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ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その7

2021年06月01日 | ISS(国際宇宙ステーション)
5月30日のナイトパスで行ったISSテスト撮影の記録です。

イベントデータ


 今回のパスは5月15日と同じ北天通過コースで、最大仰角、直距離もほぼ
同じなので、今回はカメラではなくファインダーの追尾精度について調べて
みました。

 普段使っている正立ファインダーは接眼部から目が離れると目線がずれて
しまい正確な追尾ができないというデメリットがありますが、望遠鏡に付け
ているもう一つのファインダー「テラルドファインダー」はガラススクリー
ンにサークルが投影されているためファインダーから目を離しても対象が望
遠鏡の視野から外れることがありません。
 
 ということはテラルドの方が絶対追尾精度がいいでしょう!と思いがちで
すが、テラルドは光学レンズを使用していないのでサークルが小さいことと
サークルが示す実視界が広いというデメリットがあります。

 テラルドファインダーの赤色三重サークルが示す実視界は外円から、4°/
2°/0.5°/ です。つまり一番内側の視界は30′で満月とほぼ同じになります。

 現在の撮影システムでの174MMカメラの写野は0.22°×0.14°(13′×8′)なので
内側のサークルのさらに中心でISSを維持しなければ追尾できない計算になります。

 これはかなり厳しいものがありますね。で、実際に撮影してみました。

Powermate2×+174MM+IR Pass Filter(685nm)
Shutter=0.844ms、Gain=350 (87%)、FPS (avg.)=34


 結果はご覧のとおりでした。写っていたのたったこれだけ… なんと動画のほとんどが
真っ黒でわずかにしかキャプチャーされていませんでした。やはり0.5°(30′)の視野では
広すぎるようです。正立ファインダーのサークルは視野が0.2°ですがこの差は思った以上
に大きいことがよくわかりました。

 以上、ファインダーの比較テストでした~。


過去ブログ↓
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その6
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その5
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その3
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その1