駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

新型インフルエンザ前線情報

2009年11月07日 | 医療
 局地の前線情報だが当地の新型インフルエンザは峠を越えそうだ。例年の季節型インフルエンザが猖獗を極めるのはせいぜい二週間で、それを過ぎると徐々に下火になってどこかへ移動してゆく。恐らく新型も二週間程度の流行で移動してゆくものと予想する。連休や雨が収束を早める傾向があるので、文化の日効果かもしれない。
 当院では既に二十数名の新型と思われるA型インフルエンザを診療したが四十歳以上の患者さんはいない。小児を診ないせいもあるが、十代後半が大部分である。重症例はなく、タミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬が有効で、翌日には解熱している。近隣の医師仲間も同様のことを話しているので、どうも健常な中高年は感染しにくいらしい。孫がインフルエンザに罹ったという爺さんが、ちょっと鼻がむずむずして、風邪っぽかったかなあと述懐していたので、感染しても軽く済んでいるのかもしれない。
 こうした情報は限られた数と地域でのものだが、かなり信憑性がありそうだ。間違いなく厚労省もこうした事実を把握していると思われるが、発表されるのは流行が去った後だろう。国民、マスコミ、役所の三者の体質が変わらないと、生情報は一人歩きというか暴走するので発表しにくいと予想する。
 勿論、なめたらあかん。なーんだと思いながらも慎重に診療しないとしっぺ返しを喰らう。大丈夫ですよとにっこりしながら、耳をそばだて目を配り万一に備える、どうも因果な仕事だ。
コメント (2)
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