駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

天才数学者の予想

2009年11月24日 | 自然
 私の場合、算数は得意でも数学はよく分からないのだが、数学への憧憬を持っている。数学の教師は好かんが数学者は尊敬している。世にそんな人も多そうだ。そのせいか、BSでNHKスペシアル番組のリーマン予想とポアンカレ予想が再放送された。
 天才の予想は超難問で取り憑かれて解けず精神に異常を来たした数学者は数知れず、果てはこの予想は間違っていると言い出す数学者も現れるといった状況だ。取り憑かれ、後一歩で解けなかった数学者が、私が狂わなかったのは、私をポアンカレ病と茶化してくれた家族のお陰と述懐していた。
 ポアンカレ予想はフェルマーの最終定理に続いて証明されたらしいのだが、解いたペレルマンはフィールズ賞と賞金を辞退し行方不明と云うのだから、数学の魔性を感じてしまう。
 私には皆目分からないのだが、数学の持つ美しさの引力は絶大でそれを垣間見た人を虜にするらしい。恐らく俗の対極にある感覚なのだろうと想像するが、生命を作り出した原理と脳の知的感覚が共振するような所があるのだろう。
 数学は一体何だに関してはいくつかの立場があるようだが、尊敬する小平先生に習い私は素朴に実在すると思っている。少なくとも命と同じように存在する。まあこれは天才を真似て凡人にもできる予想であるが、私の場合は予想というより実感というか確信である。
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ロバの心境

2009年11月23日 | 身辺記
 ロバは飼い葉桶がいくつも並んでいると一体どれから食べればよいのか迷い、立ち往生するそうだ。
 私は本屋に行くとまだこんなに読みたい本読まなければならん本があると、目移りしついふらふらと十冊ばかり抱えて帰るのだが、自宅には未読の本があちこちに積んであり、どれを読めば良いのか迷って、飼い葉桶に挟まれたロバのように右往左往している。
 そういえば若い時、研究の参考にと多数の文献を集めはしたが、集めるだけで草臥れて結局三分の一程度しか目を通さないことがよくあった。
 町医者になり、還暦を過ぎても、悪い癖が抜けない。
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とんまな泥君

2009年11月22日 | 世の中
 神戸の飲食街 こそ泥が換気窓に挟まり身動きできず捕まる。
 警察官に身体を捻ってみろと助言され引っ張り出されて、お縄頂戴。どうも寒いので着込んでいた上着が挟まり身動きできなくなったらしい。こういう間抜けな泥棒はそのとろさに免じて2割くらいおまけ(減刑)してやりたくなる。
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美しい人、二

2009年11月22日 | 人物、女
 渋谷智子さん、「コーダの世界」の著者として紹介されたお写真を見て、ああここにも美しい人がいると思った。全くの未知の人ではあるが、厚みと深みのある美しさ、そしてどこかやさしい。日曜の朝が一段と気持ち良くなる。
 写真家の記載はないが、一流の腕と思う。
 コーダに言葉の世界があるならコーバに造形の世界があるかなと余計なことを考えた。
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夫婦さまざま

2009年11月21日 | 世の中
 Tご夫妻は共に当院に定期的に通院されているが一緒に来院されることはない。月に二度、朝医院を開ける時主人か奥さんが順番取りに早くから来て待っておられる。不思議なことに奥さんが順番を取られた時に受診されるのはご主人で、ご主人が順番取りの時に受診されるのは奥さんだ。
 自転車で5,6分の距離なのだが、日に二回医院に出向くのは億劫ということか、あるいはどちらかが最初した親切のお返しを繰り返しているのか、聞いてみたい気もするが折角の美風?に水を差してもいけないので黙っている。
 夫婦は二人なので来院パターンは二つしかないと思われるだろう。つまり一緒か別々か、ところがいろいろある。まず時々二人で来院されるのがある。時々別々で受診というのはほとんどない。二人で来られるご夫婦はほとんどいつも一緒に来られる。
 同じ日に別々で来られるご夫婦もいる、これはほとんどご主人が先で、奥さんが先というのは少ない。
 それからご主人に頼まれて奥さんが薬をもらいに来られることがある。ご主人が奥さんに頼まれてわざわざ来られることはほとんどない。ご主人が受診のついでに、奥さんの薬をということは時々ある。十年近く通われていても、お二人が夫婦だと全然気が付いていないことがあり、「えっと下の名前は」。と驚いて尋ねなければならないことがある。夫婦は親子と違い似ていないから、まったく連想が働かない。それに失礼ながらなんだかしっくりこない組み合わせもある。
 コロンボではないが、しばしば会話に登場していたご主人がいよいよ登場され、およよと云うこともある。それはそれで味わい深いのであろうが、なんというか長く生きていると釣り合い感覚というものができており、よけいなお世話の感想を抱くことがある。勿論おくびにもださない。
 鳩山首相ご夫妻は坐りが良い。ユニークな経歴ではあるがマスコミが叩かないのは人徳か、マスコミの気まぐれか。あるいはお似合いと云うことも手伝っているのかも知れない。
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