モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

起床時間は?

2010-08-06 22:50:34 | スタッフ講師
Suiyouasa2
水曜午前クラスを増設して10年、果たして生徒さんより前にアトリエに着いていた日が何回あるだろうか…
という話題を毎回披露している“水曜さわやか朝クラス”の皆さんの作品をまた一気にご紹介します。(私が担当するブログが週に1回になってしまったので、まとめてのご紹介で申し訳ありません。)作品をクリックすると大きくご覧になれます。

左上から 加藤 アクリル・ポスターカラー
ご自分でモチーフ棚から選んだガラス製品のみを描きました。(実はリンゴだけは本物でしたが、描き進める内に重苦しくなってきたので最終的にガラスのリンゴに変えました。)このモチーフはわざと教室の真ん中に配置して、朝日を逆光に光を通過させるようセットしました。
アクリルで下塗りをした後、ポスターカラーで時にしっとり、時に荒々しいタッチでガラスの質感に迫りました。午前中の光だからこその背景の色合いもガラスに溶け込み、清々しい空気を感じさせます。クールな同系色ばかりの中の暖色のリンゴは、苦労した甲斐あって画面を引き締める役割を果たしています。

左上真中 小嵜 鉛筆
透明や白い固いものを薄く描いても質感はでません。あっさり描くと、なんとなく雰囲気がいいだけの、なんとなく綺麗に見えるだけの、薄っぺらいデッサンになってしまいます。ですのでこのようなモチーフの場合、固い鉛筆でガリゴリ何度も筆跡を重ね、濃くなってしまったら消し、また描き重ね…と繰り返した上でようやく質感が出始めます。
しかしそんな技はすでに取得された小嵜さん。今回手数を増やさずに質感を表現しました。デッサンでは黒く描くのが通例のリンゴすら白く描いています。これは難易度の高いデッサン。いえ、デッサンというのはもう失礼。美しい鉛筆画ですね。

右上 佐藤 油彩
油彩4枚目の作品です。でも4枚の内の2枚は気に入らず途中でアトリエに捨てて帰りましたので、実質2枚目の油絵です。
大雑っいえ大胆で思い切りがよく、飽きっいえ短期集中型で、常に明確な意思が有り我が道を突き進んで制作する姿勢は、2枚目にして画伯のようです。
毎回どこへ行ってしまうのかハラハラしながら見守っていますが、「手前の花は最後まで我慢しなきゃというのはわかるけど、もういいわよね?今描きたいわ!」と表現できる情熱が、佐藤さんの思う正しい道へと自然と導いてくれています。
頭でっかちに考え過ぎてうまくいかなかったり、失敗を恐れて筆が進まなかったり、なんて苦労はきっと知る由もないでしょう。

左下 土岐 油彩
こちらも油彩2枚目の作品です。1枚目はご自分の車を描かれました。 
土岐さんの油絵は、とにかく絵具を重ねます。盛り上げる訳ではなく、薄くのばした層に何度も違う色味を重ねるので、セロファンを重ねたように響きあいながらどんどん深い色になっていきます。ハガキ2枚分程の小さなキャンバスを、何日も何十時間も掛け乾かしては重ねて塗った油絵具のせいで、猫のしっとりした毛並みや重み、温かさまで表現できました。
「大家さんちの猫だから、このままじゃアパートを追い出される!」と毎回切羽詰って?制作される様子まで楽しませてもらいました!

下真中・右下 奥 油彩
とにかくスピードの速い奥さんは、ご自宅でもドンドン制作してアトリエで仕上げを施されるので、作品をブログに紹介する機会も必然的に多くなります。前回ワンコ2匹をご紹介してからもうすでに2枚ブログに登場。(現在はアトリエで4枚の油絵を同時進行で制作中!)パワフルですね!
母の日に息子さんから贈って頂いたという紫陽花は、もう実物は枯れてしまったそうですが作品の中に残されました。
いつもの奥さんの描いては潰し、また描き起こしという技法を使っているわりにしっとり上品に仕上がっているのは、息子さんからの愛情までも絵に込めたいという思いからかもしれません。真ん中に入ったサインがおしゃれ!
ラストの登り鯉は、「中途半端に時間と絵具が余ってしまったから…」と、紙のボードに20分位でさらっと勢いよく描いた作品です。紙に油絵具を塗ると、顔料が染み込んで油だけが黄色く浮いてきたりするのと、しばらくすると紙が腐るのが難点ですが、「ちょっとの間玄関に飾るくらいならちょうどいいわよー!」とあっけらかん。

以上、さわやか朝クラスのレポートをオバラがお送り致しました。

コメント
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