駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

研修医の横顔

2009年11月12日 | 診療
 当院には二年目の研修医が年に6、7名回ってくる。4日くらい居るわけだが、特別講義らしい講義をするわけではない。ただ側に付いて貰い町医者の生活を見せて、最前線ではこうして診療しているのだという実情を身を以て体験してもらう。
 もう六年になるので述べ四十人ほどの研修医が来た。以前にも書いたが家庭環境出身大学志望診療科などで多少医療に取り組む姿勢に違いがあると感じている。本来の個性というか性格もあるのだろうが、しつけというか校風というかそういったものがあるようだ。好ましいところどうかなと思うところがいくつかある。少し書いてみよう。
 私が診療する時、脇で見ているだけで、退屈といえば退屈だ。午前中は忙しいから合間に話をする時間はほとんどない。
 半数の研修医はずっと私と患者の話に耳を傾け診察を注意深く見ている。三分の一は救急当直の心得などといった本を読んでいる。最後の六分の一は夢うつつで朦朧としているおり、動きがあるとはっと覚醒するようである。勿論、診察を目を皿のようにして見聞きし、時には質問する研修医を好ましく思う。別に本を読んで勉強していたり、うつらうつらしていても注意はしない。ただ一度、患者が注意したことはある。
 きちんと診察を見ている研修医には、自然身体が動いてドアの開け閉めを手伝ったり足の不自由な患者に手を貸す者が多い。
 突っ張っていた若い頃、今でも多少突っ張ってはいるが、を思い出せば偉そうなことは云えないが、自然身体が動いて患者を支え、先輩の言葉に耳を傾ける研修医がいずれ伸びると思う。素直(反骨と共存可能)で常識のある若者に伸び代を感じるのはあながち老兵の感覚でもないだろう。
コメント (2)
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