そうでしたか。ふーん。なるほどねえ。
そんなに、[サンディエゴ周辺ばかり]で不具合や事故が発生するのが不自然だ、と言われたのが痛かったですか(笑)。情報操作の形跡を消そうと必死になるというのであれば、よく判りますね。
米国以外に国を替えたこと、報道機関も米国とは直接的に関係のない機関が伝えていること、ということで、より「真実味が増す」ということにできそうだ、という胸算用ですかね。なるほど、筋書きとしては良さそうなんですが、意図的に何か情報を操作しようということになると、大抵の場合にどこかに綻びがありそうなんですね、これが(笑)。
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トヨタのカローラ販売禁止 ブラジルの1州、急加速で - 47NEWS(よんななニュース)
(以下に一部引用)
【サンパウロ共同】ブラジル・ミナスジェライス州は22日、トヨタ自動車の乗用車「カローラ」で急加速の問題が報告されているとして、州内での同車の販売を同日から禁止した。スペイン通信などが伝えた。
(中略)
同州当局は、急加速が9例報告されていると指摘。「トヨタ側によると、問題はフロアマットの固定が不十分だということだが、そうした情報が消費者に伝えられていない」としている。
販売禁止の解除については、販売済みの車のフロアマットを交換することなどが条件だとしている。ブラジル自工会によると、トヨタはブラジルでカローラを生産しており、2009年の生産台数は約6万2700台。
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こういう裏付け取材のとても難しい場所を選ぶと、正確な情報を取るのが困難になってゆくので、真偽を確かめる術が失われやすいので、そうすると結果的には当局の発表を鵜呑みにした形で情報を流すよりない、ということになりがちなんですよね。中々、考えてきましたね。
こういう報道を見た人にとっては、アメリカで起ころうがブラジルで起ころうが、同じく「真実だ」と思いこみがちではないかな。事故情報というのは、等価という風に感じてしまう、ということなんですよ。だけど、それが本当にそうなのかどうか、というのは、実は判らないわけなんですよね。
公聴会で悪魔のような大宣伝をしてくれた「神の御加護レクサス」の報告もないし、「サンディエゴのでっち上げ疑惑プリウス」の後日談も完璧に途絶えているでしょう?アメリカだと、こうやって検査結果を出せ、とか要求されるから、ということで選ばれたのは、おおよそ日本の裏側に位置するブラジルなんかであれば「そういう要求をしても答えなくて済むだろう」という計算があるからでしょうね。
姑息な手口を考える人間にとっては、色んなツテというものがあるんだな、ということはよく判って頂けたんじゃないのかな、ということですな。どんどん広がりを見せてゆくわけだ。まさに、「コネの世界」ということを実証してくれるというわけです。
いくつか疑問点を挙げてみましょう。
①ひとくちに「カローラ」と言っても、色々とある
何故か年式とか、そういうのがないわけです。複数モデルでの報告ということかもしれませんがね。ただ単に「カローラ」という車種名を挙げているだけ。日本車って、同じ名前の車でも年式とかが違うとまるで別な車みたいに違うこともよくあるんですよね。
②ミナスジェライス州で走っているカローラは何台?
9例の報告がある、ということらしいですが、多いか少ないかというのは不明ですよね。
参考までに、ブラジル全体でのトヨタ車のシェアはかなり小さい。数%しかない。中でもカローラなんて、売れてる車というわけでもない。上記数字からすると6万台ちょっと、ということで、ブラジルから近隣諸国にも輸出されているから、ブラジル国内で販売される台数はもっと少ない。
あと、ミナス~~州というのは、そんなに裕福な人たちが大勢いるのだろうか、という疑問があるわけである。もっと低価格の車種が売れているだろうし、カローラというのは結構収入が多くないと買えないんじゃないのかな。この州の1人平均GDPは約1万レアルなので、日本円にすると53万円程度しかないわけで。これが年収と等しいというわけではないが、カローラ1台がいくらなのか正確には知らないけど、4万レアルくらいの価格としても年収の4倍とか5倍くらいの車ということになってしまうわけで、そんなに買える人たちが大勢いますかね?
中古とかも含めればもうちょっと多く走っているのかもしれませんが、本当に運転者の過失や責任というものが存在していない、ということについての立証があったんですかね?
「神の御加護レクサス」や「サンディエゴでっち上げ疑惑プリウス」の当事者たちやアメリカの当局ですら、これまで”ただの一度も”そういう立証を示したことがないわけですがね。それでも、史上最高額の制裁金をふんだくるわけですから、こりゃ、「いくらでもタカれる美味しいカモ」ということになりますわな。
③他の州でも全部禁止ということになってない
こういう連邦制であると、州知事とかの力関係とか、ライバル社の工場はあるけど、トヨタの工場もないからどうでもいいや、とか、今後新たな工場建設や投資話なんかが他メーカーから約束を取り付けられるとかであれば、特定自動車メーカーの狙い撃ちに協力加担しても、別に問題なんかないもんね。
要するに、途上国なんかによく見られてきた汚職の構図とか、ワイロがよく効くとか、そういうのと一緒なのだよね。ブラジルがそうだ、とは言わないけれども。
ただ何らかの特定勢力からの働きかけとかがあって、有利な儲け話の約束なんかを取り付けられたりするとか、政治的に何らかの成功や協力が見込まれる場合(例えば大統領・首長選挙とか党内勢力関係とか)には、自らが痛くも痒くもないような時ならやってもいいと考える人たちがいたとしても不思議ではない、ということですね。
恐らくミナス州で走るカローラの台数よりもはるかに多い日本では、マットがずれて加速し続け止まらない、なんて騒動は起こってないんですね。
ブラジル人はどういう気質なのか、というのはよく知りません。が、南米系の人たちって、結構いい加減だったりしますよね。
フロアマットのズレ、なんてお上品な話なんかじゃなくて、建物や隣の車なんかにちょっと「コスる」「ぶつける」なんてことは珍しくなくて、ああやっちまったなという程度で全然気にも留めないとか修理しないとかも普通だよね(笑)。日本だと即事故処理ということで大袈裟(というか通常)になるようなことも、平然と逃げる・過ぎ去る、みたいな。悪意でもなく、それが日常というか普通なんだよ。
そういう人たちが、「急加速だ」とかいう微妙な違いを気にしているもんなんですかね?勝手に修理とかも珍しくないのに、どうしてその車両に改造や修理歴がないというのを証明できますかね?地道に報告をしてくるもんなんでしょうかね?ブラジル人気質というものを、知らんのか?(いや、私もよく知らないんだけどさ)
あと、日本みたいに舗装率が高くて、走りやすい環境ばかりとは限らないと思うけど、悪路なんかも走るのに加速度の違いがそんなに正確に判るもんなんでしょうかね?20年以上前の中古車なんてものは、珍しくなかったと思うけど、そういうのと比べてどうなんですか?(笑)
まあ、情報操作を考える人間というのは、そういう場所を走ることのないような連中ばかりだから、たとえばNYみたいな大都会基準(自分基準)でしか考えることができず、思わぬところでそういう「自分の癖・先入観・既成概念」みたいなものが、うっかり出てしまうもんなんじゃないのかな?(笑)
だから、前から言ってるように、ウソは難しいんだよ。