今日も曇り空で夏の日射しはない。ただ蝉が鳴き始めている。思えば夏らしい夏は短い。八月も十日を過ぎればどんなに暑くても日射しに秋の気配が宿る。永遠を垣間見せる真夏の青空が待ち遠しい。
今朝はカーヌーンの調べを聞きながらブログを書いている。カーヌーンと聞いてもご存じない方も多いと思うが、音色は聞かれたことがあるはずだ。ナイルの調べというCDを昨日買い求めたので聞いている。CDも古本と同じように古CDとして売られる途があるようで、林画伯の「やっぱり、本」展に寄る機会があり手に入れた。
勿論、アラビアの映像の背景に流れているのを聞いたことがあるせいなのだが、弦の響きにアラビアの光景が浮かび上がってくる。私の脳の中ではナツメヤシ、砂漠、カーヌーンの響きがアラビアンセットになっているようで、アラビアンデイドリームに誘われる。不思議な異国には違いないのだが,どうしてもイスラミックステートとは結びつかない。恐ろしくても眼には眼には脈絡があるので了解可能な気もするが、蜃気楼の彼方に理解しがたい狂気も揺らいでいるようだ。
尤も狂信は琴の音色を背景にした国にも宿り得るようで、心安らぐカーヌーンの調べを聞きながら複雑な気持ちにもなった。