晴れ時々スターウォッチング

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COMET ISON OUTBURST CONTINUES

2013年11月17日 | 彗星
Spacewerther.comに興味深い記事が載っていたので要約してみました。

「COMET ISON OUTBURST CONTINUES」Friday, Nov. 15, 2013
 11月14日に突然発生したアウトバーストによってアイソン彗星が肉眼彗星になる可能性が高まってきました。11月15日には世界中から「アイソン彗星が肉眼で見えた」という報告が寄せられています。見えたといっても肉眼ではまだ5.5等級のシミのようにしか見えません。望遠鏡を使うとより明るく見ることができます。

 15日早朝にデミアン・ピーチによって撮影された写真でわかるように
突然のバーストは彗星の尾を複雑な形へと変化させました。

 「これが11月10日に私が撮影した彗星と同じものだとは信じられませんでした。」
「アイソン彗星はアウトバーストを起こしました。いよいよ世紀の彗星ショーの始まりです。」
とピーチさんは述べています

 突然の増光と複雑な形のガス・ストリームの出現は、彗星の核で起きている新鮮な氷の噴出によるものです。太陽熱による氷の急速な昇華は、アイソン彗星が今後肉眼彗星になる可能性を確実に高めています。しかし、NASAアイソン彗星観察キャンペーンでは「確かなことは何も言えません」とただし書きを発表しています。「彗星の核は霞んだエメラルドグリーン色の大気の中にあるため、何が起きているのか、そして今後何が起きるかは誰にも分かりません。」とコメントしています。

 ESAスペース・アストロノミー・センターのMark・Kidgerは次のように述べています。「私はアイソン彗星がリニア彗星(C/1999 S4)と同じ運命をたどるのではないかという強い疑念を持っています。」Mark・Kidgerは2000年にリニア彗星が太陽に向かう途中に崩壊する現象を観測しています。「アイソン彗星の突然のガステールの出現とコマのファジィーな増光は、リニア彗星が突然アウトバーストして崩壊した時の直前の様子を彷彿とさせます。」



 繰り返しになりますが、アイソン彗星に何が起きているかは誰にも分かりません。これがアイソン彗星の断末魔の叫びなのか、多くの彗星が経験しているイベントの第一歩なのかはまだわかりません。近日点通過は11月28日です。

 アイソン彗星は17日と18日におとめ座のスパイカのすぐそばを通過するので
とても見つけやすい位置にあります。

<補足>
ふ~む、ふむ…太陽に近づく途中で自己崩壊を起こす可能性があるということですね。
そ~れは困ります。近日点通過前に崩壊したのでは、12月に見える可能性は0になってしまいます。

NASA Science News(*)にも「アイソン彗星のその後」として3つのシナリオが載っています。
#1「近日点通過前の自己崩壊」
#2「近日点通過時のサンバーン熱による消滅」
#3「太陽熱と太陽引力に耐えてみごと生き残る」
果たしてアイソン彗星はどのような運命をたどるのでしょう?
近日点通過まであと12日です。