モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

油絵で見えたこと

2010-08-24 03:56:00 | スタッフ講師
Sayakotomikuehaさとうです。
今回も火曜日小学生クラスの油絵作品をご紹介します。・・・と、それにしても小学生のみんなは夏休み終盤とあって、アトリエにやってくる姿は真っ黒に日焼けしています!たくさん遊んで笑って泣いて、今しかできない思い出を作ってほしいです。

それではまず、紀美・(左)の作品から。
紀美は作品からも伝わってくるように、非常にコツコツと作業を進めそして集中力もあります。みんなの中ではしっかりとしたお姉さん的存在なため、ついついこちらも紀美に対する完成度のレベルを高く求めてしまいました。しかし彼女はひとつひとつの物を丁寧に、そして画面にしっかりと再現しようとしています。そうした意思を感じられる作品になりました。あともう少しのところを言うと、「立体感」でしょうか。物に落ちる光と影がほんの少し加えられていると、この大胆な構図に更に実物らしさを感じられるようになってより良くなるかなと思います。少し難しいですが・・・。
紀美もこれからもどんどん描いて、自分の持っている感情とは別の気付いていない感情が出てきてしまうような、冒険した絵を描いていってほしいですね。


佐弥・(右)
佐弥も一度集中し始めるとどんどん進み、今回も一番早くに色塗りの段階に入りました。ただ早いだけではなくて、そういう時は本人の中に完成図の世界観が出来上がっているのでしょうね。途中はあまり声をかけない方がよいなというオーラが出ていました!この絵を見てもわかるように、モチーフはふつうのやかんなのにここではすごく温かみを感じられ、アイビーの葉と手前のビンとの重なり具合が絶妙です。これらの主役の物のタッチによって優しい印象を感じる空間となっているのです。
油絵の具の面白いところは、人により筆使いや濃淡によって大きく描き方にも違いが出て、感情をストレートにぶつけやすい絵具ではないかなと思っています。(例えば、一気に絵具をぶつける、点描のように描く、厚塗り、薄塗りなど。)それにより、印象も大きく変わります。ですので佐弥の場合も技術が付いてきた分、より強く自分のイメージを相手に伝えられるのではないかと思います。


紅華・(下)
紅華の作品はなんといっても、ゼラニウムの葉の葉脈が本当に素晴らしいです。筆では線を描くには太すぎたため、爪楊枝を使って一本一本丁寧に観察しながら描きました。完成間際の最後に取り掛かりましたが、葉脈を描いたことよりググッと全体が引き締まりました!紅華はとても素直に自分の気持ちを話すことができる生徒で、楽しくお出かけした事や身の周り出来事の話しをよく聞かせてくれます。そのような気持ちを言葉にできていることと同じように、絵からも明るい印象がとても伝わってきます。葉脈に加えて、後ろの黄色い布も実物以上に魅力的な物になったのも、「この布可愛くて綺麗だね」という素直な気持ちをそのまま表現できています。
「自分の感じた気持ちを、そのまま表現する」というのは、簡単なようで実はすごく難しいことです。感じた想いと、それを表現することの狭間にたくさんの障害物や邪念が出てきてしまうものです・・・。ですので、紅華もそして他のみんなも今の気持ちを忘ずにいて欲しいなぁと思います・・・!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする