晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ISS超拡大眼視6thミッション

2010年08月06日 | ISS(国際宇宙ステーション)
8月6日プレスリリース
    「ISS超拡大眼視ミッションの6回目を本日予定通り行った」

「それはまたずいぶん唐突な話ですね~。しかも過去形ですか!?」
「そうだ。しかも倍率は200倍だ。」
「え?120倍も成功していないのに、いきなり200倍ですか!?」
「そう、焦点距離3000mに15mmのアイピースで200倍だ。」
「で、結果は?…」
「残念ながらミッションは失敗した。」
「…ですよね~、どう考えても無謀過ぎますよね~。」
「しかしながら、貴重なデータは取得できたと考えている。」
「そもそも今回のミッションの目的はなんですか?」
「限界を知ることで適正を見つけることである。そもそも、この
  ミッションは非常に難易度が高いため成功への道は険しい、
  であるからして…、」
「はい!ありがとうございました。次回のプレスリリースを待ってま~す。」


今回の通過条件は下記の通りである。


条件としてはかなり良い。

しかも夏場の好気流のためシーイングも良い。
直前に見た木星は揺れが全くなく、とてもよく見えた。
しかし湿度が高いため透明度はベストとは言えない状況である。

今日の拡大眼視ミッション・システムはWHITEY DOB30(f1,500mm F5)に
powermate2×を装着(合成焦点距離f3,000m)アイピースはPh15mmである。
今回の実視界は下記の通りである。

f3,000mm Ph15mm(見掛視界60°) 倍率200倍
実視界=60°÷200倍=0.30°(18.0分)

実視界
焦点距離1,500mm
☆PL25mm(52°) 60倍 52°÷60倍=0.86°(51.6′) ← 1st.2ndミッション
☆HC12mm(42°) 125倍 42°÷125倍=0.33°(20.1′) ← 5thミッション
・PL10mm(52°)150倍 52°÷150倍=0.34°(20.4′)
・Ph8mm(60°) 187倍 60°÷187倍=0.32°(19.2′)
・Ph5mm(60°) 300倍 60°÷300倍=0.20°(12.0′)

合成焦点距離3,000mm(powermate2× 使用)
☆WA32mm(70°) 93倍 70°÷93倍=0.75°(45.0′) ← 4thミッション
・Ph25mm(60°) 120倍 60°÷120倍=0.50°(30.0′)
・PL25mm(52°) 120倍 52°÷120倍=0.43°(25.8′) ← 3rdミッション
・Ph18mm(60°) 166倍 60°÷166倍=0.36°(21.6′)
・Ph15mm(60°) 200倍 60°÷200倍=0.30°(18.0′)← 6thミッション

☆はISSを確認できたミッション



これだけの狭視界でも天頂通過コースであれば
低高度で導入に成功すれば、追尾は可能と思われる。

成功への鍵は、いかに低高度でISSを補足するかである。

今回の通過では、高度20°付近でISSが地球の影から出てくる。
高度20°ではISSの移動速度はけっこう速い。見えた段階でISS
を導入できれば追尾可能だが、その後の導入はかなり難しいだろう。

今日のミッションでは導入限界高度の目安を判定できるかもしれません。

時間です。
う~む、ISSはまだ見えません…。お、見えました!
ほひょ、高度20°は予想以上に高い位置です。

一度目の待ち伏せ…、むむ、入りません。
二度目の待ち伏せのためファインダーを覗くと…、
あちゃ~、かなり速度が上がっています。
通過予想位置にあわせて待っていると、ものすごいスピードで
ISSが通過して行き、全く追尾できませんでした。

う~む、天頂通過コースの場合、高度20°は導入限界高度と
考えていいでしょう。導入目標高度は10°~20°でしょう。

さて、為す術がなくなった後は眼視で天頂を通過するISSを見送るしかありません。
トホホ…です。と、その時です。「そうだ!30倍反射式双眼鏡があったぞ~!」

急いで部屋に戻り、双眼鏡を手に外に出たときには、すでにISSは
北東の空…、何とか高度30°付近で導入に成功するも、手ぶれが激しく
詳細は分からず…、両端に光る鈴が付いた細長い板のように見えました。

ふう、ISSを見送ると、東の空には有明けの月がきれいに見えています。

天文エキスパートのKさんが(気流のいいときに見る月はものすごくきれいだぞ~)
と言ってたのを思い出し、望遠鏡を月にむけると…、「なんじゃ!こりゃ~!!!」
そこには今まで見たことのない月世界が広がっていました。

この続きは「600倍で見た月」で…。