モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

木曜クラスの油絵

2014-07-22 22:18:54 | 小学生 絵画
Abura14moku
左上から  莉穂 6年 / 美波 3年 / 結名 4年
下段  日菜乃 3年 / 早月 5年 / 千紘 6年 

関です!皆最後は疲れて飽きながらも一生懸命描いているところをウロウロしながらアドバイスしました。頑張って描いていた力作達に僭越ながら感想を書かせていただきます。

莉穂は画面下側の海の表現が独特でとても面白いです。オレンジや肌色も織り交ぜてタイルのように表現しているのがカッコイイ!そして中心に近づくに連れて馴染むように塗り込みがされているのがとても良いです。真ん中の南国の木が生い茂る島は下地の赤が見えているところがアクセントになっていて、画面がぼけていないです。後ろの方に見える木の陰も遠近を感じさせるしなんだかスーッと涼しくなりますね。夏です!

美波はよく集中して絵を描いていました!一番最初に目が行く黄色い花は下地の赤が薄っすら見えて綺麗です。陰影もよく考えていて、画面上のほうから段々と暗くなっていくのが良いですね。葉っぱの色も明暗を使い分けつつ暗い場所に明るい色を置いたり青系の色も入っていたりして面白いです。ハッキリと見える葉とぼんやり見える葉を描き分けているので絵に厚みがあります。

結名の作品は完成度が高いです!手前の黒猫の影が青みがかっているのが綺麗!そしてこの猫は画像だとわかりにくいですが絵の具を重ねて立体的になっていて、迫力が増しています。画面中央の三つのドームの立体感が素晴らしい!影にも色んな色が入っていて見ていて飽きません。一番面白いのが空の塗り方です。パズルピースのように様々な形を組み合わせて描いていて楽しいです!

日菜乃は粘り強く作品に向き合っていました。苦戦していた左のオウムの表情と右のオウムの羽が良い感じです。少しびっくりしたのが木の陰影と立体感を上手く表現出来たところ!影が出来る場所や木目のディテールを上手に描き込むことが出来ていると思います。背景は写真通りのものではなく林をイメージして描いているのですが、それもよく頑張って描いていました。

早月も完成度が高いですね!綺麗な田園風景で、田んぼの枠がワザと曲がった線で描かれているのが味があります。空に浮かぶ雲も少し黄色いがかっていて柔らかく描かれていますね、空も筆の後が残っているのが面白いです。黒の点がパースに沿って打たれているところが見所です。チューブの口を直接キャンバスに付けて描いていました、遊び心があって楽しい画面になりましたね!

千紘は写実的でぱきっと描かれています。奥の方にいくに連れて境界線がボヤけてしまってよくわからない絵になっていたのですが、最終的に陰影と空気遠近法を上手く使い分けて描けるようになりました。手前の木漏れ日の表現が丁寧で優しい感じがします。思わず寝転びたくなる!建物も影に青系の色を使っていて美しいです。影にも強弱があるところがさすが最高学年!と思いました。

「先生達みんな言ってること違うー!」と嘆く子ども達に、ああ!すごくよくわかる!!と思わず共感してしまいました。私も受験時代にこのアトリエでデッサンを習っていた時、先生方が真逆のアドバイスをして下さった時はどう解釈したら正解なんだ…と悶々としながら鉛筆を動かしていた記憶があります。でも最近になってやっと、人の意見に流されずに自分が納得いく作品を作れるのならそれでいいのかと思えるようになりました。もちろん受験のデッサンや依頼された絵ならそれは許されないかもしれませんが。
今回子ども達を見ていて「どこを塗ればいいか聞いてから作業に入る」ことが多いなと思いました。
人の助言を待って、それを鵜呑みにするのではなく、自分で考え意見をつまみ食いしながら自分の意思で絵を描くことが出来たなら、それはとても幸せなことだと思います。そしてそのことに早い段階で気付くことを成長というのだと思うのです。子ども達を成長させる事が出来るように、これからも頑張りたいです!

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