駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

診察介助は看護助手に限る

2019年08月22日 | 診療

           

 

 看護師がなかなか見つからず、見つかっても難しい女性のこともあるし紹介業者経由ではべらぼうな料金なので、友人に勧められ資格不要で見つかりやすい看護助手を雇用してみた。これがなかなか良い。尤も初体験なので、ビギナーズラックかもしれない。面接で厳選したので、といっても面接は難しく外れも多いのだが、気立ての良い人だった。子育ても終わり看取りも終え、拘束される仕事がないので、勤務に融通がきくし常識がある。資格もなく指導的な立場に立ったことのないせいか、手の空いた時看護師にあれを片付けてこれを捨ててとか言われても腰が軽く喜んでやってくれる。それに半年ばかり経って私の介助をすることが楽しくなった様子もある。時々上手に合いの手を入れてくれるようになった。

 何より良いのは診察介助が最優先の仕事なのでどこかに行ってしまうことがない。看護師だと診察介助が最優先ではなく?、しばしばどこかに行ってしまう。患者に話しかけられたり、検査業務を手伝ったりいろいろあるらしい。確かに診察介助は患者の衣服を脱がすのを手伝ったり脇に立って一緒に話を聞いたりで、看護師としてはさほど重要と感じない仕事かもしれない。本当は患者と医師の会話を聞き、それをスタッフ共通認識として伝え、時に言葉を挟むのは大切な看護業務なのだが、最優先にしにくい状況もあるらしい。確かに混んでいる時は処置室で手が足りなくなっているのだろう。その点看護助手はいつもそばに居て血圧計のマンシェットを巻いてくれたり、お年寄りの移動を手伝ったりと大変助かるのだ。

 自分は少し年を取ったので腰を浮かすのが頻繁だと草臥れてしまうのだ。開業医になって足掛け三十年、最初の十年は診察介助なしで診察していたのだが、世の中が変わり患者さんが色々訴えるようになり、時には若い女性の患者さんも居るし、診察介助があった方が身体が楽なので、二十年くらい前から診察介助を付けるようになった。最初は午前中だけだったが今ではほとんど100%原則付いてもらうようにしている。そして診察介助は人生経験豊富な気立ての良い看護助手に限ると見つけた。

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