駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

BSNHKで広がる世界

2019年08月13日 | 小考

                

                


 BSNHKの空港ピアノと地球タクシーを機会があれば見ている。垣間見る知らない世界に心が広がる。知っている世界が八千キロの彼方にもあるのを知って頷く。この番組を見て嫌な気分になったことがない。ヒット企画でNHKの底力奥深さを感じる。しかしこの頃、ブラジル移民を十年ごとに追った企画や電子立国の企画などホームランが出ないな。

 NHKから国民を守る会という不思議な政党が参議院選挙で議席を得た。NHKから国民を守るというのはどういう意味なのだろう。どうも辞めさせられた?恨みが絡んで視聴料を払って見るほどの放送かという主張が出てきたらしいが、訴えていることがもう二つよく分からない。NHK嫌いの人はそこそこ居るだろうし、政治的には偏向していると見ている人も多いようだ。多くの人は意にそぐわないものを嫌うものだし、まして殆ど見ないのにお金を払わされるのには抵抗を感じるだろう。どうもそうした気持ちを掬い取って票を獲得したように見える。党名も紛らわしい(おそらくわざと紛らわしくしている)し、NHKにスクランブルを掛けるというのも飛躍した単一主張だ。それだけの主張内容では政党とは呼びにくいと訝しく感じる。

 NHKが国民を害しているなら民放はどうなんだと聞きたくなる。料金を払っていないので別にどんな内容でも構わないというのだろうか。只より高いものはないと言う。只の絡繰りにも目を向ける必要があるとN国には申し上げたい。

 確かにNHKには問題がある、どんな人にも組織にも多少は問題があるものだ。問題は問題を糺そうとする姿勢があるかどうかだ。NHKには真っ当なジャーナリスト精神や放送人の自覚伝統があると思う、それが証拠に優れた人材が多い。唯、そうした人は組織の長に向いてないというか、権力の座を志向しないし、政府は政府寄りの人を好む傾向があるから独立不羈の一流の人物がNHK会長になりにくいのだろうと推測する。どちらかと言えば、NHKから国民を守る会ではなく、NHKによって国民を守る会を立ち上げて欲しいと思う。

コメント (2)
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