた。雑音程度にしかならない少々の批判は、踏み潰せると感じていたことだろう。所詮は多勢に無勢だ、圧倒的多数派であり権力を握っているのは、俺なんだ、と。そうした攻撃的姿勢は、国会の委員会答弁でもしばしば顕われていた。


安倍総理が有頂天になり、不適切発言が目立ち始めたのでクギを刺されたわけだが、影響は微々たるものとしか感じられていなかったろう。審議時間だけかければ、中身がどうであろうと成立は時間の問題だった。新たな障害があるとは、誰も想像もできなかった。


しかし、法案成立を強行に押し進める安倍政権の前に、思いもよらない敵が立ち塞がったのである!

法案審議とは直接関係のない、6月18日の憲法審査会において、3名の法学者が国会に呼ばれていた。
長谷部恭男、小林節、笹田栄司の3教授(小林節は名誉教授らしい)であった。


彼らが一様に口にした言葉は、今国会に提出されている安保関連法案は「違憲である」というものだった。

中でも、長谷部教授は自民党推薦で呼ばれていた法学者であり、彼の政権批判ともとれる「違憲」との発言は、重大なインパクトを与えた。小林節慶大名誉教授も時に改憲派と目されたこともあるので、違憲と断じた発言は意外にも影響力があったのである。


もしも、あの3名の勇気ある発言がなかったら、安倍政権は苦もなく関連法案を通過させていたかもしれない。
法学者としての矜持を示したのが、あの憲法審査会だったのだ。


この日を境に、法案への抗議や反対意見が相次ぐようになったのである。全国の大学教官など多数が反対表明を行うなど、抗議活動が広がっていった。そして、大学生や高校生といった若い世代からも、強い反対の声が上がりはじめたのだ。


政府に逆らい、時の権力者に逆らうことがどれほどの苦難を伴うかは、想像に難くない。マスコミだって、攻撃してくるやもしれぬ。僅か3名の個人が、批判の矢面に立たされて、政権と対決せねばならないとなれば、勝ち目は無きに等しい。

けれども、3人は怯まず「違憲である」と述べたことが、多くの人々を勇気付けることになったのである。ここまで反対機運が高まる結果をもたらしたのである。他の反対表明の先鞭となったのである。


拙ブログでは、常々法学者に対して厳しい批判をしてきたが、今回ばかりは感謝を申し上げなければなるまい。
また、法の力、学者の言葉の力を、まだ信じられる部分があるのかもしれない、と感じている。最初に立ちあがる者は、とても苦しい。その勇気と意志を讃えたい。



オバマ外交がもたらした歴史的成果

2015年08月03日 12時12分55秒 | 外交問題
残り任期の限られたオバマ大統領にとって、今の時期はあまり楽しいものではないだろう。大衆やメディアの関心が次期大統領選へと移ってゆくので、折角の苦心で手に入れたオバマ大統領の「果実」については、さほどの興味を持たれないかもしれない。オバマ大統領からすると、皆が正当に評価してくれないと愚痴をこぼしたい心境ではないだろうか。


そんな彼の不満を少しでも和らげる為に、拙ブログでは、もたらされた「果実」について考えてみようと思う。オバマ大統領の誕生を心から祝福した身としては、何か一つくらい、日々苦言を投げつけてきたお詫びをしたいと思っていたので。


オバマ大統領が歴史に名を刻むことになった最大の成果は、キューバとの国交回復であった。

これは歴史的快挙と申し上げておきたい。
ソ連なき後、中国共産党でさえ現状の姿となった時代において、共産革命のようなものの持つ意味合いが大きく変容した。世界の国々において共産主義体制というものは、事実上、衰退したと言えよう。中国共産党があるといっても、巨大な経済格差を抱えた、資本主義制度とのハイブリッドのようなものであろう。


故に、社会主義国であるキューバの脅威というものは、ほぼ消滅したと言ってもよいであろう。米国で社会主義国化する為に革命戦士たちが立ち上がる、などとは誰も思っていないから。それよりも、経済封鎖を解いて成長させることで、経済的自由度の高まり~民主化の進展や自由化拡大に繋げる方が、合衆国にとってもキューバにとっても望ましいと考えるのは普通だろう。まさに双方にとってのウィンウィンとなる好ましい関係に戻れるのだ。


もう一つは、イランとの関係改善であろう。
イスラエルからは、火の出るような激しい反発があったが、少々の譲歩に過ぎないのだから、イスラエルは忍耐を知るべきであった。現在の米欧諸国にとって、経済制裁を解くことにより、シリア・イラク問題の早期改善へと繋げる方がよいというのが、常識的な判断ではないか。イランとの憂いを抱えたままでは、中東問題の解決の糸口は見え難くなるだけだろう。


そもそもイスラエルは図に乗りすぎたのだ。
国際社会からの罰が微塵もないのをいいことに、過剰なまでの軍事行動を繰り返した。醜悪な暴力を隠しだてすることもなく、一片の後悔さえ感じさせない攻撃的姿勢は、世界中から反発を招いた。こんなイスラエルの肩をいつまでも持ち続けられるほど、世界の国々の人々も、合衆国大統領も、無慈悲ではなかったということだ。


以前にも書いたが、イランが本当に国を守ろうと思うのであれば、核開発はマイナスにはなれど、プラスにはならない。世界から切り離され、「北朝鮮化」するだけだ。今後、合意事項遵守により、経済成長軌道に乗って行けるかどうか、国防力はそれにかかっているだろう。


オバマ大統領にとって、今回のTPP閣僚会合は具体的な成果として挙げるには至らなかったが、むしろ結果オーライと考えるべきである。もしTPPが妥結していたなら、汚点を残すことにはなれど、快挙とはなり得なかったことだろう。米国民にとって、唾棄すべき理不尽な通商政策として忌み嫌われることになっただろう。


そんなものより、オバマ大統領の功績は、将来MLBに偉大なキューバ出身選手が登場する方が、ずっと大きなものになるはずだ。オバマ大統領に乾杯!


続々・玉井克哉東大教授の申し開きはまだか

2015年08月02日 13時40分53秒 | 社会全般
続きです。

13年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6f386b67af6601de21a5ccc7ab224964



人間ってのは、本性ってのが出るものよのう。
勉強になったわ。


とりあえずTPP交渉の妥結宣言が出されることは、今のところ回避された。今後はまだ分からない。


が、多分今回の会合で、交渉妥結を信じて疑わなかったであろう玉井さんの心中やいかに。彼がまた色々と言ってるみたいなので、これまでの発言と照らし合わせてみようかと思う。彼の言い分が、果たしてどうだったのか?


彼は自分がTPP参加しかあり得ない、みたいな主張をしていたことを忘れたのだろうか?
主義主張を変えたのかな?


7月31日の発言

>https://twitter.com/tamai1961/status/627142834655641600

それはその通りです。TPPなんて、ふつうはごく一部しか知らない。ぼくも知財関係しか知りません。TPPだけでも賛否を言い難いのに、全部いっぺんなんて無理です。


何と、『TPPだけでも賛否を言い難い』ですと?

じゃ、なに、玉井さんはTPP参加は賛成でなかったと?(笑)
反対派を徹底して非難してこなかったか?それでも、彼自身は反対だったと?
そうだとすれば、もの凄い「愛のムチ」だな。ああ、ムチはムチでも、玉井さんのはあれか。

過去には、こんなふうに言っているみたい。


12年5月18日>https://twitter.com/tamai1961/status/203670869833302016

この局面で、消費税とTPPと再稼働に取り組んでるわけだからね。「どれも当然じゃん。できない方がおかしい」という声が聞こえてきそうだけどね


TPP交渉参加について「できない方がおかしい」と。


13年2月27日>https://twitter.com/tamai1961/status/306961282383364096

同右。 RT @ryoko174: 安倍政権がTPP交渉参加を、短期間で抵抗勢力を抑えて決められたことは、良い方向で私の予想を裏切ってくれました。意思決定に何年もかかった民主党と対照的な印象


支持率の高いうちにやっちまえということで、安倍総理が交渉参加を宣言したことについて、支持を表明と。


いずれも、玉井さんはTPP交渉参加について、明らかに「肯定」の立場である。否定する発言など見られないわけである。
一方で、「TPPの賛否を言い難い」との主張は整合的か?そうは見えないわけだが。


更に、奇妙な発言がある。

13年2月22日>https://twitter.com/tamai1961/status/305169084285333504

仮にTPPの内容が著作権保護期間の延長のみであったとすれば、加盟すべきでないでしょう。しかしそんなことは、もちろんありえない。賛否は、他の項目についての内容との相関で決せられるべきものです。


賛否は、他の項目についての相関で決せられるべきもの
そう断言してますね。オヤ?
彼は交渉について、情報開示なんかできるわけがない、と福井弁護士や小倉弁護士などにも言ってたはずだ。

12年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/ad0bfc5e37244063269f30df508d60b3


玉井さんの主張をまとめると次のようになる。

ア)TPP交渉参加はできない方がおかしい
イ)TPP交渉参加を決めた安倍総理を当然視
ウ)賛否は他の項目についての相関で決まる
エ)普通は一部しか知らず、自分も知財しか知らない
オ)交渉内容は開示できない


彼の主張に従えば、国民には賛否を表明する機会すら与えるべきでない、ということではないか?
ウ)で言うように、他項目との相関でしか賛否を決めようがない場合、全部を見なければ「賛成も反対も言えない」ということにしかならない。
オ)から全部を見ることなどできない(秘匿義務が課せられている)のに、賛成も反対も決められず意見表明できないものがTPPということ。こんな変なものを押し付けられても、国民は困るだけ。あれか、知財専門家とかじゃないと、意見を言わず黙っとけとか?(笑)


こうした手口は、怪しげな宗教や金融商品の勧誘とそっくりだ。
内容をよく見せて欲しい、検討したいので判断材料を開示・説明して欲しい、と言っても、「いやいやダメだ、契約後4年は秘密だから」見せてもらうこともできない、と。詳しい説明なんかできないよ、詳しく言うと他の人が決まらなくなっちゃうから、と。


また、自分は「知財しか知らない」のに、どうして参加は当然、の結論を導き出せたのだ?他項目との相関なら、交渉参加が当然との判断には至らない。しかも事実上参加後の離脱なんて、できないでしょう?
アメリカとの合意に達して、各国との妥結に至った協定について、批准できないと突き返せるほどの強硬姿勢を、日本が貫けるとでも思っているのか?


今日の読売朝刊では、日米間の交渉は「ほぼ決着」の見通しであり、それは日本側は米国からの要求の多くを受け入れた、すなわち「米国の言いなり」に近い姿ということではないのかな?自動車部品の関税とかトラック類の関税が、日本側の要望水準と合致しているとでも思っているのか?大笑いだわ。


玉井さんの言い分は、屁理屈にすらなっていないんだよ。
続けよう。


>https://twitter.com/tamai1961/status/627147518632026112

USTRの担当官がこう言ってましたよ、といったら「そんな根拠がどこにある。いい加減なことを言うな」「お前だけ密室で情報を入手したのか。けしからん」などと非難されて、辟易しましたがね。その分野の研究者の取材を「密室の情報収集」なんていうのか、何も教えてやるもんかいと思った。


交渉参加国でもない、報道機関の記者でもない一介の研究者に対し、USTR担当官が「他国との交渉内容について教えてくれた」、と。そんなリークが米国では認められているんですかねえ?
研究者の取材って、そんなに政府高官まで、ただの学者を相手にしてくれるもんなの?


何も教えてやるもんかいと思うのは自由ですが、玉井さんの役に立つかどうか不明の「お説」を聞かされたって、TPP参加の是非の判断には、こっちは「知財バカ」じゃないんですから、あまり役に立たないんじゃないですか?


それに、拙ブログでは「教えて」なんて思ったことはただの一遍もないわ。そうじゃなく、「害悪になるような言説を垂れ流すのは控えてほしい、いや、止めるべきであろう」ということを求めているわけで、そもそもこっちから願い下げなんだわ。




12年12月10日>https://twitter.com/tamai1961/status/277790083564838912

なお、TPP交渉に当たる合衆国通商代表部(USTR)は国内法に抵触する条約を締結する権限を持っていないので、米国が交渉当事国である限り、米国法に反する事柄がTPPによって締約国に義務付けられる可能性は、絶無です。 RT @SI_kyotoNH @Hideo_Ogura


一般国民は情報開示の壁に阻まれるから、テキストを見たわけでもないが、報道内容からすると、新薬のデータ保護期間をUSTRが12年と要求しているらしいが?拙ブログでも、取り上げたことがあったわけだが、玉井さんのその後の言い分はどうしたのかね、という話だわな。


俺様は知財のスペシャリストであり、USTR担当官から聞いた確実な情報源を元に断言しよう、「絶無です」

みたいな話ですか?で、今の心境、見解は如何?w


参考ブログ記事:
13年3月
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/c6b11e6ffb270dbc957811d79c97c904

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/070233680c81c2dc6483550fe9923e9b



また、著作権の非親告罪化について、どう言っていたであろうか?


12年12月10日>https://twitter.com/tamai1961/status/278024485809053696

念のため申すと、現行著作権法のまま単純に親告罪でなくすことに、私は反対です。しかし米国が締結してきたFTAにそんな条項はないし、TPP交渉でも彼らは要求しない。だから「著作権侵害罪の非親告罪化」ことは、TPP交渉に参加しない理由になどならない。枯れ尾花を幽霊と見て怯える類です。


米国が締結してきたFTAにそんな条項はない
TPP交渉でも彼らは要求しない
枯れ尾花を幽霊と見て怯える類

ここまで豪語しておきながら、要求は非親告罪化だったんじゃないの?そして、それを日本が受け入れたというような報道があったんじゃなかったか?反対派が枯れ尾花を見たなら、玉井さんが見たものって何?

こういうのを何て言うか、東大の偉い知財の専門家とか称している学者先生の弁護士さんは、知らないらしい(愛の”ムチ”って便利だな)。


嘘つき?
妄想癖?
それとも、煽動者?
デタラメ論者?
(笑)


彼がどうして非親告罪化を「これだけは止めるべき」みたいに、しゃかりきになっているかと言えば、自分の宣言した「彼らは要求しない」をひっくり返されるから、ではないのですかな?(笑)


よくもまあ、これほど自信満々でTPPについて知り得る機会を持たない人々を欺けるもんだね。


豪語癖のある、こういう連中は、本当にどうにかならんのか?


交渉内容を知ることすらできないのに、反対を言うなとか、アホか?
政策決定過程を最も舐めてるのは、アンタではないか?


アメリカではTPPなんて、全く騒いでない、問題になってない、だと?
現実を見ない、知らない大先生ってのは、楽でいいな。アメリカのTPP反対声明を出してる団体や自治体等の存在を知らんのか?


玉井さんの言に従えば、これまでの経過はどう表現できるだろうね?


12年9月17日>https://twitter.com/tamai1961/status/247878687045853184

あんなことを議論していたのは何と平和なことだったか、と回顧するようになったとしても、私は驚きません。原子力発電所の再稼働とか、TPPとか、オスプレイとか。 RT @ryoko174 なるほど。似ていますね、、、


今もって、TPPは交渉妥結せず、再稼働も止まったままですが、何か?
どうした、回顧してみろよ。折角だから、言っていいぞ?


安倍総理が民主党時代と違って、電撃で交渉参加を決めたのが素晴らしかったのに、あれから3年経ってるが成果は見えず、その体たらくは何故批判してないのだろうね?参加決定まで1年ちょい揉めたのを非難するなら、その倍以上の期間をかけ、担当大臣を置いてもこのザマの安倍政権は問題ないとな?笑


玉井さんの予想は、ことごとく外れてきたみたいだが。
別に予言競争じゃないからいいんだけど、発言には信憑性・信頼性ってのがあるわな。いいなあ、トンデモ発言をしてても恥とも思わない人格者で、結論ありきの持論だけぶってりゃいいんだから、こりゃ楽ちんだ。


こういう輩は、マジ、治らないんだわ。
観察期間で、それが分かりました。


腰ぎんちゃくの人とかも、今頃、地団太踏んでるのかな?



ビットコイン取引所の不正だったか

2015年08月01日 12時28分25秒 | 社会全般
これも以前に書いた話だな。


>http://www.jiji.com/jc/zc?k=201507/2015073101143&g=soc


インターネット上の仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の取引所を運営していた「マウントゴックス」(東京、破産手続き中)から大量のBTCが消失した問題で、マウント社のマルク・カルプレス社長(30)がBTC取引の決済用口座を不正に操作し、米ドルの残高を水増しした疑いが強まり、警視庁は31日、私電磁的記録不正作出・同供用容疑でカルプレス社長を8月1日に逮捕する方針を固めた。
 捜査関係者によると、カルプレス社長は社内のBTCの取引専用口座と売買決済用の口座を不正に操作し、BTC残高とドル残高を実際より多く水増しした疑いが持たれている。警視庁は社長らから任意で事情聴取を進めていた。
 マウント社は昨年3月、システムの不具合(バグ)を悪用したサイバー攻撃により、利用者らが保有するBTCの大半が消失したとして、警視庁にサーバーの通信履歴などを任意提出していた。同庁が解析したところ、消失したコインの一部は架空のものだった可能性が高いという。
 社長は決済口座からドルを別の口座に送金する際、顧客の資金を流用した疑いもあり、警視庁が業務上横領容疑でも捜査している。(2015/08/01-01:13)

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遂に逮捕ということになったそうです。
裏がありそう、というのは当初から疑われていましたから。



14年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e34ea762dac975eec0cf0f5fadc75939


(再掲)

4)Mt.Gox破綻の意味とは

実態は不明だ。報道でもほぼよく分からない。
仮にビットコインが盗まれた、ということがあっても、単に負債サイドが減少するだけなので、ヨソで盗んだビットコインを使われたとしても、取引所が破綻する直接的な理由にはならないはずだろう。FRBに強盗が入ってドル札を持ち逃げして、どこかでそれを派手に全部使ってもFRBが破綻するわけではない。

極端に言えば、世界取引所連合から見た場合、ビットコインの所有者が強盗だろうと商人だろうと投機家であろうと、変わらない、ということだ。誰が末端同士でいくらビットコインを行き来させても、取引所から見れば何ら変わらない。

なので、データとしてビットコインが盗まれたとしても、過去に発行された現金資産はまるまる保存されている。それが消滅してしまう理由があるとすれば、インチキかペテンのような商法で、資産負債管理が杜撰であったというような場合だろうか。


マウント・ゴックスと他の取引所とのやり取りは不明だが、世界中で換金できるシステムを維持するのであれば、前記の通り日銀の本店と支店のような関係性がなければ不可能であろう。
取引所はコイン販売や換金時の手数料として収入を得るだけで、ビットコインと交換して受け取った現金は完全に保存されていなければならない。

  (中略)

最も疑われているのは、コイン発行高に見合いの金融資産(主に現金などである)が保全されていない場合、ということだろうか。本来払い出し現金として持つべきであるが、直ぐに全部払われないということで銀行同様日本国債などで保持する、ということだな。色気を出し過ぎると株式やその他投資に資金を多額に投入し、その損失が穴埋めできない規模であれば、ビットコイン残高見合いの資産が不足して、現金化が不可能になる。




ビットコインの生成は複雑で理解が難しいものなのかもしれないが、ペテンや騙しの手法というのは普通にベタな旧式っぽいもの、というのが、中々面白い(被害に遭った人からみれば、不謹慎か)。




続・「サイバーテロ対策」という名のテロ

2015年08月01日 09時47分06秒 | 社会全般
元の記事を入れるのを忘れてた。申し訳ない。

>http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2015073101124

【ワシントン時事】米国家安全保障局(NSA)が第1次安倍政権の時期から日本政府中枢や大手企業などの盗聴を行っていたことが事実だとすれば、米政府は説明を厳しく求められそうだ。内部告発サイト「ウィキリークス」が公表した文書から、米側が経済情報の入手を試みていたのは明白で、企業情報を盗むサイバー攻撃を非難する米国の二重基準が浮き彫りになった。
 米国務省は取材に対し、盗聴問題について31日の報道官記者会見で立場を示すと述べた。
 NSAが日本を監視対象に含めていることは、元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者の暴露などで何度も指摘されていた。ウィキリークスが今回、盗聴内容の一部を公表したことで、実態の一端が初めてつまびらかになった。
 オバマ政権はNSA盗聴問題が表面化した2013年6月以降、情報収集活動の改革に取り組んできた。その際、「多くの(テロ)攻撃を阻止してきた」(オバマ大統領)と盗聴活動そのものを正当化する一方で、企業情報を盗む中国のサイバー攻撃との「違い」を強調してきた。
 しかしウィキリークスが入手した内部文書には、三菱商事や三井物産の一部の部署、日銀職員の自宅電話の番号まで記載されているとされる。日本企業や日銀を盗聴することと米国の安全保障がどう具体的に結びつくのか。「安全保障」「対テロ戦」を金科玉条にし、公然とスパイ活動をする米国の姿勢が改めて問われることになる。(2015/07/31-23:57)


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前から、何度か警告してきたではありませんか。お忘れか?


13年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a410f46bb5aaf57a5a5e5c0e079d42ad

(再掲)

特に、日本の経済人なんかの「ぬるさ」というものを見るに、なんてユルいんだと幻滅するわけだ。産業の機密なんかが漏れてしまうとどうなるか、ということを考えていないのではないかと思える。
何故直接会って話すのか、ということについて、書いたこともある。




13年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/b33c237a167de1b787e0ac3a10606a45

(再掲)

在日米軍基地は組織的なあらゆる情報収集能力が備わっていることは当然で、日本の総理大臣が電話でどんな話をしているかなんてことも、全部筒抜けに決まっている。官僚だけじゃなくその他大勢のヤツらの「手下ども」が、指示された通りに動いているかどうか、情報をどこかにバラしていないかどうか、そういうのも当然監視されているはずだ。

見張られていると思えば、手下どもだってそう簡単には逆らえない。
それから、「情報が漏れてる、漏れてる」と盛んに日本政府に文句を言ってきていた米国は、実際に官僚レベルで情報を誰かに漏らしている実態を知っていた、ということなんだろうな、きっと。そういう日本人の甘さを見ていれば、こいつらに何かを知らせたり協力を求めたりということをしてしまうと、本当に漏れるなと気づくもんね。だとすれば、外交面で疎遠になるというのも妥当だわな。




13年9月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/46e0f429e2f7b94bcb4c1bf6ba9b58dd

(再掲)

本当に、アメリカは信じるに値する相手なのか?
答えは、当然「否」である。

現実のアメリカの行動が、各種盗聴・情報詐取・不正収集等々、糾弾されるべきものだからだ。いくつかはバレてしまったものの、アメリカが携帯電話盗聴を止めているはずがないし、ネットからの情報抜き取りも、サイバー攻撃も、止めたはずがないからである。





筒抜けなのに、相手に勝つにはかなりの工夫が必要。
拙ブログでは、手牌を見られてしまうのは防げないから、逆に「オープンリーチ」的に相手の行動を若干でも縛る可能性に賭けるよりないのである。


それでも、自爆してくれる方々が見られるので、笑えるのですが。たまに引っ掛かってくれるマヌケさんが出てくる、ということですわな。


よく頭に叩き込んでおいて欲しいのは、米国は勝つ為ならどんな手でも使ってくる、どんなに情報漏れを防ごうと思ってもかなり難しい面もある、それでもなお、勝負に勝つ為にはどうしたらいいかを考えろ、ということなんだよ。


スマホも携帯もメールも全部止めるか?
そういうわけにもいかないだろう?w