駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

耳が痛い

2012年04月19日 | 町医者診言

    

 また学校健康診断の時期になった。私一人で820名の生徒を受け持っている。一人で診ることのできる限界数だ。一学年ずつ診てゆくから昨日は三年生272名、連続して聴診していると耳が痛くなる。三十人ほど診た後聴診器を外して耳の穴を休める。診察していていつも感じることだが、身体と心が不釣り合いに感じられる生徒が多い。立派な身体なのに幼い感じがするのだ。

 診察を待っている生徒に教師から静かにしろとか、おしゃべりを止めなさいと何度も叱声が飛ぶ。三年生にもなってと聞いている方が嫌になる。もう少し自立を促した扱いをしてもいいのではと思うのだが、頭ごなしの管理と言うか指導がされている感じを受ける。たかだか健診の数時間で、そこまで分かるかと言われそうだが、中らずとも遠からずだろう。

 もう五十年以上前のことでうろ覚えではあるが、自分が中学生の時には「黙れ」。とか「しゃべるな」。とか先生に頭ごなしに怒鳴られたことはないような気がする。

 二十年前は校内暴力で問題だった学校で、校長が開口一番この辺りは低所得者が多くてと言われ驚いた(教育者がそんなことをと)中学にしても、これでは生徒が幼くなるのではと、余計な?感想を持った。

 私は専門家ではないが、教育は幼い時ほど大切で小学校中学校は人間になるための教育の場だと思っている。教育学的にも多分正しいだろう。大学では手遅れ、ましていい年の大人をなじりいじめても空しいばかりだ。

コメント
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