モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

小学生の油絵模写

2017-09-27 23:52:11 | 小学生 絵画

上 大人クラス神宮さんの油絵  /  下 小学生の模写・油絵 5・6年のみ

オバラです。まだありました、油絵ネタ。ご紹介が遅くなって申し訳ございません。出し惜しみしていたかのようですみません。
皆様「小学生でこんなに上手に描けるの!?」と驚かれたことでしょう。油絵で模写をさせる課題は小学生クラスでは一度もやったことがありませんでしたが、この出来栄えを見ると、今までカリキュラムに取り入れなかったことを後悔してしまいます。
そもそも模写をさせたきっかけは、昨年の秋に神宮さんが開いた個展で私が上記作品を購入させて頂いたことから始まります。神宮さんお得意の写実画が並ぶ個展会場でふと『あ、こんな静かな絵を模写させたらどうなるだろう?』とひらめきました。まぁしかし花や風景・人物画などたくさんの作品が飾られている中、躊躇なく酒瓶に手を出してしまうのは飲兵衛の悲しい性かな、ですが子どもだって未知のアルコールに心惹かれるのは分かっていたので選んだんですよ!ホントほんと。結果がそれを証明していますし。

さて、解説を。目の前にある3次元の立体物を良く観察して描くことが絵画の基本ではありますが、実はほんの少し見る位置が変わっただけでデッサンが狂ってしまうという危ない罠が潜んでいます。例えばこのようなモチーフの場合、座る位置が10cmズレただけでグラスと瓶の隙間が狭くなったり広くなったりしてしまいます。落ち着きのない子どもには酷な話です。
その点2次元から2次元に写すのはどこから見ようが変わりません。(正確には長方形のキャンバスが台形に見えたりするのですが…)そう考えると逆に簡単に思えてきますね。
またこの絵は背景が無機質でモノトーンなコンクリートというところもポイントです。グレーという色にはどのような色味分解の解釈も受け入れる大らかさがありますから、打ちっぱなしコンクリートはオリジナリティのあるグレーを持ち込むのにもってこいの逸材。それぞれが自分なりのバックを表現できました。背景こそが隠れた主役と言っても過言ではないでしょう。

いやそれにしても、見ているだけで酒が飲みたくなる、実にけしからん絵が出来上がりました!小学生にそんな絵を描かせるとは、なんと不謹慎な!嗚呼、こんな油絵が飾ってある南フランス辺りのバーに飲みに行きたいなー。


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