桜餅が終わって柏餅へいう季節だが、最近はどちらも長めに出場しておりバトンタッチしないで暫くの間並走するようになった。両者共に人気があるせいだろう。どちらが好きかといわれては答えに窮する。どちらも好きだ。ただ、私の育った地域の桜餅は道明寺だったので、桜餅の皮は道明寺でなければならない。勿論、皮ごと頂く。柏餅は皮を食べない、当たり前か。
さて、この桜餅と柏餅、お値段がお店で微妙に違う。全国的に名の通った店のものは高く150円以上する。当市のデパ地下にも出店している。ローカルブランドの105円よりも確かにいくらか旨いのだが、とびきりとは言い難い。ローカルブランドのお安いのは皮に継ぎ目がない。どうも餡を包んだのではなく注入したらしく、皮がのっぺらぼうで力が足りない。
きっと名古屋や京都に行けばとびきりのお値段でとびきり美味しいものがあるだろう(名古屋は意外といっては失礼だが和菓子のレベルが高く、京都ほど値が張らないが味は負けていないと思う)。しかし、桜餅や柏餅はやはり、むしゃくしゃと粗茶で食べるもので、洋菓子顔負けのお値段のものは、たとえ上品に美味しくても私の趣味ではない。
いつも今の季節になると帰り道を遠回りして、O菓子店にわざわざ買いに寄る。ここは季節限定で背中の曲がり始めた頑固親父が、本物をこさえて一個130円で売っている。他の自家製店より少し高めだが、本当の手作りで皮に力がありく旨いのだ。和菓子といえば餡と思いきや、案に相違して、桜餅と柏餅は皮がポイントなのだ。餅の味がする皮でないと駄目、たぶん、同意される方も多かろう。
写真は残念ながらO店は売り切れで、ローカルブランドの大量生産品。