駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

5,4,3,2・・?

2016年11月02日 | 旨い物

               

 5,4,3,2・・は一つずつ数が減る単純な数列に見えるが、さてこれが1で止まるか0で止まるか、はてまた-1と続いてゆくのかは知らない。

 昔、一丁先の角に駄菓子屋があり、店先で親父さんがみたらし団子を焼いてを売っていた。通り掛かると良い匂いがして美味しそうだったが、食べられる機会は滅多になく、誰かがお土産に買ってきてくれるか、お祭りで小遣いが貰えた時ぐらいだった。今ほど甘くない単純な醤油味で大切に食べた。私が小学校に入った頃は、団子は串に五個で一本五円だったが、徐々に値上がりし、中学に入る頃は団子が四個に減って十円になっていた。高校を卒業する頃には二十円くらいになっていたように思う。大学を卒業する頃には、親父さんは亡くなったようで団子はなくなり、お婆さんが駄菓子を売り続けていたが、しばらくして店も閉じてしまった。

 何十年もみたらし団子を忘れていたが、コンビニが出てくると一串三個になり甘辛いねっとりしたタレで再登場してきた。根強い人気があるらしい。昔の味とは違うけれども、時々食べていた。

 先日、仕事が終わり院長室に戻ると、女房があなたもどうとコンビニのみたらしを一本勧めてくれた。団子が二個しかないので食べさしかと思ったら、そうではなく一串二個に減っていた。値上げする代わりに個数を減らしたらしい。あれあれ、これではいつか一串一個の団子が出現しかねないと、みたらし団子の将来を案じてしまった。コンビニは売れ筋商品しか置かないので、いつか店先から消える心配もある。

 既に店先で焼き鳥のようにみたらし団子を焼いて売る店は絶滅した?ような気がする。あるいはまだ日本のどこかに、店先で焼きながら売っている店が残っているかも知れない。今ではみたらし団子の五本や十本くらい簡単に買える小遣いを持っているが、店先で焼いて売る店を見かけず、ひもじいような食欲も今は昔となった。

コメント (2)
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