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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

賃上げに必要なことを

2014年01月26日 | 世の中

                         

 私は小なりと雖も、七人の従業員を抱える事業主で、四月には昇給が待っている。驚くべき?ことに開業以来、毎年賃上げをしてきた。この十年、収益は全くの横ばいで、昇給の為に医院の年間黒字は少しずつ減ってきている。このまま行けばあと数年で赤字に転落する。その時は私の給与を減らすか備蓄を取り崩すしかない。

 熱心に勉強し診療に取り組む同業者もこと経営に関する話になれば辛く厳しい言葉が飛び出してくる。しかしながら、どうも世間には儲けすぎているのだからそれでいいのだという空気が流れており、開業医の懐具合に全く同情は感じられない。昔ほどではないが今も週刊誌レベルのマスコミは算術医という通り一遍の見方から抜けきれず、そうした空気を助長している。この辺りの話は微妙で誰がどの業種が潤っているかはオープンに語られることはない。それこそ秘密保護法が腕を振るいかねない領域である。

 正直に手の内を明かせば、診療代金の元手の主な物は設備投資と賃金で材料費の割合は低い。そのために損益分岐点を超えると収益が増えやすい構造になっているとは言える。つまり一定数以上の患者さんが受診して下されば収入は急増するということだ。但し、喩え百円の収益でも全て実働が伴い、年次昇給はなく年と共に仕事はきつくなる。

 どうも回り道が長くなったが、アベノミクスで景気がよくなったから給与を挙げろと言われても、冗談はほどほどにしてくれということだ。トヨタの給与は簡単に上げられるかも知れないが、収益が上がらない零細企業は身を切ることになる。アベノミクスの正体は強者を強くし弱者を弱くするもののように見える、否、安倍首相はと言った方が良いかも知れない。勿論、安倍氏は優れた戦略家であるから、そうした実態はおくびにも出さない。本当は恵まれていないフォロウワーには好景気の香りを送っているようだ。

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インフルエンザの瞬間診断法

2014年01月25日 | 小考

                       

 インフルエンザが流行し始めた。インフルエンザには診断キットがあるのだが、それよりも迅速簡便廉価な診断法がある。一目で付く診断法と言ってもこの方法は見るのではなく感じる診断法である。

 患者さんがどことなくしんどそうに診察室に入ってきて椅子に座って二三回咳をする。そうするとまるで電気ストーブが近づいてきたかのような微かな熱感を皮膚に感じる。身体全体から熱を発し、だるくつらそうだが受け答えはきちんとできる。言葉では表現しにくいのだが、私はインフルエンザに罹りましたと顔に書いてある。インフルエンザ流行期であればこれでほぼ間違いなくインフルエンザと診断できる。

 勿論、中にはさほど高熱でなく迷う症例もある。迷う症例では診断キットの陽性率は50%程度で境目の症例の診断は難しい。これは診断キットの正確さが100%と仮定した場合で、実際には検査時期、採取検体や個体差・・の問題があるので、診断キットの信頼性は100%ではない。症状所見が典型的でない境目症例や発症初期には見逃しも出てくる。

 先に書いた熱感感知診断できるような症例では90%以上の確率で診断キットも陽性なのだが、時には陰性の症例もあり、臨床診断と検査診断どちらを優先すべきか迷わされることもある。そうした場合は診察所見病歴を勘案して状況証拠で決めることになる。

 最も注意すべきは、あっまたインフルエンザかと発熱患者を病歴と所見をはっしょって診断してしまうことだ。二十人に一人くらい別の発熱疾患が紛れ込んでいる。これは教科書よりも、臨床医誰もが失敗から身にしみて学ぶ教訓だろう。診断にはいつも病歴所見検査の三つ揃いを忘れてはならない。

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都知事選の争点

2014年01月24日 | 町医者診言

                      

 都知事選の争点は五輪でも原発でもない。争点は住みよい東京、住み続けられる東京を生み出せる人物は誰かということだ。政策は人物と共にある。

 東京は日本の首都で人口機能共に日本の中枢であり、東京都知事は首都行政の長以上の存在感が漂う。穏やか冷静で冗談のわかる有能な人物をと思うのだが?。

 情報操作に惑わされないで、直の声を聞いて考えてベターと思う人を選択して欲しい。

 

 *マー君 ヤンキースへ。まいさん、西海岸もいいがやっぱりニューヨークですよ。異文化の中で、成長して活躍されることを祈ります。

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ご趣味はと聞けば

2014年01月23日 | 人生

                   

 今はだいたい六十から六十五歳が定年のところが多いようだ。六十五を過ぎると嘱託というのか今までの半分ほどで仕事を続ける人やアルバイトのような仕事を見付けてきて働く人と、完全に退職して「毎日が日曜日ですわ」という人が半々になってくる。七十を過ぎると、毎日が日曜日の人が増えてくる。

 毎日が日曜日とおっしゃる方も七十半ばくらいまでは、医者通いをしていても、フルタイムでなければまだまだ働けそうな方が殆どだ。そうした方に毎日何をされておられますかと聞くと「あれこれ」、「ごろごろ」、「散歩するくらいです」と以外に趣味らしい趣味もなくノンビリ、ぼんやり?と過ごされている方が多い。何か趣味はないんですかに「無趣味です」。と答えられる方もかなり居る。

 望んで?そうされているのだからそれで好いのかも知れないが、どうもそうした男性は女性に比べると元気がない印象を受ける。女性の場合はもう少し若く子供が巣立ち、更年期を過ぎた頃油が切れた感じになられる人がおられる。

 外から取って付けたように趣味を強制することはできないが、朝起きてすることがないというのは勿体ないと思う。趣味というと重要ではなくたいした意味はないように思われるかも知れないが、興味あること面白いと思うことと言い換えれば、意味合いも変わるだろう。朝起きてすることがない生活は、生活習慣病の悪化や認知など悪魔の標的になりやすい。どうすればと言われても手軽な名案はない。厳しいようだが天は自ら助くる者を助くと申し上げねばなるまい。

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本当に長持ちするか

2014年01月21日 | 身辺記

                      

 癖というか習慣で、履き始めた靴を毎日履いてしまう。三年程するとくたびてきた靴を見て「もう変えなさいよ」。と下命が出る。その時、「同じ靴をはき続けるから早く傷むのよ」とお小言が加わる。 

 半信半疑で、一度二足買ってを交互に履こうとしたことがあるが、結局僅かだが気に入った方を毎日履いてしまい、交互に履くと長持ちするという教えを証明することはできなかった。本当に交互に履くと長持ちするのだろうか?。くたびれた靴もなかなか捨てられず、靴箱に入れて山小屋に行く時など履いているのだが、「捨ててしまいなさいよ」と注意されている。なかなか身についた習性を修正するのは難しい。

 ちょっと話が変わるが老化は足から来るとよく言う。これは本当のようで五十、六十、七十と年を取ってゆくと筋肉量が落ちてゆくのだが、これは下半身特に大腿四頭筋に著明なのだ。現象としてはしゃがみ立ちができなくなる。年を取っても体力を落とさないために下肢特に大腿四頭筋を鍛えることが有効と報告されている。朝昼晩と食事時にテーブルなど一点に触れてバランスを取りながらしゃがみ立ちを十回ほどするだけで効果がある。二三回から始めればよい。わざわざ運動するのが難しい人は一階の昇降にはエレベーターやエスカレーターは使わないという原則を作り生活の中で守るだけでも効果がある。

 運動も食事も継続が力なので、テレビでやかましく掛け合いで宣伝される健康法は大同小異、わざわざ大金?をはたくこともない。継続が一番の鍵なのだ。

 

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