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特定秘密保護法の危険性についての補足

2013年12月31日 09時48分06秒 | 法関係
特定秘密について、偶然知りえた場合でも一般人は処罰されない、とか言うでしょう?

それは、本当ですかね?


例えば、偶然に秘密指定されている情報Xをネット上に書き込んでしまった人甲がいたとしますか。甲がどうやってその情報を知っているか、ということが、警察や検察等の関心を惹くことになるのではありませんか?


そうすると、警察の人間ならば、ひょっとして「誰か国家公務員が漏らした結果、甲がそれを公開したのかもしれない」と疑うのでは?

となれば、情報の漏洩経路について捜査されたりするし、甲も参考人か被疑者として逮捕されて、捜査を受けるのでは?
その結果、甲は国家公務員の誰とも接点がなかった、誰も漏らしてなかった、だけど偶然甲は特定秘密を知りえたのだ、ということが分かるわけだ。だが、本当にそれで済むかな?



警察で、ホラ、吐け、吐け、もう証拠は挙がってるんだぞ、ということで、起訴まで持ち込まれたりするのでは?
そういうことが起こらない、とはいえないのでは?


具体的には、過去に書いたもので、こういうのがある。


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/371faa0564594b27992975109b0879b0

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/df32da715209df7d4607150c60452812


要するに、こうした記事を空想でも書いてしまったりすると、こんなバカブロガーがこいつ一人で考えることなんかできるはずない、だからきっとどこからか情報仕入れたに決まってる、ということで、逮捕・捜査されるかもな、ということだ。そうならないと言い切れるか?

偶然知った人は処罰されない、なんてのは、おめでたい連中の妄言としか思えないわけだよ。
日本の行政、司法はそれくらい腐ってる、ということの裏返しだ。





犯罪は作り出せる~特定秘密保護法の危険性

2013年12月31日 01時40分47秒 | 法関係
国会議員だというのに、こんなレベルだからこそ法律が通ってしまうのだ。
国会議員がこんなんだからこそ、ダメなんだって言ってるんだよ。


>http://www.huffingtonpost.jp/taro-kono/post_6555_b_4516309.html


河野太郎議員は、法律は安全だから、一般国民が逮捕されることなんてない、と断言しているわけだ。
本当かね?

官僚がそんなヌルい法案を作るとでも言うか?
追加的に加えられた取材関連の条文なんて、実効性なんてどこにも担保されてない。そりゃ、そうさ。報道を保護する条文に、実効性なんか持たせたら、この法律を作る意味がないからな。だから、21条の条文なんて、あってもなくても、この法律ではほぼ無価値なのさ。


どうして、そんなことになってしまうかって?
それは、国会議員さんたちが条文を読んでないか、官僚たちの説明を鵜呑みにして、真剣に法律の「抜け道」だとか悪用方法なんかを想定したりしないからだろうに。


そのよい例が、「原賠法3条但書」だったろう?
電力業界だって、議員さんたちだって、銀行さんだって、いざとなったらみーんな「国が面倒をみてくれる」と盲信していたんじゃないのか?

しかし、法律をよく見てみれば、どういう落とし穴があるかは分かるはずなんだよ。なのに、国会議員のくせに、そうした努力を全くやってないんじゃないの。まんまと騙されて、法案可決してから、本当は国の責任というのは賠償を免れることになっているんだ、って気づいても後の祭りなんじゃないのか?


要するに、そういうことなんだわ、国会なんてのは。


河野太郎議員が言ってるのは、全くの間違いだ。
記事中では、以下のように断言している。


特定秘密保護法では、秘密を漏えいして処罰の対象になるのは、

『適性評価を受けて特定秘密を取り扱う公務員』
及び
『特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業員であって、適性評価を受けて特定秘密を取り扱う者』
だけ。

適性評価を受けてもいない国民が、秘密の漏洩で処罰されることはありません。

そこは非常に明確です。


========


適性評価を受けた公務員か取扱事業者だけ、と。それは出鱈目だ。


特定秘密保護法の条文を確認してみる。


○第23条

人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪の未遂は、罰する。


(以下略)



まず、この23条自体が公務員や秘密取扱者以外の者を罰する規定であることは明白だ。
具体的には、特定秘密を保持する人間を拷問して、秘密を取得するといったことを防止する為、というのが見かけ上の大義名分になる(それは当然に刑法犯でもあるから、本法が存在せずとも罰せる)。


1項において、騙して秘密を得るとか、脅迫して得るといったことが罰の対象とされているわけだが、問題は2項にある。そう、「未遂罪」であっても処罰可能、ということである。これはどういうことかわかるか?
まだ暴行を加えてなくとも、或は欺罔してなくとも、これから「やるつもりだ」ということで逮捕されてしまう、ということなのである。
いやいや、そんな善良な一般市民を、まだ犯罪行為を犯してもいないうちから警察が逮捕したりなんかしませんよ、などと暢気なことを言ってる人は、考え方を改めた方がいいな。

ちょっと肩が触れただけでも、「イテテテ、はい、暴行罪現行犯逮捕」とか平気でやってくるような連中が、未遂でも逮捕できるとなったら、これから暴れる計画があったろう、とか言い掛かり的にでも逮捕できてしまうんだよ。それとも、「アメリカに譲歩させられた交渉分野について国民に情報公開するよう、明日、経済産業省前で抗議活動を行いましょう、官僚を少しでも震え上がらせてやるんです!」とかネット上で言おうものなら、それが秘密指定されている外交上の秘密であった場合、「脅迫行為による秘密取得未遂罪」適用だ、ということで、一般人だろうと逮捕される可能性がある、ということだ。


警察がそんなことはしない、というのは、全くの妄想。
イラク派遣の反対ビラを投函した、という理由だけで住居不法侵入罪で何か月もぶち込まれるんだぞ。それとも、ビラまきという組合活動をやってた、という理由で公務員法違反で逮捕・起訴されるんだよ。駅構内をプラカード持って通過してたら、やっぱり不法侵入で逮捕されるわけ。それが、今の日本なのだよ。しかも、これを支援する検察と、裁判所が付いているんだぞ?
人質司法を平気でやってくる、裁判所が市民を守るのではなく権力の味方なのだぞ?


だから、罪を生み出すのは、簡単なのさ。やろうと思えば、いくらでもできてしまうのだよ。
適性評価を受けた「秘密取扱者だけ」というのは、全くの誤認だ。一般人だって、いくらでも逮捕可能だよ。



それから、次の条文もある。


○第24条

第二十二条第一項又は前条第一項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する。


第22条第一項は、簡単に言うと河野議員が言ってた取扱者の秘密漏洩を罰する、という条文だ。秘密を取り扱っている公務員か契約先の秘密取扱者が単純に漏洩してしまう、というもので、これを「単純漏洩」と呼ぶことにする。

24条は、その単純漏洩に対する、共謀、教唆、煽動を罰する、というものだ。なので、これも例えば官僚に「色仕掛けで近づき、秘密漏洩をもちかける」「金を積んで秘密を買おうとする」「対立政治勢力失脚を狙ってわざと秘密をバラすように煽り唆す」などということがあれば、罰することができますよ、ということだ。つまり一般人であっても罰則対象となることは明らかだ。

そして、23条1項規定についても、同じく共謀、教唆、煽動が処罰対象となっているのだよ。上の例で見たような、抗議活動をしましょう、と呼びかけ、これに賛同したり「そうだ、もっとやれやれ」などと言った者たちは、共謀罪か煽動罪が適用されるかもしれない、ということだ。


「その他特定秘密を保有する者の管理を害する行為」なんて文言は、いかようにもこじつけできる。あくまでやり方次第、だ。なんたって、それが適用かどうかを決める権限があるのは警察や検察だからな。特に検察は狙って獲物を仕留めようという場合には、どんな手だって使ってくる。それに賛同し支持するのが、最高裁であり最高裁事務総局だからな。


オレは、最高裁のクズどもなんて、そう簡単には信じない。
共謀共同正犯で、どんな犯罪が生み出されたか知ってるか?


08年>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6b42017d54c1c5845d2645d94d98de88

12年>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/c0b692bb70d84be073e267742287fc87


まさに悪が栄え、善が滅びるのだよ。
検察と裁判所の共謀共同正犯なんだから(笑)。やつらの手口を暴こうと思っても、訴訟書類は裁判所や検察の許可がなければ見ることさえできない、すなわち「秘密指定」されてしまうと過去にどんなに酷い裁判をやっても、その糸口すら見つけ出すことができない、ということだ。これと同じ仕組みを、行政分野でも全く同じくできるようにしましょう、ということなんだよ。


検察の意のままに訴訟書類が支配されているじゃないの。やつらの悪辣な手口は、永久に隠蔽可能というシステムになっているのさ。裁判所もこれに加担しているのさ。判決文を公開されて困るのは奴らなので、見せたがらないんだよ。


話を戻すが、共謀罪は確実に「作り出せる」、これがオレの結論だ。最高裁が「生み出せます」と太鼓判を押して、これを認定しているんだから。もう一度言う。共謀罪は適用するかしないか、というのは検察と最高裁事務総局の胸ひとつ、ということ。やろうと思えば、どんな犯罪だって成立させることができる。それが日本、という国だ。


また、教唆というのも、どの程度まで摘発対象とされるかは、分からない。
具体例を挙げておこう。

相手が検察審査会だから、ということで特定秘密の対象とは異なるが、意味合いは同じだ。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/68f7528494813f03323de324ca6070e0


この『東五検審123号』という文書を調べろ、探せ、などとブログに書いたとしますか。そうすると、たまたまこの文書が特定秘密指定されている場合、特定秘密保護法23条2項の未遂罪適用か、24条1項の「23条1項教唆」が適用されてしまうかもしれない。外務省や経産省の特定秘密指定の文書を、「こうすれば見つけ出せるかもしれない」と書いてしまえば、それは教唆で摘発されないといえるか?


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6dec3db4e350e30c510ae40a941c90c9

こういう公開情報から推定される「秘密」の存在を書いてしまったりすると、それは未遂罪か「管理を害する行為」教唆として摘発されないといえるか?


拙ブログの見解は、危険性がないとは言えない、というものだ。
これまでの現実世界において、それはいくらでも起こりうる、というのが当方の評価だ。


河野太郎議員みたいに、甘い見方なんかできない、ってこと。

そして、こういうヌルい国会議員が「一般人は処罰されません」などという、全くの誤った政府広報みたいな真似をやって国民を騙すが如き言論をばら撒く、と。こんな国会議員がいるから、官僚たちに簡単にハメられるということなのだよ。


国民にウソを教えるな。
大前提として、秘密取扱者以外でも処罰される、これが事実なんだよ。



辺野古移設で勝利宣言の国防総省

2013年12月28日 17時33分20秒 | 外交問題
沖縄権益確保で大喜びの国防総省&海兵隊、と。


>http://sankei.jp.msn.com/world/news/131228/amr13122800360000-n1.htm

2013.12.28 00:33
 【ワシントン=小雲規生】ヘーゲル米国防長官は27日、沖縄県の仲井真弘多知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた政府の埋め立て申請を承認したことについて、「知事の決断を歓迎する」との声明を発表した。
 ヘーゲル氏は承認を「画期的な出来事」と位置づけ、国防総省として日本政府と協力しながら、「沖縄県民への影響を減らしながら、強力で持続可能な米軍の配備」を続けていく考えを強調。承認は「日米が21世紀の安全保障のために複雑で難しい問題に対処できることを示した」としている。

========


寄生虫の海兵隊は、決して沖縄という「宿主」を手放さない、ということだ。ヤクザのひもみたいなもんだ。取りついて離れない、生き血を吸い続けるヒルとでも言おうか。

絶対に沖縄権益を手放さない、そういうことだ。
そして、勝利宣言を出されてしまった、と。
鳩山総理が脅しに屈して、ハンコを押してしまった。あれの続き、ということ。唯一の脱出チャンスを失ったのだ。



安倍総理靖国参拝の余波

2013年12月27日 15時21分46秒 | 外交問題
一応、各国の反応などが出揃ってきたようです。


在日米国大使館の声明から、今度は米国の国務省見解としても「失望」と報じられていました。


昨日、アメリカにお伺いを立てているに違いない、ということを書いたわけですが、やはりそうだったようです。


>http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000018674.html


安倍総理大臣の靖国参拝を政府が直前にアメリカ側に通告していたことが分かりました。アメリカは控えるよう求めていましたが、参拝を強行したことに対し、「失望した」とする異例の声明を発表しました。7年前の小泉元総理大臣の参拝に対して、当時のブッシュ政権は「口出ししない」としていました。この違いの背景には何があるのでしょうか。

 (新堀仁子記者報告)
 小泉元総理の時との大きな違いは、ブッシュ前大統領との関係です。2人の間には個人的な関係がすでにありました。2人は靖国問題についても直接話せるような間柄で、小泉元総理は自分で説明し、ブッシュ大統領もそれ以上は何も言わないという関係でした。しかし、安倍総理はまだ今、信頼関係を作り上げようとしているところです。もう一つは、現実主義のオバマ政権にとって、中国が今、アメリカ経済の回復に欠かせない大事な国になっているということです。第二、第三の経済大国、日中が争って経済を悪化させてほしくないという強い思いがあります。そうしたことから、今回はアメリカのメディアの論調も一様に厳しいものです。「アメリカとの関係にダメージを与える恐れがあり、安倍総理が経済再生をおろそかにして国粋主義的な課題へ重点を移しているのではという懸念をもたらしている」などと伝えています。1年前に安倍政権が発足した時に持っていたアメリカの懸念を1年かけて払しょくしたはずが、また振り出しに戻ってしまった形です。


=======


この記事から判ることは、「アメリカは止めたんだ」という安倍政権との共犯関係ではない、ということなどではありません。


事前に示し合わせておくなら、日本が強行、けどアメリカは止めた、ということで、役割分担ができるからです。その程度の芝居ならば、これまでにも色々と行われていても不思議ではありませんので。


そうではなく、安倍総理の行動として、仮に「こうしたい」ということがあっても、「事前通告しなければできない間柄になっている」ということが確定的となった、ということです。


こんな靖国参拝レベルのことですら、アメリカさまのご判断を仰がねばダメなんだ、ということですよ(笑)。どんだけ支配されているんだ、という話ですな。よくある、「箸の上げ下げ」まで顔色を窺わねば実行できない、行動できない、それが日米関係の姿である、ということです。


つまるところ、御主人さまであるアメリカに「こうしてもいいですか」と許可を求めなければ、日本は何一つ独自にはできない、という意味ですわ。


参拝するかしないか、という程度であってでさえ、許可をもらわないと「何一つ日本で決定できない」ということなんだわ。それが確実に判明した、ということですので、他の重要事項については推して知るべし、ということだ。


さて、今回の米国側の「失望」表明には、いくつかの見方ができるかもしれない。


一つには、安倍政権の支持基盤及び背後にあるものというのは何か、ということだが、オバマ政権とは距離のある「アメリカ勢力」ということである可能性、ということだ。具体的には、ポストオバマすなわち次のオバマ後大統領・政治勢力の存在を匂わせるもの、ということ。その勢力とは、具体的にはTPP積極推進勢力であり、軍事企業関連、グローバル多国籍企業、国防総省ないしマリーン寄り(擁護)勢力、共和党or南部中心勢力、といったことがあるかもしれない。安倍総理が訪米した時に会った人々や立ち寄った場所や講演した場所などから考えると、どういう「お友達」なのかは察しがつくのではないかな。


安倍総理・政権がオバマ大統領の不興を買ってまでやり遂げたいと考えるとすれば、「自分のケツ=政権基盤そのもの」の利益に直結するから、ということであり、それがオバマ政権中枢部とは別の存在の可能性が高いと考えられる。


まさか、安倍政権を支えるのが、日本のウヨとか遺族会のような勢力であると本気で考えている人は極めて少ないであろう。ネトウヨ連中がどんなに過激に騒ごうとも、彼らは所詮マイノリティーであり、圧倒的少数派に過ぎない。また、靖国参拝を願う勢力であっても―よく言われるのが日本遺族会などであるが―、人数はかなり少ない(多くは高齢で死亡してきたからだ)し、戦没者遺族は必ずしも靖国肯定派でもないからである。

そうした、非常に少数派でしかない人々の願いを聞き入れて、靖国参拝を実行するほどに安倍総理も
官邸等政権中枢も愚かではないだろう。そこまでバカなら、これまでにも大きな失敗をしてきたはずではないか。これはあくまで計算による、というのは疑う余地は少ないだろう。


もう一つには、やっぱりオバマ政権・米政府からの指示に従ったまで、という、ベタな「プロレスごっこ」という見方であろう。安倍政権が主体的に動けるほどの存在でない、というのが、元々の見方なのだから。無下に扱われるのが慣れっこになっている安倍総理にとっては、決して逆らえない相手ということであると、「米政府が止めたにも関わらず制止を振り切ってまで参拝」などという無謀なことをするとも思えないからである。


シナリオ通り、ということであると、まあ普通の反応だろうな、とは思う。



分かることは、どちらの場合(オバマ政権と別勢力の支配下、オバマ政権との協調で小芝居)であっても、日本は隷属ということである。参拝していいですか、という程度に、言いつけを守らされている存在である、ということ。


答えは、どっちにしても「逆らえない」。
そして、日本の自立、独立自尊など、到底夢のまた夢である、ということだな。



安倍総理靖国参拝は沖縄隠しの囮

2013年12月26日 21時17分50秒 | 政治って?
報道でも、何故この時期に?という疑問があったようだ。

>http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/article/DGXNASFS2602L_W3A221C1000000/



確かに。ヘンですよねえ?

で、何故、この日だったか、ということが重要だろうな、と思えるわけですよ。
多分、沖縄県知事の辺野古埋め立てを承認というのが、トップになると困るわけだ。それを誤魔化すには、仕事納め最終日である27日でなければならない、と。

そうすると、その前日に参拝報道が出ていれば、明日はその話題で持ち切りだ。
これは、沖縄への視線が集まるのを防いでくれる。
しかも、アメリカとの合作でやったこと、という「ニオイ」が薄れるというものだ。海兵隊はアメリカ合衆国の体現であり、在沖海兵隊はUSAなんだよ。それが勝利することが何より重要、と考えるのは当然だ。


米国大使館が失望を表明って、何、わざとらしいこと言ってんの?、とは思う。
だって、安倍政権がアメリカさまに何の相談もなく参拝なんてことをやらかすとでも思いますかね?そもそも、外務省が黙ってないでしょうが。アメリカさまを深く失望させるような、「最悪の一手」をこの年末に使ってくると?

しかも、特定秘密保護法案の採決劇では、安倍政権は大幅に傷を負ったわけですよ。
なのに、立て続けに、ここで失点を重ねることの意味が分からないでしょう?


それに参拝日だって、普通に考えれば、天皇誕生日である23日とかの方が参拝には好都合ではないですかね?


にも関わらず、この日だった、ということですわ。
まさしくマジックの種と同じ手法ではないかな、と。


安倍政権は第一次の時、参拝してないんですよ。
あれほど自民党が強く、当初支持率も高かったのに、靖国参拝は封印したはずですよね。


安倍総理は、基本的にやることは事前に「お伺い」を立てるわけなんですよ。
だから、アメリカさまがダメだ、と言うことは決してやらないわけ。



今回に限っては、安倍総理が独自に暴走を果たしたいから、という理由だけで参拝に踏み切ったとでも?
そんなはずはないでしょうな。
周囲が黙って「放置プレイ」させるはずもなし。


以前(一次政権時代)にも増して、慎重になっているはずだし、周りの官僚たちの意見を取り入れて動いているはずだから。


それはつまり、安倍総理が「参拝したいから」という理由だけで参拝できるものではない、ということだ。となれば、「事前の計算による」ということが自ずと導かれてくる。



これが誰の得になっているか?
アメリカ合衆国海兵隊、に決まってる。念願の辺野古移転へと大きく前進するから、だ。


日中が揉めると一番得をするのは、アメリカさまなんだよ。
これは前から同じ。
TPP頓挫なんてのは、到底「許されない」と考えているはずだし、そうすると日中間の経済交渉だって止まった方がいい、ということになるに決まってるもの。


日中が喧嘩すれば、日本がTPP締結に専念してくれるようになるであろう、ということでもあるかもしれないし。


なので、ここで一発「過去に一度も使ってこなかった外交カード」を出してきた、というわけだな。それは、重要な勝負の場面だから、という認識を政権(霞が関)側が抱いている、ということを意味する。それくらい大事な局面なんだ、ということさ。


日米関係の停滞、ないし「行き詰まり」という雰囲気を覆い隠せるだけの「強力なカード」を使うしかない、と判断したということだろう。



要するに、停滞か行き詰まり、となっているんだろうな、ということが分かるわけだ。

そうですか。




法学者は信頼に足るか?

2013年12月24日 14時01分03秒 | 法関係
そんなことは、たぶん分からない。その人による、と思っている。

先日、憲法学者・長谷部恭男東大教授のインタビュー記事が朝日新聞に掲載されたらしく、話題となっていたようだ。

>http://togetter.com/li/605554

当方は、長谷部教授のことを全く知らない。どういう人なのかも知らない。曲学阿世と罵られるようなタイプの人なのかどうかも、全く分からない。
なので、東大の長谷部教授が言うので「信じられる」みたいな感想は抱けない。


法学者が信頼に足るかと問われると、必ずしもそうは思わない、というのが当方の見解である。これまでも、そう言い続けてきたが。


具体例:

・田中耕太郎>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E8%80%95%E5%A4%AA%E9%83%8E

・小林節慶大教授>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/42eed1315c2bc6415935c5af9280ed2e

・大学設置許認可問題>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/05866f31577f2825e6b117905b1e29b7



学者の言い分が本当に正しいのだろうか?
政治的に立ち回る人なら、いくらでも態度を変えられるかもしれない。だから、東大教授がそう言ったから、というだけで信じることなど到底できない。その人をどう評価するかということが、まずある。
学者間で言い分の対立することであるなら、「学界においてもまだ評価が定まっていないのだな」ということが分かるだけ。つまりは、曖昧とか、不安定ということだ。ほぼ90%以上の専門家の人が同一の回答をする、ということではないと分かるだけである。それは、司法・法学分野だけではなく、経済学でも同じ。これも散々言ってきたわけだが。


なので、長谷部教授の見解はある一つの見方、という受け止め方にしかならないだろうな(インタビュー記事は読んでない、朝日の購読者or会員ではないので)。気になったのは、”常識的に考えて”秘密の範囲が拡大することはない、みたいな言い分。


長谷部教授の意見が本当に正しいのなら、日本においては冤罪はとっくの昔に消滅していることだろう。常識的に考えて、検察官が調書や証拠を捏造することなどあり得ない、はずが、現実社会では「起こっている」のだよ。法に書いてある文言に何の問題もなく、いかに正しそうに見えても、結局は使う人間による、ということだ。


尖閣衝突ビデオは、行政庁の解釈として「秘密」に該当する、ということだったが、秘密を漏洩(ネット上に公開)した海保職員は罪に問われなかった。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/10c9e98e358bd9b9f1c86dd578c6763c
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4a2dd0691489af998d70b4d6a834c10a


自民党は当初から公開を要求していたではないか。だが、「秘密」指定されたんじゃないの。自民党基準では「秘密じゃない、公開せよ」だったのに、行政庁は独自基準で「秘密」指定できた、ってことだろ。馬渕国交大臣(行政機関の長だ)が公開しない、と公言したではないか。つまり、行政機関側の都合によって、「秘密にできる」ってことだ。恣意的運用は、行政側に解釈と運用権限がある限り、可能なのだよ。これが特定秘密保護法になったからといって、変わるとでも言うか?そんなことなんかないんだよ。それが官僚であり霞が関体質だ。


アメリカ側抗議のあった「秘密」にしても、恣意的に運用可能ということなんだよ。
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/690f1a30e8e3a969a1338bc6960aff7b


いいか、外国の政府機関等から「秘密だぞ」と指摘された時点で、そうなってしまう、或いはそのようにできる(行政側がその要求に応える)、ということなのだよ。日本の政府が、「これは日本国民にとって重要な情報なので、秘密指定にはしません、情報公開対象とします」などと突っぱねられるとでも言うのかね?


検察審査会の「審査委員の年齢、誕生月」が検察審査会法26条の解釈で、秘密にできると思うか?法解釈権を盾にとり、何でも「秘密」にしたんだよ。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/bd1c0b13302d83f73cdd29a363f29456




要するに、長谷部教授の言う「常識的に考えて」なんてものは、通用しないのが日本の行政や司法なんだ、ということだ。


当方は、「まだ起こってもいない危険」を指摘しているのではないのだよ。既に、現実に起こっているからこそ、「危険だ」って言ってるのだ。そして、これまでも可能だったことが、新たに便利な「魔法の壺」を与えてしまったんだ、と言っているのだよ。


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/46f030d53e04d24b048925fb6084537f


長谷部教授が大丈夫だ、と言うのなら、これら問題点が「情報開示」によって真実を明らかにできてからにしろ、と言ってあげたい。できないなら、決して「大丈夫」なんかじゃないんだ、ってことを実証(笑)することになるだろう。



あと、長谷部教授はずっと前から「秘密保全法制」の体制(行政)側有識者、という立ち位置であり、政府の委員なんかもやってるみたいですね。総務省の審議会の下部組織(通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会)の主査とか。

2011年1月>http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jouhouhozen/housei_kaigi/dai1/gijiyousi.pdf

つまりは、行政寄りの人間、ということであり、自分の立場や権益が拡大する可能性が高い場合には、中立的ということではないかもしれない、と思っておくべきではないでしょうかね。



細田守作品はバトルの宝庫?~『おおかみこどもの雨と雪』

2013年12月22日 14時02分04秒 | 俺のそれ
物議を醸し易い何かでもあるのでしょうか(笑)。
細田守監督の本意とは裏腹に(?)、許さんぞとかサイテーとか言う人が出てくる不思議。

>http://anond.hatelabo.jp/20131221145625


まるで全否定。ここまで拒絶というのも謎だ。ま、個人の感想に過ぎません、ってなものだから、どういう意見を言おうと自由なんだけどさ。


ぼくもテレビで初めて鑑賞しました。
一言で言えば、面白かった、ちょっとウルっと来た(因みに、ぼくが”泣けるドラマ”というような言い方をする時には、~できるという可能の表現ではなく、「自発」です。日本語用法として間違っているのかもしれませんが、何もしなくても自然に泣けてくる、という意味です。なので、毛嫌いしないように、笑)。


まず、花というお母さんのこと。
ワイワイ大勢の友達がいるわけでなく、いわゆる「リア充」という人ではないけど、簡単に言うなら「一途」という人。そして、狼男と恋に落ちることができるのも、秘密を守れるというのも、そうした性格ゆえだろうな、と。理屈で考え、論理的に受け止め、行動できる人。割と男性的で淡々と(サバサバ)している。

困難に突き当たると、何故か「アハハハハ」というマンガの字なら、へにゃへにゃした文字になっているような、不気味な笑いが漏れる。信念があり、根は頑固者なんだけど、笑いのせいで、そう見えない。芯が強いから、友達とつるまなくても一人で行動できてしまう。周囲の助けを借りないような印象を与えたのは、「まずは自分で解決しよう」としてしまうタイプの人だから。自立心に富む、ということでもある。だから、学生時代でも出産後でも、人に頼らない。
それに、干渉を拒絶したのは、狼の子という秘密を何が何でも守り通さねばならなかったから。


子育ては、ただでさえ近隣から「泣き声がうるさい」「走り回る足音がうるさい」などと苦情が出たり、トラブルになっているケースは多い(公園や校庭の子供の声がうるさい、とか、吹奏楽部の練習音がうるさい、ということで法廷闘争に発展していたこともあったはず)のに、女手ひとつでは困難が増すに決まっている。マイノリティを迫害する、といったようなことではなくて、世間の一般的な反応がそうだ、ということ。

田舎暮らしは、ほぼ選択の余地がなかったようなものである。

偏屈な頑固爺さんが出てくるが、花に畑のことを色々とアドバイスしてくれる。どうしてなのか不明だけど、いつも気難しい不機嫌そうな顔で笑顔がない。そういう生き方をしてきた戦前派の90歳だ。だから、ヘラヘラすんな、みたいに言うわけだが、いつもニコニコして困難を克服してきた花と、対照的に描かれている。実は二人は似た者同士で頑固なのだ。
「人の力に頼らない」で生きてきた彼女にとって、田舎の「うざい」人々は面倒もいっぱいあるけど、自分と子供達を受け入れてくれたことが、何よりも重要だった。自分が都会で生きてきた「感じ」からすると、思いのほか、周囲の人々というのはお節介でやさしいんだ、ということを知った。
本で学び、大学でもたくさんの知識を身につけてきたけれど、「生きる」というのは頭でっかちの知識では克服できないこともある、と知った。誰かの助けを借りたい時には、頼ったっていいじゃないか、と。自分がしっかりしなければ、自分が育てなければ、と自分を追い込むことはないんだ、と。


そして、こどもたち。
姉は人間社会に適合して、自分をコントロールして生きていける術を持っていた。しかし、弟の雨はうまく適合できず、孤立を深めてゆく。弟が男ではなく、女の姉妹であったなら、二人とも人間社会に生きることができたかもしれない。

この物語の最大のポイントと思ったのが、女の親、つまり母親は、男の子を教育できる限界がある、ということだ。男を一人前の男に育てられるのは、やっぱり男なのだ、と。父親がいない家庭においては、社会が、それとも仕事で、そこにいる男(先輩や上司や先生など)が、男の子を一人前の男にしてゆくのである。


花には、それができない、そして、「分からなかった」のだ。だから、動物園にいた、年老いた狼に尋ねたのだ。教えて下さい、と。


雨は、人間として生きることもできた。家族との生活やつがなりを大事にしたいなら、母の下にいて、一緒に暮らせばよかった。しかし、雨は山に入って、「先生」と呼ぶキツネに、生き方を、そして仕事を習い、学んだのだ。雨が「男」として決断したのは、「義」であった。「情」ではなかった。「おとこの子」から男へと成長・飛躍する瞬間だった。
もしも我慢して人間社会に溶け込むなら、それはまさしく「檻に閉じ込められた狼」そのものだったのだ。あの老狼は、その表象だ。苦痛に耐え、仕方がないと諦めて生きるなら、それは、牢獄のような檻に閉じ込められた一生ということなのだ。

雨は、そういう選択をしなかった。
檻に閉じ込められて生きるなら―安全で食事も簡単に手に入る―、もっと危険で苛酷な環境かもしれないけれど、やりたいことがやれる、自由な生き方をしたかった。そして何より、雨は「自分のやるべきこと」を自ら見つけたのだ。それが、「先生がやってきた仕事」だった。山を守る、という仕事。「誰かがやらなければならないんだ」という雨の言葉は、その「義」を第一に考えた証だった。


山を守るのは、別に守神になるとかではない。自然の秩序、自然界の掟(食物連鎖、とかだな)、そういうものを維持してゆくということだ。これまでは先生(キツネ)がやってきた役割だ。その役割を全うする為、母たち家族を捨てても、実行する決心をしたのだ。



一方、雪は、人間社会に適合することを選んだ。弟が義なら、雪は「情」だ。情とは、好きな男と生きること、そして、「血を残す」ことだ。女の本質部分というのは、まさにこれなんだ、ということ。だから、転校生に「自分の正体」を明かしたのだ。好きでなければ、転校生を避けたりはしなかった。過度に意識するあまり、「におう」と言われたことが深い傷となり、もっと「嫌われてしまう」ことへの怖れが増大した結果が、あの流血事件を生んでしまった。

女である限り、好きな人と一緒に生きてゆきたい、というのが一番の願いなのであり、人間の男の子を好きになっているわけだから、それは必然的に人間社会に人間として生活してゆく、ということを意味する(死んだ父ちゃんが何故人間社会を選んだのかは、分からない。本を読むとか勉強するのが好きだったから、なのかもしれないが…)。
きっと雪は人間社会でもぐいぐい生き抜けるだろう。母親譲りの逞しさがある。そういうキャラ設定なのだと思う。母から、女性としての生き方を学び、母親が娘に生きる術を伝承するだろう。「狼の血」を引く者としての、人生の乗り切り方を。




そういうわけで、子供には不向き、とか、家族では無理、みたいな意見は、謎ではある。むしろ、子供たちに観てもらった方がよいのではないかな、と思う。ああ、ふしだらな女、というような評価が出るから困る、ってことなのかな?



猪瀬直樹東京都知事は何故排除されたのか~4

2013年12月21日 14時20分23秒 | 政治って?
猪瀬知事の辞任決断について、石原慎太郎が述べたという、東京都の服務規定違反が決め手となった、ということについて考えてみたい。

まず、これと同様の「疑いの目」を向けられた事例があった。それは、元日銀総裁の福井さんの時だった。


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2a43434477afb8f75b6e5622d2ca353c

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0f76fc69a06f8110f5159c54be8b2658


当時、福井総裁は叩かれたものの辞任には至らなかったし、内閣からの総裁解任自由としては採用されなかった。

福井総裁の行為そのものは、外形的に見れば「日本銀行員の心得」違反が濃厚であり、ひいては日銀法違反を構成していると主張できなくもないと思われた。
それはあくまで法解釈とか適用の問題であり、政治的決着としては総理や政権与党がどう判断するか、ということに収束する話であった。福井総裁は守ってもらえたので、辞任は回避されたわけである。


では、猪瀬副知事にとっては、どうであったか。
東京都職員服務規定違反が成立していたと考えてよいのか。

>http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010346001.html

以下、該当部分を記す。


第七条の三
 
職員は、総務局長が別に定める指針に基づき上司が承認した場合を除き、いかなる理由においても、自らの職務に利害関係があるもの又は自らの地位等の客観的な事情から事実上影響力を及ぼし得ると考えられる他の職員の職務に利害関係があるものから金品を受領し、又は利益若しくは便宜の供与を受ける行為その他職務遂行の公正さに対する都民の信頼を損なうおそれのある行為をしてはならない。



猪瀬さんがアウトだったのなら、福井総裁も同じくアウトと言うべきなのではないか。

その他職務遂行の公正さに対する都民の信頼を損なうおそれのある行為

に該当すると言うのであれば、同じく福井総裁だって「服務に関する準則」の第5条、

日本銀行の役員及び職員は、日本銀行の信用を傷つけ、名誉を汚すような行為をしてはならない。

に該当すること間違いなし、のように思えるが。



厳しく言うなら、利息相当部分が猪瀬副知事への「利益供与」ないし「便宜供与」と考えられなくもない。それは、譴責事由となりはすれども、解任事由ないし懲戒免職事由に該当するかどうかは、定かではない。具体的には、減給処分等が考えられよう。


実際、福井総裁は自身の給料の30%を6カ月間返納する、ということにして決着したはずではなかったか。ファンド資金は寄付とした。しかもオリックスが業務執行組合員となっていたファンド組成だったはずで、経済財政諮問会議の議員(福井日銀総裁)と、規制改革会議議長(オリックス宮内)という間柄であったわけだから、信用を傷つける行為といわれても仕方がないことであったろう。
(因みに、財務金融委員会で福井総裁を参考人として質問攻めにしたのは、石原慎太郎の息子(宏高)だった。)

だが、福井総裁は辞めなかったし、総裁解任にもならなかった。



都知事選にいくらかかるか判らないから、今すぐ使わないまでも、とりあえずプールしておいて、実際には使わずに済んだので後から返済したとして、それを政治資金収支報告書の虚偽記載、と言われたら、まあそういうことにもなるかもしれない。

大手マスコミだのテレビ局なんかは、有価証券報告書の虚偽記載だったにも関わらず、自分たちの時には「誤記入」みたいな扱いで訂正して終わり、他人の「誤記入」は「虚偽記載だ虚偽記載だ」と大騒ぎしてバッシング。

05年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/95914ba3686e21a9e8249ed1b0accb53


要するに、都合良く、恣意的に使い分けているに過ぎない。誰だって間違いはあるわけで、事務処理にミスがあったなら訂正するべきだが、何でも「虚偽記載だ」と決めつけるのはどうなのよ。


言ってみれば、税務上の帳簿ミスがあって、それを全部「脱税だ」と決めつけるようなものであろう。間違いがある、そうであれば、ミスを正せばいいだけではないのか。そういう卑怯なやり方が、マスコミの常套手段であり、政治的に失脚へ追い込む為の便利な手口なのだ、ということである。



猪瀬直樹東京都知事は何故排除されたのか~3

2013年12月20日 21時13分51秒 | 政治って?
5)猪瀬知事の討たれた理由は?

これはよく分からない。
東電病院売却話のこじれ、などという軽量級の話ではないだろう。例えば入札逆転を狙って、慶応閥が何かを画策するとしても、猪瀬追い込みまで使うような話ではないから、だ。利益と工作の難しさが乖離しすぎている。


最も考え易いのは、五輪特需に関連する「五輪マネー」の分配を巡る抗争、というものだろう。競技場や選手村の建設・改修工事等々、いわゆる公共事業関連の受注先などで「おいしい蜜」に群がる者たち、というのが出てくる可能性があるわけだから。その配分先で、文部科学省とか国土交通省といった官僚勢力と、東京都知事が衝突したのかも、ということが想定されるが、まだ話が具体的でもないし、そこまでぶつかる理由というのは分からない。予算規模とか事業規模に関しては、組織委員会を設置して以降ではないかと思うし、メンバー選定で都知事権限なんてほぼないだろうから、考え難い。五輪マネー抗争、という可能性はかなり低いのではないかな、と。


他には何が考えられるか?

やはり電力関連かもしれない、ということがある。


どうしてか?
それは、東京電力が本格的に「倒れそうだから」ということだ。東電資金問題というのは拙ブログでも取り上げたが、資金繰りは詰まっている。そして、今後の事業においても、収益構造を維持することは極めて困難だ。それは原発再稼働をしないから、ということだけではないのだ。東電の経営基盤そのものの危機、ということである。


ここで、最も危険な問題が浮上した。

そう、小泉純一郎、だ。


小泉さんの「脱原発発言」は、かなり強力なものだ。そこの猪瀬さんが乗れば、手に手を取って、かなりの脅威をなるであろう、と言う計算が働くだろう。猪瀬さんは元々小泉総理時代に道路公団民営化問題で、最後まで戦い抜く闘士として存在感を示し、猪瀬さんを現在の地位に引き上げてくれたのは、言ってみれば小泉さんのお陰だったから。
その小泉さんが「原発なしでもやっていける」と宣言し、猪瀬知事が共闘することになれば、本当に東電は二進も三進も行かなくなる。これを恐れるのは当然(東電)だろう。


猪瀬知事は、小泉発言が出る前から、東電病院売却問題なんていう小さい話ではなく、「脱東電」を推進してきたわけだから。


新電力構想 13年5月17日
>http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1305/17/news013.html


環境局 13年8月16日 
>http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/08/20n8g200.htm



要するに、東京都は今後東電から電気を買わないよ、と。そうなれば、原発稼働云々ではなく、東電の売上そのものが消滅することになるからだ。そして、これを首都圏全体に拡大しよう、ということだったからだ。これが起こればどうなるか?

例えば東電の売上高が10分の1にまで落ちてしまえば、それは再建計画そのものの根幹が崩壊することになるのである。東京都の方針を急進的ではないものにしてくれ、とお願いしても、首を縦に振らなかったとしたら?
当面、東京都が使う電力の1割が「脱東電」化されて料金が安くなる、と。これを全東京都の施設に拡大されたら、どうなるか?大口顧客が次々と脱東電化を図っていけば、どうなるか?

これは東電倒産計画、と言っても過言ではない、ということだ。真綿で首を絞めるが如く、東電に「死ね」と宣言したも同然だ、ということである。しかも水力発電等売却先を東電以外に選定しよう、というのだから、まさにスマートシティ構想が推進される先にあるのは、東電の破綻、である。


恐らく、猪瀬知事が小泉純一郎の言葉に共感することは間違いなく、これが脱原発&脱東電の動きが加速することにでもなったら、東電擁護派たちは枕を並べて全員討ち死にとなるのは必定であったので、これを何としても阻止する必要があったはずだろう、ということだ。
猪瀬知事を泳がせておいたものの、東京五輪招致成功でこれを背景として思わぬ政治力を獲得されてしまったので、放置しておくわけにもいかず、しかし猪瀬さんは「うん」とは言わなかったが為に討たれたものと思う。



石原慎太郎との会談後に猪瀬さんの辞任決断、ということになったようだが、石原あたりなら「挨拶に行けとは言ったが、カネを借りろとまでは言った覚えはないぞ」とか言い逃れするだろうし、「事後処理をきちんとやるのが政治家の務めなんだから、その失敗の責任はお前自身がかぶれ。そうじゃないと、お世話になった徳田さんにも迷惑かかるし、紹介したオレの顔にも泥を塗ったことになるんだからな」くらいは言うだろうから、ま、ここは一度退け、と説得したんだろう。


猪瀬知事が悪玉の本性の持ち主で、誰に迷惑をかけようと平気で、へっちゃらだぜと言い切れるような人間性だったなら、どれほどの仕打ちを受けようとも耐え抜けたかもしれない。が、基本的に真面目な人なんだろうな、とは思う。


選挙なんかやったことなくて、言われるがままに動いて、良く知らないけど、選挙には大金が必要だからって、用立ててもらえたので、とりあえず自分で用意できない分は貸してくれるって言うからうっかり借りてしまって(寝醒めが悪いから返済はしたけど)、その結果がこうなった、ということだろうね。
だって、選挙までの僅かな時間で、ただの個人に数千万円も貸してくれる銀行があるかな?
普通の人には、用意できるような額ではないだろう、きっと。
だから、猪瀬さんだって人間だもの、うっかり借りてしまったんじゃないんですかねえ。ある時払いでいいですよ、って言われたら、政治の世界はそういうもんなのかな、と思って、そう信じていたのかもしれません。石原親分の口利きなんだもの、信頼するに決まってますわな。


失敗の最大の理由は、猪瀬さんが事態発覚後に「何とか必死で隠そうとした」ということだろうな、たぶん。彼の性格上、隠すのは極めて苦手だったのだ。根が悪玉ではなかったから、だ。悪に染まり切っていた人間ではなかったから、だ。

これをアマチュアと呼ぶなら、一体誰が政治の世界に生きられるのだろう?
それは、心底悪玉の根性を持つ人間、ということなんだろうか。


猪瀬知事誕生は、不本意であったが、このような失脚劇は許されるべきではない、という点において、猪瀬知事辞任という幕切れは無念と言うよりない。


大手マスコミが「ここで終わりにするな、特捜部が追い詰めろ」みたいな論調になるのは、ゲスな宣伝工作の臭いを少しでも緩和してくれ、という時に使う常套句なのではないのかな。



猪瀬直樹東京都知事は何故排除されたのか~2

2013年12月20日 21時08分52秒 | 政治って?
4)「東京電力病院」売却は贈収賄にあたるか

猪瀬知事の最も不幸な部分がこれだ。報道などでも、実しやかに東電病院売却問題が最大の原因だ、といったようなことが言われている。

しかし、その線は猪瀬さんには何の関係もない話だったはずだ。

 ア)東電病院売却決定は12年10月
都知事時代でもない話だし、猪瀬さんが売却を決めたわけではない。

2012年10月1日>http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1221307_1834.html


 イ)東電病院売却手続は、東電の仕事
猪瀬知事が何かの決定権限を利用しようとしていた、ということではない。そもそも売却は東電のやっていることであり、そこには東京都の役割というものは殆どない。しかも東電の競争入札手続きが不透明であること、売却先の選定がどうも怪しい、と報じられたことなどがある。猪瀬知事には関係のない話である。


11月1日フライデー>http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37407?page=2

(一部引用)
入札が行われたのは、今年8月です。合計11の会社、法人が名乗りをあげたと聞いています。最終的に3者に絞られ、競争入札が行われた。

その結果、1位は不動産デベロッパーの東京建物。2位は、医療法人の徳洲会。3位が、同じ信濃町にある慶応大学病院だった。1位の東京建物と、3位の慶応病院では入札価格に倍の開きがあったそうです。東京建物の〝圧勝〟だった」

東京建物の入札価格は、猪瀬氏が指摘した120億円にきわめて近い金額だったという。入札で2位になった徳洲会の広報担当者はこう話す。

「東電病院の入札ですか?ウチは途中で降りました。そこは別に隠さないですけど。今回ご存じのような事態(公選法違反容疑で東京地検特捜部の強制捜査)で、理事長の交代もあり、事前にこちらのほうからお詫びして入札の途中で辞退したんです。入札で、札は入れましたが、10月中旬の決定の前にこちらから降りました。応札価格はノーコメントです」

残ったのは、東京建物と、慶応病院。

「東電は、ホンネでは慶応病院に売りたいんです。東京建物に売ってマンション用地に転用された場合、現在在籍する100人以上の医師をリストラしなければならなくなりますが、慶応病院に引き取ってもらえばその問題も起こらない。東電病院は慶大医学部出身の医師が多く『慶応義塾大学関連病院会』という組織にも名を連ねているほど親密ですし、東電社員への優遇が続く可能性もある。しかし、入札額にこれだけ差があるのに慶応に売れば、東電の経営陣は会社に損をさせたとして株主代表訴訟の対象となる可能性さえあり、頭を悩ませているのです」

東電関係者は別の内部事情も明かす。

「東電がいまだに正式な売買契約を締結しないのは、東京建物が具体的な開発計画を示さないことを理由にしている。東電の幹部のなかには、時間をおいて創価学会に高値で転売されるのではないかと疑う声があります。その確証がとれないというんです」


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しかも、報道で徳州会以外の売却先が既に報じられていた。東電もこれに関して、以下のリリースがある。


2013年11月24日>http://www.tepco.co.jp/news/2013/1232398_5311.html

平成25年11月24日付朝刊各紙における東京電力病院の東京建物への売却に関する報道について
平成25年11月25日
東京電力株式会社

平成25年11月24日付朝刊各紙において、当社の保有する東京電力病院を、東京建物へ売却する方針を固めた(売却する方向で検討している)との記事が掲載されておりますが、本件に関する当社の見解は以下のとおりです。
 東京電力病院の売却に関しては、昨年10月1日にプレス発表を行い、競争入札による売却手続きを進めているところですが、応札者や手続き内容等の詳細については、今後の売却手続きへの影響等を考慮し、回答は差し控えさせていただきます。


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にも関わらず、東電病院売却問題に関して、都議会議員がしつこく無駄に質問している。例えば以下だ。


共産党都議団質疑12月11日
>http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu4/2013/20131211115605_1.html


結論から言えば、都知事選前に請託を受けることもできないし、都知事に東電病院入札手続関連で何の決定権限もないし、口利きも通用してない。東電病院売却話が怪しいというのは、あくまで東電の問題であり、猪瀬さんには無関係だ。入札結果は報道にある通り「東京建物」ではないか。徳州会ではない。
「かんぽの宿」の売却話の時みたいに、結論ありきみたいな「大特価+オリックス不動産」という不透明な結論にはなっていないんじゃないですかね?


それをあたかも猪瀬知事が何らかの取り計らいを行ったのではないか、という疑惑の目を向けさせんが為の、でっち上げ工作に過ぎない。
小沢一郎の陸山会事件と水谷建設の裏金献金事件で「胆沢ダム」工事関連がどう、とか、西松建設の裏金献金とか、そういうのが全部出鱈目に終わったのと同じ。5千万の裏金、というイメージ戦略だけでマスコミを焚きつけて、追い落としたわけだよ。それと同じ手法だ。


東京電力病院の売却手続きに関して、都知事の介入できる部分はない。入札に特別の計らいをしてくれ、とか、他社の入札価格を教えてくれ、とか、そういう「出来レースを組んでくれ」ということでもできないと、贈収賄なんかあり得ない。


猪瀬直樹東京都知事は何故排除されたのか~1

2013年12月20日 21時08分37秒 | 政治って?
当初の目論見通り、遂に猪瀬知事を討つことに成功したようである。猪瀬知事は自ら辞任へと追い込まれた。これを願い、シナリオを進めてきた連中が存在したはずである。そうでなければ、猪瀬知事を失脚させるだけの、これといった理由は思い浮かばないから、だ。
一体誰なのか?
どういう目的だったのか?



余りに哀れな幕切れであった。
猪瀬知事を支持したことは過去一度もなかったけれども、彼がこういう追われ方をすることになろうとは思えなかったし、まるでメディアスクラムと呼ぶべきリンチまがいの「猪瀬の首狩り」手法に、辟易すれども賛同などできないものだった。


こうした失脚劇は、これまでにも目にしたはずだ。小沢一郎が幹事長だった時にも、同様だったであろう?
違ったのは、小沢の時には特捜が先頭に立ってマスコミと一緒にやったわけだが、猪瀬の時には「特捜は目立ち過ぎる」ということで側面支援(徳州会ルート攻め)に徹し、猪瀬を追い込ませたのはマスコミと都議団だったというだけ。

都議連中にしてみれば、これまで何らの脚光も浴びることなどなかったが、今回の件では大はしゃぎになっており、得意満面といったところだろう。最大会派の自公だけではなく野党連中にしても同じ。


猪瀬さんの当初の反応が、素人目に見ても、あまりに狼狽の極みであることが見てとれたわけで、あの震えと動揺具合を見た人は、到底猪瀬知事の話す言葉など信じることができなくなってしまった。毒に塗れた、ふてぶてしい悪人であったなら、何と言われようともポーカーフェイスを貫けたかもしれない。が、猪瀬さんは心底からの悪人なのではなく、むしろ純な偽善者であったのだ。汚れ方が、政治の世界では足りなかったのだ。そういう点において、未熟とか「アマチュア」と言えるかもしれない。もっと穢れていたなら、動ずることなく誤魔化し通せたかもしれない。


1)猪瀬さんは何故徳田家との接点を持ったのか?

これは恐らく石原慎太郎の口利きがあったものと想像する。石原慎太郎と徳田虎雄の関係は、周知の事実だったから。石原が「今度、猪瀬君の面倒を宜しく頼むよ」とか紹介すれば、面会もかなうことだろう。猪瀬さんは、初めての選挙で不慣れだったはずで、とりあえず「徳田さんの所に挨拶に行ってこい、オレも昔から色々と面倒みてもらって大変世話になった人だから」となどと石原が言えば、その通りにするに決まっているもの。猪瀬さん自身にそうした人脈が存在していたものとは思われない。その通りにしてしまったら、今回のような結果を招いてしまった、ということであろう。


2)資金借入は12年11月に把握されていた

猪瀬知事に5千万円が渡った、というのは特捜部が2日後には把握していた、ということだった。
>http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131124/trl13112412410000-n2.htm


これが問題になるということなら、もっと早くから事件化していてもおかしくはなかったろう。慎重に内偵をしていた、ということらしいが、タイミング的にどうなんだろうな、とは思う。要するに、切り札を取っておき、泳がせておいた、ということではないのか。しかも大騒ぎになる以前に返済しているわけで、マスコミに叩かれたから返した、ということでもないように思う。


3)徳田(徳州会)マネーが問題視されたのは何故か

発端は不明である。青木理氏の「トラオ」本は単行本として11年11月には発行されており、週刊ポストへの連載は同年春くらいから続いていた。これまで報道されている徳州会関連の内容というのは、本に出ていたレベルの域を殆ど出ていない。当時から選挙関連のネタは知られており、それは長年手付かずできた、ということだ。
もしもこれが特捜部ネタとして問題視されるなら、石原慎太郎あたりが真っ先にお縄となってもおかしくはないだろう。だが、エージェント石原は安全なのだよ。以前にも指摘したが。石原慎太郎は、どんなことをやったって、何を発言したって、マスコミに抹殺される心配などないのだ、ということさ。

特捜部にしたって、ASLの徳田虎雄氏を本気で起訴し有罪確定としてみたところで、警察病院で全介助の超特級の囚人をどう扱えばいいのか、どう服役させるのかという問題が発生するだけだろう。だから、収監する意味など、殆どないようなものなのだ。言葉は悪いが、徳田氏は既に「脳の牢獄」状態に置かれているようなものだ。十分に閉じ込められた状態に等しい。


だから、本気で徳田虎雄氏の身柄を取って取調べ→起訴→有罪、なんて線はハナっからあり得ないのである。残るは徳田毅氏の公選法違反容疑くらいである。話がとても小さい。


そもそもターゲットとして選ばれたのは、徳田家を直接狙ったものではなく、そこから派生している議員連中の弱味を探し出すためのものだったのではないか。
何故そう考えるかと言えば、今回の徳州会事件が表沙汰で報じられる以前に、亀井静香議員が2000万円を返還していた、ということがあるから、だ。それは12年の夏頃~解散・衆院選の前までの時点で、だったはずだろう。

当時、野田政権であり、増税の賛否とTPP問題、原発問題で日本中が「割れそう」な状況下にあったから。当時の政権はなりふり構わず、反対派粛清のネタを調べるべく、公安や検察権力をフル稼働させたに違いない。行政権力もそうだ。喩えて言えば「銀行に対する金融庁」のような、行政権の圧力を使えるものは全部、ということだ。反対派を潰せる材料はくまなく調べられていたのではないか。


そうすると、どうやら徳州会マネー関連に警察捜査の手が密かに伸びている、ということが分かれば、火の手が上がる前に返還することも考えるはずだろう、と。亀井議員が先んじて返還していたのには、相応の理由というものがあったはず、ということだ。そして徳州会の動きなどをマークしていたからこそ、特捜は僅か2日後には猪瀬知事側にカネが渡った情報が素早くキャッチできたものと思う。副知事だった猪瀬が噛んできたことは、ただの偶然の中で知ったのでは。


もう一つ、徳州会での内紛劇というのがあったらしい。どういう経緯で着服がバレたのかは不明だが、カネの動きを追っていた警察筋からの情報が入って、金庫番が使途不明金を多額に出しているかもしれない、ということが判明したのかも。そうすると、徳田家側としては「解任」という話にもなるのであり、その結果が内紛ということになってしまったのかもしれない。徳田家には、石原との繋がりというのと同じく、何らかの情報網を持っていても不思議ではないわけだから。



特定秘密保護法がTPP交渉秘匿のカギ

2013年12月15日 12時20分27秒 | 外交問題
年内妥結を断念というのが、単に安倍政権のプロレスごっこに過ぎない、と先日書いた(http://d.hatena.ne.jp/trapds/20131211/1386740133)が、そう思わせる記事を見つけた。


>http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/09/tpp-obama_n_4414795.html?utm_hp_ref=tpp


これは多分、『日米だけ』が賛成しているISDSに関する条項ではないかと思われる。
リンク先文書の「investment」の項、以下の部分の記述がある。


The most important issue for the majority of members...is the proposal by the U.S. to apply ISDS to Investment Agreements and Investment Authorisations.The United States,as in previous rounds,has shown no flexibility on its proposal,being one of the most significant barriers to closing the chapter,since under the concept of Investment Agreement nearly all significant contracts that that(ママ)can be made between a State and a foreign investor are included.


...It covers important concessions including mining,administrative or special operating contracts for hydrocarbon exploration,public works concessions(roads,highways,bridges,infrastructure.etc.)and it would override the choice of forum provisions in these contracts...


...Only the U.S.and Japan support the proposal,while the rest expressed their objections to the proposal and have tried toexplore ideas to refine the concept and make some reservations about the choice of forum in contracts,but the U.S. has shown no signs of flexibility...




アメリカ側は強硬姿勢を崩しておらず、日本には当初の目論見通りに「特定秘密保護法案」を準備させた。後は、交渉で「日米共闘」で他参加国を説き伏せろ、ということだ。日本はアメリカ側に付けと命じられれば、逆らえないのさ。それがアメリカに賛同しているのは日本だけ、みたいな状況を生んでいるのだ。



米国側としては、いよいよ妥結の準備に入ったということで、恐らく中間選挙前までに議会を通し、オバマ政権の手土産としたいという思惑でもあるかもしれない。議会通告が90日ルールと120日ルールがあるので、それから逆算すると交渉妥結のリミットが4月か5月くらい、ということになるだろうか。議会審議が紛糾するか、修正条項追加と参加国との調整時間などを考えると、8月くらいには議会での審議が行われている必要がありそうだから。10月には可決しておきたいんじゃないかな、と。


そうした動きの一端が、TPAの話である。

>http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MXRRM86JTSEF01.html

12月13日(ブルームバーグ):日米など12カ国が環太平洋連携協定(TPP)交渉を進める中、貿易促進(ファストトラック)権限をオバマ米大統領に付与する法案をめぐり、米議会の超党派議員グループが合意に達した。上院スタッフが明らかにした。

同スタッフによると、通商協定を所管する下院歳入委員会と上院財政委員会の指導部は13日、政府が締結する通商協定について議会に一括・無修正の承認を求めるファストトラック権限の復活で合意したという。

同スタッフは、来年1月の議会休会明け後に法案が提出され、米国の通商相手国による為替操作の懸念への対応策も盛り込まれると説明。ただ、それ以上の詳細は示さなかった。


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これは、恐らく交渉内容がほぼ煮詰まっている、ということを意味している、というのが拙ブログでの見解である。本当は「年内妥結」と宣伝しておきたかったはずが、予定変更となっただけであろう。特定秘密保護法も整った、TPA準備もできた、後は貿易協定締結という議会審理過程を残すのみ、と。
日本の国会で安倍政権と自公+みんな+維新という、圧倒的多数派が形成されている今こそ、国民を欺き騙せる格好の時期だから、だ。


で、早速秘密指定か(笑)。

>http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/fta.html


どうしても秘匿しておかねばならないんだと。意味が判らんわ。
このページにあるリンク先記事は削除されてしまったみたいだね。しかも削除されたのは、つい最近だ。12月に入って以降はまだ読めていたようだ。けれども、10日前後のあたりで削除されてリンク切れとなってしまっている。


>http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/eco_tusho/tpa.html

この記事がそんなに大事だったのか?
「大統領貿易促進権限」の紹介ページが、なぜ秘匿されねばならないのか?(笑)


米国側の手続き関係がバレると、交渉進展具合を嗅ぎつけられたりして、また「良からぬ反対運動」なんかが起こってしまうから、それを危惧しているのかな?

それとも、アメリカさまの方から、「情報が漏れてるぞ、また漏れてる!」と厳しく突っ込まれたので、慌てて読めなくしようと削除でもしたんですかな?


よく分からんが、兎に角、日本国民には「何も知らせるな、秘密にしろ」ということで、壮大な収奪計画を練っており、それがバレるとこれまでの努力とコネクション形成が水泡に帰するから、ということなのかもしれん。


ここが、従米派どもの正念場、ということなんだろう。


参考:

http://d.hatena.ne.jp/trapds/20131204/1386177794
http://d.hatena.ne.jp/trapds/20131207/1386380840


http://d.hatena.ne.jp/trapds/20130709/1373361028

http://d.hatena.ne.jp/trapds/20130508/1368022822



東電の資金繰り問題~2

2013年12月13日 22時04分45秒 | 法関係
原子力損害賠償に関して、少し前に話題になったようだが。
>http://www.nikkei.com/article/DGXDZO63045780T21C13A1MZA001/

(一部引用)
福島第一原子力発電所の事故後、東京電力の対応が変化したことに関する記述も興味深い。当初、原賠法3条ただし書きにもとづく免責を主張していた東電は、訴訟の乱立による混乱の拡大をおそれ、免責要請を撤回した。その後東電が自ら法的整理を模索するにいたったのは無限責任等の厳格な責任を回避するためであったが、政策担当者は東電の責任逃れを封殺し、その結果、東電の実質国有化が必然化したとしている。

 原子力損害賠償支援機構スキームを構築した官僚たちの役割をやや過大評価しているきらいがあり、支援機構スキームのもつ限界性への指摘が弱い印象を受ける。


=======


元々、東電も銀行団も経産省も、みな「3条但書」を適用させようと必死になっていたのだよ。大手マスコミも、それを支援していた。経団連会長も全銀協会長も経済同友会会長も商工会議所会頭も、みんな「但書適用だ」と豪語していた。

しかし、それはおかしいのではないか、と拙ブログでは考えて、次の記事を書いたわけである。「原子力損害の賠償に関する法律」(マスコミなどでは原賠法と略称される)についての解釈を当方の独断で行い、書いたものである。


11年5月1日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/1172995f571f1114a0ec95a8561f95ca


しかし、4月後半ではずっと適用だ適用だと東電も財界も銀行も大合唱だったので、当方のようなド素人見解を採用することなどあり得なかったろう。オレがいくらそう主張してみたところで、社会の重要部分は別の所で決まるわけだから。

しかし、3条但書が適用されたら、国の賠償義務もなくなって、東電は政府支援を受けれないことは確定となる。銀行団だって、松永次官の口車に乗って緊急融資を2兆円もぶち込んだわけで、これの責任問題へと発展するのは必定だった。


一連の流れは、次の記事で述べた通りだ。

11年5月30日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9ea714985aebe0e17895a536549dbbb4

11年5月31日
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/818059defb70fb1a02a682a3a46509a3


経産省の官僚ばかりではなく、金融庁サイドも銀行に「貸せ」と言った、とされているわけだ。そして、30日の記事で指摘した通り、政治家が介在してない、ということなのだな。


(再掲)
2つの記事を読んで即座に感じた最大の疑問は、この中にはただの一人も「政治家が登場しない」ということだった。
つまり、この国では、重要な案件を相談したり考えたりする時には、政治家なんかには用はない、官僚が即決すべし、ということであろう。
民主党政権になったとて、やっぱり官僚主導国家ということだろう(笑)。
記事を読んでゆくと分かるが、官僚が勝手に思惑で発言したり決めたりして、それに銀行も従うという図になっているわけである。銀行が従うというよりも、本当は銀行サイドの意向を受けて官僚が動いた、ということかもしれないし。
大きな問題なのは、官僚はあたかも”国”を代表してしまっている、ということである。一官僚に過ぎない人間が発言したり、行動したりするわけだが、それがどういうわけか「国が約束した」ということにされてしまっている、ということである。官僚の考え・発言=国(政府)決定というすり替えをまんまと利用されているのだ
。』


前記日経記事書評の橘川一橋教授が「官僚たちの役割を過大評価」と書いているが、現実にあれこれと画策して物事を進めていったのは、恐らく官僚たちだったのだよ。東電の緊急融資決定自体が、まさしくそうだったわけで。

(再掲)
じゃあ、もしも銀行の融資回収に穴が空いたら、松永次官が個人で責任を取って、弁償でもしてくれるとでも言うのか?
口約束みたいにして、銀行に金を出させるというのは、「国が決めたこと」とでも言うつもりか?

金融庁・森、経産省・北川と山下らの官僚が、誰のどういった指示で動いていたのか、ということだ。そこに政治家の存在が、全く見えてこないのである。
官僚の暴走と何が違うのか?



もしも3条但書適用してしまうと、東電に貸し込んだ銀行の責任問題へと発展する。その上、融資を要請(実際には命令にほぼ等しい、ということか。拒否したりすると金融庁検査など公権力でイジメられる)した官僚たちの責任問題にも繋がるわけだよ。それだけは何としても回避しなければならない、と。救済スキームを考えるヤツラは、そういう「責任逃れ」の方策だけはお得意だからな。


5月20日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/33092492068f474ac564f1e201f67e1c


法的に争うべき、とお勧めしたにも関わらず、銀行団はダンマリに戻ったわけだよ。何故なら、火の粉が自らにも降りかかるから、だ。東電は資金繰りにつまり、破綻することは避けられなくなるから、だ。社債償還だって、短期資金だって、銀行融資返済だって、いずれも止まれば倒れるからな。


格付けが5段階も一気に落ちて、倒産同然の企業に多額融資を継続するとなれば、メガバンクさんだって「審査を通す正当事由」というものが必要になるわけ。まさしく「半沢直樹の世界」みたいな話なんだよ。再建計画なり経営計画なりが「妥当性がある」という内容じゃないと、資金回収を避けたらその時点で銀行は背任同然だろうよ。

つまり、法的に銀行が義務違反を回避しようとすれば、「東電が倒れそうにない」という大義名分が必要なのであり、それは「3条但書適用」になってしまうと政府支援が受けられないことが確定となるので、他の理由を探し出す以外にはない、ということなのさ。それは無理に決まっている。


故に、政府支援を前提としない限り、救済はできない、融資継続もできない、というのが不可避なのだ。政府支援の法的根拠はどこにあるかといえば、3条但書の際に適用される17条ではないのだ。


このヘンの話と、救済スキームについても当時書いた。

11年5月19日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/cb090643bc67c17a6424647c89e8f7df


因みに、記事の本文中では、「現状回復未達」とか書いてしまっていますが、これは誤字でした。正しくは、「原状回復」です。そのように読み替えて下さいませ。
電気事業法上の原状回復義務が課せられているのは、あくまで「原状回復」です。


そして、東電が最も恐れたのは、過失を法的に争われたりすることだったはずだ。何故なら、女川発電所や福島第二発電所がメルトダウンを回避できていたのに、福島第一だけが苛酷事故となれば、「操作ミスがあったのではないか、予見可能性があったのではないか」ということを、裁判で検証されることになってしまう。


これを本当にやられてしまった場合、法的責任を逃れられるか疑問の余地があったはずだ。しかも電気事業法64条及び65条違反は確定的となるから。


なので、3条但書適用というのは断念せざるを得なかった、ということであろう。そうじゃなければ、東電以下、経済界全体で反対していたのを、そう簡単に政府が引っくり返せるはずがないもの。今の安倍政権を見てみよ。経団連が絶対反対といえば効力を発揮しとるでしょうが。


津波のせいと言えば言い逃れできると考えていたはずだが、どうも自信がないということで、政府支援を受け入れるしかなくなったのだろう。

5月15日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/8aaa8a97557c3beb09b214366627d347



東電も、霞が関官僚も、マスコミも、銀行も、そういうエリート階層の連中が腐った状況を作り上げたのだ、ということさ。その暴力団まがいの関係は、今でも続いているからこそ、無担保融資の強要ということなんだよ(笑)。



東電の資金繰り問題~1

2013年12月13日 21時10分39秒 | 法関係
最近よく見るニュースは、猪瀬都知事の無担保無利息5千万円融資という、ハメられた報道であるが、これと同じようなことは他でも起こっている。ケタ違いだけどな。

東電さんの資金が底を尽くので、「1兆円ばかり用立てしてくれや」ということで銀行団に無担保で貸せ、と要求をしたんだそうです。


>http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9BA04W20131211

[東京 11日 ロイター] -東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)と政府の原子力損害賠償機構が取引金融機関に対して、来年1月以降、新たに借り換えを迎える融資や追加融資について、一般担保を解除して実行するように要請していることが分かった。

福島第1原発事故の処理に国費が投入されるなかで金融機関も相応の負担をすべきとの国会の議論に配慮したかたちだ。複数の関係筋が11日、明らかにした。

主力取引銀行の三井住友銀行など金融機関は、震災前に実施していた融資を延長する際、通常の債権よりも返済が優先される一般担保付の私募債の形式に順次切り替えている。そのほか、昨年以降の新たな貸出も一般担保付としており、事故前は発行がなかった私募債残高は2013年9月末時点で8156億円に増加している。

国会などでは、私募債スキームは銀行融資優遇だとの批判が出ていた。自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部による原発事故支援提言にも、東京電力の経営再建をめぐり「関係者を含めた東電全体が責任を果たす」と明記しており、無担保融資に切り替えることで取引金融機関にも一定の負担を求めたい考えだ。

東電と賠償機構は主力取引行に対して、来年1月から私募債への転換をやめ無担保融資とするよう今週要請。生保や地銀など他の金融機関に対しては2015年度から無担保への切り替えを要請する方向だ。

12月下旬に実行する融資5000億円分のうち、民間銀行団が実施する約2000億円は一般担保付私募債スキームとなる見通しだ。


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少し前に、みずほ銀行がやたらと叩かれていたことがあったでしょう?ああいうのって、何かウラがあるのかな、とついつい気になってしまうんですよ。金融庁検査で「こってり絞ってやるぜ」という行政権力をここぞとばかりに振るう時ってのは、他の意図があるからだというのは、官僚みたいな嫌味なエリートにありがちなイジメ的手法だわな。
(喩えて言えば、増税に反対してる論者の所には税務調査が厳しく入る、といったようなことを元財務省官僚で有名な人が言ってたようなものですな)


そして、実際に過去にも使われてきた手法だったはずだろう。これはまあ憶測なので、いいか。


以前にも拙ブログ記事で書いた記憶があったのが、コレだ。
11年6月1日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/ad69e76c7d6123f539cea939e87e90e9


当時にもみずほ銀行がシステムトラブルで金融庁から大目玉を食らったんだった。で、今回も似たような展開なんだが、当時と決定的に違うのは「暴力団融資」問題という、あまり目立った失点ということでもなかったのに、どこからかほじくり返されて、頭取が国会にまで参考人招致させられてしまったわけだ。まあ、言うなれば「狙い撃ち」だわな。


そうすると、スズメたちなんかは「アレ?ひょっとして東電への”ゾンビに追い貸し”問題で、首を縦に振らなかったもんだから、痛めつけられたのかな?」なんて、痛くない腹を探る、というようなことがあるわけです。通常の審査を経ない貸出なんてできない、とか、これまで貸出の厳格審査を謳ってきた金融庁方針はどうすんの、みたいな、超「痛いところ」を衝いたりしたのかな、と。だって、無担保で1兆円貸せ、と要求するって、それはどんな暴力団ですかってな話だわ。まあ霞が関なんて、形を変えた暴力団と何ら違いがないんでしょうけどね。


当時、松永経産次官の要請で「事実上の政府債務保証」という出鱈目に応じたわけだから、その時からの”霞が関という名の暴力団”が新たな強請りをしてきても、文句も言えんわな、という話。一度付け込まれると、また、次の要求に応えざるを得なくなる、というのは、暴力団の常套手段だろう?(笑)それと同じようなもんじゃないのかね、ということだ。


そもそもは、安易に銀行団が緊急融資に応えてしまったばかりに、その後の東電処理問題というのがこじれることとなったのだ。本当に「銀行は政府の支配下にある企業ではない」と、原理原則を曲げなかったのなら、資金繰りという点で東電は破綻処理を行うよりなく、マーケットの論理というのを金科玉条に掲げるならそうすべきだったのではないのか。

それを後になってから、銀行は責任ない、政府の言いつけに従っただけ、ということで責任転嫁を行ったに過ぎない。そういう言い草を続けるなら、銀行が債権放棄なり1兆円単位の巨額無担保融資なり、またしても政府の言いつけ通りにやる、ということなんだろうよ。暴力団との腐れ縁は、そう簡単には断ち切れない、というのと何ら違わないようだな。



3条但書の論点に関しては、次の記事で述べる。



軽自動車の増税は「TPP恭順」の証

2013年12月12日 20時09分02秒 | 政治って?
何が何でもTPPを成功させようと必死な勢力が、日本の「アメリカさまの言うことは何でも聞きます、受け入れます」を示したというのが、この軽自動車狙い撃ちの増税なのである。


公明党の動きがどう、なんてのはほぼ関係ない。軽減税率との取引というのも違うだろう。


公明党は、ただ単に「与党にいたい」というだけに過ぎない。その理由でもって、自民党の暴走を全て受け入れてきただけ。最も恐れているのは、「宗教法人課税」だろう。それを阻止できる唯一の方法が、「与党内に残っていること」ということだからだ。


元々は、TPP交渉妥結に必要とされたのが、「日本側大幅譲歩」だったからだ。アメリカ国内の、最も強力な反対派勢力がアメリカの自動車業界と労働団体だったから。


そもそもは軽自動車という「カテゴリー」そのものをなくせ、と言われたが、さすがにその要求は飲めない、ということで(スズキやダイハツ以外の自動車業界全体が反対したから)、軽自動車の優遇措置を減らそう、ということにしたものである。


例えばローマやミラノに行くと、アメ車がどんなに不便なものか、よく判るはずだ。アメリカンなデカイ車は、通れないし、駐車できないし、不都合この上ないのである。そういう交通事情だから、だ。


日本だって、似たり寄ったり。
道が狭いとか、仕方がないのだ。西に行けば行くほど、道路は狭く山坂が多かったりする。体格だって、小さめだし。立体駐車場にも入れないとか。


なので、アメリカンな大型車が必要とされるシーン自体が、極めて少ないのである。それを日本は軽自動車があるので、アメ車が売れないんだ、と言われてしまうと、「それは違うだろう」という話になってしまうわけで。


ただ、アメリカの自動車会社はそれを知っているだろう。彼らが「小型車や軽自動車を作ればいいだけ」と反論されて、そういうことを知らないわけではないから。

かといって、じゃあGM製の軽自動車ね、というようなことにはならない。日本みたいな特殊な事情に合わせて、車を作る、といったことは面倒だし効率的でもないから。



軽自動車に反対とか取扱が不公平といった話は、あまり本質部分とは関係がない。


要するに、安倍政権はTPPを何としても成功させなければならないから、ということで、「アメリカさまのご意見は受け入れますよ」というポーズを示したもの、ということだ。生贄というか、一つの捧げ物、といったものであり、恭順姿勢を明確にしたものというだけである。


日本の企業は、何故そうまでして、TPPを締結したがるのか、不思議でならない。安倍政権もそうなんだが。


それだけの「得るもの」があるから、ということになろう。
一般国民には利益にはならないのだけれど。