駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

落語の医者を真似してみたい

2014年01月31日 | 診療

                   

 医者という職業は結構お笑いの種に使いやすいらしく、落語にもよく出てくる。大好きな枝雀の枕にも医者が登場していた。

 胸を聴診しながら、「はい、吸って-、吐いて」と指示するのだが、そのうち「吸ってー」、「吸ってー」、「吸ってー」となり、患者が「苦しい」。と言い出す、にやりと笑って「苦しいでっか」。

 これを実際にやってみたくなって困る。未だ試したことはない。「先生、殺生な」。と冗談の分かる患者は居ないものだろうか。残念ながら落語家の患者さんはいない。

 医者も人の子、石や材木で出来ているわけではないので、年に一度くらい美人の聴診をして審美眼を秘かに楽しませて戴くことはあるが、三週間に一度くらい「頼むから息を吹き掛けんといてーや」。と内心思いながら、顔を背けて聴診させて戴く羽目に会っている。目はつむれても鼻はつむれんからな。

 仕事に楽しみを見付けることは飽きず続けるコツだろう。嫌な思いを帳消しにしてくれる楽しみや喜びがあるからやっていける。美人でなくてよい、気の合う楽しい患者さんは有り難い。

コメント (2)
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