三菱重工のジェット旅客機MRJ(最近名前をスペースジェットと変えた)が頓挫している。専門外の人間に航空機開発の詳細が分かるわけはないが、納入延期を繰り返していることは分かる。精巧複雑な機械だから一二度の延期はあり得ることと理解できる。ようやく三度目の正直までは許容できるが、受注開始から足かけ十年六度目の納入延期と聞くと部外者でも一体どういうことだと声を荒げたくなる。日本のビジネス技術の信用が壊れてしまうからだ。相手は冷静冷酷だから発注取り消しが相次いでいる。
昔の名前では響きがある悪いと名前をスペースジェットに変えたようだが、それも姑息に聞こえてしまう。
技術立国日本というかってのキャッチフレーズが耳にこびり付き、日本人は優秀だから大丈夫と自分の科学技術音痴を棚に上げ妙な自信を持っている人が多いようだが、今や日本はIT後進国で実は生産性が低下しているのが現実だ。勿論、何でもかんでもITが良いかは問題だが、それは実力を付けながらの話で、出来ないのに問題にしては言い訳になってしまう。
私はこの三菱MRJ開発挫折の直視と解明が、技術立国再興の手がかりになると見ている。恐らく技術だけでなく、低い生産性の問題、問題解決力の低下・・・、現在日本が抱えるあまり表に出てこない能力の問題が明らかになると思う。都合の悪いこと響きの悪いことを避け続けていると飯が食えなくなるのではと心配する。外部の人材による診察が必要とアドバイスしたい。