駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

適性の問題、粘りが足りなかった

2020年05月12日 | 人生

      

 

 医者は卒業して国家試験に通っても、雛に過ぎず殆ど何も出来ない。それに医業は眼科耳鼻科小児科皮膚科・・と十以上の科に分かれており、しかもその科の中も数種から十数種の専門分野に分かれている。そうした疾患の専門性の他に基礎と臨床、研究と診療それに行政職などの区別もある。どれかを選んで修業しないと一人前になれない。

 そのため百人の卒業生が居れば、全く同じ領域を選ぶことはないといっても過言ではない。勿論、臨床医の場合は例えば内科医になれば高血圧症や糖尿病などよくある疾患は一通り診療できるようにはなる。

 卒業が近づくと、医者になるといっても、果たしてどの分野のどんな医師になるか多くの医学生は迷い悩む、勿論、全く何の迷いもなく消化器外科に決めているとか小児科に行くという奴も居た。

 私は粘り強くないということと父親が同じ開業医だったので巡り巡って、今の仕事を選んだような気がする。一時研究者にと思ったが、アイデアは良いと褒められても粘りがなくやめた。よかったかどうか分からない、しかしまあ人生は良かったと振り返りたいものなのだ。あの時ああしていればといつまでも悔やむのは賢くないと教えられ学んだ。

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