駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

木枯らしが吹き始めた

2009年11月05日 | 身辺記
 この一週間で急に冷え込みが厳しくなり、朝早く来る患者さんの血圧が上がってきた。寒くなり始めは血圧が上がりやすいので、冷えに気をつけるように指導している。患者さんによっては寒くなると降圧剤を増やす必要のある人も出てくる。風邪やインフルエンザの患者が増えて、待合室も混み始める季節なのだ。
 それにしてもあっという間に寒くなるものだ。ちょうど良い気温の期間は短い、たかだか二三週間しかないような気がする。清少納言ではないが、どの季節もそれなりに魅力があり、暑い寒いと言いながら人は四季の移ろいを楽しむ。
 恐らく少数派だと思うが私は木枯らしの吹き始める十一月が好きだ。適度な寒さ、澄んだ青空そして風に舞う落ち葉。身の回りの動植物は冬支度の真っ最中なのだろうが、私はインドアー生活を堪能すべく、読めもしない本をどっさり買い込んだり、なかなか完成しない作品に手を入れたりする。妙なことを言うと思われる方も多いだろうが、今は昔私には恋の季節でもあった。
 11月3日が文化の日なのはきっと11月は文化に親しむ季節と多くの人が感じているからだろう。昨日は本屋で山崎豊子を物色してきた。なんだかはまりそうで恐いが、取り合えず一つ読んでみよう。彼女の作品に出てくる苗字が奇妙だとどなたかが書いておられたが、これは決して架空の名前でなく実在するものを巧妙に味わい深く選んだプロの仕業なのだ。ちょっとその苗字の方には失礼だが、佐藤や鈴木では物語にならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする