駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

国連で仕事をする本物が居た

2017年04月03日 | 人物、女

     

 中満泉さんのことは写真を見て経歴を呼んだだけで、何も存じ上げず縁もゆかりもないが、国連事務次長に就任されるとの報を聞いて心にぽっと火が灯る気がした。偉そうで僭越だが、本物だとわかったからだ。緒方貞子さんの薫陶を受けておられるのを読んで一層間違いないと思った。

 緒方さんは難民を見て可哀想だと泣いている日本女性にそれでは駄目と言われた。些末なことを大きく取り上げて本当の問題に対抗させて時間を稼ぎ、やり過ごそうとする政治家を批判するだけでは駄目と言われているような気もする。日常生活の中で何ができるか、何かをしたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京走り書き

2017年04月02日 | 

    

 帰りの新幹線に品川駅から乗った。品川駅は好きだが遺憾ながら品川駅には旨い店はない。東京の所謂旨い店は日曜休みが多く、地方からの上京者には不便だ。飲食店数は私の住む街の百倍くらいありそうだが、美味しさにはさほどの差はなくせいぜい二倍程度に感じる。尤も、これは私の限られた経験による評価だし、美味しさを数字で表すのは難しいので、全くの印象に過ぎない。ただバラエティは二倍どころではなく二十倍くらいありそうだ。

 しかしまあ、いつ行っても東京の都心は高層ビルが林立し、バスではなく網の目のように張り巡らされた電車で移動するほど広いのに、何だかたくさん人が居て(外国人も多く理解できない言葉が飛び交っている)田舎者は目が回る。これぞ大都会を体感した。唯、雑踏ばかりかというとそうではなく、緑は多く一寸した公園や街角で桜が七分くらいか見事に咲いていた。キチンと人の手が入っている感じで、野放図に巨大化した街とは違う。

 築地市場移転で東京都は揺れているが、これほど大きな街をどうやってお守りすればよいのか、小池知事も大変だなあと同情しながら帰ってきたことだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心に負担の看取り

2017年04月01日 | 小考

           

 花に嵐というけれど、花が咲く前に寒冷前線の襲来で冷たい雨が風に舞っている。

 後期高齢者を看取るのはさほど心に負担と感じないが、五十代六十代の末期がん患者を看取るのは、実は苦痛で心に重い負担を感じる。臨床四十五年、そうした患者さんをかれこれ百人ほど看取ってきた私でも、到底慣れることが出来ない仕事だ。実は親しくなった若い患者さんが亡くなるのが辛くなったのも開業した理由の一つだ。

 先日、緩和ケアを専門としている一回り若い、といっても五十代後半のS医師と話す機会があった。彼はもう二千人以上の末期がん患者を看取ってきたという。

 それで一番困るというか悩む問題、患者とどう接するかを聞いてみた。まあ、生い立ちとか昔話ですね。話さなくなれば特に話はしません。そういうのを負担に感じませんかと聞いたら、気にしても始まりませんからとあっけらかんとしていた。ああ、そうかと腑に落ちた。全く私の類推に過ぎないが、緩和ケアを専門とされる医師には、高所恐怖症でないというか神経が太い?医師が多いらしいと気付いた。

 考えてみれば当然かもしれない。数日に一人看取ってゆくわけだから、辛い淋しい苦しいなどと思っていたら身体が持たない。恐らく死ぬのは生物現象と捉え受け取っておられるのだろう。いい年をして今頃何を言っているんだと言われそうだが、成る程?と思った。キューブラーロスや池田晶子とは別次元というか違う心性を感じた。唯、S医師の真意はわからない、はぐらかされたのかもしれないし、あっけらかんと受け取った私の行き過ぎた忖度かもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする