香月 油彩
マユカです!今回は香月さんの作品をご紹介していきたいと思います!
写真では伝わりづらいですが、こちらの作品、F15号(652x530)と、まだ油絵を描き始めて間もない人からするとかなり大きいサイズに感じるはずですが、香月さんは躊躇せず絵具を盛っていらっしゃいました。大きいサイズだからこそ植物や家の木目など、かなり細かく描写することが出来ていますね。大きな塊になっている生け垣や草木が目に入りますが、丁寧に育てられたであろう手前の花や、奥の花壇など、小さな草木も逃さず観察されているため植物の種類の差もこちらに伝わってきます。
また、メインである木造の家を目立たせるために、様々な工夫がされていることに皆様お気づきでしょうか?奥にあるピンク色のマンション、実はもともと違う色で塗られていました。奥のアパートもぼんやりとさせつつ、形は最後まで整えていらっしゃいました。そしてもう完成だ!という時に地面がシミのように見えていた茶色をがっつり消し、反射のある青っぽい道路にすることで、主役の家の木の茶色をより引き立てることに成功しました。描き始めは勿論ですが、描き直す時も香月さんはとても思い切りが良く、普通は躊躇してしまうような大幅な改変も、ざくざくと筆を進め画面を描き直していってしまう姿勢は見習いたいものがあります。
完成したものに筆を加えたり、うまくいったなと思ったものを直すのは勇気がいることですし、「せっかく描いたのになぁ」ともったいなく思うことが多いため、後ほど「ちょっと違うかな…」「こうした方がよかったかな…」と思ってもそのままにしてしまう人はかなりいるのではないかと思います。妥協することは簡単ですが、果敢に描き直し続けて納得いくまで頑張る姿勢こそ、作品がさらに良くなるための一歩なのだと感じます。