駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

高齢者免許返上問題

2016年11月16日 | 小考

    

 ハリルジャパンがサウジに勝てた。得点した清武原口を高く評価したい。月末にハリルホジッチ監督の進退を日本サッカー協会が検討するようだが、交代させる必要はないと思う。私の評価は7点の合格で、未だ少し伸びしろがありそうだ。

 このところ高齢者運転による人身事故報道が多い。急に増えたというわけではないと思う。たまたま重なったか、マスコミが大きく取り上げるようにしているか、いずれかだろう。こうした報道を契機に高齢者運転対策が俎上に乗るだろう。ただ、医師として申し上げたいのは、年齢だけでは分からないと言うことだ。六十を過ぎると脳身体年齢と暦年齢の個人差が大きくなり、八十過ぎたら運転は駄目とは決めつけられない。後期高齢者になったら毎年適性検査を受けるようにするのは、一つの対策だと思う。

 ただ、判定は簡単ではないし、公共交通機関のない所で生活する人には車は必須の移動手段なので、一概に厳しければ良いとも言えないと思う。それこそ、自動運転車が実用になると随分助かる人は多いと思う。

 患者さんの中には、この人運転は危ないなあと感じる人も皆無ではない。それとなく、そろそろ無理ではないですかとお話しすることもあるが、反発されることも多く、家族と協力して返納に持って行くこともある。初期の認知症は、普通の診察では医師でも気付くのが難しく社会というか地域全体の問題と捉える必要がある。唯、地域の連携といっても、実際には地域格差があるし、ご近所付き合いも疎遠になっているのが現状で、発見の遅れる認知症は多いと思う。それに個人情報が一つの壁になって、余計なことをと問題になることもありそうで、実際にはなかなか難しい問題も多い。 

コメント
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