駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

寒波襲来のニュース

2014年01月12日 | 自然

                  

 北米東部に大寒波が襲来している。ナイアガラの滝が凍ったというニュースを見た。流れる滝が凍るとは、生半可な寒さではない。多くの犠牲者が出たというニュースは伝わって来ないが、凍死者も出ているだろう。

 零下十度二十度の世界ではガス欠やエンストが命取りになる。極寒の地では、車のトラブルには通りかかった車が大丈夫かと声を掛ける自然発生的な約束事があるようだ。小説や冒険記を読んでいると寒冷地では旅人に暖房と温かいスープを出すのが当然のもてなしになっているようだ。

 それにしても移動も制限されるような寒冷地に多くの人が住んでいるのは不思議な気がする。極寒の地にはそこで暮らす智慧があり、そこで生まれた人達は寒さを厭わないように育つのだろうか。中には従姉妹の旦那のように北海道の冬はよく本が読めるから好いとたまたま移動した札幌の郊外に住み着いた人も居るが。

 寒冷地から温暖の当地に転居した人は暖かさよりも雪かきの煩わしさのないのが好いと言われる人が多い。移動してきた当初は我々が寒い寒いとたかだか摂氏二度三度の気温で騒いでいると、これは寒さの内に入らないと鼻で笑っているのだが、五六年すると身体がなまり、先住の我々と同じように摂氏二度三度で寒いと言い出すのが面白い。

 寒さが苦手だから冬が嫌いかと聞かれればそうでもない。なんというか零下の世界には不思議な清潔感がある。凍てつく寒さの朝、表に立つと透徹した静けさの中に千年の時が漂っているのを感じる。

 

コメント
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