駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

内田先生の見方

2020年05月17日 | 小考

               

 

 内田樹氏が「どうしてこんなに国民的反対があるのに政権は検察庁法改正を強行するのでしょう?と言う問いに「国民が喜ぶ政策を、ていねいに議論して、すみやかに実施すると、国民はそのような『よい』統治者に対しては畏怖の念を抱かないようになります」と心理的側面を指摘、逆に国民が反対する政策を、議論もせずに、怒号のうちに強行採決するようなことを繰り返しているとそのうちに国民も役人も与党の議員たちも『こんなに理不尽なことができる政治家には、何かわれわれの想像もつかないすごい力があるに違いない』と推論するようになります」と壮大な勘違いが生まれ、さらに「彼らのうちの相当数は『なんであれ力のあるものに従うのが生存戦略上最も合理的である』と信じているので、国民が嫌がることをすればするほど国民の中に熱狂的な支持者が生まれるという倒錯が起きる」と指摘している。

 其処まで読んで強行しているだろうかと疑問もあるが、役人や与党の議員達に恐れられているのは確かで、信頼ではなく恐怖と強権で一部の熱狂的な支持を獲得しているのは確かと思う。恐怖に打ち勝つこと寄らば大樹の気持ちを見直すことは難しいけれども、これでいいのだとは思えない。

コメント
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