晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

2016年「来年見える細~い月(月齢1未満)」

2015年12月23日 | 「見たい天体現象」
ふと見上げた空に細い月を見つけると、思わず立ち止まって見入ってしまいますよね。

超スリムなお月さま(月齢1.3) 輝面比0.02

2009年2月26日17時48分 SE200N 直焦点 D70 ISO200 1/10

儚げだけど、とってもきれいで、何か得した気分にもなってしまいます。
もっと細い月も見てみたい…と思うところですが、究極に細い月の限界はどこにあるのでしょう?

細い月は天体現象ではありませんが、かねてから究極に細い月を観察テーマの一つとしていたので、
今年から「来年みたい天体現象」の定番テーマとして毎年紹介することにしましょう。

究極の細い月といえば月齢1未満の月…となりますが、
そうそう見えるわけではありません。

月齢0.9の細い月 輝面比0.01

2010.4.15 18:46:58 f100mm F6.0 D50 ISO800 1/4(トリミング)

月齢1未満の月が見える日の条件として、新月時刻>日没時刻 という関係があります。
来年の新月時刻と仙台市の日没時刻は下記のとおりです。

        新月時刻    日没時刻  翌日の日没月齢&高度
 1月10日 10時31分 (16時36分)  1.3  13.397° 
 2月08日 23時39分 (17時08分)  0.7   7.779°
 3月09日 10時54分 (17時40分)  1.3  14.784°
 4月07日 20時24分 (18時07分)  0.9   9.228°
 5月07日 04時30分 (18時35分)  1.6  15.889°
 6月05日 12時00分 (18時59分)  1.3   9.031°
 7月04日 20時01分 (19時06分)  1.0   3.438°
 8月03日 05時45分 (18時46分)  1.5   7.187°
 9月01日 18時03分 (18時08分)  1.0   4.397°
10月01日 09時11分 (17時21分)  1.3   8.134°
10月31日 02時38分 (16時40分)  1.6  11.258°
11月29日 21時18分 (16時19分)  0.8   7.364°
12月29日 15時53分 (16時26分)  1.0   9.331°

〈考察〉
月齢1.2~1.3は日没10分後に簡単に見える。
月齢0.9は日没35分後に見える(撮影可能となる)が空の透明度に依存する。
月齢0.8は不明、日没時高度が7.3°の場合、日没35分後は1.5°になる。
月齢1前後の月の観望好期は白道が立ち上がっている11月~4月までである。

以上のことから、

来年の「月齢1.0未満の月撮影ミッション!」遂行可能日は
 2月 9日(火) 月齢0.7 日没17:09
 4月 8日(金) 月齢0.9 日没18:08
11月30日(水) 月齢0.8 日没16:19  …の3回となります。

さすがに月齢0.7は無理そうに思えますが、
見ることのできる細い月の限界は、どのくらいなのでしょう?

実は、細い月を見た世界記録があります。

「細い月を見た世界記録は、1996年1月20日米国アリゾナ州ツーソンの
標高730m地点から口径8cmの望遠鏡による観測で、このときの
月齢は12時間7分でした。」(「月のきほん」白尾元理.著 誠文堂新光社)

ふむふむ、月齢12時間7分ということは、月齢は0.5になりますね。わぉ!
ということは、2月9日の月齢0.7はまだまだ序の口ということになります。(笑)

2月9日の月齢0.5は昼間の12時頃になります。
もし、2月9日の11時45分までに、青空の中で月齢0.5の月を
見ることができれば、みごと世界記録達成!となりま~す。

しか~も、この日は月の近地点通過3日前ですので、条件としては最良です。
標高の高いところに望遠鏡を持参して、チャレンジしたいところですが、
太陽との離角は11時45分でも6°45′しかありません。

そんな近傍で月齢0.5の月が見えるものですかねぇ。
かなり透明度の良いところじゃないと見えないと思うのですが…。
いつの日か、チャンスがある時にチャレンジしてみたいですね。