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読書感想「野に咲く花の生態図鑑【春夏篇】」多田多恵子

2022年03月12日 13時54分40秒 | 乱読本感想
筑摩書房 2021年05月12日


書店で目にとまった本。
表紙には美しいと言うより不思議な形をした花や実がちりばめられている。
最初に載っているのは春咲く花の一番手、”オオイヌノフグリ”だ。
田舎で育った私が子供の頃に野山を駆けまわり、転がりまわっている時にいつも目にしていた水色の小さな花だ。
それを見つけると、『あぁ~春なんだ』と、周りは枯草色で風は冷たくてもそう思ったものだ。
そこに載っている写真でも文章でもなく、昔の情景が浮かんだ。
改めて花の説明を読むと、その小さな花の構造や戦略に引き込まれた。
指先で大きさの確認をしながら読んでいく。
何故だかドキドキする。
人間ってこんなことでもドキドキするんだと不思議な気持ちになった。
ほんの数ページにどれだけ時間がかかったことか。
最初っからそんな感じで次々と紹介される見知った花の詳細にワクワクした。
ただ、その世界の人たちには普通の用語なのだろうが、私にとっては読み方が解らない漢字がけっこうあって少し困った。
そうはいっても読み方が解らないだけで漢字の意味だけで読んではいける。
この本、図鑑となっているが、どちらかと言うと植物好きな作者の”好き”がいっぱい詰まった本だと思う。

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