いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

貿易赤字をどう読むか~切込隊長こと山本一郎の場合

2014年01月30日 16時01分52秒 | 経済関連
ホント、次から次へと、同じような●●の見本が現われるわ。


>https://twitter.com/kirik/status/428128815035219968


二割増えてたいしたことないとか言ってる素人に市場を語る権利はないと思いますが RT @hadomima: 実際にはLNGすら2割前後増えた程度ですし、 http://blogos.com/article/52840/ 続く RT @kirik 嘘ついてんじゃねーよw...

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この前の方のツイートも見たんですが、原粗油の輸入量が減っていることを指摘された時点で嘘ついてんじゃねーよ、みたいに言ってたみたいなんですよね。

でも、データを見たら、本当に原油が減っているのに気付いたので、今度はLNGが増えたんだろ、と言ったわけだな。


で、blogos記事の数値を見たら、「2割程度しか増えてないよ」というような記事内容だったので、「素人に市場を語る権利はない」とまで批判していた、というわけだな。


こういう人がいるから、デマがばら撒かれるんだろうよ(笑)。まんまと、政府広報やマスコミの煽動に引っ掛かる、だからこそ、ヤツらの宣伝工作が続けられるんだよ。だって、「ひっかかりやがったwww、これは効果があるな」って思われるから。


何度も言ったろ?


13年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/92f8a97c06d005fa4924735969e0c51d

同>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/b350e03a2030cd856bf4dd2437f3fbe9



上半期でもLNGの数量は減少してたんだ、って教えたろ。「-2.7%」って、はっきりくっきり書いたですよ。


震災後であっても、過去のトレンドからLNGは増加傾向にあった、という場合、本当に原発停止の影響なのか、それともLNGへの代替が進展した為なのか、ということの区別はどの程度できるのかな?


具体的には、2000年から05年の伸び率との比較で、何故原発停止後の方が「低い伸び率なのか」ということを説明できなければならない、ということだ。


また、2割の増加率だという指摘に対して、市場を語る資格がない、とかほざいているが、だったら05年~10年の増加率がまさしく2割くらいなわけだが、それを「市場を語る資格なし」と言うのかな?


要するに、山本一郎も、思い込みから抜け出せず、政府広報にまんまと釣られて、吹きあがってる口だろうに。所詮は、こんなレベル。
こういう連中に限って、「放射脳」とか他人を批判するわけだが、自分だって間違っているじゃないの。脱原発を批判するのは勝手だが、嘘をつくなと言う前に、自分の嘘をどうにかしろって話。


おめーこそ、「語る権利」がねえんじゃねえのかよ。


全く、●●の見本市が開けそうですわ。



STAP細胞は人間によく似ている

2014年01月30日 12時54分06秒 | 俺のそれ
また素晴らしい研究成果が出たようで、本当によくぞやってくれた、と多くの国内研究者たちに希望と勇気を与えたものと思います。


それにしても、ストレス環境下で幹細胞に変わるというのが、まるで人間のようでとても面白い。

>http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/14/140130_stap.html




これに近いのが、人間の転職とかだな。
リーマンショック後に、投資銀行からスタンド店員やマクドナルド店員になったという話を思い出した。


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4a179a2882353c1a11bef530d1f50816


もしも、完全に自由な環境であれば、食うに困った人が仕方なく時給が安くてもいいから仕事をさせてくれ、と頼むかもしれない。リーマンショック後に、投資銀行で勤務してきた有能な人が、ガソリンスタンドの店員とかマクドナルドの店員として働いたりしただろう。あれは労働者の能力や先行投資額には無関係に、「背に腹は代えられない」ということだけで起こるわけだ。



銀行破綻、金融危機、といった強度の「ストレス環境」下になってしまうと、専門化した職業(投資銀行など)=分化した状態から他の「何にでもなれるよ」状態、すなわち未分化な状態に戻ったかのようだ、ということ。生き延びる為には、やむを得ないということなのかもしれない。


また、TPPの反対理由として挙げたのも、やはり同じような意味合いからだった。
何にでもすぐさま転職できる労働者なんて、現実には殆ど存在しないから、だな。


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/1fa50fa46637f335a86e9999b4171e0a


細胞では、所属する臓器や組織の特徴を持つわけだが、元々は「幼若な」未分化細胞から始まる。人間の子供と一緒で、将来どんな職業の大人になるか、まだ決まってません、ということだ。これが未分化、ということだ。けれども、段々と周囲に馴染んで、分化が進むと特定の機能や特徴を持つ分化した細胞になるわけである。各臓器などの基本的機能や構造を支えるのは、こうした分化した細胞だ。

あたかも、人間の職業が、警察官、バスの運転手、農家、教師、みたいに「定まってゆく」ようなものなのである。社会を支えるのは、こうした職業人だ。細胞とよく似ているのである。

中には、一度特定の種類の細胞になっても、幼若化が起こって別な種類の細胞になったりするものもある。人体というのは、うまくできていて、困った時なんかに、そういうリカバリー機能が働くようにできているのである。だから、人間の転職みたいに、細胞も別なものに変化することもあったりする。こうした部分も、人間社会とよく似てるな、と感じるわけである。


経済学の想定している労働力というのは、言ってみれば「未分化細胞」という存在以外は認められていない。転職コストや移動コストというものが観念されていないので、誰でも何にでもなれて、同じように機能できる(働ける)、ということが前提とされているのだ。





けれども、瀕死状態に置かれてしまえば変われる、ということは、多くは死滅する(=適応できず失業などに陥る)が、苛酷なストレスに打ち克って「変化できる細胞」が存在する、と。そういう労働者は確かに強くて、他の業種にでもスイスイと転職できるのかもしれない。そのような労働者が全くいないわけではないだろうから。


現実社会では、そういう適応はかなり難しいものと考えるべきだろう。
しかも、体の中のごく一部の局所的な反応がそうなだけであり、全身全部が「STAP幹細胞」みたいなものになってしまった場合には、生体は維持できない。


経済を人間に喩えるのが根本的におかしい、ということは、あるかもしれない。

ただ、複雑な社会というものがまるで人体に似ており、人体の仕組みから何か分かることがあるのであれば、一考の価値があるのではないかと思えるのである。



アメリカの債務危機の度に訪れる「他国の危機」

2014年01月30日 01時20分10秒 | 経済関連
さて、皆さんお忘れの頃かもしれませんが、再びアメリカさまの債務上限問題の期限がやってまいりました。


>http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304402204579337480043928064.html?dsk=y


【ワシントン】ルー米財務長官は22日、議会が2月末までに債務上限の引き上げか凍結に動かなければ、その時点で政府の借り入れ能力は尽きるとの見通しを明らかにした。2月末は、同長官が以前公表した控えめな方の予想期限に一致する。

 長官は、財務省の最新の予想期限を記した議会宛ての書簡で、「この見通しはもともと変わりやすいものではあるが、緊急措置を長期間維持するような合理的筋書きは見込めない」と述べた。

 議会は昨年10月、政府の債務上限を2014年2月7日まで凍結することを承認した。債務上限凍結が失効した後も、財務省は緊急措置を用いて資金の借り入れを継続することができる。ルー長官は12月、議会に対し、こうした措置は2月末か3月初めに全て使い果たすと伝えた。長官の22日付書簡によると、新たな資料で、政府の選択肢が2月末に尽きる可能性が高いことが明らかになったという。

 ルー長官は議会に対し、できるだけ早く、「そして必ず2月末よりも前に」債務上限について行動を起こすよう求めた。

 政府にはこれまでほど柔軟性がないと述べ、その理由として、2月には多額の税還付があるため、不透明感が高まるほか、借り入れ能力を長く維持させるために使える手元現金も減るからだと説明した。債務上限をめぐる与野党間の攻防が展開されたのは直近で11年後半と13年後半だが、当時の財務省は現金を備蓄したり決定を延期したりする力がもっと強かった。

 議会では債務上限への対応をめぐる議論が休止していたが、ルー長官の書簡をきっかけに息を吹き返す可能性がある。民主、共和両党は、正確な妥結期限がいつなのか当惑を見せている。両党はこの数年、債務上限の延長や凍結にあたって期限ぎりぎりまで交渉を続けることが再三あった。特に税制や歳出政策などをめぐり広く議論が巻き起こっている中では、これは依然として政治的に不評な策だからだ。

 一部の共和党議員は、来週のオバマ大統領の一般教書演説が終わった後に、債務上限にどう対応するかについての交渉戦略を話し合って決めるつもりだと述べている。


 議会が2月末までに債務上限の引き上げか凍結に動かない場合に状況がどうなるかは定かではない。おそらく、財務省の手元にある現金を使うことで、一定の期間は政府の債務返済が滞ることはないだろう。しかし、この資金は長くは持たず、数日か数週間で尽きるとみられ、そうなればホワイトハウスは、一部の支払いを延期したり優先したりするなど、もっと思い切った手段を講じるかどうか決定せざるを得なくなる。

 米政府の債務残高は1月17時点で17兆2250億ドル(約1803兆円)。政府は財政赤字を抱え、歳出が歳入を上回っているため、債務水準は上昇し続けている。


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昨年10月にどうにか延長した上限問題ですが、政府機関閉鎖で痛い思いをしたというわけです。

で、2月7日にその期限が迫っておりますから、僅か1週間しかないので、どうやって世界の目をそらして誤魔化すか、ということの算段がなされたのかもしれません。


その一つが、アルゼンチンやトルコなどの通貨危機、の過剰演出でしたか。

>http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJEA0N00Q20140124


これはドル買いを呼び寄せる為の、工作と見ることもできるかもしれません。
実際、インドやトルコなどは利上げなどで対応したりしましたよね。


これも世界中には大したインパクトを与えなかったので、他にも手を考えたのでしょう。

だって、もう欧州危機の手は使い古されてしまったし、ギリシャだギリシャだと騒ぐのも裏がバレてしまったので。
残るは、大した場所がなかった、ということでしょうか。


>http://sankei.jp.msn.com/world/news/140129/amr14012911430006-n1.htm


爆笑だわ。
高々7兆円くらいの財政破綻で世界経済危機だって?

そんな影響があるわけなかろうて。
だったら、東電が破綻したら世界経済は終わるのか、っての。


たとえプエルトリコのカネ詰まりが発生したとしても、影響範囲は極めて限定的。
最も影響を受けそうなのは、アメリカさま、というくらいでは。


アメリカの金利が3%水準に行ってたのに、それが逆戻りになってしまったでしょう?


あれも、どう見てもおかしいんですわ。
アメリカ経済が企業業績が良くなって(だから株高なんだろう?笑)成長率もそこそこ、失業率も改善してきた、住宅価格も戻った、ということなんだから、金利は上がるはずだし、FRBが更に米国債買入を減らしてゆくに決まっているだろうに。


なのに、新興国やプエルトリコでは、なぜかここに来て、いきなりの危機発生と。

期限まで1週間、アメリカさまの借金は16兆3940億ドルの上限を約8千億ドルも超過しての、17兆2250億ドルと。10月から僅か4か月しか経ってないけど?


だから言ったろ?
アメリカのインチキ経済、って。


さて、そのインチキ手法もいよいよ手詰まりとなってきたか。
アメリカに金を貸せるのは、どこにいる?
1800兆円だぞ?


デフォルトなら、格付けが見ものだな。



貿易赤字をどう読むか~補足編

2014年01月29日 16時11分39秒 | 経済関連
昨日の続きというか、他にも疑問の記述を見たので。


問題の部分は例えば以下の記述。

>http://blogos.com/article/78982/


ロイターは日本の昨年12月の輸入額が前年比で24.7%上昇したことを挙げ、そのおもな要因は「2011年の福島の悲劇で喪失した核エネルギーを補うための化石燃料の需要増」だとしている。WSJは、原発停止により化石燃料の需要増に歯止めがきかない状態になっており、アベノミクスによる円安がさらにその輸入コストを上げていると指摘した。

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各メディアの元記事が分からないのであるが、「原発停止が原因」で「化石燃料需要増大」が起こった、それを危険視している、というようなことらしい(検索見出しのダイジェストにはそう出ていた)。


12月単月のLNGの大幅な需要増がどういう理由だったのかは不明だ。当方は何らかの特殊要因でもあったのかもな、くらいしか見てなかった(昨日の記事で指摘した通りに11か月間の数量は12年以下だったからだ)のですが、ロイター記事ではそう考えなかった、ということかもしれません。ま、12か月の通年であっても、前年比0.2%増なので誤差の範囲としか見えないですね。


また、WSJの「化石燃料の需要増に歯止めがきかない状態になっている」という元記事が発見できませんでした。英文をくまなく探さないと分からないのかもしれません。当方は有料会員ではないので、見つけられないです。英語も分からないし。


ただ、需要増に歯止めがきかない、というのは本当ですかね?

昨日記事でも指摘しましたが、原粗油の数量は「年々減少してきている」というのが事実です。それが歯止めなし、とはこれ如何に?
出鱈目では。


LNGの輸入数量についても、前年比微増でしたので、趨勢的には「頭打ち状態」のようにしかみえなませんね、という話です。


具体的に数字で示しましょう。


2000年のLNG輸入量(千KL)を1とした場合、05年、10年、13年はどうなっているか、ということです。


  2000   1
  2005   3.85
  2010   4.65
  2013   5.81

さて、増加率は、05年時点が大幅増であり、伸び率最大ですな。3.85倍ですので。つまり、原油からの代替が進んできた、というのが趨勢ということでは。それが普通の解釈かと思います。家庭用のエネファーム等普及などもあるかもしれません。


それ以降、05→10年では+20.8%、10→13年では+24.9%、ということでしたので、震災後の「LNGの伸び率は原発停止の影響があったはず」ということはあるかと思います。ただ、12→13年では+0.2%に過ぎませんので、需要増の効果も大幅減速、と見るのが普通なのではないですかね。因みに、13年が5.81なら12年は「5.811」くらいの違いでしかありませんよ、ということを昨日に書いたわけですよ。

それも、何故だか12月に限って、12年で最大の伸び率だった、という不可思議現象、と(笑)。
演出の一環か何かですかね?と勘繰りたくなる気持ちも分かるでしょう?
で、バカばっかりのマスコミの記者諸君なんかだと、まんまとそういう公式発表に引っかかってしまう、と。


ただ、WSJが本当に上記のような評価をしたのかは、確認できなかったですね。日本語版の社説でも、そうは言ってなかったので。


政府の言いなりになってまんまと工作にハマるのは、日本の新聞だけなのでは?と思ったりもします。


いずれにせよ、原粗油は減少、LNGはほぼ同じ、というのが事実。


まんまと騙されるバカが大勢いるようで、日本の識者ぶってる連中のレベルというのはアレですな。




拙ブログで昨年3月~4月くらいに記事に書いていたのは、そう外れてはいなかったでしょう?
数字を拾って見る、これだけですよ、やっていたのは。


自工会にも事実を何度もお伝えしましたよね?

3/23>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d5610ce97d98926d193a365c697ad56f

4/18>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4a8b46e55724c67645042a3d98a9df51


で、12か月経過してみたら、やっぱり結果はマイナスだった、ということですわ。
原粗油の為替要因で価額増大、というのも指摘した通り。


なおかつ、輸出額の9割が大企業による、ということも、だな。

4/4>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/90d5a3d04c860a8d5e9289283a6d3d0e


要するに、輸出系大企業を救済せんが為の策に他ならない、と言ったわけ。
大企業が唯一できることは、日本国民全部に恩返しすること、それだけである。

それが何だか、未だに分からんのか?


恥知らずどもめ。
傲慢企業の連中に、どうせわかるわけがないか。強欲だからだな。



以前にも、考えたことがあるんだよ、勿論。
結果的に輸出系企業を救済することになってしまうかもしれないが、過去の実績や企業家たちの人間性を信じようじゃないか、ということで、ある程度の協力は仕方がない、ということだからだ。デフレ脱却の為には、乗り越えねばならないプロセスだから、だ。



08年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/8dc8ae436af93af4d85305fc9fa92b98


(再掲)

こうして、円高の時には国内で変動分の吸収努力を強いられ、円安になれば更に価格を下げる努力をせよ、みたいなことになってしまうので、国内労働者の賃金には利益増加分があまり分配されてこなかった、ということでしょう。

しかしながら、現在の輸出減速というのは、円高だから、という要因ではないでしょう。もし円高で販売価格に増価した分を転嫁していたのであれば、これまで3ドルで販売していたものを例えば3.6ドルにする、といった値上げとなります。その値上げのせいで需要減少となるので、売上高減少をもたらすということですね。そうではなくて、これまでと同じ3ドルで販売しているにも関わらず、売れない、ということに他ならないのではないでしょうか?何故売れないかというと、金融危機に端を発する世界規模の需要減少ということでしょう。輸出企業はこうした事態を打開しようとして、値下げに踏み切るわけです。売れないから。3ドルで販売していたものを、2.5ドルでもいいから売ろうとするわけです。そうすると、販売数量は落ちている、単価も落ちている、円高になっている、ということで、3重苦にもなっているようなものなのです。派遣社員や正社員を整理する、新卒採用を取りやめる、といった雇用への影響の最も大きな要因というのは、「売れないから」ということが原因であり、それは世界需要の減少ということに他ならないのではないでしょうか。最大の落ち込みとなっているのは北米であり、9月以降には欧州に広がったということはあるかと思います。


実際の企業決算を見ると、新日鐵では原材料コスト上昇要因が約1.04兆円と最も大きなマイナスであり、販売価格への転嫁等は約8400億円に留まっています。他の部分でコスト吸収努力をしているわけです。利益減少の要因として最大なのは、結局原材料高ということです。円高の影響を受けやすいとされる、輸出依存度の高い企業の代表的なソニー(約4分の3が海外)はどうなのかといえば、中間期の売上高は円ベースでは微増で、最も大きく減ったのは「日本国内」の売上高でした。北米の落ち込みもそこそこ大きかったのですが、必ずしも円高だから減ったということではないでしょう。経済危機による「消費減少」ということが一番でしょう。欧州、アジアや中東などのその他地域が増加していた為に、円ベースでの売上高は増えたのですよ。下半期はその他地域にも翳りが出るでしょうから、更に落ち込む可能性がありますが、円高というのは、ダメージとしては致命的ということにはなっていないでしょう。そもそもソニーの場合には金融部門に手を広げていたので、そこの利益が減ったこともありますし。円高で利益が減る、というのはその通りですが、雇用に響いていくという水準だと、それは為替要因のせいとまでは言えないのでは。
(因みに、製造業における日本企業の海外子会社の従業員数は、アジア地域で約440万人程度といわれ、海外労働者の雇用者数が増加していく代わりに国内労働者が削られていくという傾向は、今後にも続いていくのではないかと思われます)


じゃあ日本はどうしたらいいのか、ということになりますが、上で見たように輸入額が減少するわけですから、国内の消費余力はその分改善しているはずなのですね。例えて言えば、ガソリン代が先月までは1万円かかっていたものが6千円になる、暖房費が3万円だったものが2万円になる、といったようなことです。円安時代に輸出企業だけが受けてきた利益が、他の部門に移転されたに過ぎませんので、その分配先を変えていくことが必要ということになります。もしも民間ではそれができない、ということなら、政府がやるということになってしまいます。今の環境下ではできませんけれども、増税して再分配能力を高める、といったようなことになりますね。日本全体で見れば、交易損失がなくなることの方が、有利なことは確かです。


=========


当方にとって、経団連を信じることなど到底不可能。

彼らが日本に何をもたらしたか?
そして、今も日本を売り渡す算段をやってるんだぞ。
クズどもの利益だけを最優先なんだぞ。


かつては存在してきた、偉大な日本の企業人など、絶滅したのだよ。
その結果が、今の体たらくだ。


日本人よ、いい加減に、目を醒ましてほしい。



貿易赤字をどう読むか~堀義人の理解レベル(爆)

2014年01月28日 12時37分05秒 | 経済関連
アベノミクスで為替安を招くことは明白であったわけであり、その結果が輸出企業への大規模な所得移転効果をもたらす(http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/92f8a97c06d005fa4924735969e0c51d)、というのも同じ。ただ、経団連をはじめとする輸出比率の高い大企業が経済成長を牽引するとかいう話は、そう簡単ではないということである。



13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/11f22933f9ba2c7b2c38e9f2722dc176
13年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f85561cf30aca58da732150d38c02358


マスコミの無節操ぶりにも閉口するわ。
13年4月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/359675cf87571105e47291e80ec66e30


自動車は輸出の伸びで日本経済を支えたか?下請け企業にどんな貢献ができたのか?

13年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d5610ce97d98926d193a365c697ad56f


ハイ、残念な予想が当たってしまいましたな。
思ったよりも伸びなかった、どころか、マイナスだったもんね、乗用車の台数ベースで。
‐1.2%だったわけですわ。何と、500万台割れの4981915台でした。
何が、「円高だから」だ。
円安になっても増えてない、というかマイナスだろうに。為替が同じ条件だったら、利益が減っていたかもしれない、ということですな。


ということは、「円高だから」とほざいていた自工会だの経団連だのの連中の言い分は、出鱈目だった、ということでいいですね?(笑)
お前らの実力が如実に判明して良かったな、オイ。
ウソ吐きのペテン師紛いばかり、ということなのに、どうして彼らの言い分が政治的に最優先されねばならないのか?


日本経済が沈んできた最大の理由は、こういう愚か者たちの言い分を聞いてきたからではないのか?



それから、原発が停止しているから、今年は燃料需要が増大して貿易赤字拡大原因となったんだ、みたいなことを言う連中がいる。


それはどうなんだろうな、と。
2012年と比べて、LNGは数量ベースで0.2%しか増加していない。
しかも、1~11月では、前年より少なかった。12月単月が何故か昨年比20%超の大幅増加となって、最後の最後で前年を上回ったんだよ。7705(千KL)だったのが、8085と大幅増だった。どうしてかな?
何か特殊要因(超バーゲンセール?それとも書類上の手続日付で調整とか?こっちがチェックしていることをヤツらは知ってるからな)でもあるかもしれない。そういう場合、1月の数量が減ることが多いので、年度毎の比較で見てみるとやっぱり前年と大差ない結果かもしれない。


原粗油に至っては、又しても前年割れ。‐0.6%でしたよ?
つまり原発が止まっている方が原粗油の輸入量が減少した、ということである。原発が全国的にフル稼働していた2010年との比較でも、1.35%減少したんですわ。勿論、全部が全部発電用ではないからね。

石油とLNGの赤字幅拡大の最大要因は、価格上昇と為替(円安)である。原発停止が決定打というわけではない。
LNG輸入量は過去の伸び率が比較的高かったので、8%前後の増加率は珍しくはなく、震災後には勿論大幅に増えたわけだが、遂にその伸び率も頭打ちとなってきたかもしれない。2005年以降では、リーマンショック後の09年にマイナスの伸び率を記録して以来の、最も低い伸び率だったということ。1%未満なんて、それくらい珍しいことだった、ということである。


石炭は、増えてる。ベース電源として最も活用されるのが石炭火力だからな。原発の代替ということになれば、石炭比率が上昇することが予想されるわけで。2010年比でもやっぱり3.89%増加していた。金額ベースでは、昨年比で0.9%減少(数量ベースでは3.5%増)だったものの、10年比では約1900億円増加となっていた。ま、石炭の輸入代金は昨年より減った、ということは確かだ。

石炭需要は鉄鋼需要などにも左右されるかもしれないが、発電用が増えていたとしても2000億円くらいである、ということだ。原油は減ったのに円安が効いて大幅増、LNGも数量ベースではほぼ同じだったが、やっぱり金額で大幅増。


まあ、こうした結果をもたらすことは、想定内だった。
問題は、最大恩恵を受けた大企業が何をしたか、だ。彼らの実力は、明らかだ。主力とされた乗用車に至っては、500万台割れを達成して頂きました。海外移転効果のお陰ですね。


これでデフレ脱却と名目成長率のプラス幅拡大が軌道に乗らなかったら、何の為の経済政策であったかということになる。消費税増税で輸出還付金をたっぷり受け取れる大企業だけが、うまい汁を吸い続けることになるのだ。


日本が復活できる道は、国内産業が輸出企業の伸びよりも高い賃金水準を得るということだけである。日本国民全部が、寄生虫のような輸出企業の為に何十兆円もの犠牲を強いられたんだ、ということは覚えておくべきであろう。これは原発停止のせいなどではない、ということだ。



追記:

検索してて、腰が抜けそうになるくらい、驚いたわ。

>https://twitter.com/YoshitoHori/status/427784285819375616


堀義人さんって、どこかの大学の偉い人?らしいんですが、目の前にある一面的な捉え方しかできないんだろうね、きっと。

爆笑ですな。

文句があるなら、安倍総理に言ってやれよ。
アベノミクスのせいで、貿易赤字が増大しただろう、って。



続・法学者は信頼に足るか?~安念潤司中央大教授の場合3

2014年01月27日 21時10分11秒 | 法関係
更なる発見があったので、追加。


>http://diamond.jp/articles/-/47399?page=6


バカの一つ覚えで同じ話の繰り返しになるが、賠償・除染の費用を東電が負担する法律上の根拠は、今もって何ら明らかにされていないのである。よく知られているように、原子力損害の賠償に関する法律第3条は、原子力事故にかかわる損害について電力会社(同法の言葉を使えば「原子力事業者」)に無過失損害賠償責任を課すとともに、「異常に巨大な天災地変」の場合に、その責任を免除している。

 同条の解釈は民法709条の不法行為の規定の特則であるから、その解釈適用については裁判所の判断を仰ぐしかないが、福島第一の事故に関する限り、最高裁はおろか地裁段階の判断さえ得られていない。法的にいう限り、東電の責任の有無・範囲は未確定のままなのである。


========


全く、法学者で弁護士というのは、ダテか?
まだ「原賠法3条但書」のことにこだわっているのか?


まあ、「異常に巨大な天災地変」に該当するか否か、というのは見解に相違があるやもしれぬ。だから、巨大だった、と主張することは許そう。


しかし、ウソはいかんな、ウソは。

当然ながら、「地裁段階の判断さえ得られていない」というのは、間違っている。



12年7月19日には東京地裁判決が出ていた。
で、政府見解は妥当、という判決だった。当時の朝日新聞には、次のように記事中に書かれていたようである。

(一部引用、元記事のへリンクは朝日デジタルでは切れています)


東日本大震災は異常な天災とはいえず、原発事故を起こした東京電力は事故による被害の賠償責任を免れない――。

こうした政府の見解の是非が争われた損害賠償請求訴訟の判決で、東京地裁(村上正敏裁判長)は19日、見解は「適法」とする判断を示した。今回の原発事故での免責をめぐる司法判断は初めて。

原子力損害賠償法には「異常に巨大な天災地変」で損害が生じた場合、原発事業者は免責されるとの規定がある。原告は東電の株主である東京都内の弁護士で、東電に責任があるという前提で被災者への賠償などを進める政府に対し、「今回は免責される場合にあたる」と主張。東電内部や経済界にも同様の見方があり、司法判断が注目されていた。

判決はまず「免責が軽々と認められるようでは、被害者の保護が図れない」と基本的な考え方を示した。続けて、今回の東日本大震災では免責されないとした政府の見解が違法かどうかを検討。地震の規模(マグニチュード9.0)や津波被害を原賠法施行後に起きた過去の大地震と比較し、規模や津波の高さが1964年のアラスカ地震(同9.2)や2004年のスマトラ沖大地震(同9.0)を上回っていないと指摘。

「免責されるのは、人類がいまだかつて経験したことのない全く想像を絶するような事態に限られる」 とした政府の見解には合理性があると結論づけた。



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訴えたのも弁護士だったわけだが、安念教授も弁護士なんでしょう?
せめて、東京地裁判決があったことくらいは、常識の範囲なんじゃありませんか?

下級裁レベルでも判断が出てない、って?


これでも弁護士か。
こんなのでも、法学者として教授が務まる、と。ふーん。そうですか。




続・法学者は信頼に足るか?~安念潤司中央大教授の場合2

2014年01月27日 18時19分25秒 | 法関係
ちょっと遅くなりましたが、つづきです。


3)「新規制基準」の適用後

安念教授は、本当に原子炉等規制法を読んだのだろうか?
改正原子炉等規制法においても、原発停止の理由は明白であろうと思うのだが。普通に読めば一目瞭然になっているとしか思えない。

まず、許認可取消権の行使、これは発電用原子炉設置者(旧法上で既に設置許可を得ている)の運転停止どころではなく、廃止措置を求めるものであるから廃炉にせよ、というのと同義と考えてよいだろう。そこまでの強権発動なんて、いきなりは難しいだろうに。高度な政治的決定が必要とされる。
停止命令についても、通常の考え方であれば、最初から命令なんてあるわけない。しかも、停止している原子炉に停止を命じても意味などない。あっても、行政指導という形式をとるだろう。


次に、事業者側が原子炉を運転しながら申請を出しても何ら問題ない、という安念教授の意見についてだが、それは無謀としか思えないわけである。本当にそんなことをすれば、今度こそ停止命令を食らうであろうな、と。


許認可取消ないし停止命令の条文は以下。


○第四十三条の三の二十  
原子力規制委員会は、発電用原子炉設置者が正当な理由がないのに、原子力規制委員会規則で定める期間内に発電用原子炉の運転を開始せず、又は引き続き一年以上その運転を休止したときは、第四十三条の三の五第一項の許可を取り消すことができる。
2  原子力規制委員会は、発電用原子炉設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、第四十三条の三の五第一項の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めて発電用原子炉の運転の停止を命ずることができる。
一  第四十三条の三の七第二号から第四号までのいずれかに該当するに至つたとき。
二  第四十三条の三の八第一項本文の規定により許可を受けなければならない事項を許可を受けないでしたとき。
三  第四十三条の三の八第四項後段の規定に違反し、又は同条第六項の規定による命令に違反したとき。
四  第四十三条の三の二十三の規定による命令に違反したとき。
五  第四十三条の三の二十四第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。


(以下略)


例えば、43条の三の二十第2項第四号にある、「43条の三の二十三」規定違反の場合、というのは、次の条文である(旧法36条とほぼ同じ意味合いである)。


○第四十三条の三の二十三  
原子力規制委員会は、発電用原子炉施設の位置、構造若しくは設備が第四十三条の三の六第一項第四号の基準に適合していないと認めるとき、発電用原子炉施設が第四十三条の三の十四の技術上の基準に適合していないと認めるとき、又は発電用原子炉施設の保全、発電用原子炉の運転若しくは核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物の運搬、貯蔵若しくは廃棄に関する措置が前条第一項の規定に基づく原子力規制委員会規則の規定に違反していると認めるときは、その発電用原子炉設置者に対し、当該発電用原子炉施設の使用の停止、改造、修理又は移転、発電用原子炉の運転の方法の指定その他保安のために必要な措置を命ずることができる。
2  原子力規制委員会は、防護措置が前条第二項の規定に基づく原子力規制委員会規則の規定に違反していると認めるときは、発電用原子炉設置者に対し、是正措置等を命ずることができる。



非常にかいつまんで言うと、
・技術基準不適合
・原子力規制委員会規則違反
の場合には、諸々の「命令できる」ということになっているわけだ。
で、命令に従わない場合には、「43条の三の二十」の取消か1年以内の原子炉停止命令が発動可能、ということ。

技術基準適合要件は、以下の条文による。
○第四十三条の三の十四  
発電用原子炉設置者は、発電用原子炉施設を原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。ただし、第四十三条の三の三十二第二項の認可を受けた発電用原子炉については、原子力規制委員会規則で定める場合を除き、この限りでない。


技術基準に不適合かどうか、は、原子力規制委員会の判断に委ねられる、ということになる。つまり、原子力規制委員会が「技術水準を満たしております、適合しています」と認めない限り、原則的に「運転はできない」。
もしも「合格だよ」と原子力規制委員会が言ってないのに、事業者が勝手に運転をしてしまったら、どうなるか?
それは「43条の三の二十三」に基づく命令が発せられることを招く。命令には、使用停止、運転方法指定などがあるわけであるから、当然に「運転は停止」ということも含まれるに決まっている。停止命令に従わない場合には、やはり43条の三の二十による「取消」か1年以内運転停止という行政処分が下される。


つまり、現状において「停止命令」が発動されていないから運転していい、という主張そのものが根本的に誤っており、原子力規制委員会が「合格です」と認定しない限りは、運転できない。許可がないのに運転した場合には、必然的に「43条の三の二十三」の命令発動を招くこととなり(但しこれを発するかどうかは行政側に委ねられる)、それを無視すれば取消か停止命令、ということ。


では、技術水準不適合か委員会規則違反というのは、どういう場合に考えられるのだろうか。

福島原発事故後に、各電力会社が事故対応の為の構造、設備、施設などの追加を行ったはずであろう。こうした変更や工事自体が、そもそも原子力規制委員会の許可か届出が必要なのである。工事許可の条件はここでもやはり「技術基準の適合」が条件なのであり、またその審査期間が延期される場合もあり得る(43条の三の八第7項)。


たとえ工事許可が出て実施できたとしても、使用前検査に合格する必要がある。

○第四十三条の三の十一  
第四十三条の三の九第一項若しくは第二項の認可を受けて設置若しくは変更の工事をする発電用原子炉施設又は前条第一項の規定による届出をして設置若しくは変更の工事をする発電用原子炉施設(その工事の計画について、同条第四項の規定による命令があつた場合において同条第一項の規定による届出をしていないものを除く。)は、その工事について原子力規制委員会規則で定めるところにより原子力規制委員会の検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。ただし、原子力規制委員会規則で定める場合は、この限りでない。
2  前項の検査においては、その発電用原子炉施設が次の各号のいずれにも適合しているときは、合格とする。
一  その工事が第四十三条の三の九第一項若しくは第二項の認可を受けた工事の計画(同項ただし書の原子力規制委員会規則で定める軽微な変更をしたものを含む。)又は前条第一項の規定による届出をした工事の計画(同項後段の原子力規制委員会規則で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二  第四十三条の三の十四の技術上の基準に適合するものであること。
3  第十六条の三第三項及び第四項の規定は、第一項の検査について準用する。



設置ではなく変更工事であっても、合格が必要なことは明白だ。その基準となるのは、やはり原子力規制委員会規則等の技術基準に適合していることである。この合格です、というお墨付きを得られていないのに使用してしまえば、当然に法令違反となるわけであるから、先に見た「43条の三の二十三」の技術基準不適合(適合が確認されれば使用前検査が合格だから、だ)か委員会規則違反となるのだ。


他にもある。これも旧法上(『実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則』7条の3、同法7条の3の7、等)で指摘したことと同じで、保安規定に関する条文である。


○第四十三条の三の二十四  
発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、保安規定(発電用原子炉の運転に関する保安教育、溶接事業者検査及び定期事業者検査についての規定を含む。以下この条において同じ。)を定め、発電用原子炉の運転開始前に、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2  原子力規制委員会は、保安規定が核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上十分でないと認めるときは、前項の認可をしてはならない。
3  原子力規制委員会は、核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止のため必要があると認めるときは、発電用原子炉設置者に対し、保安規定の変更を命ずることができる。
4  発電用原子炉設置者及びその従業者は、保安規定を守らなければならない。
5  発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、前項の規定の遵守の状況(溶接事業者検査の実施に係る体制その他原子力規制委員会規則で定める事項及び定期事業者検査の実施に係る体制その他原子力規制委員会規則で定める事項を除く。)について、原子力規制委員会が定期に行う検査を受けなければならない。
6  第十二条第六項から第八項までの規定は、前項の検査について準用する。この場合において、同条第六項中「前項」とあるのは、「第四十三条の三の二十四第五項」と読み替えるものとする。



この保安規定も原子力規制委員会の認可を受ける必要がある。認可が受けられない場合というのは、2項規定の如く「災害防止上不十分である」という時であり、普通であれば「不十分であるので、もっと改善してきて下さい」(行政指導)とか「もっとこういう部分を改めなさい」(3項命令発動)、といったことになるわけである。
この認可を受けてないのに事業者が勝手に運転していた場合には、「43条の三の二十四第1項」違反となるのであるから、これも必然的に「43条の三の二十」第2項第五号に該当することになり、すなわち取消か停止命令発動事由となっているのである。


要するに、どこからどう条文を読んでも、事業者が自分勝手に「原子炉を運転します」なんてのが許容されているとは、到底思えない。新設(設置)の条件ということではなく、変更時でも同等の条件が課されているのであるから、旧法上の許認可があるから原発を運転したまま申請をしてもいい、などという判断は出てくるはずがないとしか思えない。

構造や設備、事故対処施設や体制の整備、保安規定、これらの変更がある場合には原子力規制委員会の許認可が必要となり、これに合格できなければ各種命令を発動されても文句は言えない。1年以内の停止命令を受けることになる。命令されなければやっていい、とか言えるのは、ただの部外者くらいではないか。食品の回収命令がでなければ「薬品汚染があっても販売していい」、とか言うのと同じ。そんなことをすれば、どうなると思うか?


安念教授のご意見は、疑問だらけ、ということです。



続・法学者は信頼に足るか?~安念潤司中央大教授の場合

2014年01月27日 13時36分32秒 | 法関係
以前にも書いた(http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/308038dda28248a10cc9babf9556a3b2)が、再び宣言しておこう。
当方にとって、日本の法学者は必ずしも信頼に足るとは言えない、これが率直な感想。今回は、安念教授の言説を取り上げることにする。

>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%BF%B5%E6%BD%A4%E5%8F%B8



どういう発言をしてきたのかよく知らなかったが、yahooで池田のしょうもない記事を見かけたので。よく見ると随分と前の記事なのに、何故か雑誌か何かのコーナーに上がっていた。

>http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51873005.html


本来、運転中の原子炉を停止させるためには、当局が原子炉等規制法に基づいて運転の停止を命令するか、あるいは原子炉設置許可を取り消すかしなければならない。だが現状では、こうした処分を受けた原子炉は存在しない。電力各社には、原発の運転を停止していなければならない法律上の義務はないのである。

また、検査終了後に当局が交付する検査終了証は単に事実を証明する文書にすぎず、運転の停止義務を解除するような法的効果があるわけではない。したがって、電力会社は定検のうち原子炉を停止させる以外実施しようのないプロセスが終了すれば、法令上は運転再開できるのである。

もっとも、本年7月8日「新規制基準」が施行された結果、各電力会社はこれに適合すべく、原子炉関連の機器の新増設などの措置をとらなければならなくなった。[・・・]しかし、これらの許認可申請のために、電力会社は原子炉の運転を停止する法令上の義務を負うわけではない。許認可手続きと原子炉の運転は並行して行えるのである。


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まず、安念教授が東大法学部卒の法学者で弁護士ある、ということを理解した上で、敢えて苦言を呈したい。こんなレベルなの?、と。

いくつかの論点に分けて、当方の主張を述べる。


1)旧法と改正法の関係

法学者に向かって釈迦に説法みたいですが、分かり切ったことではあるけれども、書くこととします。

まず、法改正の際に、その前後において取扱の変更がなされる場合となされない場合がある、ということです。
例えば、会社法改正で、旧法上の「有限会社」は改正会社法上では一致しませんが、改めて改正会社法上の「法人格取得」が必要とはされていないものと思います。つまり、以前の許認可取得の権利が改正後にも「引き継がれる」ということです。或いは、薬剤法が改正されても、旧法上で取得した薬剤師の免許は、改めて薬剤師の免許取得の申請を必要とはしないでしょう。
このような場合においては、改正以前に取得した許認可の権利が改正後にも生きる、ということになります。

他方、必ずしもそうならない場合もあるでしょう。
具体的には、公益法人改革の一環で、旧法上で公益法人の法人格を取得していた場合であっても、法改正後には旧法上の法人格を失う、ということがあるわけです。会社法改正とは違いますよね?改正後の基準に合致しない法人については、以前にいくら「公益法人の法人格を取得していた、だからその権利は続いている!」と言おうとも、改めて申請を出し直して法人格取得が義務となっているわけです。基準に合致しなければ、別法人格に変更を余儀なくされるということです。

或いは、貸金業者も同じでしょう。
旧法上では貸金業の認可があると言っても、新基準に合致しない業者については「認可できません」ということになり、基準未達業者は廃業とせざるを得ません。旧法上の許認可の効力が法改正後にも継続されるか否か、というのは、その法律毎で社会的影響なども含めて個別に考えられている、ということです。


これらは、法律家の皆さんにとっては当たり前のことでしょうから、誰しもご存じかと思います。新基準が出された後であっても、「旧法で合格していた原子炉なんだから、運転ができる」と主張するからには、上で見たように「有限会社は法改正後でも有効だ」というのと同等の根拠を有する、ということになります。具体的には、有限会社法は廃止、有限会社は特例有限会社として存続(根拠法=会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律、1条、2条、3条、など)、といった法的根拠の提示が必要でしょう、という話です。
安念教授においては、旧法上の合格なり許認可があれば運転できる、と主張する法的根拠の提示ができることでしょう。


2)大飯3、4号機の再稼働は何故できたのか

簡単に言えば、法改正直前の駆け込みだったから、ということかと思います。原発ゼロでも電力供給は足りる、という既成事実を恐れた原発推進勢力が政治的に野田政権にごり押しした結果であろうと思います。関係閣僚会合と称して、安全宣言を出し再稼働要請を政治的に行いました。そこには科学的態度というものは必要なく、単に「前にも動いていたのだから、今も動く」ということをやって見せたに過ぎません。東日本大震災のような巨大地震などや大災害が発生しても、どの原発もきちんと管理でき安全が確保される、ということを保証するものなどではありません。

では、法的にはどうでしょうか。
当時は原子力規制法が出る前であり、新基準適用も当然ありませんでした。よって、旧法上での原子炉運転(申請が法改正前だった)ということになります。旧法上では運転停止を命じる権限はない、などというデマが広まっていたように記憶していますが、当方の見解は全く違っています。


12年5月
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/b0d59829c3c7d106b452d63a395539bb
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9920e8190a7520908716ad62a03ec3ea
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/61e844b00547ae0d5c796dbbde3a906e


形式的には、電気事業法29条の届出関係に不備(同法施行規則46条の未達)がある、ということであれば、経産大臣は計画変更を勧告できる。また、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則、「7条の5」規則違反の原子炉であれば、原子炉等規制法第35条第1項違反となり、主務大臣は「原子炉施設の使用の停止、改造、修理又は移転、原子炉の運転の方法の指定その他保安のために必要な措置を命ずることができる」のである(同法第36条第1項)。


つまり、主務大臣権限を発動すれば、運転停止命令は可能だ。
ただ、行政の実務上では、行政側が改善命令や営業停止命令発動を行うのは、事前の行政指導の形式を取る場合というのは珍しいものではないはずであろう。


具体的には、たとえば金融庁が生保・損保会社などに対して「保険金不払い問題があった、だから過去数百万件の契約を全件見直せ、不払い金を全部払え」という行政指導を厳しく行い、そうした指導に従わないような保険会社に対しては、更に上位の「勧告、命令」などの発動(行政処分)となるわけです。命令の発動を招いてしまうなると、保険会社としても対決姿勢が鮮明となりますし、ヘタをすれば営業停止や許認可取消権発動といった、更なる強権発動を招来してしまいかねません。

このように、大臣権限発動を招いてしまうことが想定される場合においては、事業者側が自主的に行政指導に従う、ということが一般的に行われているわけです。


よって、原発を停止していた事業者というのは、本来こうした「大臣権限が発動される可能性」というものを考慮に入れた上で(政治的には、ということだが、現実には大衆からの批判を恐れて、ということだ)、行政指導=浜岡原発停止の要請に従った、と形式的には解釈可能なのである。
他方、大飯原発再稼働の際には、主務大臣の原発停止命令の発動は確実に封印されている(=野田総理以下官房長官&枝野経産大臣が「運転してくれ」と要請)ことが明らかであった為、電気事業者側が本当に「規則7条の5」違反がないかどうかは自信がないとしても、法解釈・適用権限は行政側にあるのであるから、運転を再開することは不可能ではなかったわけである。本来であれば、行政側が「大飯原発は原子炉等規制法35条1項違反となる可能性が大なので、運転しないように(=運転した場合には大臣命令が発動される)」と指摘することはできたのである。


安念教授の主張の明らかにおかしいところは、命令か取消処分しかない、という決めつけである。だったら、例えば金融庁だの国税庁の指導というのは一切存在しない、とでも言うつもりか?

安念教授が書いたことは、実務を全く無視した主張であろう。
条文の形式上では、行政側の発動権限は強力なものは多々あるわけだが、それがいきなり行使されるのは、むしろ珍しいのではないのか。


(そもそも、事故原因分析もできていないのに、最新知見の反映だの、妥当な保安活動や実施手順だのといったことが、達成できていたと思うか?免震重要棟すらできてないのに、予防措置が取られていると?
出鱈目言うな。法を解釈し、適用するのは、行政側だった。それだけ。)



つづく


東電病院売却

2014年01月23日 21時30分16秒 | 社会全般
猪瀬都知事の辞任直前に、大騒ぎしていたのが東電病院売却話だったはずだろう?


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/0207004871fbb1d80a8ceb9ef5b2dc72


ところがどうだ。

結局、事前報道のあった通りに、東京建物が落札して取得することになったんじゃないの。

>http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140123/k10014717151000.html



マスコミのでっち上げ工作が奏功した、ということだな。


>http://www.j-cast.com/tv/2013/12/19192123.html?p=all


こぞって報じていたはずだろう?
で、東京地検特捜部が任意で事情聴取だって?


何故強制捜査じゃないんだ?
どの報道を見ても、贈収賄だ、となってたよな?


おかしいですね。
事務所全部とか、徳州会とか、そういう所に特捜の「たった今、捜査員が家宅捜索に入りました」、という、お得意の宣伝工作はやらないのか?


何ともまあ、酷い話ではある。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/07e4a92eaaa59f77f3cbe74f86467b30
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4eb86d43a67d4ad4251549d249616aed








稲嶺市長勝利で浮き彫りになる政府自民の暴虐~名護市長選挙

2014年01月20日 13時51分42秒 | 外交問題
日本の政府は誰の為に政治をやるのか。
それは、アメリカさまの為である。


日本国民である、沖縄の人々、更には名護市民よりも、もっと大事なものがあるのだそうだ。


それが、アメリカ合衆国海兵隊だ。


名護市長選挙において、名護の選挙民が示してくれた決意に対し、心から敬意を表したい。

沖縄県知事は、地元経済対策のカネであっという間に転んでしまった。
けれども、辺野古移転の地元となる名護市民は、多くが移転反対という意志表示を行ってくれたものと思う。


カネに靡いた日本の政治家たちや、官僚やマスコミ、そういう連中に比べて、いかに気高く尊いものであるか、ということがよく分かりました。


何が何でも市長選で勝たねばならなかった自民は、なりふり構わず絶対勝利の意気込みで選挙戦をやったわけである。

しかし、名護市民の決意を翻すことはできなかったということだ。


菅官房長官や小野寺防衛大臣は、ぬけぬけと「これまで通り、何らの支障もなく、淡々と移転を推進する」と断言しやがった。石破幹事長、しかり。


これの意味する所は、名護市民は「ひれ伏せ、権力の前にはお前らは無力、無駄な抵抗はするな」と暴力で屈服させるのと同じ。


喩えて言うなら、道路工事反対の住民たちの家が邪魔だから、という理由で、権力を総動員して、家を全部立ち退かせて、どんな反対であっても無視して、勝手にブルドーザーで家や庭を全部潰すような、まさしく暴虐以外の何物でもない振舞いだ、ということ。


日本政府は、これを恥とせず、高らかに宣言しているのだよ。

「お前ら、邪魔だ、どけ、日本国民よりも優先される人種が存在するんだ、それは、海兵隊さまであり、オレら永田町住民と霞が関官僚とマスコミなのである、お前らのような下層のタカリ集団などとは違うんだ」

とな。



何故、これほど愚かで下劣で強欲で卑怯で恥知らずの連中が、政治の中枢に存在するのだ。

自らの地位とカネの為であれば、どんな汚い手でも使ってくる、同朋をも進んで売り渡すようなマネを平気でする連中に、どうして権限が与えられているのだ。


こいつらは、自分の立場を守らんが為に、沖縄県民を、自ら進んで「どうぞ、お納め下さい」と言って、アメリカ合衆国・国防総省・海兵隊に「犠牲の者たちです」と差し出したんだぞ!!


アメリカは、そこまで卑怯者国家なのか?
悪逆非道を世界中でやってきた上に、クズ野郎どもと結託して、沖縄県民を虐げて何の利益があるというのだ。


アメリカは、とことんまで性根が腐ったな。
クズとつるむ限り、許さない。



続・東電の過失隠蔽を暴くべし~告発の手がかり

2014年01月19日 13時13分16秒 | おかしいぞ
これまで、東電の過失責任を考えてきた。
他にも、東電の責任を追及する部分はあるので、それを補足しておきたい。


1)業務上過失致死罪での告発

これも幾度も書いてきたわけだが、行方不明となった若者2名が4号機タービン建屋で死亡確認されていた、という事件である。

地震発生時、2人は中央制御室にいたとされる。その後、何故か4号機タービン建屋地下へ作業に行き、津波浸水に巻き込まれて、多発性外傷による出血性ショックで死亡、ということだった。

ここで明らかに疑問点が残るわけである。
一つは、死因とされる「出血死」だ。水没した地下だったのなら、多発性外傷ではなく溺死が普通だろう。それとも何故か「内部設備の崩落・倒壊」などが相次いだ4号機タービン建屋、ということで、落下物などが外傷原因となったと?
まず考えられない。東電は配管類を含めて、地震による損壊はなかった、と宣言していたのだし。

次に、点検中で運転停止していた4号機なのに、どうしてタービン建屋だったのか、ということが引っ掛かる。運転しているなら分かるが、冷却しなければならないのは燃料プールだけなのでは?圧力容器や格納容器の冷却が必要なわけでないのなら、タービン建屋にある「冷却水系タンクの水位低下」なんて、緊急性もなければたった今対処、ということが必須とも思えない。むしろ、大地震による揺れで、確かめるべき場所や部分が多いはずだし、運転中だった3号機の方がはるかに人手が必要になることは明白で、それなのに4号機のタービン建屋という重要度の低い場所に2人も人を遣るものなのか?


いずれにせよ、2名への指示が不適切であったなら、それが業務上過失致死罪に該当する可能性があり得るものとして、刑事告発したら警察も検察も捜査しなければならなくなる。誰が4号機タービン建屋の地下に行け、と命じたのか?
本当は、”津波が来る前”の時点で、D/Gによる給電ができなかったので、地下に行けと命じたのではなかったか?


2)証拠隠滅罪での告発

更なる手段を考えてみた。刑事事件として突破口を開く為である。

刑法 第104条
他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。



これを適用するのである。
証拠を隠滅した疑いが持たれるのは、東電及び被疑者不詳である。問題になるのは「他人の刑事事件」であって、必ずしも起訴事件に限定されるものではない。そこで、菅直人元総理その他の業務上過失致死罪の告発を受けた捜査が行われたわけであるから、この時に証拠を隠滅した可能性がある、ということだ。それとも、上記業務上過失致死事件の告発後に、同様の手を考えることはできるだろう。

証拠隠滅とは、wikipediaによれば、蔵匿をも適用となるものである(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BC%E6%8B%A0%E9%9A%A0%E6%BB%85%E7%BD%AA)ので、東電が意図的かつ組織的に証拠の隠滅を図ったものとして、告発するものである。その一端は、他の訴訟などにおいても証拠提出を拒んでいることでも明らかであるし、国会事故調などへの資料提出や公開文書での「黒塗り」頻発、ということからも、蔵匿の姿勢が顕著ということだ。


3)原子力災害対策特別措置法の違反

現在でも、「原子力緊急事態宣言」は解除されていない。緊急事態は何ら変わっていないのに、「再稼働させろ」とヤクザなみに凄んでいる連中が大勢いるわけだ。森元総理みたいな「再稼働なくば五輪返上」とかいう、意味不明の出鱈目を言うようなものだ。だったら、まず「緊急事態」をどうにか解決してから言えっての。再稼働しなけりゃ開けない五輪なら、こっちから願い下げだ。最初から、日本開催なんて希望してもいない上に、何で原発中毒の連中が「再稼働すれば五輪を開いてやってもいいぜ」とかいうヘンな条件を突き付けてくるんだよ。アホかっての。


緊急事態が続いているわけだから、当然のことながら「原子力災害対策特別措置法」は適用される。


そこで、以下の罰則を適用するよう告発すべきである。

原子力災害特別措置法 第38条  
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一  第七条第三項、第八条第四項前段、第九条第五項又は第十一条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二  第十条第一項前段の規定に違反して通報しなかった者
三  第十一条第七項の規定に違反して放射線量の測定結果を記録せず、又は虚偽の記録をした者
四  第十二条第四項の規定に違反して資料を提出しなかった者
五  第十三条の二第一項又は第三十一条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六  第三十二条第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者



2号規定である、10条1項違反を指摘する。
10条とは、次の条文である。


原子力災害特別措置法 第10条
原子力防災管理者は、原子力事業所の区域の境界付近において政令で定める基準以上の放射線量が政令で定めるところにより検出されたことその他の政令で定める事象の発生について通報を受け、又は自ら発見したときは、直ちに、内閣府令・原子力規制委員会規則(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣府令・原子力規制委員会規則・国土交通省令)及び原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、その旨を内閣総理大臣及び原子力規制委員会、所在都道府県知事、所在市町村長並びに関係周辺都道府県知事(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、内閣総理大臣、原子力規制委員会及び国土交通大臣並びに当該事象が発生した場所を管轄する都道府県知事及び市町村長)に通報しなければならない。この場合において、所在都道府県知事及び関係周辺都道府県知事は、関係周辺市町村長にその旨を通報するものとする。
2(以下略)



1号機のベント作業が「高放射線量で困難を極めた」ということだったわけで、11日夜~12日にかけての「事象発生→通報」が行われていなかった可能性がある。この通報義務は、都道府県知事及び市町村長にも行わなければならない義務があるので、東電がそれを怠っていたのであれば「10条1項前段」の通報義務違反となる。すなわち、第38条第1項第二号の適用となるので、罰金刑だ。


また、次の条文を使う手もある。

原子力災害対策特別措置法 第31条  
内閣総理大臣、原子力規制委員会、国土交通大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係周辺都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し、政令で定めるところにより、その業務に関し報告をさせることができる。



原子力災害対策特別措置法 第32条  
内閣総理大臣、原子力規制委員会、国土交通大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係周辺都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、原子力事業所に立ち入り、当該原子力事業所に係る原子力事業者の施設、帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2(以下略)



31条の業務報告の徴収、32条の検査・質問に対して、東電が虚偽の報告などを行っていた可能性がある。それは、メルトダウンを否定し続けてきたのに、本当は知り得る状態にあり組織的に隠蔽したとか、測定した放射線量を改竄するか数値を変えずとも意図的に知らせない、などの隠蔽工作を行ったりした可能性、ということである。

そうすると、38条の五号ないし六号違反を問えるかもしれない。



大体、金融庁がみずほ銀行の虚偽報告(?)だか検査忌避だかを針小棒大に言うとか、国交省がJR北海道を刑事告発するぞと脅すとか、そんな所だけ大袈裟に叩く前に、もっと巨悪をどうにかするべきなんじゃないのか?
正真正銘の悪いヤツら、というのと全然別だろうに。


真に告発されるべきは、東電であり、経済産業省・エネ庁・旧NISAあたりなんじゃないのか。


オレは、最初から刑事罰を与えるべき、とまでは言って来なかったんだぞ。
全てを明らかにしろ、心の底から反省しろ、と言ったんだ。

しかし、東電のヤツラは隠蔽を重ねた。出鱈目を言い続け、それに加担する政治勢力やマスコミ、反省なき「再稼働推進」と原発回帰姿勢。賠償責任逃れ。心配するのは、東電の懐具合だけ。目先のカネ、それだけだ。貴様ら、それでも人間か。それが日本に生まれた人間のやることか!


反省したなら、過去の謝罪と清算と償いがあってしかるべきなのでは?
小泉純一郎が原発を止める、と言った。
それこそが、失敗を生んできた責任を感じる人間の反応なのではないのか。


原発事故に間接的にでも加担してきてしまった己の責任を、ほんの少しでも感じるなら、再稼働なんて口が裂けても言えんだろう?
新たな失敗を防ぐ為に全力を尽くすだろう。どうして、それができないのか?


自分のカネ、それが一番大事だから、だ。
欲望の奴隷なんだよ、貴様らは。


腐った検察や警察に、少しでも矜持が残されているのなら、東電の罪を明らかにすべきだ。政治では不可能。
司法しか、残ってないんだぞ。
国民には、唯一頼れるのが、司法だけなんだぞ。


いいか、もしも医療現場で「点滴が必要だ」→しかし「輸液のチューブが合わないので点滴できませ~ん」となって患者が死んだら、誰もが「医療過誤だ、過失だ、業務上過失致死罪だ」と大騒ぎして訴えるんじゃないのか?
なのに、どうして、東電だけは、逃れられるんだよ。
「電池が必要だ」→コードが合いません、電気が流れません、って、それで何のお咎めもなしか?


人工呼吸器が故障で止まって、「対処方法を今からマニュアルを読んで探してみます、その間、息はできません、対処方法も分かりません」ってなったら、お前ら一目散に訴えるんじゃないのか、オイ?
人工呼吸器が使えない、復旧手段も分からない・代替手段も準備できてない、どうすりゃいいのか誰も知らないし正確に指示を出せる人間もいない、そういう病院だったら、即座に「業務上過失致死だ!」って、マスコミ総出でバッシングするんじゃないのか。


どうして、日本は、こんなに腐っているのだ。



東電の過失隠蔽を暴くべし~検察の出鱈目

2014年01月18日 11時39分52秒 | おかしいぞ
刑事告発については、既に立件見送りで不起訴処分ということになったそうだが。

>http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/167166.html



津波の大きさが想定外だった、という言い逃れだな。

しかし、前から言ってきたように、「全交流電源喪失」は予見不可能などでは、断じて、ない。



そもそも、検察も警察も、はじめっから、立件の可能性なんか考えているはずなどないだろう。

もしも本気でやるつもりなら、ありとあらゆる証拠を集めて、関係者の供述なんかも、きちんと集めるに決まってるだろう。


何度でも言う。

東電には、明白な過失があった。
予見可能性だって、確定的だ。


それなのに、何故検察は見逃してやるのか?


それが、権力サークルの連中の決めたことだから、だ。
原子力ムラの力の及ぶ範囲は、検察や警察を支配可能な程度に、政治的にも、マスコミにも、到達しているからなのだよ。


検察なんか、ただの奴隷だ。
獲物を挙げる為だけの、犬に過ぎない。


命じられれば、誰にだって噛みつく。
それが、どんなに不正義に基づくものであっても、だ。


下衆どもが。



東電の過失隠蔽を暴くべし

2014年01月16日 12時45分27秒 | おかしいぞ
最近、「NISA」という語がニュースなどでも度々お目にかかるわけだが、元はといえば「原子力安全・保安院」のことをNISAと呼んでいたのだ。今は消滅して改組されてしまったが。

NISAに責任がなかった、とは言わない。だが、最も責めを負うべきは東電であるはずだ。彼らは、官僚たちと結託して、誤魔化し続けてきたのだ。情報を隠蔽し、事実を隠し続けてきた。人が死んだのは、偶然なんかじゃないのだよ。
それとも、福島第一原発の副所長(だったか?)が逮捕されたりしたのが、ただの偶然だったとでも言うか?
本当に口封じではなかったのか?


今も東電は隠し続けているのだよ。それを裁判で明らかにして行って欲しい。

>http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140115-00000021-fminpo-l07

東京電力福島第一原発事故の被災者でつくる福島原発訴訟原告団が国と東電に慰謝料などを求めた訴訟の第4回口頭弁論は14日、福島地裁(潮見直之裁判長)であった。潮見裁判長は、「東電が津波対策を怠ったことで原発事故を招いた」とする原告側の主張に沿って、同社に過失責任があったかどうかを審理対象とする考えを示した。 
 潮見裁判長は「賠償額算定のために東電の過失の種類・程度の審理が必要」とした上で、「(過失が)重要な争点となる」との見解を示した。東電は原発事故での過失や程度を問わない原子力損害賠償法に基づき審理を進めるように主張していた。原告側弁護団によると、全国13の地裁・地裁支部に東電と国を相手取って提訴された訴訟で、東電の過失を審理対象とするのは初めてという。
 

=======



裁判で戦う人たちにお願いしたいのは、まず東電が公開しているという本店とのやり取りのビデオを全部チェックすることです。特に、事故発生から1週間程度の期間について、くまなく調べて欲しいのです。そこには、いくつかのヒントが隠されている可能性があります。これは、閲覧室のような、許可を受けた人が視聴可能とされているので、現地に足を運んで時間がかかっても視聴できる人たちが大勢いないとかなり難しいのです。ビデオの時間が長いということは、視聴する時間も同じだけかかってしまうので。


拙ブログにおいては、当初から疑問を抱いてきた。初期対応に問題がなかったのかどうか、ということだ。


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2bc011f2709cf522c99129ef43d44c20

ここにも書いたが、経済産業省・エネ庁・NISA(原子力安全・保安院)は結託して情報隠蔽を行ったのだ。公開文書も差し替えられた。東電と経産省を守らんが為、だ。


これから行政機関が秘密指定ということを自由にできるとなれば、当時の情報は隠されたままになるだろう。防衛省が「我が国の対テロ防衛に関する秘密に該当する」と言って秘密にすることを要求すれば、原子力関連情報を隠蔽できるんだろうよ。そんなことは、朝飯前だし、ハナっから分かり切っていたことだった。ヤツラの手が伸びる前に、裁判所命令で証拠提出を求めるよりないのだ。


津波のせいだ、ということが争点ということらしいが、攻め所は他にもある。
津波の可能性、それに続発する問題点というのが予見可能であったかどうか、というのは、立証するのが容易とも言えないので。国会質問で事前に津波被害が取り上げられていたのは事実だが、規制庁側である経産省なりNISAが出す安全基準をクリアしているなら、それが過失と言えるかどうかは定かではない。行政庁側が東電に対して改善なり対策を求めたにも関わらず、東電がそれに応じなかったり実施を怠っていたことを立証できれば、過失認定の余地はあるかもしれない。


もっと決定的な攻める点は、「全電源喪失に対する対策」である。
どうしてか?
これは、過去に同様事例がいくつも報告されているから、である。しかも、東電自身が2010年6月に、2号機において、やはり同じく電源喪失事故を経験し、しかもD/G(ディーゼル発電機)による給電ができない、という、まさしく電源喪失状態を経験していたから、である。どこからも給電されない、ということから、隔離時冷却系であるRCICで冷却したので事なきを得たのだが、この事故が与えた教訓は大きかった。


電線や回路系は全部生きており(津波による水没でショートして使えない、というのとは違う)、D/Gも動くし燃料タンクもあった(=津波で流されたわけでない)上に、バッテリーも使えたはずなのに、全電源喪失事故とほぼ同じだった、ということだ。しかも、その原因が「作業員の与えた振動」だったんだぞ?


地震と比べ物にはならない程度の振動で、電源喪失状態を招いた、ということ。それで実行できた冷却方法は、HPCIなんかじゃなくて、蒸気駆動系のRCICだったんだよ。その後、スクラム停止後の復旧作業というのが、どの程度の時間かかったのかは不明であるが、短時間で給電可能となっていたかどうかは、調べてみなけりゃ分からない。裁判では、まずこの震災前年6月の事故と対応についての資料を全て出させること。ここにヒントが隠されているはずである。


参考:
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/99f6d31d72a1c0bcbbccb1d4a3ee1523
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a7606b0a18b4209e468cf264e79d9b19



東電は電源喪失事故が発生する可能性がある、ということは認識できていた。勿論、給電可能となるまでの時間がどのくらい必要か、ということも考えることができたはずである。

他にも、東電が予見可能であったことを示す証拠はあった。
シリーズで書いてきていた記事である。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/87e660e99bd74ed29357431c4b98f558



で、決定的な部分がこれだ。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3333a59acce372c9b8d46506a0bb0b63

(再掲)

②2010年2月改定部分の中身は?

事故マニュアルの改定履歴には、以下の記述があった。

1.大規模地震発生時の対応手順の新規作成(保安運営委員会234回、246回審議済み)

(1)自然災害編の新規作成(大規模地震等により、長期間の外部電源喪失並びに軽油タンクへの補給不可となった場合のD/G負荷の絞込み手順を含む)

(2)津波発生の手順をタービン編より自然災害編に移行


これを見る限り、何の対策も講じていなかったわけでもなさそうで、むしろ、備えを準備していたことが伺われる。しかも、津波被害想定、長期間の交流電源喪失及び非常用ディーゼル発電機(D/G)の使用不可時への対応も考えられていたことが窺われる。

すなわち、事故当初からの「想定外」というのは、ウソをついてきた、ということになるが?


=======


全電源喪失事故というものを、「全くの想定不可能であったか」と問われれば、そうではないとしか言えない。


津波が起こった際の想定も行っていたはずだ、ということ。2010年2月にはやってる。長期間の交流電源喪失対策も、D/G燃料補給不可の場合の対策も、考えられていたはずである、ということだ。


そして、最も重要なことは、この文書は東電のものであって、行政機関のものではない、ということである。つまり、秘密指定できないし、裁判所の提出命令には逆らえない。当時の「保安運営委員会」メンバーの証言も拒否できない。東電職員に過ぎないわけだからな。


事後で車からバッテリーを外して対応した、みたいな話があったわけだが、あれも最初からヘリで12Vか24Vバッテリーを大量に運びこんでくれ、と要請しておけば、自動車ショップだろうとホームセンターだろうと、かき集めてくればよかっただろうに。本店のヤツらは、何をやっていたんだ、という話なんじゃないのか?お前らみたいなマヌケどもに、危機管理なんてできないんだよ、要するに。電源車は重すぎて空輸できない、だの、ケーブルも用意できない、なんてのは、単なる後付けの言い訳に過ぎない。考え方、姿勢、そういうもの全てが間違っていたんだろうよ。危機感なし、責任感なし、ということだ。そして、それは今も「全く変わっていない」んだよ、東電は。


津波が到達するまでの間、何をやっていたのか、というのが最初の問題。
自動起動したICを手動で停止したのがまず間違いだし、HPCIを起動しなかったのも問題、SRVが動作しなかったことも疑問だ。初期対応として、過失があったとしか思えない。また、電源喪失後の唯一の冷却手段となるのはICしかないのだから、弁口の状況や開弁操作可能かどうか、といったことを、何よりも先に確認するしかないわけで、ICの残水量を真っ先に心配しないのもおかしい。津波が来なかったとして、一体全体何で「冷却」しようとしたのか?
冷やす手段が一切動かされていないのに、何で冷却するつもりだったと?
15条通報までの2時間、何をやっていたのか?


もしも圧力容器にリークがあったなら、地震直後から圧急減が起こったとしても不思議ではない。
1号機(や3号機)の津波前までに起こった「格納容器ないし圧力抑制室の圧力上昇」現象には、科学的で理解可能な説明が未だ一切なされていない。圧力容器に損壊があって蒸気が漏れたのなら、建屋内の放射線量上昇や格納容器内圧力上昇の説明はつきやすいな。1号機のベントを急げとか、夜中ずっと騒いでいたのは、そもそもが格納容器圧力が「設計限界を超えている、2倍にも達している」ということだったわけだろう?


2号機、3号機が何とか冷却機能が持続していたが、1号機は一切なくなっていたので真っ先にメルトダウン~水素爆発を招いてしまったわけで、あれがもう少し持ちこたえていたなら、とは思う。放射線量が高くなることで、作業が一層困難になって行ったから。


それから、海水やホウ酸水注入ということの判断についてだが、決定までの時間浪費なんかはなかったのか?
ここでも、それを回避したという事実があったなら、過失の可能性はあるだろう。原子炉の廃炉を恐れて、決定に遅れを生じたのなら、最善手段を取らなかった、というわけだから。ケチな根性で、全てを失ったんじゃないのか、ということだわな。


吉田所長が死んだ今となっては、東電にとって最も恐れていた人がいない、ということだから。死人に口なし、で、吉田所長が証言台に立つという恐れがなくなったからな。吉田所長は、事故当時の全てを知っていた人であったはずだから。その人がいなければ、どうせ誰にも「分かりやしない」と。そうであるが故に、東電は「オレらに責任はねーからな」と強気で突っぱねられるのだよ。


許し難し、東電。



情報保全諮問会議のメンバー

2014年01月15日 17時56分13秒 | 政治って?
どういう風の吹き回しか、例の秘密保護法関連の”諮問会議”の人選が随分と変わったみたい。


>http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011502000122.html


菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日の記者会見で、特定秘密保護法に関し、特定秘密の指定や解除の統一基準を首相に答申する有識者会議「情報保全諮問会議」のメンバー七人を発表した。座長は渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が務める。実務を取り仕切る主査には永野秀雄法政大教授が就く。法律に反対する日弁連の清水勉情報問題対策委員長が入ったものの、永野氏が賛成する立場を表明しているため、政府寄りの緩い基準になるのではないかと懸念する声も出そうだ。十七日に首相官邸で初会合を開く。


 諮問会議は(1)各省庁など行政機関の長が指定する特定秘密の指定や解除の統一基準(2)特定秘密を扱うのに適切な人物か身辺を調べる適性評価の実施に関する運用基準-を議論し、政府に答申。政府が最終的に運用基準を決める。


 菅氏は記者会見で、諮問会議について「秘密保護法の適正な運用を確保するため、外部の有識者の意見をうかがう」と強調した。だが、米国法や環境法、防衛法などを専門とする永野氏は昨年十一月、国会に参考人として出席。「知る権利といった人権論の枠組みだけで議論するのは現実的ではない。国民の生命、財産を危うくしかねない。秘密指定の範囲は米国より厳格だ」と述べた。


 法律を所管する内閣情報調査室は「永野氏は安全保障情報の保護に関する専門家。経験や実績を考慮して主査を依頼した」と説明している。 (城島建治)


 渡辺、永野、清水各氏以外のメンバーは次の通り。


 宇賀(うが)克也東大大学院教授(行政法)▽塩入(しおいり)みほも駒沢大准教授(行政法)▽住田裕子弁護士▽南場(なんば)智子ディー・エヌ・エー(モバイルサイト運営会社)取締役


========


ナベツネを入れたというのは、マスコミ界を黙らせる為と会議内の事務局の振り付けを通り易くする為、ということですかな。一体、何の意味があるというのか。


で、主査が永野教授って、事前の想定外の人事でしたな。他の女性陣もそうだ。


法案可決直後には、長谷部教授なんかが座長か主査クラスで入りそう、という観測記事なんかが出ていたはずでは。



12月11日毎日新聞記事では、以下のような内容だった。



>http://mainichi.jp/select/news/20131211k0000m010154000c.html
[毎日新聞 2013年12月11日 07時45分]


秘密保護法:諮問会議 来月発足へ人選 長谷部氏ら中心に

政府は10日の閣議で、国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法を13日に公布することを決めた。これを受け、特定秘密の指定・解除や、公務員らの適性評価に関する運用基準の策定作業に着手するため、「情報保全諮問会議」(仮称)のメンバーに長谷部恭男東京大大学院教授(憲法)らを起用する方向で調整に入った。長谷部氏をはじめ国会審議で同法の必要性に理解を示した有識者を中心に人選を進めており、陣容が「政権寄り」に偏る可能性がある。

情報保全諮問会議は、首相が運用基準案を策定する際に外部有識者の意見を聞くため設置される。情報保護、情報公開、公文書管理、報道、法律の専門家で構成する予定で、政府は長谷部氏のほか、春名幹男早稲田大客員教授(インテリジェンス)、元外交官の宮家邦彦立命館大客員教授(外交)、前田雅英首都大学東京法科大学院教授(刑事法)らに打診を始めている。

先の臨時国会で、長谷部、春名、前田3氏は衆院国家安全保障特別委員会で与党推薦の参考人を務め、特定秘密保護法の必要性に理解を示している。このほか、政府は内閣官房の「情報セキュリティ政策会議」委員からの起用も検討している。一方、日本弁護士連合会や日本新聞協会、日本民間放送連盟は同法への反対を鮮明にしており、報道、法律分野の人選は進んでいない。

同法の施行日は「公布から1年を超えない範囲内」と規定されている。菅義偉官房長官は10日の記者会見で「国家安全保障会議(日本版NSC)を効果的にするために、可能な限り早期(施行)ということが重要だ」と述べ、安倍晋三首相の9日の記者会見よりさらに踏み込んだ。首相は10日、自民党役員会で「世論が厳しいことはよく認識している。誤解を解くようにしたい」と改めて表明したが、来年1月に本格稼働するNSCを軌道に乗せるため、政府が同法の施行を急いでいるのは明らかだ。

政府は情報保全諮問会議を来年1月に発足させる方針。



=======


当時、名前の挙がっていた人たちの誰一人入ってない、というのは、これはこれはどうしたことでしょう?、と誰しも思うのではありませんか?

長谷部教授が筆頭だったわけで、それが全くの選外とな。また、春名、宮家、前田教授らも入れなかった、と。春名や宮家は以前から、安倍ちゃん系統のお仲間だったのが、ちょっとマズかったということになったのかな?


ふーん。

まさか、拙ブログ記事が影響した、ということではあるまいが。

12/24>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/308038dda28248a10cc9babf9556a3b2


長谷部教授のことを書いただけなので、人選がやり直されたというわけでもありますまい。
毎日新聞の記者が、どこからかガセネタでもつかまされた、という可能性もあるしね。



よくわかりませんが、住田弁護士とか、南場さんとか、どういう基準で選定されたのか、ちょっと分からんわな。
それから、初めて知ったのが塩入准教授。過去の人選なんかを考えると、予想外の軽量級が並んでいる印象。教授が偉くて、准教授はダメなんだ、って話ではないけれども、有識者としては色んな優秀な人たちはたくさんいるわけで、反対勢力から選ぶならもっと人材はいたのではないかと思ったりもする。


太刀打ちできないとか結局は丸め込まれる、という人たちであると、事務局のあやつりたいようにされるだけであり、議論なんて言っても形骸化するだけでは。

まあ、春名、宮家、前田が入るよりは、はるかにマシではあったわけだが。




さよなら「電力足りない論」・2014

2014年01月13日 18時57分33秒 | 社会全般
こんなに続くとは思いもよらなかったわ。
全然気付いていなかったんですが、また、苫東厚真4号機がイカレたんだそうだ。


>http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014011000842

 北海道電力は10日、ボイラーの異常で昨年12月17日から運転を停止している苫東厚真火力発電所4号機(厚真町、70万キロワット)の復旧時期を、当初予定の16日ごろから13日ごろに前倒しできる見通しと発表した。(2014/01/10-18:47)


なるほど、最も電力需要の最大値が出現しそうな時期を選んでの、電力過少供給演出、ということですかな。それとも、本当にぶっ壊れてしまったと?


>http://www.hepco.co.jp/info/2013/1189354_1521.html

北電の発表では、節炭器の配管に穴(破孔)が開いてしまって、そこから蒸気漏れが起こったみたい、と。
まず、これがバカみたいな話としか思えない。通常、ボイラー運転中に蒸気漏れが発生した場合、緊急で運転停止が作動するんじゃないですか?
それとも、穿孔箇所が極めて微細で、1ミリ以下の程度で完全なリークが発生する前段階で発見できたとでも言うのかな?どんだけ「神の目」なんだよ、って話だな。


当方は、発電所の構造とか仕組みなんかは全く知らないので、実際に何がどうなっているのか、というのは分からないです。本当に、配管に穴が開いてしまって、運転できなくなったのかもしれませんので。

ただ、そのこと自体があまりに愚かなんじゃないですか?
だって、大規模定期点検をやったばかりではないですか。12年の秋までやっていたんだから、それから約1年くらいしか経ってないでしょうに。それでこのザマですかな?どんだけ無能揃いなんだよ、って話になるんじゃないですか?

13年4月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/551f7401800d888e17c358bc9b2fe98b

12年5月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4b744533bb81155ba7001b36e41298ca


さて、通常100日、旧型機なんかで長くても120日程度で点検・改修工事ができる定期事業者点検のはずが、何と6か月近くもやっていたんじゃなかったですか?


北海道電力さんは、
・08年~09年上半期:設備高度化の大規模改修工事
・12年5月~10月:定期事業者検査・修繕工事等
をやったんでしょう?


それなのに、今回は節炭器管の「2本破孔+30本もの減肉」が僅か1年足らずで生じた、ということですわな。

事業者点検の意味がないんじゃないの?
だって、「エロージョンが起こるんだ、だから破損するんだ」という言い分は、蒸気配管なんだから、当然に想定されているはずでしょう?
ならば、定期点検で薄い配管は交換されるはずだし、そうしなければ検査の意味がないのではないですかな。検査のミスか、2年未満の短期間でこれほどダメになる配管そのものに原因があるか、ということでしょうかね?

いずれの場合でも、電力事業者としての落ち度があったものと考えざるを得ない。


具体的な点検水準が分からないですが、例えば、節炭器管の基準には次のようなものがある。


・ボイラー構造規格

http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-10/hor1-10-1-1h2-0.htm


(煙管等の最小厚さ)
第三十五条 第二十条の規定は、煙管の最小厚さについて準用する。
2 第九条の規定は、水管、過熱管、節炭器用鋼管等内部に圧力を受ける管の最小厚さについて準用する。
3 第九条の規定は、給水管及び吹出し管の最小厚さについて準用する。この場合において、同条中「最高使用圧力」とあるのは、「最高使用圧力の一・二五倍の圧力又は最高使用圧力に一・五メガパスカルを加えた圧力のうちいずれか小さい圧力」と読み替えるものとする。


(煙管等の厚さの最小値)
第三十六条 煙管及び水管、過熱管、節炭器用鋼管等内部に圧力を受ける管の厚さの最小値は、次の表の上欄に掲げる管の外径に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上としなければならない。


 ※表における具体例:管外径が127.0mmを超えるもの→管厚の最小値4.0mm




苫東厚真4号機が、このボイラーに該当しているかどうかは知らない。けれども、通常の考え方であれば、配管の厚みが薄くなっている(=減肉)ことが想定されるのだから、厚みを点検するに決まってるだろう。しかも、1本や2本じゃないのだぞ?

火力発電所のトラブルの事例では、節炭器管の異常(減肉、破孔)が報告されてきたのであれば、当然にその対策が講じられるべきに決まっている。当たり前の話であるが、定期事業者点検項目として、節炭器管の肉厚測定があるはずだ。

経済産業省が出している「平成23・01・28原院第3号」の通知においても、その旨が書かれていた。『電気事業法施行規則第94条の3第1項第1号及び第2号に定める定期事業者検査の方法の解釈』という無駄に長いタイトルの文書だな。これによると、次のように書かれていた。


外観点検・肉厚測定
a 過熱器管、再熱器管及び節炭器管の外観点検を行う。
b 油焚・ガス焚・黒液燃焼ボイラー以外のボイラーにあっては、エロージョン対策を行っていない場
合、過熱器管、再熱器管及び節炭器管の触手点検を行う。
c 油焚・ガス焚・黒液燃焼ボイラー以外のボイラーにあっては、エロージョン対策を行っていない場
合、過熱器管、再熱器管及び節炭器管の代表点の肉厚測定を行う。




さて、苫東厚真4号機がこの通知に該当する発電設備かどうかは分からない。しかし、考え方というのは同じだろう、という話である。


12年の定期検査で肉厚測定をやったのか?
やったのに、破孔を生じた原因・理由を解明しなくていいのか?


どんだけいい加減なんだよ。
どちらにしろ、出鱈目なんだわ。
わざと検査を長くやったり、出力の大きい4号機を供給力削減の為に利用したり、ということなら、点検そのものに問題がなく設備に問題がなくても、事業者としては問題だ。


それとも、本当に破孔だったなら、点検の意味がないだろうに。肉厚測定に過誤がなかったにも関わらず穿孔を生じたなら、その理由を説明できなければならない。


結論としては、益々信用ならない組織である、ということだな。
これは、誰の差し金かね?
それとも、自らの意思でそうしたのかな?


しかも、今シーズンは節電効果が昨シーズンよりも一層効いてるからな。
これまでの最大需要は、1月10日の522.2万kWに過ぎない。

2010年シーズン(11/1/12)の579万kWと比べても、ずっと少なく済んでいる。ただ厳冬期はこれからなので、最大需要がもっと行くかもしれないけど。これまでの所、昨年(13/1/18、552万kW)よりも更に少ない。苫東厚真4号機がこのまま動いてなくても、需給は可能だったわけだ。融通が微々たるものでしかなくても、だったしな。



コイツら、ホントどうしようもないな。
日本人の劣化は、ここまで来てしまっている、ということか。騙そうという魂胆だけは、ミエミエと。それが専門の人間がやることか。