モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

よみがえる色彩

2011-04-13 02:59:00 | 大人 パステル・色鉛筆・他
Photo_3矢作 アクリル
赤尾です。今日は矢作さんの新作をご紹介します!
40年前、お子さんたちがまだ小さかった頃に撮った写真を参考にして描いたものです。
ぽかぽか日和のなか、子どもたちがタンポポを摘みながら仲良く歩くようすが矢作さんの鮮やかな色彩とマッチし、春を祝福しているような暖かさを感じる絵に仕上がりました。
驚くことに、使った写真はなんと白黒写真のみ!色は矢作さんの想像力だけで描き切りました。

大人クラスの遠足でも話題に出ましたが、写真を観て描くことには利点と欠点両方あります。
描きたい一瞬を一枚の紙に納め、絵を描くときにも参考にしやすいのが写真の素晴らしいところですが、逆にその写真に引きずられてしまい、実際に観た風景のリアリティを忘れてしまいがちなところが欠点でもあります。実際に観た風景を描いたものと写真を観て描いたものでは、写真の方が冷静に、技術的にも上手に描けることが多いですが、参考にした写真以上の作品に仕上がりにくい短所があるんですよね。
そこで矢作さんのように色彩に自信のある方は、白黒写真を元に描いてみると良いかもしれない!と今回の作品を観て思いました。
よくデッサンのとき「白黒写真を想像して描きましょう」と教わりますが、白黒写真で全体の明暗だけを参考にしながら、色は写真に引きずられない自分のオリジナリティを出せれば写真を使う利点だけを存分に生かせるのでは?!

矢作さんの作品も、白黒写真にしたときの明暗はちゃんと写真に合わせているため、色は鮮やかですが見やすい画面づくりが自然にできています。
デッサンと違い着彩は彩度や絵の具の濃度など、気を使う要素が増えて明暗がおざなりになりがちですが、白黒写真を見ながらだとそれも意識しやすいかと思います。
矢作さんの大作が大成功したことで、ぜひ皆さんに試していただきたいことが増えてしまいました!
ご自宅にお気に入りの白黒写真がある方は、ぜひ一度それを参考に絵を描いてみてはいかがでしょうか!




コメント
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