いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

小沢一郎の支持率は菅総理より本当に低いのか?

2010年08月31日 19時14分46秒 | おかしいぞ
よくワケの分からん展開となってきております。
が、大手マスコミ各社が出す世論調査というものが、どうにも信憑性に欠けているのではないだろうか、という疑念があるわけでございます。


よくまとまっている記事がこちら。

H-Yamaguchi.net: 民主党代表選に関する世論調査について


そうなのかー。
自分は、たまたまロイターの投票結果を知って、そうだったんだ、と思って、他のネット上の投票結果を知りたいなと思ってググったら、このまとめ記事に遭遇。


しかも、肝は山口先生のご専門であるところの「予測市場」ってやつでして、小沢優勢というのは、ネット上では複数でそうなっているようだ。


大手マスコミの「作られた世論」というものは、かつての自民党政権時代にもあったと匂わされるわけで、どの筋が動いてそうなっているのか、というのが気になるところではある。
本当に、マスコミの言うような数字ほど大きな開きがあるものなんだろうか?
小沢批判というのは、例の政治資金の件でもそうだったが、ヒステリックに作りだされたものという印象がぬぐい切れないんだよね。

麻生討ちの時だって、そういうようなヘンな動きがあったわけでしょう?
今のマスコミが信じられるのか、というと、かなり揺らぐよね。


小沢憎し、の勢力というのは、確かに多くいるのだろう。メリケンあたりも、煙たがっているから工作に手を貸す、というのはあるかもしれんし。


だが、劇薬であるからこそ、これを選ぶという政治的決断はあり得るということなのかもしれない。



せめてFTの記事を理解できる程度にはなってほしい

2010年08月31日 15時30分32秒 | 経済関連
「ペテン師扱い」とか言われると悲しいけど、日本のトンデモ学者風情とかじゃなくて、世界の標準的な考え方や見方というものも知ってもらえればな、と。

その好例として、こちらのFT記事を紹介したい。

FRBの双肩にかかる景気てこ入れ策  JBpress(日本ビジネスプレス)

(以下に一部引用)

 これが追加的な金融緩和策の必要性を指し示していると述べたマグナス氏の意見は、確かに正しい。だが、筆者の見るところ、「時代錯誤のマネタリストたちは説得されないだろう」と述べたくだりは、間違っている。

 マネタリストは、政策金利がゼロで、銀行がFRBに巨額の準備金を預けている状況を見て、金融は既に過度に緩和されていると結論づける、というのがマグナス氏の言おうとする要点だった。

 だが、金融経済学者のスコット・サムナー氏が指摘しているように、ミルトン・フリードマン氏(彼以上に時代に適応しないマネタリストがいれば挙げてみてほしい)は「金融引き締めを高金利で、金融緩和を低金利で判断する誤謬」について論じている。

 長期の名目金利が非常に低く、それゆえインフレ予想も非常に低い時、重要な意味において金融は引き締められている。一方、金融が緩和されている時は、インフレ予想が高まり、長期金利も上昇する。このため、時代錯誤のマネタリストたちは、「今の状況下では、構わずお金を印刷した方がいい」というマグナス氏の主な論点に同意すべきなのである。

======


インフレ期待が非常に低下している状況下でなら、「お金を印刷した方がいい」という考え方を知るべきなのです。まして、日本では(長期にわたる)「デフレ」という、異常とも呼ぶべきマイナスのインフレ期待なのですから。




大石英司こそが松尾匡・著『不況は人災です』を読むべき

2010年08月31日 12時23分16秒 | 経済関連
んー、●ビーあたりの毒気にでも、かなりやられているのだろうかね。

円高対策という愚策: 大石英司の代替空港

『私は最近、円高是正とか安易に口にする人間は、一切信用しないことにしています。インタゲと円高対策とか口にする人間は、私の中では単なるペテン師扱いです。』

ってなことをおっしゃる。

まさに、こういう発想の人々がいるからこそ、日本の低迷が継続される原動力になってしまったのではないか、と思えるわけです。
しかも、当人には「インフレーション・ターゲティング」というものがどういうものなのか、正しく理解できているのでしょうか。

なるほど、サンプルとしては分かりやすいかもしれませんね。このような方々を説得するとなると、これはもう並大抵のことではありませんから。


経済学の理論とか、そういう部分でなく、単に「自分は到底信じられない」という印象によって評価されてしまう、ということなのですからね。

そのような印象を支えるのは、当然ながら「根拠を与える権威」というべきものが存在しているはずであり、そうした権威を叩き潰さねばいつまで経ってもペテン師扱いからは逃れられないでしょう。


たとえて言えば、「僅か数メートルの長さしかない魚雷で、その20倍も長い大型艦船を撃沈できる」と説明しても、「そんなことを言う人間はペテン師」と決めつけられるようなものです。当人がよく知らないとしても、「そんな小さな体積の武器で、何十倍か何百倍もの大きな体積の船を撃沈できるはずがない、常識で考えれば分かること」とか、断言されるようなものなのです。


ああっと、書き忘れたけれど、私は早速買って読んでみましたよ。
非常にコンパクトにまとまっていて、読みやすいです。経済学とかを殆ど知らない人が読んで理解できるように書かれていると思うので、堅苦しくなくていいですね。ネット上の資料も豊富に紹介されていますので、便利です。

因みに、書店の本棚では、探すのに苦労した。
大型店であったせいか、他の経済本が嵐のように氾濫していて、しかも内容の乏しいテレビ著名人とかが幅を利かせていたりとか、昔からよくあるような所謂「破綻がやってくる本」なんかがまだ懲りずに出されているのであった。

そういうのから比べると、全然目立たない。
表紙の絵は、何となくナンなんですが。



失望売り~日銀の一日天下?

2010年08月31日 10時49分41秒 | 経済関連
東京市場は、さっそく反落。
しかも、かなりの下げ。

緩和策を出しても出さなくても、ほぼ関係なく、元に戻ったというだけ。
非常に弱い市場期待は、たった1日で剥落。その結果がコレ。


またしてもアホな日銀、というのを示す結果となってしまった。

しかも、愚かな菅政権は代表選絡みでの「何でもよいから手柄を挙げたい」という功名心だけから、日銀サイドに「急いで何かの策を出してくれ」とお願いし、批判の矢面に晒される日銀にとっては風当たりを避けたいということから「何かやったフリ」だけでもいいというアリバイ作りをしたいという思惑が、双方ともに一致して出したものだった。


ま、今の菅政権と日銀に期待するのは、かなり困難だろう。
無為無策の無能政権では、当然そうなる。


鳩山元総理は森元総理のポジションを狙っているのかな?

2010年08月30日 23時28分56秒 | 政治って?
何だかよく分からない展開となっておりますが、菅総理も腰抜けではあるね。

そして、もっと奇怪なのは鳩山元総理の行動である。
彼は、議員も辞めると言って総理を辞任したのに、今となっては次の総理を作り出す影響力を保ち続けようという、かつての森さんみたいな感じになっている。

森元総理が小泉総理を支えた森派を率いていたから、というのはあったかもしれないが、だからといって、特別に森さんに力が備わっていたとも思えなかったのだけれどもね。

まあ、いい役回りというか、おいしいポジションではあったろうね。



鳩山さんは、そういうのを狙っているのかもしれない。
つーか、議員辞めてほしい。



大袈裟な警告だこと

2010年08月29日 18時04分54秒 | 俺のそれ
んー、よく知らないけど、まだどこかで諍いの延長戦みたいなのが継続されているんでしょうか?

はてなブックマーク - アリフレ政策の鑑 - BI@K accelerated: hatena annex, bewaad.com


そうではないにせよ、こんな警告なんて、別にどのような職種であろうともありうるわけで、それをいちいちブログの警告として載せねばならんとなれば、寂しい限りですわな。

よくあるペーパー類の所属する組織の見解とは異なります、あくまで執筆者個人の見解です、ってやつのようなものか。


ま、そういうお断りを入れなくとも、普通の読み手であれば予めそのような危険性というものについて認識しているものと思うが、敢えてその表示を求める人たちってのも、どういった方々なのだろうか、とは思いますな。


中身に関しては、特別に突拍子のないような申し出とは違うので、穏当な内容となっている。

というか、考え方としては、私個人の書いてきたのと大きな違いはないかな。個別の数値部分であると、若干の相違はあることはあるけれどもね。

以前に掲げたものは、以下のとおり。

日本経済復興の処方箋~その3


①名目成長率が4%(とりあえず、この水準ということで)を達成したら、消費税を毎年1%ずつ引き上げ(乃至2年毎でも可)。引き上げ開始は、半年以上前に事前に予告。
②最低賃金を年率1~2%程度、毎年引き上げる。
③日銀はコアCPI(それともコアコア?とか)が2%以上を複数年連続で持続できるまで国債買入償却を現行水準のまま継続する。
④インフレ率がX%を超過しないよう、金利引き上げを考慮する(Xに入る数字は議論があるかもしれない。最近の話題はむしろ4%をキープ、というものだ。日本ではどうであろうか?)。


要するに受け入れ可能な範囲を広げる目的なわけだから、同意できてもそりゃ当然か。



つーか、タマのちっちぇえヤツらがどこかにいるのかな?

「もし所属を明らかにされたら、書くことができなくなる」という意見に対して、「じゃあ、断筆宣言したんなら、さっさとヤメロ」とか、「どうせ断筆するなら、黙ってヤメろや」とか、そういう馬鹿げた意見を言うやつらがどこかにいるということなんだろうか?調べてないから、知らんけど。

ああ、そういや最近、昔の古傷に塩でもすり込まれた気になって、妙に痛がっていた「○○の白ウサギ」だとか、そういうのもいたから、ソッチ方面とかなのか?
別に、ソッチ方面には何にも意図するところなんかなかったけど、たまたま例示した過去記事に「○○の白ウサギ」あたりが出てきただけだよ。

なのに、古傷が疼いた(笑)のか何なのか知らんが、玄武方面に突然振るとはね。
こういう行動や思考過程が、全くワケが判らんのだな。はっきり言えば、尊敬できないタイプの人間って感じ。
まるで、学生運動時代の卑怯な左翼系インテリ気取りってな印象だわな。当時はガキだったから、全然知らないんだけどさ。

ネチネチネチネチ、陰湿なイジメみたいな真似はやめろよ。


バラされたら書けない、んだから、バラさないようにしておけば済むじゃないの。バラさなければ、書けるってことでいいんじゃないですか?


実名公表には、それ相応のリスクを伴うことを考えているのか?

所謂「実名晒し」問題~違法?それとも合法?


あくまでド素人であるわたくしの見解ですので、当てにはなりませんから、詳しく知りたい方は、「やまがた」あたりにでも尋ねると経験者談(笑)として教えてくれるんじゃないか?

大体、正体をバラしてやるぜ、それでもいいのか、云々ってのは、昔からある「ヒーローもの」とか、お前の仮面を剥いでやるぜそれでもいいのか、といったのとおんなじだな。悪者側の卑怯な戦術というのは、大体共通している手口じゃないの。そういうことを平気な連中が、全く理解できんのだよ。



これはもう、楽しんでるでしょ

2010年08月27日 21時06分45秒 | 社会全般
不明高齢者の最高新記録が一体何歳なんだろうか、というのを、報道陣の皆さんは心待ちしているようになってしまったのではありませんか?(笑)

同時代の有名人が誰なのか、ネットで探すのを楽しんでいるのでは。

200歳の人って、国定忠治、ショパンがいただとか、島津斉彬の一つ下とか、そんなんどうだっていいでしょ。

186歳の人だって、家定と同い年だの、西郷といくつ違いだの、そういう「おもしろ」戸籍を聞けば、「ああ、誰と近いのかな」という例示を競いあうようになってしまっているじゃないの。


ま、不思議といえば、不思議なんだけどね。そういう戸籍が保存されている、ということが、ある意味凄い。

ニッポン、恐るべし。

まだまだ、日本人でさえ知らない謎が、たくさんあるに違いない。


けど、不謹慎だとは思うんだが、結構、笑えるな。



「Expected Burden view」について(ちょっと追加)

2010年08月26日 22時18分28秒 | 経済関連
最初に、自分が大それた批判などできる立場にない、ということを分かった上で、それでも尚批判を書いておくことにした。


これは興味深い見解ではあるものの、仕上がり具合としては、「やっつけ仕事」の感が否めない。

マネーと成長期待:物価の変動メカニズムを巡って:日本銀行

日銀内の若手論客をかき集めてきたのかな?(笑)
いや、全く知らないんですがね。そんなことは大した問題じゃないから別にいい。

読んだ率直な感想としては、学生さんのレポートみたいな感じ(今まで一度も読んだことがないんだけどw)がした。
何かを解明しようというスタンスではなく、どちらかと言えば「日銀ヴュー(笑)」強化を謳うべく、先に(言うべき)結論を決めてから書いたという意図が丸見えという感じである。本当かどうか知りたいとか、これってどうなんだろうかというような、素朴な疑問が根底には感じられないのである。残念ながら。執筆者の方々は多分一生懸命書いたものと思うけれども、論の展開としては寂しいものとなっている。
書き手の意思みたいなものって、やっぱり何となく伝わってくるものなんですね。文章には書いていないけれども、背後にあるものが滲んでくるんじゃないかな、と思いました。

んー、あと、また自慢みたいで申し訳ないんだけれど、ぼくへの挑戦かと思ったよ(笑)。自意識過剰だというのは分かってる。こんな場末のブログ如きに反応なんかするもんか、というのが普通ですから(笑)。だけど、扱ってる中身は記事に書いてきたようなものがあるんだよね。


潜在成長率の低下とか>3兆円で構造問題は解決できない

貨幣数量説の話とか>経済学界という病~事例2

ちょっと古くて06年なんですが、物価とプライマリーバランスの割引現在価値の話を書きました。
物価と財政規律(追加後)

論文中では、毎期の財政余剰と割引率ということになっていますけれども、意味合い的には同じものと思います。


多くのレンズを用意しよう、という著者さんには同意しますので、あまり一つの見方に固執することもないとは思いますが、あまりに都合よく「EB view」を全面に押し出してこられてもなあ、とは思いますね。
それ以前に明らかにするべきは、例えば日本においては「潜在成長率」と「インフレ率」の間には、諸外国にはない相関関係が見られる、ということなら、それがどうしてなのか、というところから出発しないとダメでしょう?

ハリセルの人の講義資料じゃないけど、アイスクリームと天候の話みたいなもので、そういうのは拙ブログでも過去に取り上げたわけなんですよ。

君は何を見たか

この記事中には、
『「何故比較するデータとして、『真夏日の日数』を選択したと思うか」という質問に、「アイスクリーム販売が天候に左右されると思ったので、ビールもそうかもしれないと思ったから」とか、普通に答えられるでしょう。』
と述べていたのだった。しかも、日本の「長期金利」と「合計特殊出生率」のグラフ形状が似た感じだから相関とか言うのか、という例を出していた。


こうして見てみると、日銀の非常に賢くて優秀で専門的な立場の著者さんたちが4名もおり、しかも有益な助言等をしたその他大勢も含めて、みんなが考えたりした結果が、ド素人の一人でしかないぼくのブログ記事に書いていたような程度のことしか考えつかないとか、あり得ないでしょう?

そういうレベルではなくて、もっと学術的なアプローチを頑張ってやるべきなんじゃありませんか?
なので、幻滅したというか、ガッカリしたわけなんですよ。まるで「学生さんレベルではありませんか」っていうのは、そういうことなのです。

おまけに、リファレンスがないのは、おかしくないですか?
恐らく先行研究は膨大にあるはずだろうし、もっと専門的な議論があるはずなのではありませんか?夏休みの宿題とかじゃないんですから、もうちょっと完成度を上げないと、日銀ペーパーとして出すのに恥ずかしくない程度にはならないのではありませんかね?

いくら、ぼくが日銀をつき崩すのに有効なのは「事実の積み重ね」と主張したからといって、まんま「事実を挙げてくる」なんて、とは思いました。

あれはあれで悪くないと思いますけれども、探求がそこで終わっておりますな。
だからこそ、余計に残念、という感じがするんですよね。

本気の本気で取り組むのであれば、「日本独自(日本にしか通用しない)の経済学理論」でも確立してみてはどうか。
前にも例示したけれど、ねずみと人間では、同じ哺乳類で似たような循環系を持つといっても、現実には結構違うわけで、そういうのを明らかにしてゆくのが学問なんじゃないですかね、ということ。

日銀でもこの程度では、お先真っ暗、では。



ちょっと追加ですけど(0時頃):

時間があまりなかったので、慌てて載せたんですが、書いておきたい。

本ペーパーの最後の脚注にもありましたけれど、rが低下するなら、物価Pを上げるにはSを小さくするということになるわけで、そうすると財政出動をするべき、ということになるんじゃないですかね。
それとも、Bを大きくするということなら、やはり「国債買入」をやって国債価格を上げる(利回り低下)ことを正当化できる、ってことを意味するように思うんですけど、どうなんでしょうか。

そういう「Pを上げる」手段を考えるのは、いけないことなのでしょうか?(笑)

まだまだ議論すべき部分は、いくつもありそうですけど。




為替介入の話の補足ですけれど

2010年08月26日 12時24分36秒 | 経済関連
投機的なファンドの傍若無人ぶりというのを「(助さん格さん)懲らしめてやりなさい」的にやるというつもりなら、勿論黙っているに決まってる。少なくとも私が責任者であれば、必ずそうやる。
切るか切られるか、というような勝負ならば、手の内なんか教えるわけがない。無言でバッサリやる。だから、介入する場合であっても、「影の投資家」としてしか行動しない。投機筋がどんなに買っても買っても、ある壁を突破できないという不気味さを与える。そうじゃないと意味がない。相手にとって「よく分からない」という存在じゃなければ、恐怖したりはしない。この恐怖こそが、投機を抑制するはずなのである。投機筋にとっての「リスク」として存在する意味は、正体不明で計算の埒外という不気味さである。極端に言えば、何をやってくるか掴めない、いつどの程度でやってくるかというような行動パターンも読めない、といった存在でなければならない。


現状の円高は、そういう投機筋の仕掛けというだけではないはずだ。円買いのプレイヤーは大勢いる、ということだけに過ぎない。ファンド勢はそのうちの一部でしかないのではないか。例えば、日本の輸出企業だけ考えても、円買いを行ってしまうことは多いはずである。更に、中国は資産多様化を目指してJGB購入額を増額しているのではないか、という観測が流れたりした。外貨準備の欧米向けが一部日本円に振り向けられるだけで、それなりの影響が出るだろう。
日本国内の一般の個人投資家たちでみても、以前に流行ったような外貨建・外債投信への資金流入が細るだけでも、相対的に円高に傾くことになるだろう。外貨買い資金の減少を意味するからである。毎月配当のような投信であると、配当原資分を必ず円買いに振り向けなければならないので、投信残高が減る場合には円買いが優勢ということになってしまうだろう。


要するに、円買い要因はたくさんあり、円売り要因の減少なんかも相まって、円高に傾いてしまう、ということはある。そういう流れを読んで、相場に金を張ってくるファンドがいても不思議ではなく、必ずしもそうしたファンド勢の巨額マネーが引き起こしている現象だと短絡的に断ずることもできないだろう。

昨日の記事でちょっと触れたけど、為替介入に関する参考記事を追加しておきます。

09年1月>現時点で日本は円の減価を選択すべきか

09年2月>経済政策についての一考察

10年3月>財政破綻を危惧する伊藤元重東大教授の論説は学術的に正しいか?





場当たり的な菅政権が失望を増幅させる

2010年08月25日 15時51分00秒 | 経済関連
円高局面で大袈裟に慌てふためく様は、非常に見苦しい。

政権交代で民主党が政権を担当してからというもの、幾度となく指摘したが、何も改まっていない。政治主導という呪文の中身が、これまでのところ全く不明のままである。決定過程の透明化を図れ、と言ったのに、それもできていない。かつての経済財政諮問会議のあった頃に比べても、大幅な後退である。意思決定に至るプロセスが何も公開されないから。

閣僚の議論は闇の中に置かれているし、菅総理の発信力といったらほぼゼロに等しい。菅総理が「これこれこのようにうやっていくつもりのようです」ということを、国民の誰かが説明できるか?

何一つ、判るものがないのである。
誰にも判らないのである。
菅政権は、何をどうしていくつもりなのか、一切判らないのである。
市場から見ても、ワケがわからんなと思っているからこそ、どうしようもない、ということを招くわけである。「円高」という局所的な一現象がどうこうという話ではないのである。民主党政権の対応能力の欠如、ということだけが、より鮮明になるということだ。

経済についての明確な方針がないことが一番の問題なのであって、もっと根底から考え直すべきだろう。


政治力というのは、非常に手短に言うと、「いうことをきかす」ということである。あまりに単純化しすぎだけれども(笑)、極端にいえばそういうようなことだろう。

反対している人間がいようと、「お前、逆らうとどうなるかわかっとんのか!ゴルァ」みたいなもので(これじゃヤクザだけど)、どうにもでいうことをきかすということである。できません、やれません、とかぬかす人間には、「死んでもやってこいや~」ということで、遮二無二でもやらせる、というようなことである。普通の政治では、そういう脅しとかヤクザ的な手法みたいなものはないけれど、政治力とか権力というのは、こんなような感じのものと大した違いなどないんじゃないのかな、と思うんですよ。

菅政権には、そういうのが多分ないんだろうな、と思いますね。誰だれが反対したからやめました、とか、要するにそういうことになってしまっているわけです。それでいて、権力の座にしがみついていたいというだけ。

月末までに概算要求も出せそうにありません、とか、アホですか?
予算の骨格とか、全然報道されてないでしょ?どうしてかというと、官僚サイドがマスコミ向けの「まとめ」みたいなのを配布したりしなくなってるから、なんじゃないですか?
そういうのは、政治主導だからって、なくなったのかもしれないけれど、かといって総理以下閣僚の議論や考え方のポイントみたいなものなんて、公表されていないからでしょう?


それと、鳩山のボケが借用書にサインしちゃった日米共同声明の期限にだって、何らの成果も道筋も出せず、総理就任後には「約束堅持」とほざいていたのも忘れたか?普天間移設先は8月末が期限だというのに、それも何一つの進展もなし。方針もなけりゃ、議論の形跡だって不明のまま。


要するに、何一つ満足に仕事を進めてないってことだ。その上、経済情勢だって厳しさを増しているというのに、これも手付かずで放置。

結局、政権担当能力の欠如、ということが証明されたというだけでしょ。



今の円高に対しては、為替介入の姿勢を見せるべきだ、とかいう意見があったりするかもしれないが、一時しのぎの策を練るよりも、まず国内的に「デフレ対応」の強力な策を発動するべきだ。為替介入については、リーマン・ショック以降の記事にも書いたけれど、あまり乗り気ではない。

輸出企業については、半年先くらいまでの為替予約とかは入っているだろうから、今すぐどうにかなるというものでもないでしょう、きっと(よく知らないけど)。大口の輸入材なんかも、価格が割と先まで決められているだろうから、直ぐにどうにかなるというものでもないでしょう。

それ以上に、日本の持ってる資産を活用するのに、もっとスピードをアップしないとどうしようもないわ。本当に、超精鋭部隊でも作って、素早く対応できる組織があってほしいと思うよ。そんなに円を買ってくれるなんて、本当に有難いことじゃないですか。ヨソの国では、通貨を売りまくられて、死ぬ気で防衛せねばならん、とか売り売り攻撃を浴びせられまくるんですから。そういうのに比べると、逆に「強い通貨」になってるわけですからね。世界で一番のGDP比で政府債務の多い国である日本なのに、その通貨を買ってくださるわけですからね。


急激な円高が来たら、日本専用の政府系ファンドが割とインフレ率の高そうな国の優良実物資産を買うとか、やってくれるといいんだけどね。今の円高に対しては、外貨準備で大量に保有している米国債を売って、為替損を少し取り返し、そのドルで実物資産を購入すればいいのにね。金利が上がるから、そこにドル買いに向かう資金が入ってくるだろう。
で、将来性のある優良欧米企業の株でも買うとか、そういうのでもいいし、売りに出されている優良不動産を買うとか、そういう実物資産に換えておくと日本国民全体に長い将来に渡って利益がもたらされるはずじゃないかと思うんですけど。

だって、極端に言えば、日本円を刷って、ドルでもユーロでも買えば、直ぐに円高なんて収まるよ。そのお金で実物資産を買えるじゃないですか。そうすれば日本全体の利益になりますから。そういう機動的な運営というものが、全くできないんだよ、日本って。全てが硬直的だし、官僚主義的だし、スピードが全く遅いのだ。


何も、無から有を生み出せって言ってるんじゃない。
デフレを止めるためには、マネー供給を増やさなけりゃならない。それに平行して、国債買入償却も更に増額して頑張るしかない。「もうこんな高価な日本国債なんて買わないよ」と市場が思うまで金利が下がるしかないんだよ。

これに加えて、財政支出を発動するんだ。将来の投資になる政府支出を増やすべきなのだ。それは医療設備でもいいし、研究組織と人員増強でもいいし、仕事を作ることなんて、いくらでもやりたいことがあるよ。そういうことにお金を使うんだ。未来に必要なインフラ整備だって、今やった方が金利負担が軽く済むから得じゃないですか。

どうして、こういうことを政治力でもって解決を図ろうとしないのか、本当に不思議ですわ。
中国をみてごらんよ。何といっても、スピード感がまるで違う。一党独裁だから、というのはあるけれど、日本って、本当に何から何まで極端に遅いんだよ。


本当にうんざり、です。



「今だけ幹部」の置き土産?~「F35」を巡る報道

2010年08月24日 15時46分37秒 | 防衛問題
展望なき空自幹部の、場当たり的対応のたまものか。

FX選定 F35に一本化へ 23年度概算要求 7億円計上(産経新聞) - Yahoo!ニュース


こういうのを決める幹部たちは、どうせ配備前に自分たちがもういなくなっているだろう、ということを織り込んでいるんじゃないのか?(笑)

現在の、自己保身とか己の立場を維持したい、といった事情なんかがあるのかもしれないが、そんなくだらないことで国防政策を考えられたらたまったもんじゃないわ。

無駄に高額で、いつ来るかもわからず、ババを掴まされるだけになるとしても、内部の人間たちの中には米国の顔色を窺い、今後の人生の影響力を保持し続けたい、といった、国の為じゃなく自分の為に利用する連中が多いのかもしれんな。


ユーロファイターの方がお得だし、国内生産もできるし、独自仕様も対応可(応相談?)とからしいし、性能面でもそう悪いわけじゃない。

多数機を一気に調達せずに、当面のつなぎとしてであっても、それはそれでいいと思うけどね。元々がファントム後継ということみたいなんだし。これの何が不満なのかが分からない。一方で、F2の調達復活とかって、ワケが判らん。


政治もアレだし、自衛隊は自衛隊でナンだし、救いがないね。
で、迷走を続けることになる、と。


金をドブに捨てるようなものか。



恥を知らないというのは、最強

2010年08月23日 21時44分11秒 | おかしいぞ
こ、これは…

はてなブックマーク - 池田信夫 blog : デフレ脱却国民会議(笑) - ライブドアブログ


久々に見かけたので、どれどれと思って覗いてみたら…マジひどかった。

API氏のぶくまコメを見て、全くおっしゃる通りでございます、とは思った。

>API ネタ 資金需要と貨幣需要の違いもわからないのか。ワルラスの法則、流動性選好理論、貨幣数量理論このすべてを理解してないな。実質金利を無視してるのは毎度の事だし。しかしガチでアレだったんだな。わかってたけどw


いや、ホント、これでよく経済ナントカって肩書きを謳っていられるな、その厚顔無恥さがまるで分からんな、とは思うよ。イマドキ「流動性の罠」くらいは学生さんだって知っているんじゃないですか?

「何故金利が上がらないんだ!」とか騒ぐのが、とても面白い。
当人はいっこうに恥ずかしい思いをしているわけではないみたいだから、無知って最強なんだね、やっぱり。

看板を降ろした方がいいんじゃないか?(笑)



首相と日銀総裁が電話で話したら、年初来安値更新(笑)

2010年08月23日 17時06分34秒 | 経済関連
何と言いますか、市場はあまりのヘタ芝居に呆れているみたいですね。

本日の東証株式市場では、年初来安値だったそうで、菅総理になってからは奈落の底へと誘ってくれているみたいで、おバカ政権の面目躍如といったところでしょうか。


見透かされ具合とかも、本当にどうしようもありませんな。
米国は傷が深くて動けず、かといって欧州もダメージがあるわけですから、世界経済の頼みの綱といえば、アジアしかないわけなんですよ。そのアジアにおいては、勿論「昇り竜」と噂される中国が牽引役だということに異論はないでしょうが、そもそも日本という以前からのプレイヤーが存在してきたわけですよ。しかも、中国以前からアジア諸国には影響力を有してきたわけですから。


グローバル化進展によって、経済の好不況のリズムというものが、以前に比べると一致度が高くなっているというのはあるとは思いますが、日本が引っ張っていかなくてどうするの、ということは思いますな。

誰かが不景気の時でも、別な誰かはそうでもない、ということがあるからこそ、変動は抑制されるうるはずなのです。日本のどん底期であった02年~03年頃であると、世界経済が丁度上り坂に来ていて、その世界経済好調の恩恵を受けて輸出が回復していったわけですからね。後から見ると、あれも米国をはじめとする不動産バブルのお陰だったということかもしれませんが、酷い状況の国ばかりであったなら日本はもっと悲惨な目に遭っていたことでしょう。


そう考えると、日本の経済活性化は世界経済にとってとても重要ということになるはずなんですよ。日本の政治家って、みんな国内の凄く狭い範囲でしか見てないし考えないんだよね。そういうのは、いい加減にやめてほしいと思うよ。

まあ、国内のことすらどうしようもできないのに、ヨソさまのことまで考えられるか、ってなことで、それも本当に情けないですな。




前の記事に追加ですけど

2010年08月20日 17時20分43秒 | 経済関連
そういえば、松尾匡先生(※21日訂正、本当に申し訳ございません。松尾先生のご尊名を誤って「学」と書いてしまいました。お詫びして訂正いたします)が書かれたと評判らしい『不況は人災です!』という著書があるそうですね(ネット上で名前を拝見するくらいしか知らない学者さんですが)。今度購入してみようと思っているんですよ。


ぼくの意見は、これまでにも書いてきました。

最低賃金に関する議論~4


信じてくれるかどうかは別として、味方が増えてくれることは喜ばしい限りです。
説得って、やっぱり説明を何度も何度も繰り返して、そうしているうちに、誰かが目に留めてくれるようになって、ということしかないんだろうと思うんですよ。


実際、共産党だって、同じ方向を見ることができないわけじゃない(笑)。

はてなブックマーク - 賃金の下落がデフレの原因/富士通総研HPで指摘/同一労働 同一賃金 日本では守られず


どうです?
だからこそ、党派に拘るのは、あんまり意味がないと思うんですよ。

もっと事実を大事にしましょう。
国会質疑だって、ほら、共産党の経済論客のエースとかいう(言うかどうかは知らないけど)大門議員だったか、党派は別として、とても共産党員とは思えないような(悪い意味ではなく、褒め言葉です)経済学の知識を重視しているわけでしょう?
経済学の理屈というものは、党派を超えて、事実という部分にこそ意味があるはずでしょう?

だからこそ、左派の方々にはこのデフレ脱却ということの意味を一番考えて、重視してほしいんですよ。国民生活を破壊するのは、借金だということも分かりますよね?
しかも、キャッシュリッチな大企業や金持ちほど、デフレは圧倒的に有利なんですから。共産党としては、常々敵と見做してきた相手なんですから。それを利する政策に加担するとは、どういうことですか、って話になりますよね?
だからこそ、デフレと戦うには共産党の力だって必要なんですよ。

(参考までに、中国共産党が外資系企業の労働者の賃上げ闘争やストを容認したのは、そうしたデフレ傾向ないしディスインフレがあったが故である、というのが私の診立てです)


そうであるが故に、左派は一致団結して国民を救うべく、デフレと戦う決意を示してほしいんですよ。その方法は、きちんと経済学の知見や事実を重視していきましょう、ダメージやリスクの少ない治療方法や術式を真剣に考えますよ、ということで乗り越えられるはずなのです。


脱出困難であるからこそ、併用療法というのが必要になってくると思うんですよ。

何かの方法一つだけでは、恐らくダメ。

日本経済復興の処方箋~その4

最低賃金だけを上げても効果が不十分か、その政策そのものの副作用というのが出る可能性があるから、別な何かで打ち消すようなことを考えておくべき。それには、貨幣供給を増量するというのが役立つはずですから。



党派に拘らない方がよい~「リフレ派」というラベル

2010年08月20日 16時51分07秒 | 経済関連
コレね>はてなブックマーク - リフレがトッププライオリティなんて人は存在し得ない: EU労働法政策雑記帳


政策実現に向けて考えるべきことは、賛同者を増やすことであろう。拒否する人たちには説得をするべきだし、懐疑的な人々にはもっと有効な説得を試みるべきである。

回避すべきは、「仲間割れ」とか「内ゲバ」である。味方を減らしてどうする、ということ。
何をしたいのかといえば、政策を実現することである。敵陣営の連中を薙倒して、優越感に浸りたいということではない。殲滅戦に勝利することが目的ではない。敵を倒すのが最大の目的ではなく、敵であろうと誰であろうと、「こちらのお願い」を聞き届けてくれて、それを実行してもらうことなのだから。

反対論者たちに戦いを挑むのは当然。
ただ、それは相手を貶めることではない。言ってみれば、折伏させるようなものである(ちょっと違うかもしれないけど)。できる限り、当人に目覚めてもらい、転向を促すようなことが必要なのである。そうじゃなければ、味方は増やせないんじゃないのかな、ということだ。
特に、専門家には手厳しく専門的な部分で挑まねばならない。一般人への影響力が大きいからである。


「誰が言ったか」ということ以上に、中身についてを論ずるべきであると思う。
○○さんを支持します、というような人物支持だけの表明であると、受け入れられない、ということになりがちかもしれないので、人物支持ではなく事実や政策を支持するということにした方がよいのではないか。

例えば、

・失業は悪いこと Y/N
・デフレは良いこと Y/N

みたいに。


経済政策に関する議論についての疑問は、以前から何度も書いてきた。

検証作業というか・・・


日本の経済学分野では、例えば東大教授クラスでさえ「言えないこと」まで大胆に言おうとするんですね。「分かっていないこと」というのを意識することもなく、自覚さえなく、何でもかんでも言うわけです。議論の仕方が根底から間違っているとか、経済学分野では「なってない」ということなのではないですか、ということを、これまで幾度となく申し上げてきたわけです。

こんなのとか>誤解を与えてしまったかもしれません


それと、日銀が言ってないことを「言った」として扱い、叩くというのは、一応反則技なので、そういうのは避けた方がよい。所謂「シャドーボクシング」とかになってしまうかもしれないから。

例>「良いデフレ論」はどこから来たか


もっと議論を細かく区切っていく方がいいんじゃないですか?
分かってないことが多すぎるのに、どういうわけだか一気に結論に飛びつこうとするんですよね。分かること、というのを徐々に増やして、一歩ずつでも地歩を固めて進むようにしたらいいと思うのです。


以前にも紹介したが>改訂版が出ていたのね~ESRIのペーパー


ESRIのディスカッション・ペーパー(飛田、et al.)によれば、次のように記述されている。

======

II. 貨幣供給量減少の効果

貨幣供給量(M2+CD)の水準を当初1 年間かけて漸減的に標準ケース比1%低下させ、その後そのレベルを持続させると、貨幣市場の均衡を達成させるため金利の上昇を引き起こす(長期金利は1 年目0.31%上昇する)。その金利上昇による代替効果により設備投資が抑制され(▲0.98%~▲2.20%)、また、円高が生じ輸出も抑制される(▲0.15%~▲0.74%)。

民間消費に対する影響には、代替効果の他に財産所得による所得効果や他の需要項目を通じた所得効果がある。本モデルでは財産所得を通じたプラス効果が代替効果のマイナスの影響より大きいことにより、消費は1 年目と2 年目に若干増加している(表3-7 参照)。
この結果、貨幣供給量の1%削減による実質GDP の抑制効果は、▲0.18%~▲0.28%となっている。
======

こういう研究成果があって、「貨幣供給量の削減は実質GDP抑制効果がある」という見解が出されているとしても、それを真っ向から否定したりする学者気取りの連中や経済学の教官なんかが大勢いるわけです。別に、リフレ派がどうの、とかいう問題なんかじゃなく、もっと具体的なテーマなのです。このような研究結果があっても、それを打ち消す意見や研究だってあっても不思議ではありませよ、勿論。
ただ、そういう否定をするには、自らが研究結果を公表して否定する根拠を提示するか、既に研究済みのものなのであれば、そういうペーパーなりを提示して根拠を明示するべきなのですよ。それとも、ペーパー中の問題部分について、具体的指摘を行うことができるはずです。

ところが、経済政策に関する殆どの議論というのは、そうした共通の土台というものが通用していない。出発点からして、失われているようにしか見えないのである。
党派以前に、ある事実を支持するかどうか、ということに基づくべきである。