増村 油彩
前方に白いテーブルクロスと料理、そこでゆったりした時間を過ごすカップル、後方にはガラスに映った手前の像と向こうに見える景色…多くの人が探り当てることができるであろう、これぞ正統派なフランスのイメージ。
油絵の具にまだ慣れず、手法としてはぎこちない部分もありますが、増村さんの描きたかったフランスのレストランの雰囲気(料理の匂いや会話の声、流れる時間)は十分伝わります。
白いテーブルクロスの清潔感が前面に出るように、風景を化粧仕立てで改変するのではなく、周囲の世界があからさまにならぬよう少々暗く改良しました。とくにガラスに関しては終始背景の形態と色彩に工夫を凝らしながら制作しました。
そんな過程もあり、この絵の中の人物は主役ではありません。風景のしかるべき場所に所属しているモチーフのひとつでしかないのです。ですので男性はテーブルクロスに溶け込んでいますし、女性の顔も描きませんでした。
この効果により見る者はあたかも隣の席で食事をしているかのような気分になれるのです。あるがままの世界の姿を借りて、増村さんの理想とするあるべき世界を築き上げる。この絵の前でワインを飲んだら、きっと私もしかるべき場所に所属するモチーフとしてすんなり溶け込むことでしょう。 オバラ
前方に白いテーブルクロスと料理、そこでゆったりした時間を過ごすカップル、後方にはガラスに映った手前の像と向こうに見える景色…多くの人が探り当てることができるであろう、これぞ正統派なフランスのイメージ。
油絵の具にまだ慣れず、手法としてはぎこちない部分もありますが、増村さんの描きたかったフランスのレストランの雰囲気(料理の匂いや会話の声、流れる時間)は十分伝わります。
白いテーブルクロスの清潔感が前面に出るように、風景を化粧仕立てで改変するのではなく、周囲の世界があからさまにならぬよう少々暗く改良しました。とくにガラスに関しては終始背景の形態と色彩に工夫を凝らしながら制作しました。
そんな過程もあり、この絵の中の人物は主役ではありません。風景のしかるべき場所に所属しているモチーフのひとつでしかないのです。ですので男性はテーブルクロスに溶け込んでいますし、女性の顔も描きませんでした。
この効果により見る者はあたかも隣の席で食事をしているかのような気分になれるのです。あるがままの世界の姿を借りて、増村さんの理想とするあるべき世界を築き上げる。この絵の前でワインを飲んだら、きっと私もしかるべき場所に所属するモチーフとしてすんなり溶け込むことでしょう。 オバラ