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貸金業の上限金利問題~その8

2006年04月29日 20時10分13秒 | 社会全般
昨日は書きかけで途中になってしまった「キノコモデル」(と名付けよう、とりあえず)の続きを書いてみます。



通常喫煙と肺ガンの発生の直接的証明のようなものというのは判っていません。「喫煙するから肺ガンになる」と証明することが難しいのでしょう。なので、普通はリスクで考えられており、「肺ガン」患者を調べると、「喫煙者」は「非喫煙者」に比べて「肺ガンの発生リスクが高い」という風に考えられています。これは世の中の大半に受け入れられていると思います。このようなリスクの評価は、オッズ比やリスク比などで示されることが多いと思います。また、喫煙者同士の違いを評価する場合には、「本数×喫煙年数」のような何かの指標によって区分されるグループ間を比較して、ある喫煙量を超えると「肺ガンの発生リスクが高くなる」という風に行われていると思います(どのような指標が感度が良いか、ということもあるかもしれません)。この場合にも、リスク比やオッズ比などの評価を用いていることが多いのではないかと思います。


しかし、坂野ペーパーでは、「破産」「非破産」というグループ間での比較で、これを喫煙に当てはめてみると、「喫煙者している者には、肺ガンが発生していない者が大勢おり、肺ガン発生者と似たような喫煙量なので、喫煙は肺ガンの発生リスクとは関係ない」ということを主張するものです。このようなモデルは果たして信頼できるのでしょうか?そのことに疑問を抱かないのは何故でしょうか?少なくとも、「破産」グループと比較される対照側の設定はオカシイと思います。


キノコモデルに話を戻しましょう。

通常、キノコの摂取と死の関連を調べる時、「摂取量の違い」「摂取する種類の違い」などによるオッズ比やリスク比を調べて、「量によるリスクは大差ない」とか「増殖率の違いによるリスクは小さい」といったことが判るんじゃなかろうかと思いますね。

毒物の危険性を見るのには、致死量というのがありますよね。50%が死亡する量を50%LD、95%死亡する量が95%LDなどと表示されます。全部死ぬ量は致死量ですね。「キノコモデル」では全部死ぬ量を求めることは意味がありませんから、例えば年収280~300万円世帯で「10%が死ぬ摂取量(=10%が破産している借入額)」というような数値は求められると思いますね。キノコを摂取しているあるグループと対照グループとで比較して、「摂取量」「増殖率」「解毒薬量」「代謝」「期間」などの要因の影響度(リスク)を分析するのではないかと思います。増殖率30%のキノコAと増殖率10%のキノコBを摂取した場合に考えられるリスクは、素人の直感で申し訳ないですが、多分キノコAの方が致死リスクは高いと思いますね。オッズ比やリスク比でどの位の数字になるのか、というのは判りかねますけど。


更に、致死率という考え方もあります。例えば疾病Xで死亡する率は10~25%、というようなものです。これは、「疾病によって死亡する可能性がある期間」全てを含む考え方です。坂野ペーパーでは、こういうことが全く無視されており、「現在生きている」ことだけをもって対照群に入れる、というのは明らかに誤りです。同じ疾病Xに罹患している患者100人がいて、1年後に生存している人が90人、5年後に生存している人が40人であれば、致死率は60%です(もっと観察が必要であるなら、もっと先まで観察し疾病による死亡数をカウントすることになります)。ところが、1年後で追跡を止めてしまえば、致死率は10%となって、リスク評価は異なってきます。


M村にキノコQを3~5個食べた人100人がおり、N村で同じくキノコQを3~4個食べた人100人がいるとします。キノコ商人が、それぞれの村に行って各人にキノコQを1個ずつ売りつけ、さらに食べさせました。翌日、M村では全員死亡し、N村では全員生きている時、「N村では全員が生きているのだから、食べたキノコQは死亡と関係ない」という主張をするのは、容易ではないと思えます。しかも、1週間後にN村の生きている人の数は「不明」なのですよ?(少なくとも、坂野ペーパーを支持する人たちの誰もそのことには触れていません)死んでるかもしれないのですよ?それでも、「キノコQは自由に食べていい」と?実際にはM村とN村という風に完全に分かれているのでもなく、死亡者と生存者はランダムに存在しており、それを集めて「破産」「非破産」という区分をしたに過ぎないのですが。「他にも生きている人がいるのだから、キノコQは安全であり、制限をしなくてもよい」という主張には疑問を感じますね。


「代謝バランスが悪くなって解毒薬を手に入れるのが困難になった人が原因なのだから、キノコは制限しない方がよい」と主張する人がいたら、是非そのワケを知りたいですね。現実には「破産=死」ではないので現実の損失は死よりも必ずしも大きくはなく、たとえ破産件数が増加傾向であっても、それを減らさなければならない、という経済学的正当性は確かに存在していないかもしれませんけど。キノコを制限して失う利益よりも、自由にして得られる利益の方が大きければいい、という主張なのでしょうから。「素人の陥る罠」としては、直感に頼ってしまい、それが間違ってることが多いそうで、私の主張のほぼ全部が直感ですので、ダメっぽいけど。一応書いてみました。


それから、上限金利引下げで「GDPが減少する」ということが早大商学部消費者金融サービス研究所のペーパーに書かれているらしいんだが、素人なりの考えを書いてみよう。


上限金利が引き下げられた場合、利用者が貸金業界に払うお金が減るということで、業界が「利益を数百~数千億円失う」と。上限金利が20%ということになれば、「リスクの高い貸せない層が出てくる」、と。であれば、貸倒率は「大幅に減少」し、仮に以前の1割に減少すると、債権放棄額が1兆円であれば、9000億円は助かるワケですね。会計処理は判らないけど、きっと損金処理されてた部分があるから、その税金分は差し引かれると思うから、9000億円が放棄しなくて済むようになっても、これがまるまる得するワケではないけどね。自己破産の債権のうち貸金業界比率が6割とすれば、5400億円分の損金が減る。金利引下げで貸金業界の営業利益減少分が4500億円程度(プロミスで600億円規模とか報道されてた。大手5社で3000億円(貸付残高でザッと7兆円として)、他1500億円(同3.5兆円))なら損金分の方が多い。今までは利益から引き去られていたのだから、こちらの方が得じゃないのかと思えるけど。


しかも、利用者達がいままで支払っていた金利のうち20~30%にあった分は払わずに済むので、利用者たちは他への消費へ回すことが可能。貸金業界の営業利益が4500億円減少しても、その分全部が預貯金に回されない限り、利用者たちは他への消費へ振り向けるだろう。また、金利引下げによって、同じ一回返済額であれば返済期間が短縮される為、それ以降の消費への振り向けは、金利が高い場合よりも早期に行われるはずだ。なので、極めて短期的に見れば、GDP減少要因となるかもしれないが、その返済負担を抜けて以降は、大きな影響度は出ないと思われるが。


また、今までの上限引き下げが行われて以降、GDPが大きく減少したことがどれくらいあるのか。83年改正では×、86年改正では×、91年では×、00年では減少でした。つまり、1勝3敗ですか?(笑)いいモデルですね。実際経済学的評価がどうなのか判らんけど。ああ、下押ししただけで、実は金利引下げがなければ、もっと成長していたってことだよね。モデルでは、上限金利7%程度の金利引き下げで0.364%GDPが低下するんだから、10%も下がったら、恐らく0.45~0.5%くらいは低下させる、ってことだね?凄いね。大きな寄与度なんですね。

大体GDP600兆円くらいだと、丁度00年頃のGDP規模ですから、01年度になって592兆円くらいに低下してるんですけど、この10兆円のうち、約3兆円は「上限金利引下げ」による効果だったんですね。へえ~、へえ~
あんまり見たことのない経済学理論ですね。


因みに減少分は、借りられなくなった層がこの3兆円を使えなかったからですか?そうですか。何万人分かの消費抑制だもんね。ハイリスクな貧乏人だから、一人平均50万円借入だったと仮定して、これが借りられなくなる為に消費が抑制された、と。そういうことですよね?桁が多すぎで判らんけど、600万人が借入できなくなったってこと?GDPの増減の計算方法がわからないから、素人考えだと思うけど、きっと直接お金を使う額とは違うんだろうね。結構借りられなくなる人は多いんだね。大雑把に貸出は1100万~1200万口座くらいあるらしいから、2人に一人が断られるのですか?

結構たくさんの人たちが支持してるんだから、きっとそうなんだろうね。3兆円規模のGDPが吹き飛んだ、と。


86年上限引き下げ後、消費者金融全体の信用供与額は増加してますね、5兆円(約25%増)くらい。次の年も5兆円以上増えてますけど。これも「借りられなくなった人が続出してしまった」からですか?(笑)91年改正後には信用供与額全体は94年まで連続で伸びてますけど。ここから連続で減少となり、95年-0.8兆円、96年ほぼ変わらず、97年-0.9兆円、98年-2.2兆円、99年-3.4兆円、00年-1.2兆円、01年-1兆円、です。

因みに、消費者金融会社の信用供与額は85年の約2兆円弱から2003年の10兆円超まで、一度たりとも減少なんかしてないんですけど。ああ、「信用力不足になって貸せなくなり、ヤミ金に行った人たち」で減った分を、それ以上の新規顧客開拓でカバーしたんですね?そうでしたか。全体の減少は94年がピークで、主に民間金融機関の消費者ローンが減少してるんですよ。92年には30兆6千億円あったのが、02年には18兆5千億円まで落ちてますから。信用供与額が94年ピークから12兆円くらい減少している中で、銀行系が同じくらい減らしたけど、消費者金融会社は4兆5千億円から10兆円まで拡大してきたんですよ。


<これって、どう?信用力供与額の大幅な減少は、金利下げ時期には起こらずに、95~99年に起こってますよね?これって、ノンバンクや金融機関が次々と破綻していった頃なんじゃないですか?97年ショックの後で信用供与額減少が大きいと思うけど。ブラックな方面にも金が流し込まれてたとか?トンデモナイ貸出先ってこと?ありゃ、陰謀論ですね>


金利上限下げの影響で貸出残高が減少するよりも、銀行の問題などで減少した分の方が圧倒的に大きくて、逆に消費者金融は倍増させたんじゃないですか?(笑)闇金の活発化してきた時期(98年以降)と、妙に符合してるけど。上限金利引下げの時期よりも。


00年には金利上限が「10%超」も下げられた(40.004%→29.2%)のに、それ以降、大手各社はみんな揃って「貸出口座数純増」ですか、そうですか。これも、「信用力不足の人が続出だから」ですか、そうですか。貸付残高も増加ですか?営業利益も増加ですか?そうですか。


確かに00年の翌年は「ITバブル崩壊」の影響で景気が悪かったもんね。景気後退の影響度と、「上限金利引下げ」による下押し要因の比重は、全く判らんけど。

「上限金利引下げは、GDPを引き下げる」という素晴らしいモデルは、正しいんですよね?危険率は10%だけどね(笑)私は統計学も全くの無知ですので、早大のペーパーが正しいのかどうかは、判らないんですよね(笑、これは本当です。直感的に疑問に思っただけですけど)


さすがは、天下の早稲田大学。「消費者金融サービス研究所」の出してるペーパーは違うね、モノが。


経済学理論に沿って、ペーパーが正しいと支持してる人たちの反論を聞いてみたいですけどね。経済学理論で全て説明可能なはずでしょうから。



貸金業の上限金利問題~その7

2006年04月28日 22時03分41秒 | 社会全般
何度も取り上げて申し訳ないが、坂野早稲田大教授らのペーパーでは、「金利水準」については、検証されていない。にもかかわらず、あたかも「金利水準は破産とは関係ない」という結論を導きだせるかのように扱うのは何故でしょう?少なくとも、金利上限撤廃or引き下げ反対の根拠にはならないと思う。「破産はライフイベントが原因だ」=「金利は違う」という発想なのだろうか?


また、引下げ反対論者たちは、ヤミ金が増加してきたことと、上限金利引下げとの関連性があるかのように示しているが、なぜ「上限金利が引下げられたのでヤミ金が増加した」と言えるのか不思議だ。他の要因として考えられる、経済環境、調達金利の低下、賃金引下げ等の収入減、貸金業者へのアクセスが容易になったこと、過剰な広告、貸金業利用者の増加率、顧客(多重債務者)情報横流し件数、貸出審査の緩み、業者間の貸出競争、などと比較して、これらの要因よりも「上限金利引下げが闇金を増加させた原因」と信じる根拠というのは一体何でしょうか?経済学を学ぶものたちがよく笑う、「sun spot」と景気循環の関連性みたいなものなのでしょうか?それともジャイアンツ優勝と景気循環の相関とか?(笑)


また凄く変なモデルを考えてみよう。


次のような条件としましょうか。


・多くの人が食べたがる不思議なキノコ(=借金)がある
・食べると何かの効果(=効用)がある
・このキノコを食べると、体内に「負債」という巣を作る
・この巣は自然に増殖して増大していく
・巣には毒性があって、放置すればいずれ「死」(=破産)に至る
・死に至る巣の大きさがどれくらいなのかは不明
・食べるキノコの種類によって、増殖率が異なる
・常に解毒薬(=返済)を飲まなければならない
・解毒薬は巣を分解して小さくする
・各人ごとに収入と支出という代謝がある

イメージとしては、『風の谷のナウシカ』の「瘴気」みたいなもんですかね(笑)。胞子にやられる、と。


早稲田大消費者金融研究所のペーパーや金利引下げ反対派たちの主張は、

1)食べるキノコの量や増殖率と死は関係ない
2)需要があるので、どんなキノコも食べられるようにするべき
3)キノコを食べる側が注意すればいい
4)キノコを売る側はキチンと相手を選んで売っている
5)キノコの種類を規制すると「違法キノコ」への需要増で闇市が大きくなる
6)代謝のうち、収入減少が死への要因



貸金業の上限金利問題~その6

2006年04月28日 20時12分14秒 | 社会全般
ちょっとしつこいですが、また書きます。

一応、ある世帯(個人でもいいですが)での、収支を考えてみることにします。これを、非常にヘンな言い方で申し訳ないのですが、「代謝」と呼ぶことにします(用語としては明らかにオカシイのですけど、他の言い方が思いつかず。なので、当面こう呼ぶことにします)。


代謝はかなり重要なことです。普通は、基礎的な代謝量が大体決まっていることが多いでしょう。それは生活の為の、必要最低限の支出額というのがある、ということになります。今の生活環境を維持する為の、いってみれば固定費みたいなものと考えればいいと思います。例えば住宅ローン返済額や家賃、公共料金、各種保険料、学校の授業料、最低必要食費、等々でしょうか。裁量的な支出ではなく、既に払込先が決まっていて、毎月の金額もほぼ同じくらいであると思います。これらの費用は、支出削減努力が非常に困難な種類の支出ということになると思います。


この基礎代謝に対して、摂取するエネルギー量、つまり収入ですけれども、この両者の差額が一般的な自由支出ということになると思います。貯金するかもしれないし、服を買ったり、本を買ったり、娯楽に回したり、ということですね。これらは、通常削減努力によって、いくらかは支出カットが可能であろうと思います。カット幅は人によって異なります。浪費タイプは当然ながら、カット幅が凄く小さくなってしまいます。支出カットの努力に対して感じる苦痛が同じであっても、「苦痛に感じやすい人」のカット幅はそうでない人(=節約上手とか)よりも小さくなり、同じカット幅を達成しようとするならば苦痛は大きくなってしまいます。


式で書けば、次のように表すことができます。

収入=基礎代謝+自由支出  ・・・(1)


ここで、初期段階で支出カットできる額を「一次カット額」とし(通常は自由支出から削減します)、受け入れられる削減努力の限度を示す係数として「受忍係数」として、次のように定義することにします。

一次カット額=一次受忍係数×自由支出  ・・・(2)
(ただし、0≦一次受忍係数≦1)


先に述べたように受忍係数が小さい(削減が受け入れ難い)人は、同じ自由支出額であっても一次カット額が小さくなってしまいます。借金返済に回すという場合には、この一次カット額から振り向けられることになると思われます。更に返済負担が大きくなっていくと、受忍係数を半ば強制的に1にせざるを得ず、この時は自由支出を全部返済に回す、ということになるということです。


これよりも大きい返済を必要とする場合には、どうなるでしょうか。収入が同じであれば、当然基礎代謝を減らすしかないですよね。これは自由支出削減よりも、もっと厳しく感じられることが殆どだろうと思います。持家やマンションを「手放す」(抵当で取られるということかな?)とか、現在家賃よりも安い賃貸に転居する、私立学校を転校・退学する、食事を削る、というような苦痛を選択するとなれば、普通は自由支出を削減するよりももっと大変ですね。なので、一般にこれらの受忍は容易ではないため、一次受忍係数よりも小さくなるでしょう。それでも、生きていく為の最低金額は必要なので、一定限度以上には削減できなくなります。これを二次受忍係数とすれば、

二次カット額=二次受忍係数×基礎代謝  ・・・(3)
(ただし、0≦二次受忍係数<一次受忍係数、と推定、例外あるかも)


返済に回せる金額範囲は、初めのうちは「0~一次カット額」、次のステージへ進むと「一次カット額+二次カット額の一部」、さらにステージが進行すると最大の「自由支出+二次カット額」に向かっていくということになるかと思います。
通常では、一次カット額>二次カット額であろうな、と思います。


元々低所得である場合、(1)式で言えば、自由支出が少なく、相対的に基礎代謝の割合が多くなります(低所得ほどエンゲル係数が高い、というのと似ている)。なので、一次カット額の絶対値が小さくなります。自由支出の割合・絶対値とも大きい方がセーフティマージンの幅が広く、逆に小さければ小さいほど収入減少や基礎代謝増加(家賃や公共料金の値上げ、食品値上がり等)の影響を受けやすく、セーフティマージンは狭い、ということになります。

また、ギャンブル狂、異性に貢ぐ、アルコール依存、薬物中毒、高額ブランド品買い漁り、などといった状況にある人は、一次受忍係数が小さいので(他の大多数の人にとっては優先順位が低いと思われるような特定の支出を削れない)、すぐに二次カット額へと移行するでしょう。たとえ収入が一定以上あっても、一次受忍係数が極端に小さければ低所得と同様にセーフティマージンは狭いことになります。


全く預貯金がない場合、支出水準が収入よりも少なければ新たな借入は生じません。しかし、基礎代謝+自由支出が一定期間内で収入を上回ってしまうと借入するよりないでしょうね。セーフティマージンの狭いグループでは、広いグループに比べて自由支出部分で吸収できない変動が発生しやすいと推測されますし。


まとめると、借金の返済限界は基本的には、「一次カット額+二次カット額」、最大値付近では、「自由支出+二次カット額」ということかな。収入が基礎代謝以下しかない場合には、普通の借入返済は不可能(親などが返すとか、返済開始時期を遅らせるなどの設定などがあれば可能かも)。既に有している借入返済の為に、自由支出が大幅に減少している場合には、新たな借入がよりシビアな「二次カット額」に突入しやすいと予想される。


こういうことは、経済学の、基本のキの字でなのですか?よく知らんけど。投資や政府支出などを考えない時の、基礎消費と限界消費性向にちょっと似てるね。



貸金業の上限金利問題~その5

2006年04月27日 14時19分38秒 | 社会全般
いつだったか、朝日新聞の武富士からの資金提供疑惑などが既に報じられたりしていたが、今のマスメディアの体質は「オコボレ利益」獲得の為には口をつぐんでしまうらしい(笑)。まあ、当たり前なんだろうね。テレビも新聞も雑誌も、みんな「貸金業界」からの巨額宣伝広告費が入ってくるもんね。それが一気に縮小されては、自分たちの「うまみ」がなくなるからだろ?日本の報道というのは、そういうレベルなのさ。自分たちに都合の悪いことには、黙ることにしているんだそうですよ。何がジャーナリズムだ。

そういう訳で、メディアも上限金利引下げには暗に「反対」、若しくは消極的に「不支持」という態度らしい。


上限金利問題で、私は勿論与謝野大臣を支持するし、当然懇談会の意見も賛成の立場だ。



現在の貸出体制や審査、信用情報については、ザル状態ですね。余りにヌルイんですよ。


貸金業の免許は、銀行免許と同じような感じで予備免許を1~2年とかにして、本免許はその後に適正な営業状態の業者だけに与えるとか、そういう絞込みを行うべきですね。既に認可済みの業者については、経過措置として金融庁(或いは都道府県?)検査を受け入れたら、本免許とするべき。それを拒めば、自動的に免許は失効することにした方がいい。そうなれば、優良な業者にとっては有利に働くはずで、顧客も獲得可能となるだろう。


それと、銀行系や信販系業者などは貸し倒れになるような債権の場合、被害が拡大する可能性が高いと思うのですけど。闇金に払っているのは、主にクレジットカード会社とかあんまり厳しい取立てじゃないような穏やかな貸金業者だろうね。「上限金利引下げで貸し出されなくなる人が出てくると、そういう人はみんなヤミ金に行ってしまう」って、これも仕方ないでしょうね(笑)。


よく考えてみて下さい。
闇金が怖れるのは、債務者がすぐ飛ぶことですよ。自己破産されたら、回収できないし、非合法貸付だから債権申立もできないでしょうよ。普通ね、闇金が取り憑くのは、飛ぶはるか手前の多重債務者たちとか、名前も聞いた事のないような業者にうっかり引っ掛かってしまったりする初期債務者などであろう。一円もどこからも借りられないような人に闇金が貸すと思いますか?闇金が貸して、他の貸金業者やカードの返済なんかに回されようものなら、ヤミ金はどうやって回収すんのよ?たとえ給料を押さえてみたって、他の債権が延滞になれば早い段階で法的処理に移行するに決まってますよ。給料20万円で月々10万円以上を返済しているような債務者がヤミ金から借り入れたとしても、せいぜい数ヶ月しか持たないでしょうよ。そんな人に闇金が貸して、速攻で飛ばれでもしたら、それこそ大損なんですよ。あくまで仮定ですけど、もし私がヤミ金業者であったら絶対に貸さないね。


闇金がウマイと思う相手というのは、まだクレジットカード発行が受けられるとか、他の貸金から借入可能とか、そういう「貸出枠」が残ってる人に決まってるんですよ。なので、多重債務の整理と称して手数料と称してぼったくったり、クレジットカードを作らせ換金可能な商品券・ビール券・新幹線回数券なんかを買えるだけ買わせ、目一杯キャッシングさせたり、他の貸金を回らせてヤミ金に優先的に返済させたりしてるのでしょう。こういうのは、全て他の貸金業者かクレジット会社が代わりにヤミ金に支払っていることと同じようなものなのです。要するに、「貸出枠」が残されている人じゃないと、闇金は商売が成り立ちません。まともな貸金業者たちやクレジット会社たちと競合的に貸し込んでいって、他よりもいち早く回収し、更に上乗せをトコトン狙うということに他ならないのですよ。密着で取り立てるわけですから、債務者だって他がちょっと延滞になったとしても、ヤミ金にだけは先に払ってしまったりするのですよ。ヤミ金は債務総額の加速度的増大に手を貸しているだけなのです。


なので、他の業者が全く貸してくれないような状態になった人に、闇金が貸してくれるはずなどないと思えます。勿論貸してもいいですよ。でも、単に回収不能になるだけでしょうね。せいぜいが、親兄弟など親族等の連帯保証を付けろ、とか、そういう罠くらいしか残らないのではないかと思いますけど。内緒で勝手に書いたりした偽造書類であれば、闇金が取り立てることは不可能だし、ヘタに親族から取り立てようとして警察や弁護士の元に駆け込まれても困るし。親族に相談して連帯保証を付けるなら、普通の業者であっても貸せるかもしれないですよね。債務者以外の人間に知られると、別な知恵が浮かんだり、バレやすくなりますし。大抵、誰にも相談できない、というような状況の人が、罠に陥るのだろうと思いますよ。


そういう訳で、「上限金利が下げられれば信用力不足で借りられなくなる人たちがヤミ金にいく」ということで、仮にその通りになったとしても、闇金がそれ程貸せるとは思えないのですね。一体どこからどうやって回収する積もりなのでしょう?もしも、他の債権が延滞したりせず、ヤミ金にも返すことが出来たとしたら、厳しい監督・取立てのおかげで他の債務が縮小していくことになるので、最終的には闇金だけにつきまとわれることになるかもしれないけれども、闇金がそこまで個人の再生プランに積極的とも思えないですけど(笑)。


まだ「貸出枠」が残っている人=正常な業者が貸し出せるので、ヤミ金に行く必要がない
もう「貸出枠」が残っていない人=どこも貸してくれないのでうまみがなく、ヤミ金も貸さない

ということだと思いますね。となれば、上限金利引下げは、貸出枠ボリュームの間接的制限として働き、破綻債権額は減少させられるかもしれない。多重債務者に取り憑くヤミ金への資金還流も減らせる。


現在のクレジット会社が受ける貸し倒れによる被害額のうち、かなりの部分がヤミ金への支払いとなっている可能性があり、その額を減少させられるのであれば、貸金業者たちの利益が減ったとしても、クレジット会社は助かることになるはずです。現在資金業者たちが30%近くの金利で貸し出しているのに対して、クレジット会社は商品の販売代金なので、貸金業者に比べれば圧倒的に不利な貸出となっています。自己破産の債務残高が年間1兆円規模である時(一人500万円×20万人)、数百~数千億円規模の損害を被ってしまうのではないでしょうか。貸金業者たちの多くは、回収が進んでいる割合がクレジット会社に比べると高いのではないかと思われます。だって、初めから金利が倍くらいの水準でフカされているはずだからです。で、利息の成長スピードも圧倒的に貸金の方が有利なのに、管理債権となってしまえば、債務残高に応じて分配されることになってしまうでしょうから、クレジット会社はどう見ても不利ですね。しかも、飛ぶ直前には、クレジットカードで満額の買い物(多くは現金化の為)だとか、キャッシングをされてしまっていることが殆どなのではないかと思いますね。カードの発行も、重複して発行されている場合もあるのではないでしょうか?通常、提携カードの場合が多いと思うので、一人に対して数種類(例えば「~~・JCB」カードみたいに)あっても不思議ではないように思います。


そういう意味では、貸金業者にとっては不利に働く部分はあると思うが、クレジット会社にとっては有利に働くと思う。その経済効果の大きさは正確には判りかねますけれども。


追加:

前に書いた記事(ある貸金業者を想定してみる)では、完全自由化された状態を大袈裟に書いてますが、引っ掛かる人がいても不思議ではなさそうかな、と思って出してみました。


貸出条件を順に見ることにします。普通に判断できる人たちであれば、直ぐに仕組みが理解できるし、損か得かもパッと判断できるでしょうが、世の中そんな人たちばかりとも限りません(笑)。で、「釣り」にまんまと引っ掛かるというのは、そういう判断が正しくできないからに他ならないということなのです。


1)金利負担は元金1万円につき、一日当たり「たったの10円!」(1万円のわずか0.1%)、少ない負担で済みます。
(但、借入元金20万円まで)
(参考:○社年利700%、△社年利1500%)

このように他社金利を示しておくことが重要で、当然高い水準の日払い利息を出しているものを選択します。この比較対象が不適当とは言えないでしょう(どちらも日払い方式ですので)。「一日たったの10円」というのは、「安い」という錯覚をもたらすと思います。このような広告は現在の生命・損害保険などでも見られ、「一日当たりわずかコーヒー1杯分の安心」といったような表記が珍しくないからです。「釣り文句」としては普通だろう、ということです。しかも、比率表示は他社が年率表示であり、「0.1%」は単なる割合表示でしかありませんけれども、他社の700~1500%という数字と比べてしまって「少なく感じる」かもね、ということですね。


2)借入元金が20万円を超える場合には、1)の金利の他一日当たり一万円につき50円を加算。

この条件はどうでもいいのですけど、まあ、元金が多くなれば高くなるんだな、という程度ですかね。最大の狙いは、「20万円以下しか借りないならば得なんだな」という誤解を生じさせるかも、とかではなく、他の条項に目が行かないようにする為ですね。先頭項目(前の基本ルール)だけに注目させたい、ということです。


3)延滞の場合1)の他、一日毎に遅延損害金(借入元金一万円あたり5円+返済するべき額の0.0125に相当する額)を支払う。

このルールはある意味罠の肝です。損害金の存在自体は珍しくないし、遅れなければいいのだな、としか考えないと思います。そして、「5円」という表記は安いイメージしかなく、それに「0.0125」を加えるとしても「きっと、5円よりも小さい数字しかこないのだろうな」という思い込みを誘う為です。数字自体が小さいことが重要なのです。しかし、実際には返済予定額の1.25%を払うことになり、高額な利息をむしり取られます(笑)。業者側としては、当然延滞なのですから、高いペナルティを設定することは「延滞防止の為の方策にすぎない」と言い切れますし。


4)返済するべき額が元利合計で50万円を超過する場合には、一日当たり上記金利の他返済するべき額の千分の10相当額を加算。

この条項も、今借りる額が50万円よりずっと少ない(例えば10万、15万円とか)と「50万円までは、はるかに遠い」という油断を誘うものであり、延滞で返済額が成長を始めると猛烈な勢いで増えていきます。そして、50万円を超えると、信じられないような速度で返済額が成長する仕組みになっています。「千分の10相当額」というのは、一般的な印象としては分りにくい表現であり、できるだけなじみの少ない表記にすることで、すぐに相手に理解されることを防ぐ目的があるのです。


そして、最も重要なことは、契約書や約款を相手に渡したとしても、普通の人はあまり注意深く読んだりはしないことです。保険でも、カードでもいいのですが、あの細かく書かれた約款を読んでいる人というのは、極々少ないはずです。つまり、「重要なこと」はこっそり入れておいたとしても、現在の消費貸借契約では有効になってしまう、ということだと思います。「契約書に書いてある」ということと、契約相手が「理解している」こととは全く別のことなのです。なので、罠を仕掛けようと思えば、いくらでも可能になってしまう、ということです。そういうのに引っ掛からないような人は、そもそも多重債務になどならないでしょう。ヤミ金にも嵌められないでしょう。


ですので、不動産契約の時の「重要事項説明」のような厳格な説明義務を課すとかにした方がよいと思えます。例えば、将来返済予定額(一回毎などの)とか返済総額、利息の額、延滞の場合の追加額などを具体的な金額で教えないと、普通はよく判らないと思いますね。そういう「具体的な数字」を見れば、借りる側にも認識ができるはずです。この説明義務を怠った場合には、契約無効とできる、というぐらいの重いペナルティを業者側に課すべきと思います。


また、後で。

貸金業の上限金利問題~その4

2006年04月26日 22時03分21秒 | 社会全般
多重債務者の陥りやすい罠は、やっぱり金利水準の高さによると思いますよ。勿論リストラとか病気のような突発的な出来事や、賃金低下などによって、払えなくなってくることは有り得ると思います。しかし、多くは新たな借金を重ねることが更なる悪化を招き、利息の成長速度が返済限界を上回れば、きっと破綻へと向かうと思いますね。最初からいきなり多額の借金(300万とか500万とか)をするかと言えば、殆どがそうではないでしょう。


消費者金融の返済方式というのがどういった方法なのか不明ですけど、契約の段階で毎月の返済額は決まっていないのでしょうか?月によっては、少ない入金とか、ちょっと多く入金といったことがあるのでしょうか?実際に借りたことがないので、想像でしかないけれども。


年収360万円の男がいて、30万円借りたということにしよう。年収に対する負債比率は約8.3%です。この初回借入金利が40%であるとしよう。他からの借入や信用情報に傷が付いてなくても、昔は40%以上の金利だったらしいからね。これを3年で元利均等返済をする場合、毎月14434円、利息は3年分で219407円にもなるそうです。まあ、それでも3年間頑張って(約52万円の返済総額)、月々14434円程度の他への支出を辛抱をすれば、完済できるわけです。ところが、多重債務への道を進む場合は、この14434円が払えなくなるような事態が起こってくる、ということになりますよね。


急に仕事を首になって収入がゼロとなってしまった場合、負債はこの分だけです。払えずにバンザイすると、被害額は非常に小さく済みます。それか、負債を一時凍結して、将来仕事について返済可能となった時点で、再び返済をしてもらった方がマシですよね?一生の間で返済不能な額ではないはずでしょう。それに、この程度の額であれば、まだ親などに借りたりして調達可能であると思えます。

或いは、生活費を全額借金で補おうとする場合には、毎月のように数万円~数十万円の高水準での借入となってしまう為に、すぐに限界へと辿り着くのでは?それに、「収入ゼロ」ということを知った上で(借りる側が正しく申告しないこともあるかもしれませんが)業者側が貸し出すわけで、そんなに多額の貸付が行えるはずはないですよね?(主婦のような場合ではない)収入ゼロの人に、どうやって返してもらう積もりなのでしょう?普通に考えれば、新たな借入は割りと早い段階で限界に達すると思えますけど。貸してくれなくなるはずだからですね。闇金が貸したところで、収入がないので取りようがありませんし(笑)。


むしろ、収入が完全に途絶えないでそれなりにあって、月々14434円の返済があるにも関わらず、どこかの時点で新たな借入を行ってしまうことが、悪化へのステップということになるかと思います。「借金返済の為に借金をする」という事態になる、ということです。年間数万円程度の収支バランスの悪化であっても、次の借入を行わなければ払えないような事態が発生し得るように思えます。初めの借入が30万円程度であっても、毎月定額で返済していくような場合はあるのでしょうか?例えば毎月5千円だけ、とか。貸す側にとっては、長期間借りてくれて、返済までの利払いが多い方が有利なので、こうした返済方法を選択してもらった方がウレシイですよね?月々の返済負担は軽減されますが、総支払額はかなり多くなるでしょう。


恐らく生活に余裕がなく、返済が大変だと感じる層ほど、一月当たりの返済額を少なくして、何回にも分けて払おうとするはずです。毎月の資金繰りが厳しいので、できるだけ今の支出構造との差を少なくしようとするからだろうと思えます。なので、長期間に渡り初期の借入が残される可能性が高くなるのでしょう。完済予定が何年も先ということになるのです。しかも、その結果、「高金利」というのが物凄く効いてくるのですよ。まるでボディブローのように。5年間とかの長期間に渡って、次の借金をすることなく、返済し続けねばならんのですよ。


しかし、支出を抑制しきれなかったり、収入が落ち込んだりすることで、収支バランスが崩れると次の借入へと進みます。そこでも、一気に多額の借金を背負うことはそれほど多いわけでもなく、10万、20万といった額を調達してしまうのでしょう。返済原資を作る為には、収入を増やすか支出を削減するしかないわけで、利息の成長速度よりも返済原資調達(普通は支出削減努力でしょう)が下回り続ける限り、借金(元金)を減らせないばかりか、新たな借入を呼び込むことになってしまいます。年率30%の金利の場合、3年後の完済であれば支払い総額が元金の約1.5倍必要なのですから、それがどれ程困難なことかは想像がつきます。借入時点では、1年間かけても10万、20万円程度の資金調達すら出来ない(もし出来るならば早期に完済できるか、完済前に次の新たな借入は行われない)のに、借入元金の1.5倍の金を3年間で調達してこい、ということと同じなのですから。


完済前に別な借入に突入する人が、新たに増加した返済負担を容易に捻出できるとすれば、元々新たな借入などしなくても資金調達が可能でしょう。勿論、必要額が初めから100万円といった小口ではない資金の場合などでは、別々な業者から借り入れるかもしれませんけれども。


年収360万円の男の話に戻ろう。この人が借入を繰り返してしまい、90万円まで負債が増えたとしよう。この時点で、年収の25%に達しており、かなりキツイ状況になってきていると判断できるでしょう。ところが、この収入レベルの人物に対して、自己破産に至るほどの貸出が行われていることは事実であり、破産時には何故か年収以上の負債を抱えていたりすることも少なくないのです。


前の記事のペーパーを出してる早稲田の坂野教授によれば、非破産グループというのは、「(その業者を新規に訪れた時に)高額な借入を受けている」のだそうで、既に90万円を他でツマンデいても新たに50万円貸し出すことは可能でしょうね。総額ではまだ140万円であり、破綻までは時間がかかります(笑)。3年払いとしても、月に約6万円の支払いができるならば、返済可能ですので。月々の収入に対する返済比率が20%程度ですからね。しかし、負債が250万円に達していれば、月々の返済比率は35%にもなり(手取りレベルで言えばもっと厳しい)、ここから50万円を貸し出すには勇気がいると思うでしょ?しかし、まだ直ぐには「墜落」しないので、業者は貸し出すのですよ(笑)。要するに、たとえ破綻に着々と向かいつつある人であっても、途中で見れば依然「墜落」していないので、「高額の借入が可能」=与信は正しく機能している、なんていう都合のいい結論を出してくるわけです。


それと、「破産」グループも「非破産」グループも「借入額を増加」させていたから、借入増加と破産は関係ないんじゃないか、とか言ってるわけです。返済原資の不足分を補う為の新規借入枠が何処かに残されている限り、破産はしないのですよ。自転車操業の真っ只中なのであれば、当然そうなりますよ。新たな借入を行って返済に振り向けるのですから(笑)。だから、その過程にある人の相当数が、まさに「墜落」への予定コースに乗ってしまってるんじゃないですか。年収360万円、現在負債残高250万円、この人にだって融資する業者はまだまだいるんですよ、別に違法な闇金なんかじゃなくたって。それでも、貸金の審査は正常に機能していると?


最初の頃の借入金利水準が、その後負債残高も増えて、他からの借入も増加しているにも関わらず、初めの頃に借りた金利と近いか殆ど同じである必然性というものも、全く理解できないけど。例えば、初めの貸金業者だけが常に極端に運営経費や調達金利が高いことが普通で、初期借入の20万とか30万円が25%とか30%の金利になってしまうと?まあ、これも業者の自由だし、審査基準が異なっているからなのでしょうけど。たまたまだ、偶然だ、と言われるかもしれんしね。



消費者金融顧客の分析は果たして妥当か?

2006年04月26日 15時11分13秒 | 社会全般
早稲田大学商学部といえば、一般にはそれなりの評価を受けるような学校なのだろうが、このようなお粗末な論文を公表しているとは如何なものか、と思ってしまう。指導教授である坂野先生という方は、私のような下種とは比較にならないくらいに立派な学者さんなのだろうけど。まあ、大それた批判など、私には難しすぎるし。

消費者金融顧客の自己破産


この論文に出されるグループBのロジスティック回帰分析であるが、「非破産」グループはそれまでの分析に用いていたサンプル数9964件と同一であるのに対して、「破産」グループは10709件となっており、サンプル提供を受けた10800件のうち何故か91件が除かれている。他の分析については、「欠損値」を持つサンプルも分析対象に加えていながら、ロジ回帰分析においては除外しているということに問題があると思われる。普通であれば、意図的に除いた理由を明示するのではないかと思うが。商学部の論文とかの”ルール”などは、よく知らんのだけど。


更に、モデルの設定として、明らかな間違いなのではないかと思われることがある。それは「非破産」グループがあたかも「破産しないこと」を意味するかの如くに、「破産」グループと比較されていることである。例えば、意図的なのか或いは単なる勘違いなのか不明ではあるが、本文P22で『新規時において与信者が無理な貸付を行っているということはないことを示唆している』と記しているが、これはミスリードとしか思えない記述であろう(まあ、単なるsuggestionですから、とか言うのかもしれないが)。


簡単な例で考えてみよう。飛行機の飛ぶ高度が、ある飛行高度以上であれば「安全高度」、それを下回ってくると「注意高度」、さらに低くなってくると「危険高度」、そして遂には墜落してしまう「墜落」という区分であるとしよう。「破産」グループは要するに「墜落」という群であり、「非破産」グループとは残りの墜落していない(=現在飛んでいる)群である。そして、今は飛行を続けていられるが、何かの拍子に墜落する危険性の高い飛行機も当然多数含まれている。データ解析時には「飛行していた」けれども、翌年にはその中から相当数の墜落が発生しているかもしれないのである。そして、「危険高度」で飛行を続けている群は、「安全高度」で飛行している群よりも、「明らかに」(有意に)墜落率が高いはずであろう(調べてないからわからんけど、普通に推測されるという意味です)。

そういうサンプルが多数混入している(であろう)「非破産」グループのデータをもって、「今後も墜落しない」とか、「墜落危険性は予見できない」とか、そういった意味付けを行うことはできない。また、「墜落」した飛行機(破産)と、現在飛行中の飛行機(非破産)の違いについて検討してみたところで、仮に「危険高度」の飛行機の半数以上が明日墜落してしまっていれば、「墜落」群と「危険高度」群の明確な違いを説明するのは困難である。「危険高度」群と「墜落」群とでは、実質的に対象区分が同じものが含まれていることになってしまうからである。むしろ、「危険高度」に陥る要因(そこに降下しないような対策も含めて)と、「危険高度」「注意高度」の実際的な高度がどこに設定されるべきか、といったことが重要であろう。


ある割合の人々が「墜落」しないまでも「危険高度」に陥る可能性が高いであろう、ということを前提にして貸付を行うことは、現実には「無理な貸付」「追加貸付」となることも十分考えられるのである。一般に、自己破産者の殆どが最初の借入から1年以内で破産に至るというのは稀だと思うし、通常は数年かけて破産に至ってしまうわけですから、「非破産」グループのうち来年以降に「墜落」する群というのは、現時点で既に大きな債務を抱えている「非破産」グループから誕生することは容易に想像できる。


この研究モデルにおいては、「非破産」グループの中に、「破産に向かって一直線」の途上にある対象が数多く混入している可能性を否定できない以上、「破産」「非破産」の区分はモデル設定の重大な失敗としか思えない。


他の考察でも、借入額の増大は「非破産」グループと「破産グループ」に違いがないことや「多額の新規借入が可能」ということをもって「低リスク者への貸出」という業者側の与信があたかも機能しているかのような記述が見られるが、これらも同じく適切な分析とは言いがたい。


また、もしも消費者金融サービス研究所に対して、関連業界の法人・団体等からの研究資金提供などがあるとすれば、下種の勘繰りをされても仕方がないような程度の分析とも言えるのではないか。


学問・研究をまとった都合の良い「業界の意見」というものも、世の中にはないわけではない。しかし、普通ならば「学問的に正しいかどうか」が重要なのであって、こうしたペーパーを読んでいく時に、頭のよい人々や専門家等の誰もモデルに疑問を感じないのだとしたら、きっと「正しい分析」ということなんだろうけど。

私のような素人にとっては、このような有名大学教授の出す意見に太刀打ちできるほどの信用も知識も分析能力もないのですし。せいぜい頑張っても、空想記事くらいしか出せないですからね(爆)。



ある貸金業者を想定してみる

2006年04月25日 16時08分33秒 | 社会全般
ある架空の未来の話を書いてみる。その時代には、貸金業者の自由化が進んで、上限金利は完全撤廃されているとしよう。とある貸金業者を勝手に考えてみよう。


まず、この業者における貸出ルールを次のように決めよう。


1)金利負担は元金1万円につき、一日当たり「たったの10円!」(1万円のわずか0.1%)、少ない負担で済みます。
(但、借入元金20万円まで)

(参考:○社年利700%、△社年利1500%)

2)借入元金が20万円を超える場合には、1)の金利の他一日当たり一万円につき50円を加算。

3)延滞の場合1)の他、一日毎に遅延損害金(借入元金一万円あたり5円+返済するべき額の0.0125に相当する額)を支払う。

4)返済するべき額が元利合計で50万円を超過する場合には、一日当たり上記金利の他返済するべき額の千分の10相当額を加算。


ここで、ちょっと悲しいかもしれない、物語を紹介しよう。


ある男がいた。仮にAとしよう。彼は付き合っている彼女がいたのだが、妊娠してしまった。予想外のことだったし、今は育てる余裕も結婚できる状況でもなかったので、中絶することにした。その費用の一部を払って、と彼女に強く求められたので、とりあえず借金をして払うことにした。親になんて言えない、とも思っていた。で、貸金業者から借りることになった。借入は10万円として、不足分5万円は友人たちから借りることにした。

金:「お客さま、こちらは初めてですか?」
A:「ええ、とりあえず10万円借りたいのです」
金:「5日で返せば、500円のワンコインで済みますよ」
A:「もうちょっと先だと思うんですけど・・・」
金:「そうですか、お客様のご職業と現在収入は?」
A:「フリーターで、月12万円です」
金:「他からのお借入もないようですので、本日10万円ご融資できますよ」
A:「期限を一応、次の給料日で・・・」
金:「14日後ですね。わかりました。じゃあ、後は書類の方に・・・」

こうして10万円を借りた。Aの友人たちからも借金をして、彼女の費用はどうにか工面できた。そして、初めの返済期限が近づく。給料から借金を全額払うと友人たちにも返せなくなる。生活も無理だ、どうしよう・・・

A:「今日の返済なんですが、全額用意できなかったんですけど・・・」
金:「そうですか。少々お待ち下さい。店長ー!」

店長が出てきて、Aから事情を聞いた。

店長:「そうでしたか。お兄さんは真面目そうだし、まあ困ってる時はお互い様ですから。まずはお友達を大事にしなきゃ。友達はいいもんですよー?私もね未だに悪友なんかと付き合いが続いてるんですよー。もうガキの頃からの、腐れ縁ってヤツですわ。がはは。ウチへの返済は次の給料日まで延ばしてもいいですよ。でもね、ウチも商売でやってるから、利息は付きますけどね、オーナーが結構キツイ人でね、私も苦しいんですわ。次で完済すれば大丈夫でしょう。給料がまとまって入ってきたら、また来てください」


こうして、Aは友達に5万円を返すこととなり、借金返済の期限を更に30日後にすることにした。だが、Aの給料12万円から5万円を引くと、地獄のように苦しい生活となってしまった。家賃や公共料金などを払ったりすると、給料の残りなんてごく僅かだ。当然の如く、使い切ってしまっていた。そうして、次の給料日がやってきた。返済日だ。

A:「今日全額返済できればいいのですけど、ちょっと無理だと思います・・・」
店長:「そうですか、どうしましょうかね」
A:「次の給料日には、残りを払いますから、とりあえず5万円払います」
店長:「しょうがないですね。まあ、いいでしょう。残りは次の給料日に」
A:「残りはいくらになりますか?」
店長:「ああ、計算してみますね」

<計算結果>
・元金10万円の基本利息14日分(100×14)=1400円
・その後、延滞30日となって、遅延損害金は次の2種類
5(円/万円)×10×30日=1500円
返済予定額101400×0.0125×30=38025円

従って、返済するべき合計額は、140925円


店長:「140925円だから、5万円払っても残りは90925円あるね」
A:「そ、そんなにあるんですか・・・?」
店長:「だって、お兄さんが約束守れなかったんだよ?社会人は守らないとダメだよねー」
A:「・・・・・」
店長:「それとも、何?約束破るの?お兄さんが困っている、払えない、って言うから、私も同情しちゃって、無理を通して待っててあげたんですよ?そんな人の厚意を、そんな風に言うなんて、お兄さんひどくない?こっちもさー、オーナーにこっぴどくヤキ入れられたってのに」
A:「そ、そんな、き、きちんと返しますので、そんなつもりで言ったんじゃなかったんで・・・」
店長:「良かったー、お兄さんを信じてたからね、わたしもね。とりあえず、返済は待っててあげるから。約束守ってよね」
A:「判りました。次には返しますんで」


次の給料日までは、再び地獄だった。先月同様、既に5万円ないことに変わりがなかった。どうにか生活していたが、返済の余裕なんてなかった。だが、返済日が確実にやってくる。


A:「また全額返済は無理みたいです・・・」
店長:「なんだー、お兄さん、また約束守れないの?困っちゃうなー。とりあえず、払える分払っていってよ。先月と同じ5万円ならいけるでしょ?」
A:「最近、あんまり食事もできなくて・・・結構5万はキツイです・・・実は2万円しか・・・」
店長:「そうだよねー、お兄さんの顔色悪いよね、ちょっと。わかってるよ、じゃあ、この1万円はお兄さんに戻しておくからさ。オイシイもんでも食べて元気つけてよ。今月は1万円でウチもなんとかしとくから。なんだったら、私が代わりに1万円立て替えておいて、オーナーには通しておくからさ。ホント、結構キツイんだよねー、ウチもさー」
A:「スミマセン・・・なんか、迷惑かけちゃって」
店長:「気にすることないからさ、次の給料日に待ってるから・・・な、お兄ちゃん」


今月は返済が減って、随分と楽になれた。ここ2ヶ月は本当に限界かと思ったし。溜まってる公共料金も払わないと、止められそうだったし。あの店長さんはいい人なのかもしれないな・・・。オレの分を立て替えてくれるって・・・
そして、再び返済日が近づく。返済金を全額用意することなど不可能だった。いつもと同じように金は底をついてしまう。


A:「払いに来ました。でも、2万円しか・・・」
店長:「えっ?何?また払えないの?困るなー!ウチもね、楽じゃないんだよ。給料バッサリ削られてるんだよ、オマエさんのせいで!この前、ちょっと優しくしたら、図に乗りやがって!約束守るのはさー、社会の常識なわけ。わかる?こんなの当たり前でしょ?常識ってんだよ!お兄さんも、わかるでしょ?こういうの、本当に困るんだよ!それとも、お金借りたのに返さないつもりなの?」
A:「いえ、・・・必ず払います。絶対返しますから。でも、今はこれが精一杯で・・・」
店長:「ダメだなー、これじゃ。お兄さんさあ、親に言ってくれよ。ちゃんと相談しちゃってよ。そうじゃないと、ウチも困るんだよね」
A:「それは、・・・ちょっと、出来ないんですけど・・・でも、オレが何とか払いますから・・・」
店長:「今までもそう言ってて、守れなかったじゃないの、お兄さんはさー。こっちは何度も信じて、裏切られてるワケ。この気持ち、お兄さんにわかる?苦しいのよ、辛いのよ、こっちもさー。そういうの、酷いんじゃないの?払わないヤツが傷つかないで、同情したこっちが深く傷つけられてるんだよ。あんまりだよなー」
A:「本当にスミマセン。何とかして、必ず払いますから。信じて下さい!」
店長:「仕方ないね、こっちもさあ、人間だから。とりあえず今、2万置いていってくんない?それで、何とかしとくから」
A:「わ、判りました。じゃあ、これ・・・次に払えるように頑張りますから・・・」


店長は、Aの返済額を計算してみた。

140925円の返済額のうち5万円払ったので、残額は90925円。元金の減少はまだ9075円に過ぎない。
・元金90925円の基本利息=90.925×30日
・遅延損害金=5×9.0925×30日+90925×0.0125×30日
返済予定額=129113円
入金は1万円だったから、残りは119113円。だが、元金部分は減らない(90925円のまま)。勿論立替なんてするはずもない。

翌月
・基本利息=90.925×30日
・遅延損害金=5×9.0925×30日+119113×0.0125×30日
返済予定額=167872円
入金は2万円、残りは147872円。当然元金なんて減らない。

次の月
・基本利息=90.925×30日
・遅延損害金=5×9.0925×30日+147872×0.0125×30日
返済予定額=207415円
入金は2万円、残りは1807415円

後は放って置いてもスグ三桁(百万単位)に行けるね、ムフフ・・・
50万さえ超えちまえば、こっちのもんさ。もう、あっと言う間。元利合計に一日当たりで1%の利息が付くから、50万円だとしても日歩5000円だ・・・30日後にゃ15万まるまる増える・・・こりゃ笑いが止まんねーな。雪だるまにしといて、後は親に辿り着けばそれでよし、だ・・・それとも彼女に働かせるか・・・


Aは今まで10万円払っていた。しかし、依然として18万円以上の借金が残っていたのだ・・・



ある日、Aが友人とともにやってきた。

A:「今までの支払い分と残額を知りたいんですけど・・・」
店長:「ああ、いいけどね、今日全額清算してくれるのかなー?約束守んないとね、社会人は」

で、計算結果を示した。

友人:「利払いが多すぎじゃないですか?」
店長:「あんた、なに?代わりに払ってくれるの?人の商売にケチ付けるのよしてくんないかなー。人聞きの悪いことを言わないでくんない?契約書にちゃーんと書いてあるでしょ。ホレ、ここに」
友人:「でも、すごく小さくしか書いてないし。それに・・・本人は・・・」
店長:「何言ってんの、あんた。こっちはね、認可受けてやってんだよ、認可。小さくも何も、書いてある以上契約は有効なんだよ。あんたそんなことも知らんのか?それにね、『借入計画の手引き』を渡してるし、それには約款もね、金利の内容も全部ちゃんと載ってんだよ。ホレ、P124~128を見てみろ。それと、契約書にも『契約前に約款をよく理解した上で契約する』って書いてあるし、本人サインもあるんだよ。変な因縁つけないで欲しいね。こっちは正当な商売をやってんだから。それより、全額耳を揃えてサッサと返せよ。約束を破り続けてるのは、Aだろ?こっちは何ヶ月待ってやってると思ってるんだ!払えねえ、とかぬかすから、善意で待ってやってるんじゃねえか!それが、何?この仕打ちは?ダチまで連れてきて、疑ってくるし。人間のやることじゃねえな」
A・友人:「・・・・・・」


店長は思った。

「自由な金利」って、本当にオイシイよね。
経済学的にも、十分正しいんだって。
ひょっとして、経済学って、オレたちの為にあるのかな?
さすが、頭のいい人たちの考えてくれる学問って、素晴らしいよね。
凡人には、そんないい理屈は思いつかないもんね。

これも上限撤廃運動のお陰・・・「ヤミ金」は自動消滅だしね。

金利自由化サイコー!
合法ってサイコー!
誰でもスグ借りられるって、サイコー!



貸金業の上限金利問題~その3

2006年04月24日 21時56分00秒 | 社会全般
一応公的な貸付制度があるようだ。本当に生活に困っている低所得者層は、こうした制度の利用の方がはるかにましだと思うね。

厚生労働省:生活保護と福祉一般:生活福祉資金貸付制度


従来のヘンな政府系金融業などに比べれば、ずっとまともな公的融資事業じゃないですか。このような制度があるならば、なぜもっと早くから広報せんのよ。公的セーフティネット云々とかの話じゃなくて、既にあるんじゃないの、制度が。
こういう時に、やっぱり行政情報翻訳家的な人がいないことが、無駄な時間の浪費になってしまったりするんではないかと思えますね。


何で上限金利が30%とか40%というような水準(以前はそうだよね)みたいな、場合によってはもっと高いかもしれんけど、そんな金利で消費者金融から借りねばならんのよ。確かにお役所仕事だから、審査とか面倒だし厳しいかもしれないが、貸金業者たちに比べればリスクの少ない資金だし、返済負担は相当違うと思うけど。


なので、本当に困っている人々にはこうした制度利用の周知徹底とか、救済の必要な人々には貸出要件を緩和したりして(その場合には金利水準をもうちょっと高くしてもいいとは思う。それでも貸金業者から借りるよりは全然マシだろう)、悪い連中に騙されないような社会的環境を整える方がいいと思うが。できれば「困ったことがあったら、まず役所に聞いてみる」というような、住民との距離感を狭めることが必要なのかもしれないな。住民側にもそうした知恵を使うとか、情報を集めるとか、何の努力もしてないことが多いかもしれないし。でも、昨今の地方財政締め上げの延長線上で、生活保護認定などを「厳しく」取り扱っていたりしていれば、「役所になんて何を聞いても無駄さ」という諦めとか自暴自棄のような状況もあるかもしれないし。ちょっと実態がよくわからんけど。


だが、ハッキリ言えば、もの判りの悪いばあさんの長話を聞かされて、どんな生活か、どれ位貧乏で金に困っているか、いくら必要なのか、などということを調べたりするとなれば、相当大変だろうね。関連性の少ない話(息子たちは都会に出て行ってしまって、金をちっとも送ってくれないといった恨み節とか・・・?実際どうなのかは知らないけど)やら、どうでもいいような細かい話をいちいち聞いていたら、数日がかりの大仕事になってしまいかねず(笑)、それを給与水準の高い役所の正規職員にやれ、というのも現実には厳しいよね。


こうした場合、本来的には、昔で言えば地域の顔役みたいな人がいて、地域住民たちから相談される、現在困ってることや生活上の問題などについて、その解決方法をアドバイスするとか、役所に話をつけに動いてくれるとか、何かのアクションがあると助かるのですよね。住民たちのことをよく知っているから、正しく役所にも説明できるし。そういう役所との間に立つようなコーディネーター的役割の人たちがあんまり存在してないか、いても全然役立たないのか、地域社会とは切り離された人々がコーディネーター的役割の人(民生委員とかのような人?これって生活保護だけ担当?私にはよく判りません)にさえ辿り着けないのか、どれが問題なのかは判りませんが、通常は困っていても役所には行かずに、消費者金融に走ってしまってきた、ということでしょうか。これも悲しい話ではあるな。役所は面倒だから(?かな)、制度があることを知っていても住民にあんまり周知徹底はしてないだろうし、かといって、現場の状況を考えると人的資源が不足していて無理な感じもあるしね。


そういう時こそ、普段近隣をパトロールしている警察(派出所やら駐在所のような)だったり、民生委員だったり、保健師とか、公的立場の人々で情報を共有化するような環境があればいいのかもしれないけれど。本当の生活苦や窮状に陥っている人々が、何処にも誰にも相談できないことが問題悪化の要因になっているとは思う。はるか手前で対策を打っておけば、トコトンむしり取られたりはしないのだろうけど・・・。



これって誰が決めるの?

2006年04月24日 20時44分18秒 | 法関係
最近話題の貸金業の上限金利問題というのがありますが、そこでよく目にするのが「出資法」という法律です。これは別な正式名称があって、その省略名が用いられています。通常は長い名前で覚えにくかったり、伝達しにくかったりする為だろうと思います。


ちょっとトリビア風に。


「出資法」は、正式には「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」というそうです。

では「ガレージ法」とは?これは簡単。ガレージ=車庫で、「車庫法」ですね。この正式名称は「自動車の保管場所の確保等に関する法律」です。まあ、敢えてカタカナで言わんでもよろしい、とは思うけど。近年「車庫」とか言わないの?そんなことないよね・・・ウチでは車庫としか言わないけど・・・ひょっとしてウチだけ?


やや面白いのは、裁判所の休日は法律で決められているそうです。へえ~
「裁判所休日法」(裁判所の休日に関する法律)だそうです。

ある意味、当たり前?なのかな。色々と手続きがあったり、期限が法律で決められたりとかあるから?
今日、初めて知りましたよ。
こんなのも法律で決められてるんですね。


所謂「ストーカー規制法」は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」のことですが、何と「トラ退治法」があるそうです!!へえ~、へえ~、へえ~

この法律は、「トラ」と言っても、阪神タイガースを退治する、とか、一休さんのトラ退治とかは、関係ありません。所謂「大酒飲み」の方の「トラ」ですね。大トラかな?で、別名(別な略称)もあって、「酔っ払い防止法」といいます。

元々の法律の正式名称は、「酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」だそうです。これよりも、やっぱり、「トラ退治法」の方が覚えられると思いませんか?それか、「酔っ払い防止法」だと何の法律か一目瞭然ですし(笑)。

因みにこの法律は結構面白いです。

参考までに条文を示すと、

(節度ある飲酒)
第二条  すべて国民は、飲酒を強要する等の悪習を排除し、飲酒についての節度を保つように努めなければならない。

このように、「飲酒を強要する等の悪習を排除」って、昭和36年時点で書かれているのに、私が学生の頃には「イッキブーム」でしたけど(笑)。

「すべて国民は」ですから、みんな守る必要があるのですよね?今後は、イヤな上司の「オレの酒が飲めねえってのか?・・・?」のようなカラミに対しては、「トラ退治法 第2条違反ですね」と言い返そう!(笑)これは、本気にしないでね。トバされたり、降格されたりしても責任は持てませんので。


それから、次の条文がありました。


(罰則等)

第四条  酩酊者が、公共の場所又は乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をしたときは、拘留又は科料に処する。

2  前項の罪を犯した者に対しては、情状により、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。

3  第一項の罪を教唆し、又は幇助した者は、正犯に準ずる。


第五条  警察官は、前条第一項の罪を現に犯している者を発見したときは、その者の言動を制止しなければならない。

2  前項の規定による警察官の制止を受けた者が、その制止に従わないで前条第一項の罪を犯し、公衆に著しい迷惑をかけたときは、一万円以下の罰金に処する。


このように罰則規定もあります。で、思いついたのが、毎年の成人式での「酔っ払いが暴れるの巻」ですけど、新成人などが酒を飲んで迷惑をかける行為をするのがありますよね?あれは、この「酔っ払い防止法(トラ退治法)」でしょっ引けるのではなかろうか?ということですね。

酩酊者とは、「酒に酔つている者(アルコールの影響により正常な行為ができないおそれのある状態にある者をいう。以下「酩酊者」という。)」ということであり、「正常な行為ができないおそれ」とはかなり解釈に幅があると考えられますね。警察側に裁量権が割とあるな、と。


それに、第4条第1項あるように、「公共の場所」で「公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をしたとき」であって、第5条第1項にあるような警察官が「言動を制止」をしたにも関わらず従わない時には、拘留もできるのですし。

よくテレビなどで放映されてるのは、外で酒樽を投げたり、騒いだり、暴れたりしていて、公衆に迷惑をかけていることは明らかなんですから、すばやく言動制止を試みて、従わなければ全員拘留すればいいのではないでしょうか?

「権力乱用だ」とは責めたりはしないと思うけど。さすがに。



かなり脱線しましたが、こうした「トラ退治法」とか「酔っ払い防止法」とかのネーミングは誰が行うのでしょうか?気が利いてて、命名者のユーモアセンスがあっていいですよね。最近の法律には、こうしたユニークな略名を付ける法案はあったりするのでしょうか?


やっぱり、官僚の方たちが法案提出前に決めるのですかね?それとも法案審議の為、国会議員さんたちが決めるのでしょうか?議員立法のような場合だけ、とか?うーん、謎ですね。


「トラ退治法」何回見ても面白い名前。こんな名前をよく付けられたよね。昔は、みんな鷹揚としていた時代だったからなのかな?



貸金業の上限金利問題~その2

2006年04月23日 13時41分12秒 | 社会全般
最近ある貸金業のビジネスモデルには、最初の30日間の利息は無料、というのがあるそうですよ。これって、短期の借入には、「旨みがない」ということと一緒ですよね?要するに、「長く貸して、ダラダラと利息を取り続けるのがいい」ということですよ。安易な個人は、ついつい借りてしまって、利息がどのくらいのレベルで取られるかなんて考えられないんですよ。犯罪の発生動機としてもよくありがちですよね、消費者金融に借金を多額に抱えている、っていうのは。公務員の犯罪にも、時々あるくらいですから(笑)。


ありがちなパターンとしては、何かのイベントやアクシデントによって、急にお金が必要になって、いくらか借りてしまうのですね。分かり易い例で言えば、車のローンを抱えていて、何とか返済を続けていたけれども、事故で修理費用がかさんだ、とか車検・自賠責が払えないとか。で、その時にちょっとまとまった額を借りてしまう、と。すると、その借金の分を支出削減できれば良いのですが、ところがそうはいかないのですよ。金がないのなら車を手放せばいいじゃん、と思うでしょ?でも、「不便だから」とかの理由で、それも出来ないのですよ。どうにかこうにか返済しながらも、またちょっと足りなくなって借りてしまう。こうして、いつまで経っても元金は減らない。そればかりか、利払い負担はどんどん増大していくので、意志が弱ければ、遂には「自転車操業」が始まってしまうわけです(まるで政府の負債みたいですね、笑)。何社からも借り入れることになる、と。


それと、貸金業者たちは、借り手に対しては精神的障壁となっている敷居を低くしておく必要があるわけです。なので、まず「ちょっとツマンでもらって」おく必要がある、ということですね。証券会社の昔の営業みたいなもんですよ。株取引に対する「躊躇い」を緩和する為に、もうちょっと取り組みやすい金融商品で「釣り」を図っていたのと似てるんですね(今は多分違ってきていると思いますけど。一般の初心者たちが積極的に株取引を求めているらしいからね)。はまりやすい借り手というのは、多分、少額での返済に成功すると「次もうまくいくはず」と思って、借りてしまう。その精神的誘惑に勝てないのです。そして、あれこれと手をつける。気がつけば、何社にもなっている、と。自己の返済能力の限界となっていたとしても、自分ではそれを自制できないのですよ。そうでなければ、多重債務には陥ることはないでしょう。


痛みに対するモルヒネのようなものですよ。痛いので「使いたい」と本人は願うわけです。使えば「楽になる」と。その一時期はそうですね。しかし、何度も使い続けると、段々鎮痛効果は落ちてくる。もっと増量を希望するようになる。頻繁に使いたくなる。そういうようなものですね。
「返済が迫る」→「返す当てがない」→「借りる」→「楽になる」ということです。楽になった後で、返済の為の我慢という今まで以上の苦痛(借入額が増大しているので、それ以前よりも苦痛は当然大きくなる)を受け入れられれば返済可能かもしれないが、これはかなり大変です。一時的にでも「楽になる方法」を、既に知ってしまっているからです。


通常、手術後やガンなどで痛みがある場合、患者本人が鎮痛を希望する時に、点滴などに組み込まれた鎮痛剤を自分で使うという方法があります。モルヒネなども当然使われることが多いハズです。このような方法は、patient controlled analgesia と呼ばれます。ボタンを押すと、一定量の鎮痛薬が流し込まれるわけです。それで「楽になる」という仕組みなのです。しかし、この方法には危険性もありますよね。モルヒネを使いたいからといって、安全量以上に患者本人がボタンを押してしまえば、意識障害や呼吸抑制などの重大な副作用が発現するかもしれないのです。患者自身に「自制」を求めるのは「困難である」ということなのです。そこで、そのような事態を防ぐ為に、実は、PCAサーキットに予めルールが組み込まれています。単位時間当たり一定以上の投与が行われた場合には、それ以上流れない、という安全装置のようなものです。これであれば、いかに自制できない患者がいてボタンを頻回に押したとしても、モルヒネは一定量以上流れることはありません。「lockout」という安全の為のルールによって、患者が危機的状況に陥るのを防ぐことになります。


しかし、借金はどうでしょうか?自制が困難な人々に対して、一切介入するな、というのは、「ルール無用」ということですよ?介入が不必要なのは、貸し手も借り手も正しい判断や経済学的合理性が満たされており、完全競争市場のような場合だけなんじゃないですか?貸し手の方が圧倒的に有利な状況では(法令や金利についての知識等で隔たりは大きく、借り手を騙す事も可能というようなレベル)、市場のルールだけでは改善は無理だと思いますけど。


そうであるならば、患者は「自制がきかない人たち」(が大半であろう)という厳しい前提(実際にそうかどうかは別です)を置いて、「lockout ルール」を予め設定するしかなく、その意味では上限金利水準を下げることが、結果的に不良債権化する確率の高い層を排除することになるのであれば、残りの優良な借り手保護となり得るし、最終的には貸金業界でなともな業者たちが生き残れるという選別も進むのでしょう。社会的にはその方が望ましいと思われますね。


あと、借り手側にも「後ろめたい」ことがあったりして、どこかに相談したり家族に知られてしまうと困るという状況は考えられ、それは例えばギャンブルにつぎ込むとか、不倫相手に貢いでるとか、キャバクラ通いをしてるとか、高級ブランド品買い漁り病(そんなのないけど、それに類すること)とか、そういった何かがあると、コッソリ内緒で資金調達しようとしたりして、嵌るんだろうな、と思いますね。そうなれば、ヤミ金業者等から厳しい取立てに遭っているとしても、中々それを打ち明けるところまでは行けないかもしれないですよね。そもそも意志の弱さがあったりするので、借金をたくさんする訳ですから。


ヤミ金の事件認知件数増加というのは、違法取立てをある程度取り締まられるようになってきたこととか、借り手側にも多少知恵がついてきたこととか、大手消費者金融の利用などに利用者たちがシフトしたこととか、幾つかの要因が考えられると思います。かつてのように「脅して」取立てというのは社会問題化しやすい環境になって(テレビなどもよく取り上げたりしてた)、闇金は営業が苦しくなってきたようですよ。ヤミ金業者の実態を詳しく知る訳ではありませんけど。で、そういうヤミ金崩れたちは何をしたかと言えば、「オレオレ」ですよ。今で言う「振り込め詐欺」グループにシフトしていったんですね。この点でも、上限金利の引き下げは、貸金業界の不良業者をある程度排除することが可能になると思えますね。仮にヤミ金業者は減っても、貸出残高が減るかどうかというのは、確かに判らないのですけれども。



貸金業の上限金利問題~その1

2006年04月23日 10時51分09秒 | 社会全般
何だか体裁のよい言い方をする人たちが多いようだが、実際に多重債務者に会ってみろ、と言ってあげたいですね。とは言うものの、私自身も直接会ったことはないけど。


上限金利が引き下げられると、「借りられなくなる人たちが出てくるので、闇金を利用する方向に進む」とか言うが、上限金利水準がいくらであっても、騙される人たちが出てくるのは当然有り得るので、金利水準に無関係に取り締まればよいことである。闇金の犯罪認知件数が増加した背景には、デフレ期の給与減少で借り手が増加したことや、闇金自体の違法取立てが犯罪として認識されやすくなり、警察、消費者センターや債務整理弁護士の所(笑)に駆け込まれたりするようになってきたこともあるかもしれないし。認知件数が多いのと、実際の違法取立て件数が増加したこととは、直接の相関は示されないと思うが。○暴の対策強化で、警察当局が資金源のヤミ金とか「振り込め詐欺」を相当頑張って叩いているから、とも考えられるし。メディアなどでもヤミ金の実態などが取り上げられたりして、利用者側にも相談しよう、という知恵がついてきたかもしれないし(それまでは後ろ暗くて黙っていたけど)。



金利上限がない方が適正な市場が形成される、というのは、借り手がデフォルトにならないような人たちばかりであるとしか想定していないのではないかと思えるけど。


いずれもたらされる現金なり収益で支払い可能だと借り手が思うから借りるのだと思うが、普通デフォルトになる場合というのは、その見込み通りにお金が入ってこないから払えないのであり、それを乗り切れば払えるようになるかと言えば、それは中々難しいと思うけど。事業資金の借入は除外して、とりあえず個人の無担保融資だけを考えることにしてみよう。


金利上限がない世界であると仮定して、全員が優良な借り手であるとしよう。デフォルトが存在しないのであれば、業者の調達金利や運営経費等から貸付金利が決められ、貸付金利の低い業者がどんどん登場して、次第に有担保貸付の金利に近づくということになると思う。一般に、借り手の条件が同一ならば、借入総額が多いと少ない場合に比べてリスクは高くなると思うので、借入総額に比例した貸付金利ということになるかもしれない。通常信用調査などを多人数に対して行うよりも、少人数の方がコストが小さく済むはずだろう。そうであるなら、貸付残高が同じであれば、多人数に少額貸付を行うよりも、少人数に多額の貸付を行う方が有利であると思う。その方が業者の金利収入は増えるはずだからだ。貸付金利も高くなるのだし。


現実にはデフォルトがあるし、貸付額の上限もあることが多いはずだろう。例えば、1社からの借入上限は50万円まで、とかですね。何故上限があるのか?これは基本的な疑問ですね。金利に上限があるからでしょうか?普通に考えると、個人の借入額がある程度大きくなっていけば「貸し倒れ」となる確率が高くなる、ということが知られているからでしょうね。では、なぜ個人に貸し込む業者がこれほど多いのか?複数業者から借入するということも、予測されているはずですよね?それに、信用情報は共有されているから、いくら他社から借りてるかも知っているはずですね。もしも貸し倒れがなければ、商売として考えると、自分のところで全額貸す方が有利なはずですよね。それをなぜやらないか、と言えば、回収できないリスクが大きくなるからですよね。


自己破産になるような借り手というのは、大抵多重債務者であり、単独の業者の持つ債権だけで破産するというのは少ないのではないかと思います。想定されるのは、個人事業主のような場合(事業失敗による)とか、誰かの連帯保証で払えなくなった場合とか、そういうケースではないかと思います。しかし、現実的に多く見られる個人の自己破産というのは、多重債務者に他ならないのではないでしょうか。借入総額が大きくなれば、当然返済に窮しやすくなると思われますので、デフォルトになるリスクは高いでしょう。貸し出す業者側が、「上限金利ならば貸すことにしよう」ということで、他から何社も借りているにも関わらず貸し出しているということですよね。今の金利水準で多重債務に陥り破産する訳ですから、上限金利が低くなれば自己破産が早くなる、ということだけではないかと思えますけど。遅かれ早かれ飛ぶ人は飛びますよね、きっと。だって、普通に考えて、返済可能だと思って初期の借入を行ったにも関わらず、それが返済できないばかりか新たに借入するわけですから、その時点でこの人の将来見通しは誤っていた、ということになりますよね。そういう人じゃないと、多重債務に陥るというのは少ないとしか思えませんけどね。普通ならば、「借金を返済するまで車は買わない」とか、考えるわけじゃないですか。ところが、多重債務を負う人というのは、借金が多額に残っているにも関わらず、次の買い物だとか何だとかをやるのですよ。脱出方法を自分では考えられないので、とりあえず今を凌げる方法に逃げやすいんだろうと思います。


それとも、あまりの高額の借金を急にしなければならず、当てもないけど借りねばならなかった、ということでしょうか?50万円×5社とか?それでも、何らかの方法を考えることは可能であると思いますけど。借りねばならない時もあると思いますけど、それが順当な金利水準で貸し出されているなんてことはないと思いますけどね。


少し前に、ヤミ金の取り立ててを苦にして3人が心中した事件があったと思いますけど、借り手が全くの無知である場合には、上限金利なんてあっても無くても同じではないでしょうか。上限金利が決められていたとしても、借り手に判断能力がなければ、利息をいくらとられていても判らないんじゃないかと思います。多重債務に陥っていた訳でもない人たちなのですよ。たった数万円だったか10万円程度の借入だけであっても、年率1000%超(1800%くらいでしたか?)の金利取立てを受けるんですよ?要するに、そういう借り手たちは現実にいるんですよ。大手の消費者金融業者がたくさんあっても、です。騙される人たちは必ず出てきます。上限金利とは無関係に、闇金は取り締まるべき問題に過ぎないとしか思えません。騙されるような人が悪いんだ、それは極めて稀な事例に過ぎず、むしろ「上限金利なし」の方が経済学的に合理的だ、借りられる層が増加する方が社会的に望ましい、なんていう主張をする人たちは、ちょっと酷すぎなのでは、と思うけどね。


年収300万円、預貯金ゼロという層が、仮に100万円を年利50%で借りるとしよう。突発的な出来事のために、仕方なしに借りなければならなかったとしよう。他に貸してくれる人もいないし、親類もダメだ、と。単純に利息を年50万円としよう(正確な消費者金融の支払い計算など出来ないので、許してね)。1年で返済予定であれば、元利合計返済額は月平均で125000円だ。普通に無理でしょ?3年払いだとしても、利息分だけで150万円だから、合計250万円を36回払いとなって月平均約69444円。平均月給25万円の中から返済することができると?収入の3割近い返済を3年続けるんだぞ?大体、こんな高額な返済が可能な人なのであれば、それまでの間に、とっくの昔に預貯金ができてるって(笑)。でも、上限金利が低く設定されてると、こうした層では借りられなくなる人々が続出するのだそうだよ(条件はもっと違うけれども)。


年間24万人くらいの自己破産申請があるそうで、認められる件数は知らないけれども、ほぼ全部だとしよう。すると、一人当たり負債平均が1千万円とすれば、2.4兆円の債権が失われるのだ。これが毎年だそうですよ。一体貸付残高がいくらあれば、この消滅に耐えられるのだろうね?一人平均500万円だとしても、1.2兆円だよ?イマドキ、安易な自己破産は裁判所が認めない、という方向性らしい(あくまで噂です)から、負債総額500万円未満というのは少ないと思うけれども。因みに、企業倒産(負債総額1千万円以上)では、6兆円超くらいの負債額だそうです(ここ数年は連続で減少してきているけど、概ね6~7兆円程度と思っていいでしょう。16年度では、倒産一件当たり、4.65億円くらいの負債です)。ああ、自己破産には、住宅ローンも一部含まれるかもしれませんね(住宅ローン残高は概ね170~180兆円程度ではなかったかと思います)。


多重債務者たちが毎年20万人規模で自己破産するわけですから、そういう人たちの一部を借り手から排除することになれば、優良な借り手はより有利な条件で借入ることが可能になると考えることも出来るのではないでしょうか。本来、まともに返している人たちが、不良債権となってしまう人たちの分も、金利として負担していることになってしまっているのではないでしょうか。貸し手だって、債権放棄が減るわけですし、取立て費用(笑)も減るのですし。自己破産が減ることで、残りの多くの優良な借り手による貸金業界となる方が望ましいと思えます。



「なぜナポレオンと呼ばれるか?」~昔の映画タイトルを知りたい

2006年04月22日 14時10分22秒 | 俺のそれ
昨夜放映されていた映画『S.W.A.T』は、確か飛行機の中で見た。かなりツマラナイ映画だな、というのが感想。前に『スズメバチ』というフランス映画を観たことを思い出したが、あれの方が良かった。『スズメバチ』は、ある工場(?みたいな所だったと思う)に偶然立て籠もることになった警察特殊部隊と、こそ泥グループ、謎の老警備員といったメンバーが、ギャングだかマフィアグループと戦うという映画だった。これにちょっと似てる映画が昔あったように思うのだが、全く思い出せない。あれは何という映画だったのかな・・・?凄く気になるんです。


昔(多分30年くらい前)、土曜午後か日曜の昼間あたりに、「~洋画劇場」のような時間があって、映画を放映していたと思う。エンディングに「スカボロフェア」が流れるような番組ですよ。定かではありませんけれども(混同してるかも)。そういう時間帯で観たように思う。出演者が誰だったのか、全く覚えていない。


内容としては、田舎(or郊外の全然人気のないような場所)の警察署が、ヒッピー(古!)だかKKKのような特殊集団だかに襲われるというもの。何かで恨みを買ってしまい、ならず者たちが仕返しにやって来たんじゃなかったかと思う。で、警察署には少人数の警官(刑事?)たちがいたのだが、電線や電話線を切断されてしまって外部との連絡が一切とれないような状況にされてしまったはず。何故無線が使えなくなってしまったのかは忘れた(電力供給が止まったからだったかな?)。

激しい銃撃戦が繰り広げられ、何人かの警官たちが死んでいった。周囲には遮蔽物などがなく、ポツンと警察署があるために、4方向からの敵に応戦しなけりゃならないのだ。しかも、敵の数が圧倒的に多い。初めのうちは、警察署の遠くから撃ってくるのだが、警察側の人数が減ってくると、建物に段々近づいてくる。応戦する側にも限界がやってくるのだ。で、今度は警察署内部に侵入しようとする敵と戦うことになるのだ。

この警察署には留置場があって、そこに何かの犯罪者がいたのだけれども、そのうちの一人(他に誰かいたかどうかは憶えてない。いたとしても、銃撃戦で死んでしまっていたと思うけど)に仲間内から「ナポレオン」と呼ばれる有名な犯罪者がいた。その「ナポレオン」にも銃を持たせて、一緒に応戦してもらうということになった。

そのうち、遂には警察署内に敵の侵入を許してしまい、建物内部での銃撃戦となったように思う。しかも、残りの弾が少なくなっていくのだ。そんな絶体絶命のような状況で、主人公と「ナポレオン」とが2人だけになっていた時に(他の人たちが全部やられて死んでしまったのかも)、主人公が聞いたのだ。
「どうしてナポレオンと呼ばれるのか?」と。その答えは、確か
「生きてここから出られたら、教えるよ」と返ってきたと思う。大体こんな感じの台詞だった。


で、最後は敵を撃退して、2人は勿論生きて出られるのだけれど、丁度最後のシーンのあたりで、「ナポレオン」にもう一度聞いたと思う。「生きて出られたら、教える約束だっただろ。早く教えろよ」みたいな感じで。すると、「次にオレを捕まえた時に教えるよ」みたな答えだったか、もっと別の気の利いた答えをしたんだったか、エピソードを語り始める(「それはなあ…」のような感じ)のだったか、・・・これもハッキリと思い出せない。

その当時に「ナポレオン」と呼ばれる理由がかなり気になってしまって、そのことを未だに覚えているのだと思う。


判っている条件としては、
・警察署が襲われること
・「ナポレオン」と呼ばれる犯罪者がともに戦うこと
だけです。

こんなので非常に申し訳ないのですけど、映画のタイトルが判る人がいたら、是非教えて欲しいです。超映画通ならば、判る人もいるかもしれないですよね。古い映画マニアな人いませんか~



グーグルの検索能力を実感してみた

2006年04月21日 19時35分52秒 | 俺のそれ
一応、グーグルの検索能力を試してみました。中々面白い結果でした。
(このブログが)トップに表示されるものを挙げてみます。

まず、タイトルそのままだと当然トップ表示、でした。
こりゃ、さすがに当たり前か。


その他は・・・

・「俺のそれ」:
こんな変なのもちゃんと出てくるんですよね。しかもこんな検索でも13000件以上!あるなんて。笑

俺のそれ - Google 検索


・「報道」「中立性」:
これはかなり意外な結果なのですね。読売や総務省よりも上(笑)です。どなたかがコメントで教えてくれたように記憶しています。この時に、初めてグーグル検索の順番がどうのこうの、ということを知らされました。

報道 中立性 - Google 検索


・「平ちゃん」「安倍ちゃん」:
ただひたすら笑った。こんなので、なんなんですけど。因みに「麻生親分」だけだと、次のもの。

平ちゃん 安倍ちゃん - Google 検索
麻生親分 - Google 検索

トップには著名ということで、JSFさんとこ。でも、コメント欄のたった一言に負けた。悔しい。それと、2番目の私の記事が全文引用されてる「コピー記事」(”わくろう”って誰?)の方が上に表示、ってこれどういうこと?オリジナルよりも、コピーが勝つんじゃあないですか・・・ちょっと悲しい。ところで、「麻生親分」と呼ぶ人は私以外にもいるんですね(笑、といっても2人だけ?現在確認済みは一応そうだよね)。で、「麻生親分」「平ちゃん」だとトップに返り咲きです(笑)。でもすぐ下に”わくろう”が。ちょっと恐るべし。件数が凄く少ないからだね。


・「恩給」「憲法違反」:
何故か次の項目に田中先生のノーガード関連記事が・・・タイトルと中身表示が別。不思議です。

恩給 憲法違反 - Google 検索

・「職域加算」「憲法違反」:
上に同じ。「恩給」「職域加算」も同様にトップ表示。報道記事よりも上って謎です。


タイトルに入ってる言葉で選ばれる可能性が高いね。何となく。調べ方もそれに合わせると、いいかも。


そこで、日銀シリーズで攻めてみたいと思います(笑)。

・「日銀」「言い分」:
何と「本石町日記」さんより上に表示。それに、日経の「プロの視点」より上だ~!何か勝った気分(何が?)。

日銀 言い分 - Google 検索

でも、「言い分」なんて誰も検索用語に入れないと思う。


・「日銀」「philosophy」:
タイトルが珍しいからでしょう。

日銀 philosophy - Google 検索


・「日銀」「堂々巡り」:
これもそう。

日銀 堂々巡り - Google 検索


・「日銀」「漸進的」「透明性」:
言葉を増やせばねえ・・・因みに、2つだけだと、全然ダメ。

日銀 漸進的 透明性 - Google 検索

次の表示順は、奇しくも水野審議委員の記者会見要旨(笑)。その下には、bojの「未踏の領域のおける中央銀行」って、日銀本体じゃないですか。何だか申し訳ないですね。本家を差し置いて。


続いて、保険もの。


・「労働保険」「タカリ」:
ズバリでした。

労働保険 タカリ - Google 検索


・「労働保険」「貪り」:
これも上と同じような感じ。

労働保険 貪り - Google 検索


・「雇用保険」「タカリ」or「貪り」:
似たり寄ったり。

雇用保険 タカリ - Google 検索


・「知事」「返還請求権」:
法律関係では意外に健闘。専門外なのにゴメンナサイ。

知事 返還請求権 - Google 検索


・「コメントスクラム」「言葉の力」:
これも非常に少ないので。

コメントスクラム 言葉の力 - Google 検索

因みに「コメントスクラム」単独だと約4万と一気に膨大な数です。造語としては、定着しつつあるのかも??小倉先生の努力の賜物かもしれませんね。


・「電脳炎上」:
自分勝手に作った言葉なので、当然トップか。

電脳炎上 - Google 検索


・「空気嫁」「合理的」:
普通こんな検索はしないだろう、多分。

空気嫁 合理的 - Google 検索


面倒になったのと、意味ないことに疲れたので、調べるのを諦めました。もしも他に発見された場合には、お知らせ下されば幸いです(笑)。



追加

ちょっと発見。

・「マスメディア」「正論」:
意外。何故かは不明ですけど。

マスメディア 正論 - Google 検索



日銀の利上げ問題

2006年04月20日 22時00分02秒 | 経済関連
この問題については、谷垣くんや財務省が懸念を表明しつつも、市場としては、大方の予想が「今年の夏頃」(=ひょっとして7月もありかよ?)というような反応を見せているようです。主なエコノミストたちのインタビュー等で、大体がそういう見方を披露しているようですから。利上げを見越して、金利上昇を織り込んできたという風にも見ることが可能でしょう。ただ、過剰反応とも言えなくもないですが。市場の評価というのは、得てしてこのようなものなのかもしれないですね。こんなところにも、「ハイパー」が潜んでいたとは。って、よく目にしがちな「ハイパーインフレーション」とかではなくて、言ってみれば「hypersensitive」な状態の方ですね。日銀の「バブル過敏症」(笑)に匹敵する、マーケットの「日銀過敏症」?とか「利上げ過敏症」?とかですかね。


ああ、マーケット用語では「volatile」の方ですか。福井総裁以下、その他も「volatileな動き」とか何とか言ってたから。前にも書いたけど、「ボラティリティ(volatility)」とか「ボラタイルな動き」とか言われても、通常よく判らんよ。何を言ってるのかと思いましたよ。「今の市場ではボラタイルな動きが見られる」とか言われても、普通に聞けばね、「今日の市場(いちば)にはいいボラとイカが見られた」としか聞き取れませんよ(ウソです。オヤジなので・・・ご勘弁を。英語は苦手で本当にキライだし)。


結局米国の長期金利は10年債は5%超までいってしまい、突き抜けられてしまった訳です。その後、やや戻しましたけど。今度こそ「そろそろ利上げ打ち止めなんじゃないか」という見方が大勢になった、ということらしいです。日米の金利差ではあまり変わっておらず、為替があまり大きく動かない分日本の金利上昇という形に表れたとも言えるかもしれないです。


一方では、日本経済の底堅さが再確認されて、インフレ期待へと転換しつつあるのかもしれないし、経済成長率に見合った金利形成ということが急進的に生じてきたのかもしれない。とりあえず、初めての経験?なので、「見えない」中で参加者たちが手探り状態でやっていこうとしているのかもしれないし。動きが急というのは、不安の顕れとも取れなくもないかな、と。まあ、長期金利上昇リスクは、事前に誰もが思っていたことでしょうから、仕方ないわな。当面の金利上昇圧力が続くかもしれんね。


そういえば、IMFの経済見通しが発表になってましたね。日本経済は上方修正だそうです。中々いい傾向ですけど、「イランのバカ野郎」ということもあったりして、日本としてはちょっと困ることもある。原油高で跳ね返ってくると、かなり痛いな、と。

<ところで:イラン人は割りと日本びいき(少なくとも米国の百万倍は)なんだから、エサか懲らしめを用意するかしてうまくやれば、政治力を試すチャンスなのに。イランとの交渉窓口的な役割を担えるだけでも、少しは(国際社会の中での)地位がアップすると思うんだけど。「おしん」や日本のアニメは大人気でしょ?最近も上野あたりには「怪しげなイラン人」はうろついているんですか?昔あった偽造テレカとか。>


以下に、参考記事を。



NIKKEI NET:経済 ニュース


【ワシントン=藤井一明】国際通貨基金(IMF)は19日発表した最新の世界経済見通しで、日本の2006年の実質経済成長率を2.8%と予測した。昨年9月時点よりも0.8ポイント上方修正し「着実な国内需要が引っ張り、現時点では景気回復の勢いが上ぶれする可能性の方が高い」と分析した。

 日本経済が直面する課題としては日銀の金融政策、財政再建、生産性の向上の3つを挙げた。06年の世界経済全体は4.9%成長を見込み、0.6ポイント上方修正した。中国は9.5%成長と予想した。

 日本の07年の成長率は2.1%に減速すると見通したが、0.5ポイントの上方修正。明るい材料として「8年間続いた物価下落が終わる見通しが強まっている」と指摘した。消費者物価は06年に0.3%、07年には0.6%それぞれ上昇するとしている。

 日銀のゼロ金利政策の解除の時期に関しては「デフレからの完全な脱却が経済指標でどの程度確認できるのかと、物価上昇が確実に見極められるかによる」として、日銀に慎重な判断を求めた。「デフレから完全に脱却したと結論づけるのは時期尚早」とも強調した。




とりあえず、金融政策は「極めて緩和的に・漸進的に」行われなければならない、ということですね。常識的に考えると、このような結論になってくる、ということですよね。なので、利上げなんて、「年内にあるかどうか、わからんね」ということも、本当なら可能性大と考えられるはずです。そもそも利上げできるほどの環境になっているんですか?って、疑問に思わんのかね。世界の常識では、たったの0.3や0.5%程度の物価上昇率で、「デフレは終わった」とか「早速利上げだ、利上げ」とか、言わないんですよ。


でも、何故か金融機関のエコノミストたちは、利上げ、利上げって騒ぐ訳ですね。これって、何処からか「情報漏れ」とかでもあるんですか?それとも、「上げてくれ」ってお願いしているってことですか?日本の金融エコノミストたちだけが、調子ハズレの予測(世界の常識からは外れてる?)をいつもしてるとか?一体何なんでしょ?それとも、日銀がよっぽど利上げしたがってる、とかバレちゃってるんですか?ハア、ハア状態なんですか?(ウチの犬も毎日そうだけど、笑)


日銀は本当に夏に利上げしちゃうんかね?やったら、マジでアホじゃ。

「たかがインターバンクの話ですから」、って与謝野さんは言うのだけれど、ならば日銀がどうして国民の利息収入云々の話を持ち出してきてたのでしょうね。量的緩和解除の前に、あれ程「失われた利息収入は約200兆円弱(193兆円くらいでしたか?忘れた)にもなる」って、えらく剣幕で訴えていたんじゃなかったか?利上げといっても、所詮インターバンクだけに限局した問題であって、預金者の金利(債務者の借入金利も)は不動で影響を受けないんだ、ってことを言うなら、日銀の言い分はオカシイってことになっちゃいますね(笑)。


いずれにせよ、日銀が本当に年内、特に割りと早い段階(たとえば夏頃とか)で利上げに踏み切った場合には、デフレに逆戻りする危険性はあると覚悟しておくべきだね。量的緩和解除ごときでさえ、これほどの混乱を生じているんですから。日銀はそこのところも、よく考えるべきだろ。前にも言ったけど(日銀の言い分)、病気の期間が長かったり、特別な薬の服用期間が長かったりすると、離脱過程に時間がかかるし、慎重に進めるべきだよ。リバウンドはかえって病状を悪化させるからね。もっと離脱困難になっちゃうんだからね。weaning は困難なことが多いのです。


そういうこともよく考えておきたまえ。



私の支払い不能事例(笑)

2006年04月19日 22時41分57秒 | 俺のそれ
先ほどまで、全くログインできなくなって、記事を更新できなかった。自分のパソコンに何か異常が発生したかと思い、すごく焦った。でも、今こうしてログインできるようになったので、とりあえず良かったです。


先日の記事(消費者金融の曲がり角?)で予告しておいた(笑、特に予告ということでもないんですけど)、「支払い不能」であった事例をご紹介しましょう。結構下らないです。読みたくない方は、飛ばして頂いた方がいいと思います。殆ど参考になることはありません。


事例1:移動時における失敗例

ある日、仕事に行く時に、凄く急いでいたのでタクシーを使った。前日は仕事帰りに飲み会だったので、車を置いてきたからだ。その時は、500ml入りのペットボトルに入れたアイスコーヒーと新聞を持っていた。通勤時には、ネクタイなどしていないことが殆どなので、見た目は怪しげなちょっと汚いオッサン風だったと思う。

<ちょっと解説、笑:毎日飲み物を買うとお金がかかるので、妻がいつも持たせてくれる(笑)。私は毎日1リットルは軽く飲んでしまうので、お茶やコーヒー代が結構かかってしまうのです。なので、いつも1~2本は持っていくことにしている。それでも足りない時は、買っている。車なので、大して荷物にもならないし。>


で、タクシーに乗り込んだ後、新聞を読んだりしているうちに目的地に到着した。3000円くらいだったと思うが、払おうと思ったらお金がなかった。ガーン!!

ズボンのポケットにあるはずのお金がない!そうだ、お金を移し変えるのを忘れてた。昨日はカバンを職場に置いてきてたし、お金はジャケットの内ポケットに入ったままだった・・・。

<またちょっと解説:カバンを置いてくるのは、飲み会の時に置き忘れたことがあって、それ以来持っていかないことにしている。本当にバカみたいなのですけれど、カバンをタクシーに置き忘れてしまったことが2度もあるのです。毎回戻ってきましたけれど。ある意味、奇跡的なのかもしれないですけど。ちゃんとタクシー会社から連絡が来て、無事に戻ってきました。世の中、悪い人ばかりじゃないんですよ。>


運転手の人に、「あのう、スミマセン、お金を持ってくるのを忘れました。取りに行ってきますから、ここで待ってて頂けませんか?」と言いました。何か置いていけるものもありませんでしたし、身分を証明するものも持っていなかったので、本当に困ったな、と思いました。


すると、運転手の人は、「いいですよ」とアッサリと応じてくれました。やっぱりいい人はいるのだな、と思いました。「地方」だからなのかもしれないな、とも思いました。大都会ではどうなんでしょうか?


車を降りるとダッシュでカバンの元へと走り、お金を持ってタクシーまで戻りました。その間、約3分間程度だったでしょうか。運転手の人は、私の言葉だけを信じて、待っていてくれました。きっと凄く長い3分間だったことだろうと思いました。待ってる時間って、本当に長く感じますからね・・・。でも、カバンの中にいつもお金を少し入れておくことにしていて良かった、と思いました。ちょっぴり内緒のお金が入っているんですよ(笑)。



事例2:レジでの失敗例


あるスーパーで買い物をして、レジに並びました。大した額ではなくて、高々千円か2千円程度の買い物だったと思います。ピッピッとすぐさま合計がはじき出されました。で、お金を取り出そうとポケットのあちこちをまさぐってみたものの、いくら探しても見つからない。

何だ、またかよ、とお思いになるでしょう。

そうです。一円も持っていませんでした(笑)。これほどまでに物忘れが激しいというのも、異常かもしれませんよね。でも、払えないので、謝りました。
「あのう、スミマセン、お金を忘れました。後で持ってきますので、これは取っておいてもらえませんか?」
列に並んでいた主婦などが笑っていた。恥ずかしかった。凄く。

またしても、大慌てでお金を取りに行き、数分後にレジに戻って精算しました。
「先ほどの者です」とか言いましたが、言い出しにくかった。恥の上塗りみたいな気がしました(笑)。



このように、お金が払えないということは確かに有り得る訳です。しかし、このような事例と消費者金融の借入ということには何ら繋がりはなく、たとえ借入していたとしても現金を持って行かなければ、払えないことには変わりはないですよね。


皆さんはこういう恥ずかしい事例はないですか?
因みに、私は電子マネー類を持っていません。携帯も「カメラなし」のかなり古いタイプのものを使っています。だって、壊れないんだもん。電話がかかれば、それで十分ですね、今のところ。なので、「おサイフ携帯」のような機能は一切ないです。Suicaも使える場面がありませんので、全く必要なしです。ということで、支払いは割と現金主義ですね(笑)。それ故、時々持って出るのを忘れることもあるのです・・・・


教訓:
「出かける時は、忘れずに」
勿論、あの口調ですね。「デェカケルゥトキハ、ワスレェズゥニ」

(ショボーン)

百済ね。ごみんなさい・・・・